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銀行融資が返済できないとどうなる?返せなくなるケースと4つの対処法

銀行融資が返済できないとどうなる?返せなくなるケースと4つの対処法
セゾンのくらし大研究 編集部

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事業を行っている場合、銀行から融資を受けて資金調達を行うことが多いです。銀行から借りたお金は、約束どおり返さなければなりません。銀行融資を返済できない場合は、早めに対策を考えることが大切です。

このコラムでは、銀行融資が返済できない場合に起こることを確認し、対処法を解説します。

この記事を読んでわかること
  • 銀行融資を返済できない場合、ブラックリストに載ったり遅延損害金が発生したりするだけでなく、延滞を続けると最終的に差し押さえを受ける
  • 銀行融資が返済できない原因としては、資金管理がずさんなことや事業の失敗に加え、取引先の倒産が影響することもある
  • 銀行融資が返済できなくなる前に銀行にリスケを相談する、借り換えを検討するのがおすすめ
事業者向け不動産担保ローン
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銀行融資を返済できないとどうなるか

銀行融資を返済できないとどうなるか

銀行から融資を受けた場合、契約で定められたとおり返済期日に返済額を支払わなければなりません。銀行融資を返済できない場合には、さまざまなデメリットが生じてしまいます。

【銀行融資を返済できないことで起こる5つの問題】

  • ブラックリスト状態になる
  • 遅延損害金が発生する
  • 債権回収会社から連絡がある
  • 連帯保証人に支払義務が発生する
  • 給与や不動産の差し押さえが行われる

ブラックリスト状態になる

融資を受けた人が個人事業主である場合、返済できなければ信用情報にキズがつき、ブラックリストに載ってしまいます。「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関に金融事故の情報が登録された状態です。

指定信用情報機関は、貸金業法によって定められた機関であり、個人の信用情報を収集し共有するために金融機関間の共同で設立している組織です。各金融機関では、ローンやクレジットの審査をする際に、必ず信用情報機関に情報照会を行います。信用情報機関に事故情報が登録されていれば、審査に通過できないため、ローンやクレジットの利用ができません。ただし、永久にブラックリストに載ったままではなく、5年程度で事故情報は削除されます。

なお、信用情報機関のうち株式会社日本信用情報機構(JICC)には、法人の信用情報も登録されていますので、法人の事故情報が登録されることもあります。

また、法人の借入れでは通常は代表者が連帯保証人になっているため、代表者も返済できない場合には、代表者がブラックリストに載ることになります。

遅延損害金が発生する

銀行からの借入れの返済が遅れた場合、遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、返済期日に遅れたことに対する損害賠償金です。

遅延損害金の利率は、通常、借入れ時の契約によって定められています。遅延損害金は通常の利息よりも高い利率になっており、14~20%の間であることが多いです。

返済期日までは通常の利息がかかりますが、返済期日を過ぎると高い利率の遅延損害金がかかります。遅延損害金は延滞日数が増えるほど増えていくため、放置していると借金がどんどんふくらんでしまうでしょう。

債権回収会社から連絡がある

債権回収会社から連絡がある

銀行からの借入れを返済せずに延滞を続けていると、債権回収会社から連絡が来ることがあります。債権回収会社とは、金融機関から債権回収業務の委託あるいは債権の譲渡を受けて債権回収を行う民間の会社です。

債権回収会社は、サービサーとも呼ばれます。債権回収業務は、弁護士以外では法務大臣の許可を受けたサービサーのみ行うことができます。

借入れた銀行以外から支払いを請求された場合、詐欺ではないかと考え放置してしまいがちです。しかし、債権回収会社からの請求を無視していると、やがて強制執行(差し押さえ)される事態に陥ります。

連帯保証人に支払い義務が発生する

銀行融資を受ける際には、連帯保証人を立てているケースが多いです。約束どおり返済しなかった場合、銀行は連帯保証人に支払いを請求できます。

通常、2~3か月延滞を続けると、銀行から連帯保証人に通知があり、連帯保証人が支払うよう要求されます。銀行融資を返済できない場合、連帯保証人に迷惑をかけることになりかねません。

給与や不動産の差し押さえが行われる

銀行融資の返済を延滞し、請求されても支払いをしなかった場合、債権者である銀行や債権回収会社は最終的に強制執行を申し立てます。

個人の場合には主に給与を差し押さえられ、銀行は給与から債権を先取りする形で回収します。

法人の場合には不動産などの財産を差し押さえられ、競売などで換価されて代金が返済に充てられることになります。

借金返済でのNG行為を知りたい方は、下記の記事をご参考ください。

関連記事:借金を返せない!対処法や絶対にやってはいけないNG行為

銀行融資が返済できなくなるケース

銀行融資が返済できなくなるケース

銀行から融資を受ける際には、審査があります。銀行も明らかに返済できない場合には、お金を貸してはくれません。融資を受けられたなら、返済はできると考えているはずです。それにもかかわらず、銀行融資が返済できなくなるのはなぜなのでしょうか。ここでは、返済ができなくなる4つのケースを解説します。

【銀行融資が返済できなくなる4つのケース】

  • 資金管理がずさん
  • 事業が失敗
  • 市場や経済状況の影響
  • 取引先の倒産

資金管理がずさん

事業を進める上では、常に経営状況を把握し、資金管理をしっかり行わなければなりません。日頃から事業資金をきちんと管理していなければ、銀行融資の返済も困難になってしまいます。

資金を借入れするときには、借りたお金を返済できるよう事業計画を立てておくことが大切です。無計画にその場しのぎの借入れをすれば、返済が難しくなってしまっても仕方ありません。

銀行融資の返済ができなくなる原因として、計画的に資金を使っていないこと、資金の出入りを記録していないことが考えられます。

事業が失敗

銀行から融資を受け、新規事業に充てる資金を用意するケースは少なくありません。新規事業のために融資を受ける場合、事業で得られた利益から返済を考えているのが通常です。

しかし、必ずしも新規事業で利益が出るとは限りません。事業に失敗して思ったような利益が出ないこともあり得ます。返済できるだけの利益が出なければ、当然支払いは困難です。

新規事業に取り組む際には、リサーチをしっかり行い、売上予測をして、利益計画を立てておかなければなりません。見通しが甘ければ、収益が出ないまま返済期日が来てしまうでしょう。事業が続けられない状態になれば、銀行融資を返済する目途も立たなくなってしまいます。

市場や経済状況の影響

今の時代、世間の情勢はめまぐるしく変化しています。市場や経済状況が変化したために売上が減ってしまい、返済困難になるケースは少なくありません。

世の中の景気が良くなっていれば順調に売上が出て、銀行融資の返済も問題なくできると考えるでしょう。しかし、たとえ景気が良くても、特定の業界は不景気ということもあります。また、想定外の事態が起こる可能性も否定できません。

いくら世間の情勢が変化しても、借りたお金は約束どおり返さなければなりません。あらゆる可能性を想定して、状況が変化しても対応できるような体制を整えておくことが大切です。情勢の変化に対応できなければ、支払い困難になるだけでなく、業績も悪化してしまいます。

取引先の倒産による

自社の経営に問題がなくても、取引先が倒産すれば支払い困難になってしまうことも多いです。自社が売り手である場合には、買い手の倒産により売掛金の回収ができなくなってしまいます。

倒産した取引先との取引量が大きいほど、自社のダメージも大きくなってしまいます。資金不足に陥れば、銀行融資の返済もできません。同じ規模で取引できる会社がすぐに見つからないことも考えられます。

最悪の場合、取引先の倒産により、自社も連鎖倒産してしまう可能性もあります。

銀行融資の返済ができなくなる前に取るべき対処法

銀行融資の返済ができなくなる前に取るべき対処法

銀行融資を受けた後、さまざまな事情から返済ができなくなることもあるかもしれません。しかし、たとえ返済が困難でも放置しておくことは避けるべきです。ここからは、銀行融資が返済できない場合の対処法を解説します。

【銀行融資の返済ができなくなる前に取るべき対処法】

  • 銀行にリスケの提案をする
  • 別の金融機関への借り換えを検討する
  • 融資以外の方法で資金を調達する
  • 経営コンサルタントや信頼できる第三者に相談する

銀行にリスケの提案をする

銀行融資を無理に返済すると、事業に必要なお金が足りなくなってしまうかもしれません。資金繰りがますます悪化し、他の支払いができなくなってしまう事態も考えられます。まずは借入先の銀行にリスケを相談することを検討してみましょう。

リスケとは、リスケジューリングの略で、返済条件の変更を意味します。具体的には、返済期日を延ばしてもらったり、返済額を減額してもらったりすることです。ただし、リスケは銀行側が不利益を被るため、簡単には応じてもらえません。

リスケに応じてもらうためには、しっかりとした経営改善計画を作成する必要があります。銀行が納得するような計画を提出できれば、提案を受け入れてもらえる可能性が高くなるでしょう。

リスケについてさらに詳しく知りたい場合は、下記記事をご参考ください。

関連記事:銀行でリスケ中。融資してくれる金融機関はある?

別の金融機関への借り換えを検討する

別の金融機関に借り換えるのもひとつの方法です。他の金融機関から借りたお金で銀行融資の全額を返済すれば、新たにお金を借りた金融機関に借り換えができます。金融機関によって金利は返済額などの条件が異なるので、借り換えの際に今よりも返済しやすい条件に変更できるかもしれません。

不動産などの担保を提供すれば、有利な条件で融資を受けられる可能性もあります。保有している不動産を担保にお金を借りられないか検討してみましょう。

セゾンファンデックス の「事業者向け不動産担保ローン」では、法人・代表者が所有する不動産だけでなく、その親族が所有する不動産も担保にすることが可能です。二番抵当でも対応してもらえるので、すでに抵当権が付いている不動産でも活用できます。

銀行融資の返済や資金繰りにお困りの事業者の方は、セゾンファンデックス の「事業者向け不動産担保ローン」を検討してみてはいかがでしょうか。

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融資以外の方法で資金を調達する

融資以外の方法で資金を調達する

融資以外の方法で資金調達をする方法もあります。例えば、売掛債権を買い取ってもらうファクタリングなら、融資の審査に通りにくい場合でも利用することが可能です。

ファクタリングは融資に比べてスピーディーに買い取りしてもらえるため、返済期日が迫っている場合にも資金準備ができる可能性があります。

新規事業のための資金なら、クラウドファンディングで調達する方法もあります。クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る方法です。魅力的な事業であれば、多くの人から支援を得られる可能性があります。クラウドファンディングにより資金繰りが改善すれば、銀行返済が遅れずに済むかもしれません。

経営コンサルタントや信頼できる第三者に相談する

銀行融資を返済できない状況をどう打開すれば良いのかわからない場合は、信頼できる第三者に相談することも考えましょう。経営コンサルタントなどの専門家に相談すれば、現状を客観的に分析してくれるため、適切なアドバイスが受けられます。

資金繰りが悪化しているなら、事業そのものを立て直すべき時期ともいえるでしょう。プロに相談することで、ピンチをチャンスに変える方法が見つかるかもしれません。

銀行融資の返済に遅れそうな方は、下記の記事も合わせてチェックしてみてください。

関連記事:銀行からの融資の返済に遅れたらどうなる?対処法もチェック

おわりに 

銀行から借入れしたお金は、約束どおり返さなければなりません。銀行融資が返済できない可能性があるなら、できるだけ早めに対処法を考えましょう。銀行融資の返済が遅れてしまうと、事業の立て直しが困難になってしまう可能性が高まります。

早い時期に対策することで資金繰りの悪化を防ぎ、事業への影響を最小限にすることが可能です。日頃から事業資金の管理はしっかり行い、融資を受ける際には計画的な借入れと返済を行いましょう。

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