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ヘッジファンドとは?仕組みからメリットデメリット、投資を始める際の注意点を徹底解説

ヘッジファンドとは?仕組みからメリットデメリット、投資を始める際の注意点を徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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「投資に興味はあるけれど、知識も時間もなくて」とお悩みの方におすすめなのが、ヘッジファンドを通じた投資です。運用のプロであるファンドマネージャーに任せられるので、一定の成果をあげやすいのが特徴ですが、最低でも1,000万円以上は投資額が必要など、注意すべき点もあります。

このコラムでは、ヘッジファンドの基本的な仕組みやメリットデメリットについて詳しく解説。最後まで読めば、ヘッジファンドの投資に必要な知識が一とおり理解できるはずです。

この記事を読んでわかること

  • ヘッジファンドとは、信用取引や先物取引などのさまざまな取引手法を駆使して、市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたファンドのこと。
  • ヘッジファンドをポートフォリオに組み込むと、相場が下降局面に入っても、損失をヘッジできる。
  • ただし、一般の投資家であっても投資はできますが、最低投資額が1,000万円以上と高額なケースが大半なのが実情。
  • また、投資方針や運用成績など、意思決定に必要な情報も基本的に非公開となっているため、問い合わせをし、必要な情報を集めなくてはいけません。

ヘッジファンドとは?

ヘッジファンドとは?

最初に、ヘッジファンドについて、基本的な仕組みを解説します。混同されがちな投資信託との違いも押さえておきましょう。

ヘッジファンドはどのような仕組み?

ヘッジファンドとは、信用取引や先物取引などのさまざまな取引手法を駆使して、市場が上がっても下がっても利益を追求することを目的としたファンドのことです。

名前の一部の「ヘッジ(hedge)」は、日本語では「避ける」という意味であることからも分かるように、相場が下がった時でも資産が目減りするのを避けるのを基本にしています。

より分かりやすく、簡単に言うと「お金持ちだけが買える投資信託のようなもの」と考えておきましょう。

投資信託との違い

ヘッジファンドと混同されがちなものに、投資信託があります。投資信託とは、顧客から集めた資金を運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用し、その運用の成果を受け取る金融商品の一つ。

プロに任せるという点では共通していますが、投資信託が幅広く一般から出資を募るのに対し、ヘッジファンドは限られた対象者から出資を募る形式(私募形式)がとられています。そのため、ヘッジファンドでは投資信託と違い、目論見書や有価証券報告書などは必要ありません。

また、投資信託が100~1,000円などごく少額からでも購入できるのに対し、ヘッジファンドは最低投資額が1,000万円以上必要なケースがほとんど。ある程度まとまったお金を用意できる方向けの金融商品です。

ヘッジファンドのメリット

ヘッジファンドのメリット

ヘッジファンドに投資することには、さまざまなメリットがあります。ここでは、具体的なメリットとして以下の3点について解説しましょう。

  • プロに任せられる
  • 市場に左右されにくく投資のリスクを低減できる
  • 高い利益が期待できる

プロに任せられる

ヘッジファンドの大きなメリットの一つが、プロに任せられることです。基本的に、ご自身で特に何かをする必要はありません。

そのため、ご自身だけで運用する自信がなかったり、仕事や家事で多忙だったりする場合にも適した金融商品です。

市場に左右されにくく投資のリスクを低減できる

市場環境に左右されずに利益を伸ばせ、投資のリスクを低減できるのもヘッジファンドならではのメリットです。

例えば、特定の銘柄の株式など一つの種類の金融商品に集中して投資をすると、その商品の価値が暴落した場合、ご自身の資産も大きく目減りします。そのため、ポートフォリオのバランスを踏まえた分散投資が必要になりますが、相応の知識や経験がないとうまくいかないことも往々にしてあるでしょう。

しかし、ヘッジファンドではファンドマネージャーが投資家から集めた資産を複数の投資先へ分散投資してくれます。この仕組みにより、市場に左右されにくく、リスクを低減しながら投資することが可能です。

高い利益が期待できる

通常の投資信託の場合、運用方法や戦術に厳しい規制があるため、市場の平均値に沿った方法で運用しなくてはいけません。そのため、投資の成果もある程度は市場環境に左右される部分があるのも実情です。

一方、ヘッジファンドには投資信託のような厳しい規制はありません。そのため、多様な金融商品と投資手法を組み合わせることで、高い利益を出すことも可能になります。実際の利益は個々のヘッジファンドによっても異なりますが、年率10~20%の高い利回りを達成するケースも珍しくありません。

ヘッジファンドのデメリット

ヘッジファンドのデメリット

一方、ヘッジファンドにもデメリットがあります。

具体的なデメリットとして、以下の3点について解説しましょう。

  • 公開されている情報が少ない
  • 手数料などのコストが高い
  • ヘッジファンドが破綻する可能性がある

公開されている情報が少ない

ヘッジファンドのデメリットとして、公開されている情報の少なさが指摘できます。投資方針や運用成績など、実際に投資をするに当たっての意思決定に必要な情報は、基本的に非公開。投資信託が毎月の運用方針やレポート、商品説明書などで積極的に情報開示を行っているのとは対照的です。

ヘッジファンドに投資をする場合は、ご自身で問い合わせをして必要な情報を集めないといけないため、ハードルが高いでしょう。

手数料などのコストが高い

ヘッジファンドでは一般的に、預かり資産の2%の手数料と運用益の20%の成功報酬を受け取る体系が導入されています。

一般的な投資信託と比べ、利益を積極的に追求するものの、相応のコストを払わなくてはいけない点に注意が必要です。

ヘッジファンドが破綻する可能性がある

最悪の場合はヘッジファンドそのものが破綻する可能性があることも、デメリットの一つとして認識しておきましょう。

2008年のリーマンショックや2020年のコロナショック、2022年のロシア・ウクライナ紛争など、金融市場に大きな影響を及ぼす出来事があった場合、ヘッジファンドの運用残高も減少するかもしれません。そうなると、投資家からの解約が相次ぎ、ヘッジファンド自体が破綻する可能性も出てきます。

ヘッジファンドでの運用がおすすめな方

ヘッジファンドでの運用がおすすめな方

ヘッジファンドは特殊な金融商品であるため、万人におすすめできるものではありません。

比較的おすすめできる方の特徴として、以下の3点が挙げられます。

  • 数千万円単位の資金を出せるだけの資金力がある
  • 証券会社の担当者やIFA(※)等、専門的なアドバイザーのサポートが受けられる
  • 株や債券、不動産、プライベート・エクイティなどすでに幅広い金融資産を保有している

※IFA:独立系ファイナンシャルアドバイザーのこと。特定の金融機関に属さず、中立の立場で顧客の資産運用のサポートを行う。

ヘッジファンドの始め方

ヘッジファンドの始め方

一般の投資家であっても、ヘッジファンドに投資することは不可能ではありません。

ここでは、考えられる方法として次の3つを紹介します。

  • 直接ファンドに問い合わせる
  • ヘッジファンドを紹介してもらう
  • 証券会社で購入する

直接ファンドに問い合わせる

直接ヘッジファンドに問い合わせて、投資すること自体は可能です。ただし、誰かに相談できるわけではないため、以下の情報をくまなく調べ、ご自身のリスク許容度に合わせて投資をする必要が出てきます。

  • 運用会社の信頼性
  • 運用成績
  • 投資戦略

ある程度の知識や運用経験がないと難しい方法です。

ヘッジファンドを紹介してもらう

IFA(Independent Financial Advisor、独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談し、ヘッジファンドを紹介してもらう方法も。

証券会社、銀行など金融機関での勤務経験があるIFAも多いため、運営会社の信頼性や運用成績、投資戦略についても詳しく調べてくれます。どのヘッジファンドに投資すべきかなど、さまざまなことを相談できるので何かと心強いはず。

なお、IFAはWEBサイト上でも探せます。何人かと面談をし、信頼できるIFAを見つけたうえで依頼しましょう。

証券会社で購入する

証券会社を通じてヘッジファンドに投資することも可能です。

ただし、証券会社によってはヘッジファンドに投資する際の最低投資額を設けていることがあるため、事前に確認するのをおすすめします。

ヘッジファンド投資の注意点を紹介

ヘッジファンド投資の注意点を紹介

ヘッジファンド投資は、うまくいけば高いリターンを得られます。ただし、特殊な金融商品であるため、実際に投資する際には注意が必要です。

具体的な注意点として、以下の3点について解説しましょう。

  • リスクを避けるために余裕資金で投資する
  • 投資家の運用目標に沿っているか確認する
  • 投資を始めるタイミングを見極める

リスクを避けるために余裕資金で投資する

ヘッジファンドへの投資は、リスクを避けるために余裕資金で行うようにしましょう。ヘッジファンドの流動性は非常に低いからです。

ヘッジファンドには45日ルールが設けられていることがあります。45日ルールとは「ヘッジファンドの解約(現金化)をしたい場合、決算日の45日までに通知をしなくてはいけない」というルール。例えば、決算日が3月末だった場合、45日前に当たる2月15日までに通知を済ます必要があります。

このようなルールがあるため、急にお金が必要になった場合でもすぐに現金化できるわけではないことから、生活資金は別に確保しておくのが望ましいでしょう。また、ヘッジファンドも金融商品である以上、損をする可能性があります。生活資金までつぎ込んでしまうと、損失が出た場合に生活が破綻するおそれがあるため要注意です。

投資家の運用目標に沿っているか確認する

ヘッジファンドを選ぶ際は、投資家の運用目標に沿っているか確認しましょう。簡単に言うと「ご自身の方針とファンドの投資方針が食い違っていないか」を確かめるということです。

一口にヘッジファンドと言っても、投資方針はそれぞれ違います。比較的安全性を重視するケースもあれば、積極的に利益の獲得に動くケースもあるのが実情。事前にヘッジファンドの投資方針、投資戦略、リスク管理などを確認しましょう。

また、投資助言会社のアドバイザーなどの専門家に意見を仰ぐのも有効です。さまざまな知識と経験から有益なアドバイスをしてくれるため、ご自身だけで判断するよりも信憑性の高い結論が得られるでしょう。

投資を始めるタイミングを見極める

投資を始めるタイミングを見極めるのも重要になります。

ヘッジファンドへの投資が注目されるのは、市場がどう動いても利益を出せる可能性があるから。そのため、株式市場が右肩上がりに上昇していく局面よりも、右肩下がりに下落していく局面の方が、ヘッジファンドは本領を発揮します。このような局面では、株式市場と相関が低いヘッジファンドに投資すれば、株式市場が下落しても損失を打ち消すことが可能でしょう。

おわりに

ヘッジファンドは投資方針や運用成果が開示されていないことも多いため、投資先を選ぶ際はご自身での情報収集が必須です。トラブルを避けるためにも、証券会社を通じて投資をしたり、IFAに相談したりするのも検討しましょう。

また「プロにお任せしたい」ということであれば、ファンドラップを利用するのも方法のひとつです。個別面談などで担当者から話を聞き、慎重に判断するのをおすすめします。

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