お墓参りの仕方について、正式な手順を教わっているわけではないため、「これで合っているのか、間違っていないか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、お墓参りの方法やマナーを知りたいと思っている方に向けて、お墓参りの作法に関する情報をご紹介します。お墓参りに必要なもの、やってはいけないことも解説しますので、お墓参りの予定がある方はぜひ参考にしてください。
(本記事は2023年12月25日時点の情報です)
この記事を読んでわかること
- お墓参りは、故人をしのんだり、お墓を管理したりするために行う
- お墓参りに行く時期はお盆やお彼岸など、時間帯はできるだけ明るい午前中に行くのがおすすめ
- 一般的なお墓参りの手順は、「お墓の掃除→お供え→線香をあげる→後片づけ」
- 宗教や宗派によってお墓参りへの考え方や方法が異なることもあるため、事前に確認するのが望ましい
お墓参りは何のためにするのか
そもそも、お墓参りは何のためにするのでしょうか。まずは、お墓参りの意味合いを確認していきましょう。
現代人のお墓参り離れ
お墓参りは、お正月やお盆などに実家に帰省したタイミングに行うケースが多いかもしれません。しかし、現代ではお墓を管理しきれず墓じまいをしたり、お墓参りへ行かなくなったりするなどの傾向が見られます。
2023年5月26日から6月1日に、男女2,000名ずつを対象に行われた「お墓参りに関する意識調査」によると、「お墓参りに行く習慣がない」と答えた方は全体の36.0%もいることがわかりました。
また、お墓参りに行く先があるのに行く習慣のない方に向けて、今後について聞くと、半数以上が「お墓参りに行く可能性はない」と回答しています。このアンケート結果からも、現代人のお墓参り離れが進んでいる様子がうかがえるでしょう。
お墓参りをする意味とは?
そもそもお墓参りをする理由をご存じでしょうか。ここでは、お墓参りをする意味を2つご紹介します。
故人をしのぶため
1つ目は、故人をしのぶためです。お墓参りをすることで故人を思い出すと同時に、命の大切さや人生の儚さに思いを馳せる時間をとります。家族のお墓参りであれば、ご先祖様に対して敬意を払いつつ、自分の心に平静さをもたらす機会を得る意味があるでしょう。
お墓を管理するため
2つ目は、お墓の管理やお手入れをする機会としての意味合いです。お墓はこまめに掃除や修繕をしなければ、徐々に劣化してしまいます。墓石や周辺をきれいにしたり、壊れている部分がないか確認したりするなど、手入れだけでなくお墓の管理のためにもお墓参りは重要です。
お墓参りはいつ行くのが適切か
続いて、お墓参りにはいつ行くのが良いのでしょうか。お墓参りに適した時期や時間帯を解説します。
お墓参りに適した時期はいつ?
お墓参りに行く時期には決まりはないので、いつ行っても問題はありませんが、一般的にお墓参りに行く方が多く適している時期は、お盆や春秋のお彼岸です。
その他、年に1回または月に1回の故人の命日や、年末年始シーズンが良いタイミングといえるでしょう。お墓が遠方にある場合には、長期休みのゴールデンウイークなどで帰省した時にお墓参りに行くのも良いとされています。
お墓参りに適した時間帯とは?
お墓参りの時間帯は、基本的には施設のルールに従いましょう。霊園によっては開園時間が決まっている場合もあります。
お墓参りするのに良いとされるのは、午前中などの明るい時間帯です。防犯面や掃除がしにくいことからも、夜間の暗い時間にお墓参りに行くのは避けたほうが良いでしょう。
お墓参りに必要なものとは?
ここでは、お墓参りに必要な掃除道具とお供えものをご紹介します。掃除道具に関しては用途についても解説しますので、これからお墓参りに行く方は、事前の持ち物チェックとして役立ててください。
【掃除道具】
- ほうき(墓石周辺の掃き掃除のため)
- 軍手(草むしり作業のため)
- ゴミ袋(ゴミや雑草などを捨てるため)
- バケツ(雑巾やたわしなどを洗うため)
- 雑巾(墓石を拭くため)
- スポンジ・たわし(墓石についた汚れやコケを落とすため)
- 手桶・柄杓(墓石に水をかけるため)
※手桶や柄杓は現地で借りられる施設・霊園もありますので、事前に確認しておきましょう。
【お供え物】
- 線香(火をつけるためのマッチもしくはライターも持参する)
- お花
その他、必要に応じて、ろうそく、お供えのお菓子、お供えを置くための半紙などを持参しましょう。
関連記事:墓参りに手ぶらで行くのは失礼?正しい作法や持ち物とは
お墓参りの手順
続いて、お墓参りの手順をご紹介します。お墓が寺院墓地にある場合は、お墓へ向かう前に本堂のご本尊へお参りをしましょう。必ず、住職にご挨拶を済ませてからお墓参りに向かってください。
お墓の掃除をする
最初にお墓を掃除しましょう。お墓掃除の手順と掃除のポイントは、下記のとおりです。
- まず、お墓周辺や区画の掃き掃除や草むしりを行いましょう。
- 墓石に水をかけて、たわしやスポンジなどを使って洗います。コケがついている場合は、きれいに落としましょう。塔婆立てなどが汚れていれば、同時に水洗いしてください。
- 墓石は石材用の洗剤を使用して洗います。そこまで汚れがひどくない場合には、水洗いだけでも問題ありません。
- 花筒・線香皿から古い花や線香を取り出し、きれいに洗います。
- 最後に、乾いたタオルでお墓についた水気を拭き取りましょう。
掃除が終わったら、手桶に水を汲んで柄杓を使い墓石に打ち水をして清めます。
お供えする
続いて、墓前にお供えをしましょう。水鉢に水、花筒に持ってきたお花を入れて、お供え物を墓前にお供えします。お花の長さは花筒に合うようにハサミなどで短く整えて、左右が対になるようにしてください。また、持ってきたお菓子などは半紙を敷いてお供えすると丁寧です。
ちなみに、仏教では「五供」と呼ばれる「香、花、浄水、灯燭、飲食」の5つがお供えの基本です。現在では「線香、花、水、ろうそく、飲食物」の5つが五供に当たるとされています。
線香をあげてお参りする
墓前にお供えをしたら、線香をあげて合掌します。一般的な線香のあげ方は、線香の束を2つに分けて火をつける方法です。
ただし、宗教や宗派によって線香のあげ方が異なる場合があるため、正式な作法を知りたい方は、事前にチェックしてからお墓参りに行きましょう。
後片づけをする
最後に後片づけを行います。お供えした花や線香はそのままにしても問題ありません。しかし、お供えしたお菓子はカラスなど動物に荒らされてしまう可能性があるため、必ず持ち帰るようにしてください。
また、掃除のときに出たゴミの処理方法は、施設のルールに従いましょう。備え付けのゴミ箱がない場合は、ゴミを持ち帰ってください。
お墓参りのマナーや注意点
ここでは、お墓参りのマナーとして、服装やお参りの順番、宗教や宗派による違いを解説します。
お墓参りに適した服装
法要などが行われる場合は喪服を着用しますが、お墓参りだけの場合は決まった服装はありません。普段着で構いませんが、ご先祖様に感謝を伝える目的を考慮して、失礼にならない服装を心がけてください。あまり派手な服装ではない方が好ましいでしょう。
お墓参りの順番とは
お墓参りに親戚一同で行った場合は、まず全員で墓前に合掌します。お参りをする順番は、故人と関係が近しい方から行ってください。地域によって考え方が異なる場合もありますが、基本的には配偶者などから始まり、親族、友人と血縁順に続きます。
宗教や宗派によってお墓参りへの考え方は異なる
お墓参りへの考え方は、宗教や宗派によって異なります。そのため、同じ親戚でも宗教や宗派が違う場合などは、お墓参りの作法が異なるため事前に確認しておきましょう。
例えば、仏教では宗派ごとの作法があったり、神道では線香ではなく玉串や神饌(しんせん)と呼ばれる酒や米などをお供えすることがあったりします。
霊園のルールに従う
お墓参りは、霊園のルールに従って実施してください。例えば、ペットの入場を禁じていたり、火災防止のため芝生墓所では線香をあげることが禁止されていたりする霊園もあります。また、閉園時間が決まっている霊園もあるため、時間を守った上でお墓参りへ行きましょう。
関連記事:お墓参りがめんどくさい…負担を軽減する方法はある?
お墓参りで「やってはいけないこと」とは?
ここからは、お墓参りでやってはいけないといわれていることをご紹介します。
お墓参りにひとりで行ってはいけないって本当?
「お墓参りにひとりで行ってはいけない」という言い伝えがあります。お墓参りに行く方の安全を配慮して、そのようにいわれるようになったそうです。
例えば、お墓が山奥にあったり、墓までの道が整備されていなかったりするなど、危険なケースもあります。そんな場所にひとりで向かい、万が一ケガをしてしまったら対処できません。そのため、お墓参りをする方の安全を考えて「ひとりでのお墓参りは避けるべき」とされているわけです。
「ひとりで行ってはいけない」といわれていますが、絶対にしてはいけない決まりはありません。安全にお墓参りをしたいのであれば、家族などにお墓参りに行く旨を事前に伝えておくのもひとつの方法です。
お墓参りで「やってはいけないこと」とは?
お墓参りでは、やってはいけないとされる行いがいくつかあります。
例えば、「故人が好きだったから」といった理由から、お酒などの飲みものを墓石にかける行為が挙げられます。飲みものをかけると、墓石の劣化につながるため、お供えしたい場合はお酒をおちょこやコップに入れて、墓前に置いてあげましょう。
また、お供えしたお菓子や食べものをそのまま放置する行為もしてはいけません。カラスなどに荒らされて、お墓が汚れてしまったり周囲の方に迷惑をかけたりすることになるため、必ず持ち帰るようにしてください。
お墓参りに行かなければ不幸になるのは本当?
「お墓参りに行かなければ運が悪くなる、不幸になる」といわれることがありますが、お墓参りに行かないことで不幸になるといったことはないそうです。お墓が遠方にあったり、仕事で忙しかったりする場合には、あまりお墓へ足を運べない方もいるでしょう。
お墓参りで重要なのは、ご先祖様や故人に対して感謝の気持ちを伝えることです。お墓まで行くことが難しい場合は、仏壇に手を合わせるだけでも良いとされています。
おすすめのお墓参り代行サービス
「お墓が遠方でなかなか足を運べない」「お墓の掃除ができていないことが気にかかっている」などのお悩みを抱えている方もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、お墓参りやお墓掃除の代行を依頼することで解決できます。
セゾンカードでおなじみのクレディセゾングループの会社「くらしのセゾン」が提供するお墓参り・お墓掃除代行サービス「墓もりくん」は、さまざまな理由によってお墓参りに行けていない方の代わりに、真心を込めてお墓参りとお掃除を代行するサービスです。特徴やメリットは下記のとおりです。
- お墓のお掃除が終わった後は、写真つきの報告書をメールもしくは郵送で送付されます。現在のお墓の様子が確認できるので安心です。
- くらしのセゾンでは、全国各地でサービス提供が可能です。サービス対応エリアは、WEBサイト上でご確認ください。
- オプションを活用すれば、献花・お線香・お供物など柔軟な対応も可能です。次回の指定する時期にサービスの案内をしてくれるアフターフォローもあります。
お墓のお掃除は専門のプロが丁寧に行い、拭き掃除から水洗い、草取りや落ち葉の清掃まで対応してくれます。お掃除するだけでなく、心を込めて合唱をしてくれるので、お墓参りできない方も安心です。
また、「墓もりくん」には定期プランもあります。1年に2~4回など、定期的にサービスを利用したい方にお得なプランです。気になる方は問い合わせて相談してみましょう。
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おわりに
お墓参りの仕方については、基本的なルールやマナーなど守ったほうが良いこともあります。ご先祖様のお墓をきちんと管理して、いつまでもきれいに保つことが大切です。お墓参りに行けずにお悩みの方は、お墓参り・掃除代行サービスのご利用も検討してみてください。