スマホがWi-Fiに繋がらないと、モバイルデータ通信量を消費してしまうので大変不便です。Wi-Fiが繋がらない原因は、スマホ本体だけでなくモデムやルーターの不具合も考えられるため、どこから対処すれば良いか分からない方が多いのではないでしょうか。そこで本コラムでは、以下の3つを中心に解説します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- スマホがWi-Fiに繋がらない事象
- スマホがWi-Fiに繋がらない原因
- スマホがWi-Fiに繋がらない場合の対処手順
スマホがWi-Fiに繋がらない時の事象を紹介
スマホがWi-Fiに繋がらない原因は、スマホのほか、ルーターなどの通信機器の問題が考えられます。スマホや接続環境に原因がある場合の事象は、主に次の2つです。
- スマホにWi-Fi接続マークが表示されない
- 特定の端末だけ繋がらない
モデムやルーターに問題がある場合の事象は、主に以下の3つです。
- スマホに「IPアドレス取得中」と表示されたまま動かない
- スマホ「IP設定エラー」と表示される
- スマホにWi-Fi接続マークが表示されているがネットには繋がらない
このような事象が起こった場合には、スマホや接続環境、モデムとルーターの原因を一つひとつ確認していく必要があります。
スマホがWi-Fiに繋がらない原因
スマホがWi-Fiに繋がらない場合、以下の3つのサービス・機器の問題が考えられます。3つのサービス・機器の役割は、以下の表に記載のとおりです。
プロバイダ | 光回線等を利用して、インターネットに繋げるサービス。インターネット回線を引く際に併せて契約する。 |
モデム | インターネット回線のアナログ信号や光信号を、パソコンが理解できるデジタル信号に変える機器。光回線の場合「ONU」という。 |
ルーター | 複数の端末をインターネットに接続する機器。Wi-Fi機能をもったルーターを「Wi-Fiルーター」という。 |
ここでは、各機器や接続環境の問題から、スマホがWi-Fiが繋がらない原因を解説します。
スマホの設定に関する3つの原因
スマホの設定が原因で、Wi-Fiに繋がらない場合があります。具体的には、スマホのWi-Fi接続や機内モードの設定、セキュリティアプリが接続をブロックしている可能性があるため、順に確認してみましょう。
Wi-Fiがオフになっている
スマホのWi-Fi接続がオフになっている可能性があります。Wi-Fiがオフになっている時には、スマホの上部のステータスバーに、扇形のWi-Fiマークが表示されません。Androidの場合は設定画面の「ネットワークとインターネット」から、iPhoneの場合は設定画面の「Wi-Fi」から、接続がオンになっているかどうか確認しましょう。
参照元:Android デバイスを Wi-Fi ネットワークに接続する – Android ヘルプ
iPhone、iPad、iPod touch で Wi-Fi に接続する – Apple サポート (日本)
機内モードがオンになっている
スマホが機内モードになっている時は、Wi-Fiに接続できません。機内モードとは、飛行機内でスマホ通信をすべて遮断するために使う機能です。すべての通信とは、以下の4つを指します。
- Wi-Fi
- モバイル通信
- Bluetooth
- GPS
スマホ上部のステータスバーに飛行機の形の機内モードマークが表示されている時は、機内モードがオンになっています。Androidでは設定画面の「ネットワークとインターネット」から、iPhoneでは設定画面の「機内モード」から、機内モードがオフになっているかどうか確認しましょう。
参照元:Android デバイスのインターネット接続の問題を解決する – Android ヘルプ
iPhone、iPad、iPod touch、Apple Watch で機内モードを使う – Apple サポート(日本)
セキュリティアプリが接続をブロックしている
「セキュリティアプリ」を入れている場合、アプリにブロックされWi-Fiに接続できない可能性があります。セキュリティアプリは、ウイルス感染のリスクがあるフリーWi-FiやWebサイトの接続をブロックする仕組みです。しかしセキュリティ強度の設定に問題があった場合、通常のWi-Fi接続をブロックしてしまうことがあります。一度セキュリティアプリを停止して、再接続してみてください。
参照元:ノートンを無効にしないとインターネットに接続できない問題を解決する
ネットワークに接続できない場合の確認方法 · Trend Micro for Home
モデムやルーターに関する2つの原因
モデムやルーターが原因で、スマホがWi-Fiに繋がらない可能性があります。モデムやルーターの不具合の場合、機器の状態を示すランプで確認できます。以下で詳しく解説していますので、一つひとつ確認してみてください。
モデムとルーターのケーブルが適切に正しく挿さっていない
Wi-Fiが繋がらない場合、モデムとルーターのケーブルの配線が間違っている、または正しく挿さっていない可能性があります。壁からの配線とモデムの接続は、回線業者が工事の際に行います。しかし、モデムとルーターの接続は自身で行うことが多いため、誤った配線をしているかもしれません。またモデムやルーターを移動する際に、ケーブルが抜けてしまった可能性もあります。Wi-Fiが繋がらない時は、ケーブルの配線や接続を確認してみましょう。
参照元:親機とパソコンをLANケーブルで接続します | バッファロー
モデム(ONU)とルーターの不具合
モデムとルーターの状態や接続に不具合が起きている可能性があります。不具合は、機器本体についているランプの色や点滅で確認できます。モデムのランプが示している機器の状態は、以下の表で確認しましょう。いずれも緑のランプが点灯していれば正常です。
ランプの意味 | 正常ランプ | 異常ランプ | |
認証(AUTH)ランプ | ONUの状態 | 緑点灯 | 消灯 |
UNIランプ | ルーターやスマホとの接続状態 | 緑点灯、緑点滅 | 消灯 |
光回線ランプ | 光回線との接続状態 | 緑点灯 | 消灯、橙点灯、橙点滅 |
電源ランプ | 電源の状態 | 緑点灯 | 消灯、赤点灯、赤点滅 |
参照元:UNIの点滅は故障?光終端装置ONUのランプの状態の意味と異常時の対処法 | @niftyIT小ネタ帳
ルーターの不具合を示すランプは、主に以下の2つの場合に表示されます。
- ルーターとインターネット回線の接続に異常がある
- ルーターのWi-Fiの電波が出ていない
以下の表で、それぞれの場合に表示されるランプの点灯を確認しましょう。メーカーによってランプの名称が変わるため注意してください。
ルーターとインターネット回線の接続異常 | ルーターからWi-Fiの電波が出ていない | |
BUFFALO | 「INTERNET」ランプが消灯、低速点滅 | 「WIRELESS」ランプが消灯、点滅 |
ASUS | 「電源」ランプが消灯 | 「5GHz/2.4GHz」ランプが消灯 |
TP-Link | 「インターネット」ランプが消灯 | 「5GHz/2.4GHz」ランプが消灯 |
I-O DATA | 「お知らせ」ランプが点滅 | 「5GHz/2.4GHz」ランプが消灯 |
ELECOM | 「POWER」ランプが消灯 | 「5GHz/2.4GHz」ランプが消灯 |
参照元:BUFFALO、ASUS、TP-Link、I-O DATA、ELECOM
モデムとルーターの不具合は、それぞれの機器の電源を一度切り、再起動すると解消される場合があります。ルーターとモデムのアダプターを抜き電源を切ってから、再起動してみてください。
接続環境に関する3つの原因
Wi-Fiやインターネット回線の接続環境が、スマホがWi-Fiに繋がらない原因となっている場合があります。具体的には、ルーターとスマホの間に障害物や他の電波がある状況や、プロバイダの不具合によってインターネット接続自体ができない場合です。
ルーターとスマホの距離が遠いまたは障害物がある
ルーターとスマホの間に天井や壁があると、電波が届かないことがあります。スマホをルーターの近くに持っていき、Wi-Fiに接続できるかどうか確認してみましょう。また障害物によりWi-Fiが繋がらない場合には、2.4GHzの周波数帯を使うことでWi-Fiに接続できることがあります。
Wi-Fiでは、5GHzと2.4GHzの周波数帯の選択が可能です。周波数帯は、Wi-Fi接続先設定の画面で選択できます。5GHzは「接続先名 – a」2.4GHzは「接続先名 – g」と表示されています。例えば、BUFFALOのルーターであれば「buffalo-a-xxx」「buffalo-g-xxx」といった接続先です。それぞれの違いを、以下の表で確認してください。
周波数帯 | 接続先名 | 特徴 |
5GHz | 接続先名 – a | 天井や壁などの障害物に弱いが、2.4GHzに比べて安定し高速通信が可能。 |
2.4GHz | 接続先名 – g | 天井や壁などの障害物に強いが、他の電子機器の電波に弱い。 |
障害物によりWi-Fiが繋がらない際には、障害物に強い2.4GHzを利用してみましょう。例えば、2階建ての住宅でルーターを1階に置いている場合、2階でスマホを使う際には2.4GHzを使うことで、Wi-Fiが繋がりやすくなる可能性があります。Wi-Fiの使用環境に合わせて、適切な接続先を選びましょう。
参照元:Wi-Fiルーターの周波数帯(2.4GHz帯/5GHz帯)の違いについて | バッファロー
電波や電磁波を使う機器が電波に影響している
スマホ以外の電子機器や電波の影響を受けて、Wi-Fiが繋がらない場合があります。その場合、電子レンジやBluetooth接続をしている機器を停止してみてください。マンションでは、他の部屋からの電波も影響している可能性もあります。
他の電波が影響している場合、Wi-Fiの接続先を5GHzにすることで繋がりやすくなる場合があります。2.4GHzの周波数帯は、他の電子機器の電波の影響を受けやすいためです。Wi-Fiが他の電波の影響を受けている疑いがある場合は、接続先を変更してみてください。
プロバイダの不具合
プロバイダの通信障害やメンテナンスによって、インターネットが利用できなくなってる可能性があります。通信障害やメンテナンスの情報は、プロバイダのWEBサイトで確認しましょう。例えばNTTぷららでは、都道府県ごとに現在起こっている障害・メンテナンス情報をWEBサイト上で確認できます。プロバイダによる問題が疑われる際には、WEBサイトを確認してみてください。
参照元:メンテナンス・故障情報 | 会員サポート | ぷらら
スマホがWi-Fiに繋がらない場合の対処手順
スマホがWi-Fiに繋がらない時には、スマホやルーターなどの機器、通信環境に原因があります。原因を突き止めるためには、機器や通信環境を一つひとつ確認していくことが大切です。ここでは、Wi-Fiが繋がらない時の原因を確認する手順を解説します。
スマホの設定を確認
はじめに、スマホのWi-Fi設定に問題がないかどうか確認しましょう。確認するポイントは、以下の2項目です。2つのポイントが確認できれば、スマホのWi-Fi設定には問題がありません。
- スマホのWi-Fi設定がオンになっているか
- スマホの機内モードがオフになっているか
接続環境と通信機器を確認
スマホのWi-Fi設定に問題がない場合は、接続環境と通信機器を確認します。以下の3項目を、順番に確認しましょう。
- スマホとルーターの接続環境
- モデムとルーターの不具合
- プロバイダの不具合
スマホとルーターの接続環境は、スマホをルーターの近くに持っていき、接続できるかどうか確認してください。接続できた場合、スマホとルーターの距離や障害物、他の電子機器や家電の電波が原因になっている可能性があります。普段スマホを利用する場所にWi-Fiの中継機を置くなど、接続環境を見直してみてください。
モデムとルーターの不具合は、機器のランプ点灯で確認しましょう。またパソコンやタブレットなど、他の端末で接続できるかどうか試してみることもおすすめです。モデムまたはルーターに問題があった場合は、モデムとルーターの配線に問題がないことを確認したうえで再起動してみましょう。再起動の手順は以下のとおりです。
- モデムとルーターの電源を切る
- 数分待ってから、モデムの電源を入れる
- モデムが再起動するのを待ってから、ルーターの電源を入れる
- 数分待ってから、スマホで接続を確認する
プロバイダの不具合は、契約している事業者のWEBサイトで通信障害やメンテナンス情報を確認してください。通信障害などが発生していた場合は、回復を待ってからWi-Fiに再接続してみましょう。
参照元:Wi-Fi(無線LAN)につながらない時に最初にチェックする項目 | バッファロー
他のWi-Fiでの接続を確認
スマホの設定や接続環境、通信機器に問題がない場合は、スマホのWi-Fi機能が故障していないかどうか確認しましょう。スマホで会社やコンビニなど、別のWi-Fiへの接続を試してみてください。別のWi-Fiにも接続できない場合、スマホのWi-Fi機能が故障している可能性があります。その際は、スマホ修理の専門機関などに相談してみてください。
セゾンのスマートフォン修理ならトラブルに即日対応可能
スマホのWi-Fiがどうしても繋がらない場合は、スマホ修理の専門会社へご相談ください。セゾンのスマートフォン修理は、全国にある「スマホスピタル」店舗や電話にて、相談や修理が可能です。スマホスピタルは、総務省登録のスマホ専門修理会社です。自身でWi-Fi接続の問題を解決できないとお困りの際は、ぜひ利用してみてください。
おわりに
スマホがWi-Fiに繋がらない問題を解消する際には、モデムやルーターなど普段使い慣れない機器の操作が必要なため、難しく感じる方も多いでしょう。しかし順を追って一つひとつ設定や接続を確認していくことで、多くの場合は原因を突き止められます。Wi-Fiに繋がらない事態になった時には、ぜひ本コラムの対処法を実践してみてください。