世の中にソーシャル・ネットワーキング・サービス、いわゆるSNSが本格的に普及し始めたのは2000年代初頭です。それまでのインターネットは低速で、画像すら表示するのに時間がかかっていました。さらに、この時代のインターネット料金のシステムといえば、ネットに接続した時間分の電話料金が課金されるというものでした。そこから「ブロードバンド」と呼ばれる、高速の定額制インターネット接続サービス「ADSL」が登場し、今ではさらに高速の「光回線」が普及しています。インターネット回線の高速化により、WEBサービスは急速な進化を遂げることになり、現在の日本のSNS利用者数は8,270万人(ネットユーザー全体に対する普及率82%)、2024年末には8,388万人へ拡大していくと予想されています。
参照元:ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
現在、SNSはさまざまな使い方をされています。個人の利用者は趣味や仕事で使う一方、企業は宣伝の方法の1つとして使っており、私たちはそれを毎日のように目にしています。SNSはもはや生活の一部であり、利用の仕方も各々個性的で、投稿の仕方など、個人の性格が細かいところにいくつも表れます。
昨年、日本テレビ系列のテレビ番組「ダウンタウンDX」から出演オファーがあり、『最強SNS診断SP』という番組に出演させていただいた際、ゲストの芸能人のSNSの写真からそれぞれの深層心理を解説するという企画を行ったのですが、面白いほどにそれぞれの芸能人の方の性格がSNSの写真に反映されていました。見てくださった方は、なるほど、と思われたのではないでしょうか?
SNSに投稿された写真から、その方の性格が理解できれば、SNS上だけでつながる間柄でも、もう少し楽に付き合えるのではないかと思います。そこで今回は、番組の中でも解説をさせていただいた、投稿の形や内容から、その方の性格を知るポイントを紹介したいと思います。
1.SNS投稿する写真の内容
まず、どのような写真を投稿するかによって、大まかな性格の傾向が見えてきます。例えば、旅行や食べたものの写真を多くあげる傾向がある方は、もちろんプチ自慢をしたいという気持ちもあるのですが、写真を見た方と楽しみを共有したいという思いがあります。
また、特定の同じ料理や同じ物を載せる方は、こだわりが強く、理屈っぽい凝り性です。注意していただきたいのが、おひとり様ご飯の写真をさりげなくアピールする方です。フリーであることのアピールにも見えますが、よこしまな気持ちをもった既婚者の投稿の可能性もあります。自撮り写真をたくさんアップする方は、自己愛が強く、同じような自撮り写真を並べてアップする方は、さらに「良く見られたい」という自己顕示欲が強いでしょう。他人が見ると同じ写真のように見えますが、ご自身には少しの差でも重要なのです。
自撮りは自分が素敵に見える瞬間をドンピシャで捕らえられます。そのために「かわいい」または「かっこいい」写真になりやすく、そのような自撮り写真をSNSのアイコンにしている人は、自己評価が高い方だといえるでしょう。良くいえば「自分に自信がある」といえますが、悪くいえば「ナルシスト」で、 少々自己アピールが強い一面があるかもしれません。自分の顔のアップなどをアイコンにしているのは、容姿に自信がある方が多いです。その中でも自撮りをアイコンにする場合、角度や表情にこだわっていることが多いため、ナルシストな一面がありつつ、社交的なタイプともいえるでしょう。
2.SNS投稿する文章の内容
SNSでの投稿で誤字、脱字が多い方は注意散漫な傾向です。ですが、「早く伝えたい」という前のめりの気持ちが強い方もいます。逆に「誤字がありました」など訂正を頻繁にする方は、悪く見られることに敏感な方、もしくは誠実で真面目な方が多いです。
「私が」の主語がとても多い方は自己中心的かもしれません。好きな映画や音楽の話ばかりの方は「私はこんな素晴らしい作品を知っている。すごいでしょう」というように賞賛されたい心理を内包していることがあります。他人に認められたい気持ちが強く、すなわち否定的な評価を恐れる可能性が高いと思われます。
他人の感情やご自身の感情について言及する投稿が多い方は、基本的に人間関係に敏感でストレスを生みやすい性格です。人間関係が上手な方ほど「気を遣う」という行動や思考が自然に身に付いているため、他人の感情やご自身の感情についてはあまり言及しません。
3.SNS投稿する文書の長さ
文章の長さも自己表現の一つです。「あれも、これも、伝えたい」という気持ちが前のめりだったり、理解・共感してほしい気持ちが強くある方は、文章が長くなる傾向があります。
SNSで長文を投稿する方の深層心理には、「自己顕示欲」と「承認欲求」が大きく関わっています。自己顕示欲とは人間が持っていて当たり前の欲求で、三大欲求といわれる「食欲、睡眠欲、性欲」に並ぶ重要な欲求です。向上心が強く、大成する方にも自己顕示欲が強い方が多いです。
そして、承認欲求とは「他人から認められたい欲求」です。自己アピールを必要以上にして、他人からの反応(お褒めの言葉)を望む方は、この承認欲求が強い方です。長い文章は、相手にいろいろな情報を伝えたいという「好意」に影響されることもありますが、逆に相手の心に不安や心配事があった場合でも(好意とは関係なく)文章が長くなることがあります。一方で文章が短い方は、文章を書き慣れているか、自信家の傾向があります。冷たい印象の短い文章を書く方は、面倒くさがり屋かもしれません。
4.SNS投稿の頻度
投稿を頻繁にする方は「承認欲求」が強い傾向があり、不特定多数にご自身の存在を認められたいという深層心理があります。
その中でも、独り言のような感情的で短い文章の投稿が多い方は「かまってほしい」という気持ちが心の奥にありそうです。夜になると急に投稿が増える方は、寂しがり屋さんです。夜は「親和欲求」が高まる傾向にあるからです。
どんな投稿内容であっても、他の方が多いと感じてしまうほど頻繁に投稿するのであれば、その方のSNSへの依存度はかなり高いでしょう。なぜ依存度が高いかといえば、SNSに触れることで誰かとつながっているという錯覚を覚え、安心感を得ることができるためです。
5.SNS上の「いいね」の数
SNSにアップしても“いいね”がつかない!
自分ではイケてると思っていたのに、どうして評価してもらえないのかな
などと、気にし過ぎて、一喜一憂してしまうという方も少なくないでしょう。
「褒められたい」「認められたい」というのは人間が当たり前に感じる健全な欲求なので、仕方ないことですが、必要以上に評価を求めるのは、自己肯定感の低さの表れです。このような方は、ご自身を否定的に捉えてしまう傾向があるのではないでしょうか。また、一般的には「いいね」が多い方は「みんなで楽しくやりたい」と考え、他者との交流を求めている方なので、外向的傾向がありそうです。
6.SNSにおけるフォロワーの考え方
「フォロワーの数」は「いいねの数」と同様、どうしても気になってしまうものです。ご自身がどれだけ世の中から必要とされているのかの物差しのように感じてしまうものともいえるでしょう。
「フォロワーは数ではない」とフォロワーの数や行動に言及する方がいますが、これを繰り返す方は逆にフォロワーの数に拘っており、プライドの高い方です。拘っているからこそ、意識が「フォロワーの数」に向いてしまい、「フォロワーは数ではない」などという言葉につながっているのです。