近年、獣医療の進歩や飼い主の意識の向上、さらにフードなどの進化によりペットの平均寿命が長くなりました。その結果、ペットの介護について悩んでいる人も多くなっています。そのような悩みを持っている飼い主の助けとなるのが「老犬ホーム」です。このような施設を必要とされている飼い主の主な悩みとしては以下が挙げられます。
- ペットの認知症による昼夜の逆転や夜鳴きの悩み
- ペットが寝たきり状態になってしまい食事や排泄のサポートをする必要があるが、何らかの事情によって四六時中、飼育ができないことの悩み
- 飼い主自身の体力の低下による悩み
今回はジャペル株式会社が運営する「あにまるケアハウス(埼玉県加須市)」を訪問し、実際の現場を取材した内容を踏まえて、老犬ホームや施設を選ぶ際の5つのポイントについて詳しく解説いたします。
老犬ホームとは
老犬ホームとはその名の通り、介護が必要になった犬を施設に入れ、専門家の手によって飼育をしてもらう施設のことです。近年、ペットの高齢化により老犬ホームは増加傾向にありニーズが高まってきています。
今回、取材をした「あにまるケアハウス」におけるペットの1日の過ごし方は以下のような流れです。
【1日の過ごし方】
- 9:00 起床、健康チェック、掃除、排泄
- 9:30 朝ご飯
- 10:00 午前の運動(ドッグランやテラスで自由に遊ぶ)
- 12:00 お昼寝
- 14:00 お手入れ
- 16:00 夕ご飯
- 16:30 午後の運動(お友達やスタッフと遊ぶ)
- 18:00 就寝(自分の部屋でゆっくり過ごす)
愛するペットを老犬ホームに入れることで、ペットが飼い主から離れることは、ペットにとってマイナスなのではないかと考える方もいらっしゃると思います。
しかし、実際の現場を取材すると、施設にいる犬たちが仲間と広いドッグランを楽しそうに自由に歩いている姿や、明るい表情を見ていると考えが変わります。もちろん施設に入れることは犬の向き不向きや賛否両論があると思います。ただし、人と動物による共生社会を築いていくためにも老犬ホームは重要なインフラであることも事実です。
老犬ホームを選ぶ5つのポイント
① 適度な運動をさせることができる環境があること
自宅などの限られた空間では、認知症の犬が障害物にぶつからずに歩くことや高齢で足腰が弱っている犬に負担が少ない環境を作ることはとても大変です。また、可能な限り認知症の状態でも適度な運動をさせることはとても大事です。適度な運動をすることで筋力の低下を軽減することができ、健康寿命の延伸に好影響を与えることができるといわれています。
よって、施設を選ぶ際には犬が適度な運動をすることができる環境については必ず確認をすることが大切です。欲をいえば、運動環境において最適なのはやはり芝生です。芝生の上であれば足腰の負担を軽減できるだけではなく、自然の匂いを嗅ぎ、太陽の光を浴びることで健康寿命の延伸につながるといわれています。
② 365日いつでも会いにいくことができること
愛犬を施設に預けたとしても飼い主の気持ちとしては定期的に会いたくなるのは本心です。よって、施設はアクセスが便利であることをおすすめします。遠方になると飼い主が通うことによる疲労や出費がかさんでしまい別の負担が発生してしまいます。
また、仕事をしている方や時間の制約がある方にとっては会うことができる曜日や時間帯が幅広いことを事前に確認しておくことも重要です。
③ 施設のサポート体制がしっかりしていること
施設の運営体制もしっかりと確認をすることが重要です。施設内にカメラを設置することによる監視環境や24時間の見守り体制などを確認しましょう。
近隣に動物病院があることも大切です。具合が悪い時、施設の方によって獣医師の診察を受ける環境であることも確認しましょう。
また、施設に入っていても様子はとても気になります。施設のスタッフから入所後の様子などを送ってくれる仕組みの有無についても確認することが大切です。
④ 施設の設備がしっかりとしていること
施設の空調管理や消臭対策など犬が快適に過ごせる環境であることを確認することも重要です。現在は動物愛護法が改正され、犬のサイズによってケージのサイズが決められています。このような意識の有無を施設選びのポイントにすることも重要であると考えられます。
⑤ 施設体験システムがあること
①~④は飼い主側の目線によって決めることができますが、最後は犬の気持ちを尊重してあげることが重要です。施設へ仮入所する体験コースが用意されていることを確認しましょう。一説では3~4日ほどで犬は施設に馴染むことができることが多いようです。1~2日だけの体験コースだけではなく1週間の体験コースの有無なども確認しておくことが施設選びには大切です。
施設入所の流れは5つのステップ
一般的な施設への入所の流れは以下の通りです。また、カウンセリングをする施設は多く、ペットが重篤な疾患、伝染病に罹患している場合には入所ができない場合があることを事前に認識しておきましょう。
入所をするための5つのステップ
- 電話やメールで問い合わせ
- 施設にてカウンセリング(※預ける施設を確認する)
- 入所の申込み
- 料金の支払い
- 入所
入所前に初期費用や預かり料金を支払いすることが多いようです。中長期になると費用も高額になる場合もありますので、早めに計画しておくことをおすすめします。
おすすめの老犬ホーム「あにまるケアハウス」
今回、2021年4月9日に埼玉県加須市にオープンしたジャペル株式会社が運営を行う「あにまるケアハウス」をおすすめします。
あにまるケアハウスの4つの主な特徴
- 340坪の天然芝ドッグラン
- 関東1都7県から車で約60分、新宿駅から電車で約80分とアクセスがとても良い
- 多彩なお預かりプランを用意
- 運営母体はペットフード・ペット用品の卸売業の最大手であるジャペル株式会社(愛知県春日井市)であることによる安心感
そして、あにまるケアハウスではペットを1泊から預けることも可能です。さらに、預かりには年齢制限の上限がないため、ペットの年齢が10歳以上になり、ペットホテルに預けることができずに旅行を諦めていた方にも、ペットホテル代わりとしても活用することができます。
- お電話でのお問い合わせ
フリーダイヤル 0120-57-8102(9:00~18:00) - メールでのお問い合わせ
車など犬の送迎手段をお持ちでない方でも事前に相談をし、実費を負担することで送迎を行ってくれます。是非、老犬の介護でお悩みの方は、一度お電話やメールで相談をしてみることをおすすめします。随時、見学も行うこともできますので、是非一度、足を運んでみると理解が深まると思います。
おわりに
今回は「老犬ホームを選ぶポイント」について説明しましたが、何らかの事情によりペットの介護について悩んでいる方は多いでしょう。老犬ホームだけがペットの介護の悩みを解決する選択肢ではないと思いますが、今回の取材を通じ、状況に応じて介護サービスを活用することは大事な選択肢のひとつであることがわかりました。
さまざまなサービスを活用することで精神的な余裕や時間的な余裕ができ、ペットとの明るい余生を過ごすことができると良いですね。