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優待利回りとは?配当利回りとの違いや基準ライン、注意点を理解しよう

優待利回りとは?配当利回りとの違いや基準ライン、注意点を理解しよう
セゾンのくらし大研究 編集部

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株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)
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優待利回りに注目した投資を始めたいものの、概要がよくわからないという方は多いのではないでしょうか。優待利回りについて知るためには、配当利回りとの違いや計算方法を理解することが重要です。

このコラムでは、優待利回りの概要と選ぶ際の注意点について解説します。投資初心者でも簡単に理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読んでわかること

  • 優待利回り(%)=優待の価値(円)÷ 取得にかかった金額(円)×100
  • 配当利回り(%)=一株当たりの年間配当金(円)÷現在の株価(円)×100
  • 配当利回りは各種証券会社のホームページで簡単に確認可能
大和コネクト証券
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優待利回りと配当利回りの違いとは?

優待利回りと配当利回りの違いとは?

この章では優待利回りの概要と、配当利回りとの違いについて解説します。

優待利回りとは何か?

優待利回りは株の購入価格に対する年間の優待価値のリターンを表す指標で、以下の計算によって求められます。

優待利回り(%)=優待の価値(円)÷ 取得にかかった金額(円)×100

一般的に優待利回りの数字が大きいほど、お得な銘柄といえます。

配当利回りとは何か?

配当利回りとは、株価に対する1株あたりの年間配当金の割合を指します。予想配当利回りの計算式は以下のとおりです。

配当利回り(%)=一株当たりの年間配当金(円)÷現在の株価(円)×100

優待利回りと同様にパーセンテージで表記され、数字が大きいほど利回りが高いことを意味します。

優待利回りとあわせて知っておきたい総合利回りとは?

総合利回りとは、優待利回りと配当利回りを合わせたトータルの利回りを指します。求める計算式は以下のとおりです。

総合利回り(%)=優待利回り(%)+配当利回り(%)

総合利回りは、主に投資金額に対してどれだけのリターンがあるのかを把握するために用いられます。

優待利回りがどれくらいのものを選べば良いのか?

優待利回りは「3%」を基準に選ぶと良いでしょう。優待利回りが3%を超える銘柄は、利回りが良いと考えられます。

一方で、優待利回りが3%を大きく下回る場合には、ほかの銘柄と比較してより良い条件の銘柄がないか検討するのが望ましいでしょう。

自分で計算する以外に優待利回りを調べるには?

自分で計算する以外に優待利回りを調べるには?

ご自身で計算する以外にも、優待利回りを調べる方法には以下の種類があります。

  • 四季報
  • Quick
  • 証券会社
  • 各種情報サイト

それぞれ順番に解説します。

四季報

会社四季報では1936年の創刊以来、投資家向けに上場企業のデータを提供しています。3,700を超える全上場企業に担当者がついており、データの網羅性に定評がある媒体です。

四季報オンラインで優待利回りを調べる際は「銘柄研究」から「株主優待一覧」に進みます。有料会員になると、絞り込みなどの便利な機能が利用できます。

Quick

QUICKは日本経済新聞社グループの株式会社QUICKが運営するサイトです​。創業は1971年で、日本の証券・金融市場に関するデータを提供しています。

QUICKではトップページの「優待利回りランキング」から簡単に調べられます。また「優待&配当利回りランキング」と併用することで配当を含めた銘柄比較も可能です。

証券会社

取引している証券会社の取引画面では、優待情報や優待ランキングなどが紹介されているケースがあります。取引画面で確認しながら銘柄を選ぶことで、リアルタイムかつスムーズな注文が可能です。

各種情報サイト

優待に関する情報は以下のような各種WEBサイトで配信されています。

  • Yahoo!ファイナンス
  • 株マップ.com
  • ザイ・オンライン
  • 株主優待ガイドなど

なかには優待利回りをランキング形式で紹介している媒体もあります。情報の見やすさや更新頻度など、ご自身に合う媒体を探してみましょう。

株主優待にはどんなものがあるのか?

株主優待にはどんなものがあるのか?

株主優待の内容の例として、以下の企業の取り組みを紹介します。

  • 株式会社フィスコ
  • SBIグローバルアセットマネジメント株式会社
  • 株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター
  • 株式会社オリエンタルランド
  • 日本マクドナルドホールディングス株式会社

ただし、株主優待は変更や取りやめになる可能性があります。それぞれ順番に見ていきましょう。

※情報はすべて2023年10月25日時点

株式会社フィスコ

株式会社フィスコ<3807>はIRコンサルティングや投資銀行事業を手掛ける企業です。株主優待として自社のホームページ「クラブフィスコ」で利用できるIPOナビ(リミテッド)無料クーポンを配布しています。

権利確定月は6月末日と12月末日の年2回です。100株以上を保有すると6600円相当の無料クーポンが配布され、優待利回りは約130%になります。

SBIグローバルアセットマネジメント株式会社

SBIグローバルアセットマネジメント株式会社<4765>はファイナンシャルサービス事業やアセットマネジメント事業を展開する企業です。同社では以下2つに関する優待を設けています。

  • 仮想通貨(暗号資産)XRP
  • 株式新聞WEB版無料購読クーポン

例えば100株以上の保有で暗号資産2,500円相当と株式新聞WEB版無料購読クーポン6ヵ月が無料(26,400円相当)になります。権利確定月は3月末の年1回で、優待利回りは約54%です。

株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター

株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター<5025>は不動産事業に特化しマーケティングプラットフォームやオーナーズプラットフォームを提供しています。

優待内容は同社が提供する主要サービス「Realnetマンションサーチ」(月額利用料2,000円、税抜)が利用できる6ヵ月分の無料クーポン進呈です。権利確定月は2月末と8月末の年2回で、優待利回りは約44%となっています。

株式会社オリエンタルランド

東京ディズニーランドや東京ディズニーシーを運営する株式会社オリエンタルランド<4661>では、株主優待としていずれかのパークで利用できる1デーパスポートを提供しています。

1枚の1デーパスポートを受け取るための最低保有株数は500株です。また100株以上の保有を3年以上連続した方には1枚追加で付与されます。

日本マクドナルドホールディングス株式会社

日本マクドナルドホールディングス株式会社<2702>の株主優待は食事券です。バーガー類/サイドメニュー/ドリンクの3ジャンルの商品が1シートになった引換券が6枚受け取れます。

優待の権利を得るためには最低100株が必要です。権利確定月は6月末と12月末の年2回となっています。

優待利回りで注意したいこと

優待利回りで注意したいこと

優待利回りに注目する際に注意したい点は以下の3つです。

  • そもそも必要な優待なのか?
  • 優待利回りが高い背景は?
  • 目先の権利かあとの権利か?

それぞれ順番に見ていきましょう。

そもそも必要な優待なのか?

優待目的で株を購入する際には、ご自身のライフスタイルに合った商品・サービスなのかを吟味する必要があります。よく利用している商品やサービスを提供する会社であれば、優待を利用する機会はあるでしょう。

しかし、優待利回りにだけ気をとられると、実際には必要ない優待に投資している可能性があります。利回りだけでなく、ご自身に必要な優待かを事前に検討しておきましょう。

優待利回りが高い背景は?

優待利回りの高さは、企業の安定性を示すとは限りません。なかには業績の悪化による株価下落が要因になっているケースがあります。この場合、購入後に株主優待の変更や廃止などが考えられるため、注意が必要です。

優待利回りに注目して株を購入する際には、各証券会社のホームページや情報WEBサイトを利用して、企業の業績や将来性をチェックしておきましょう。

目先の権利かあとの権利か?

目先の権利かあとの権利か?

株主優待のある銘柄は、権利付最終日の周辺で値動きが多くなる傾向にあります。権利付き最終日に向けて株価が上がり、権利付き後は売られて値が下がるのが一般的です。

株式を購入する際には「高い時期に購入してまで優待がほしいのか」「権利落ち後の下がった価格で購入して次の権利付きで優待をもらえれば良いのか」など、冷静な判断が必要です。

おわりに

優待利回りは、株の購入価格に対する年間の優待価値のリターンをあらわす指標です。優待に関する情報は証券会社のホームページや各種情報サイトで取得できます。企業によって株主優待の中身は、QUOカードや自社商品、自社サービスの割引券などさまざまです。計算上の利回りだけでなく、優待の内容がご自身のライフスタイルに合うかを含めて、投資先を検討しましょう。

有価証券投資に関する重要事項(大和コネクト証券)

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