お風呂のゴムパッキンにどうしても生えてきてしまう黒カビの存在は、誰もが嫌なものではないでしょうか。カビがある状態は、見た目はもちろん身体にも影響がないか心配です。そこで今回は、お風呂のゴムパッキンにカビが発生する原因を追究し、生えてしまったカビの除去方法についても併せて紹介していきます。お風呂のカビが絶えず発生することに悩んでいる方は必見です。原因を把握して、カビ予防もしっかり行っていきましょう。
ゴムパッキンにカビが生えてしまったら、すぐに対処しましょう。カビの除去方法として最も殺菌・漂白の効果が高いのは、塩素系漂白剤です。匂いや刺激が気になる方は酸素系漂白剤、小さな子どもがいるご家庭では重曹+クエン酸を用いる方法がおすすめです。ポイントはキッチンペーパーやラップを使って、カビ取り剤をカビにしっかり密着・浸透させることです。
また、常に換気をする、お風呂の水気を拭き取るなどをルーティーン化することでカビの発生を抑えることができます。
ゴムパッキンにカビが生えやすい理由
ゴムパッキンに生えるカビの胞子は「真菌」と呼ばれる微生物の一種です。私たちの目には見えませんが、カビの胞子は常に空気中を漂っており、いくら掃除をしても取り除けません。カビの胞子は単体では増殖することはありませんが、ある条件が整うと出芽し、どんどん増え続けていきます。
カビが繁殖するには、以下の4つの条件が必要です。逆にいうと4つの条件全てが満たされない場合は繁殖を抑えることができます。
- 温度(5℃~35℃前後で繁殖を行い、20℃~30℃程で活発になる)
- 湿度(湿度が80%以上になるとカビにとって快適な環境になる)
- 栄養分(ホコリ・石鹸カス・人間の垢など)
- 酸素(空気に触れることでより活性化する)
また、ゴムパッキンにつく黒カビは湿気を好むタイプのカビで、ある程度の乾燥に耐える性質を持っています。カビはゴムパッキンの奥深くに侵入できるため、ゴムパッキンはカビにとって湿度が上がるまでの良い潜伏場所となっているのです。
お風呂場の環境は、カビが繁殖する4つの条件を満たしていることに加え、ゴムパッキンが随所に使用されています。よって、お風呂場のゴムパッキンにはカビが発生しやすいといえるでしょう。
ゴムパッキンに生えたカビの落とし方
ここからは、お風呂のゴムパッキンに生えてしまったカビの落とし方を紹介します。市販のカビ取り剤を使う方法と、重曹やクエン酸を使った方法がありますので、参考にしてみてください。
市販のカビ取り剤を使う方法
市販されているカビ取り剤は、大きく分けて2種類に分けられます。それは「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」です。
塩素系漂白剤は酸素系漂白剤に比べて高い除菌効果が期待できるため、ゴムパッキンの深くまで侵入しているカビや時間が経過した頑固なカビ取りにおすすめです。また、塩素系漂白剤のツンとした強い匂いが苦手な方は、酸素系漂白剤を使うと良いでしょう。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤を使ってゴムパッキンのカビを取る際には、片栗粉を合わせて使うと液が垂れずカビに密着したままにでき、より効果を発揮します。掃除を始める前にカビが生えている部分の水気をよく拭き取って乾燥させておくことも、漂白剤をしっかり浸透させるためのポイントです。
【用意するもの】
- 塩素系漂白剤
- 片栗粉
- ゴム手袋
- 洗面器
- 割りばし
- 食用ラップ
【手順】
- カビが発生している部分の水気をよく拭き取る
- 塩素系漂白剤と片栗粉を1:1の割合で洗面器に入れ、割りばしでペースト状になるまで混ぜる
- 黒カビが生えている部分に②のペーストを塗る
- ペーストの蒸発を防ぐために、塗った部分をラップで覆う
- そのまま15分~30分ほど置く
- ラップを外し水で洗い流す
市販されている塩素系漂白剤の中には刺激が強いものがあるので、ゴム手袋を着用し、直接肌に触れないよう注意しましょう。最後に水ではなくお湯で流すと、匂いが室内に充満し刺激が強く感じられることがあるので、必ず水で流します。
酸素系漂白剤
酸素系漂白剤を使う場合は、ペーストを塗ってから置いておく時間が塩素系漂白剤と異なります。ペーストを作る際のお湯の温度もポイントです。
【用意するもの】
- 酸素系漂白剤(粉末タイプ)
- お湯(40℃~50℃)
- ゴム手袋
- 洗面器
- 割りばし
- 食用ラップ
- 使い古した歯ブラシ
【手順】
- カビが発生している部分の水気をよく拭き取る
- 洗面器に入れた粉末の酸素系漂白剤に40℃~50℃のお湯を少しずつ加え、割りばしで混ぜペースト状にする
- 黒カビが生えている部分に②のペーストを塗る
- ペーストの蒸発を防ぐために、塗った部分をラップで覆う
- そのまま1時間~6時間ほど、カビの様子を見ながら置く
- ラップを外し使い古した歯ブラシで軽くこすり、黒カビを落とす
- 水で洗い流す
酸素系漂白剤は溶かすお湯の温度が低温でも高温でも効果が発揮されにくくなります。適正温度は使用する酸素系漂白剤によって上下する場合があるため、商品説明を確認してみてください。
重曹+クエン酸で落とす方法
重曹とクエン酸を用いる方法では、市販のカビ取り剤を使う方法より効果は弱まります。しかし、自然環境を気にされる方や、小さなお子さんやペットがいる方など強い漂白剤を使うことをためらう場合におすすめの方法です。
【用意するもの】
- 重曹
- 洗面器
- クエン酸:小さじ1
- 水:200ml~
- 空のスプレーボトル
- 割りばし
- 食用ラップ
- 使い古した歯ブラシ
- ゴム手袋
- 雑巾
【手順】
- カビが発生している部分の水気をよく拭き取る
- 洗面器に重曹を入れ、少しずつ水を加えながら割りばしでペースト状になるまで混ぜる
- 空のスプレーボトルにクエン酸と水を入れ、振ってよく混ぜクエン酸水を作る
- 黒カビが生えている部分に②のペーストを塗る
- 塗った部分の上から、クエン酸水を吹きかけ、上からラップで覆う
- そのまま1時間ほど、カビの様子を見ながら置く
- ラップを外し使い古した歯ブラシで軽くこすり、黒カビを落とす
- 水で洗い流す
重曹とクエン酸はそれぞれ油汚れや水垢などにも効果的です。カビ取りはもちろん汎用性の高い掃除アイテムとして持っておくのも良いでしょう。
ゴムパッキンのカビを除去する際の注意点
カビを除去する際は、どのようなことに気をつけると良いでしょうか。知らないままでいると、カビの繁殖を促してしまうケースや身体に害が及ぶケースが出てきます。特に塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の取り扱いには注意が必要です。それでは、詳しくみていきましょう。
掃除機は使用しない
カビを掃除機で吸い込んでしまおう、と考える方もいるかもしれませんが、これは逆効果です。掃除機でカビを吸い込んでも、排気口から外に出てしまうどころか、拡散してしまいます。また、排気口から外に出きらなかったカビが掃除機内で繁殖する恐れも出てくるので、掃除機の使用は避けましょう。
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤を混ぜない
塩素系漂白剤と酸素系漂白剤を混ぜると、人体に有害な塩素ガスが発生します。過去には、2つのカビ取り剤を混ぜて発生した塩素ガスが原因で、死亡や失明したケースも報告されています。決して混ぜることのないよう注意しましょう。
以下に、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤で市販されている代表的なものをまとめました。ご家庭にあるものと一致するものがあれば、2つを混ぜないよう気を付けてご使用ください。
- 塩素系漂白剤・・・カビキラー、キッチンハイター、カビハイターなど
- 酸素系漂白剤・・・酢、サンポール、クエン酸など
換気はしっかりと
カビを除去する際には、しっかり換気をしながら作業を行うことが大事なポイントです。なぜなら、換気が足りないと、スプレーした塩素系漂白剤の霧を吸い込んだり、ツンとした匂いを嗅いだりすることで、気分が悪くなるだけでなく、目や喉を傷める恐れがあるからです。
ほかにはカビ取り剤による呼吸器への刺激やカビの毒による害もあるので、カビ取りの除去を行う際は換気とセットと覚えておいてください。
また、前述したとおりカビは湿度が高い場所を好みます。室内を乾燥させることによって、カビの繁殖を抑えることができるので、換気扇を回してできるだけ室内の湿度を下げるよう心がけましょう。
カビを吸い込まないよう気をつける
カビを取る作業を行う中で、カビの胞子を吸い込んだり、ホコリやアレルギーを発生させる物質などを吸い込んだりすることによって、身体に影響を及ぼす場合もあります。
カビの除去を行う際は、鼻からアゴまで全部をカバーできるマスクを着用し、吸い込まないように注意しましょう。
しつこいカビはプロに任せる
しつこいカビを力任せにこすって無理やり落とそうとすると、ゴムパッキンを傷める危険があります。また、広範囲にカビが広がってしまい手に負えない状態になってしまった場合はプロにお任せして取ってもらうことも、ひとつの方法です。
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ゴムパッキンのカビがなかなか落ちない原因は?
カビ取り剤を使用しても、お風呂のゴムパッキンのカビが落ちない経験をされた方もいるでしょう。それはなぜでしょうか。実はカビが落ちない原因は掃除のやり方にあったのです。ではどのようなことがゴムパッキンのカビが落ちない原因となるのか、その対処法も併せて解説していきます。
カビ取り剤が密着している時間が短い
カビ取り剤は、カビに密着している時間が長いほど効果が表れやすいです。カビ取り剤をスプレーした時に液が垂れてしまうと、カビと密着している時間が短くなってしまうため、効果が弱まりカビが残ってしまうことも。しつこいカビにはよりカビ取り剤を密着させる「湿布法」が効果的です。
湿布法の手順
- カビ取り剤をスプレーした部分を上からキッチンペーパーで覆う
- キッチンペーパーで覆った上からさらにスプレーを吹きかける
- そのまま10分ほど置き、カビの取れ具合を確認して取り切れていない場合はさらに20分ほど置く
- カビが取れたらキッチンペーパーを外し水で洗い流す
湿布法を使っても取り切れない場合は、キッチンペーパーに重ねてラップで覆うとカビ取り剤の蒸発が防げるため、より効果が強まります。
カビ取り剤の殺菌力が弱い
先ほど、カビの除去作業を行う場合に使うカビ取り剤には、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤などを紹介しました。
その中でも塩素系のカビ取り剤は「次亜塩素酸ナトリウム」という成分が入っているため、殺菌と漂白の効果が優れている点がメリットです。非塩素系のカビ取り剤では、殺菌と漂白の効果が塩素系と比べると弱いため、カビが残る原因となってしまいます。
対処法としては、非塩素系のカビ取り剤で取り切れないカビの場合は、塩素系のカビ取り剤を使用すると良いでしょう。
カビの色素が付着している
カビを殺菌できたとしても、ゴムパッキンに黒い色が残ってしまうことがありませんか。これは、黒カビの色素が残っていたり、変色したりしたためにカビ取り剤では漂白しきれていない状況にあります。
塩素系漂白剤を使って繰り返し湿布法を行うことで、多少は取り除くことも期待できますが、なかなか全てを落とすことは困難です。カビを見つけたら放置せず、早急に掃除を行うことで色素の付着を回避できるでしょう。
水分が残っているところにスプレーしている
カビが付着しているゴムパッキン部分に水分が残っている状態でスプレーをした場合、カビ取り剤が薄まってしまい、効果が半減してしまいます。カビを取り切るコツは、カビ取り剤を密着させることなので、スプレーをする前に必ず乾いた布か固く絞った布で水分を拭きとってから行いましょう。
中までカビが浸透していて取れない場合は交換も検討
あらゆるカビの除去方法を試してみても取れないカビは、ゴムパッキンの奥深くまで浸透している可能性があります。カビの色素沈着もそうですが、カビや色素が取り切れずに残ってしまう場合は交換を検討されてはいかがでしょうか。
くらしのセゾンでは、住まいのリペアサービスを承っております。水まわりのコーキング補修やカーテンレールのつけ直しなど、住まいに関するちょっとしたお直しをされたい方にピッタリです。気になる方は見積もりだけの相談でも可能なので、ぜひお問い合わせください。
お風呂のゴムパッキンのカビを予防するにはどうすれば良い?
これまでカビの除去方法に関してまとめてきましたが、カビが発生しないことに越したことはありません。カビを予防する方法をしっかり把握して少しでもカビの発生を抑えましょう。
換気扇を24時間回す
カビは湿気が高い場所を好みます。そのため浴室は常に乾燥を保てるように、24時間換気扇を回しましょう。
お風呂上りにお湯をかける
お風呂上りにはゴムパッキンをはじめ浴室全体に、シャワーで50℃以上のお湯をかけましょう。熱いお湯をかけることで、浴室に残った石鹸カスやホコリなどのカビの栄養分を流すことができます。
そのままにしていると浴室の温度があがったままなので、最後に冷たいシャワーをかけることも忘れずに行いましょう。
入浴後に水気を拭きとる
入浴後は、ゴムパッキンや床のタイルなど水気が残りそうな部分を雑巾などで拭き取りましょう。拭き取ることで、水気を好むカビを予防できます。
ロウを塗る
ロウを塗るという方法は意外かもしれませんが、ロウをゴムパッキンに塗ることで水分の付着を防ぐことができます。
ご家庭にあるロウソクで構わないので、ゴムパッキンに薄く塗っておきましょう。また、ロウを塗ることに抵抗がある方は、ロウソクの代わりにマスキングテープを張って予防する方法もおすすめです。ロウと同じようにカビの繁殖を抑える効果が期待できます。
おわりに
カビが発生する原因は温度・湿度・栄養分・酸素の4つの条件が必要ということが分かりました。この4つの原因のひとつでも欠けるとカビは発生しません。
普段から換気をしたり、水気を拭き取ったりといったルーティーンを設ければ、カビの発生を防ぐことにつながります。どうしてもカビが発生してしまったら、カビ取り剤を密着させて上手に取り除きましょう。
大切なことはカビが発生したらすぐに対処することです。カビのないクリーンなお風呂をめざしましょう。
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