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運転資金の借入理由は何と伝えるべき?融資を成功させるコツを紹介

運転資金の借入理由は何と伝えるべき?融資を成功させるコツを紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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事業を営む限り、運転資金が必要なくなることはあり得ません。自己資金で足りない場合は借入をする、つまり融資を受ける必要が出てきます。その時に重要なのが「借入をする理由をはっきり伝えること」で、このあたりがおろそかになると後々トラブルを招くので注意しましょう。

今回の記事では、運転資金の借入をする際に理由を伝えることの重要性と、スムーズに借りるための工夫について解説します。

この記事を読んでわかること
  • 運転資金の調達には明確な借入理由を示す必要があり、また、審査においても重要な情報として扱われる
  • 運転資金の主な借入理由には事業拡大、つなぎ資金、季節性の資金、借り換え資金などがある
  • 運転資金の調達を成功させるためには、借入理由を明確にするだけでなく、自己資金や必要書類、タイミングにも留意が必要
  • 借入資金の目的外使用や無理のある返済計画での借入は厳禁
不動産担保ローン
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運転資金の調達には明確な借入理由が必要

運転資金の調達には明確な借入理由が必要

運転資金の調達、つまり運転資金を借りるためには明確な借入理由が必要です。単に「運転資金が足りない」といっても「なぜ足りないのか、お金を借りた結果どうしたいのか」が伝わらないと、融資はしてもらえません。そのため、明確な借入理由を示したうえで審査に臨むことを前提にしましょう。

また、一口に事業資金といってもさらに運転資金と設備資金に分かれ、それぞれに審査方法が異なります。運転資金とは、事業を運営するうえで日々発生する費用に充てるための資金です。

これに対し、設備資金は機械など事業に必要な設備を購入するための長期的な資金であり、運転資金に比べ多額の借入が必要になります。多額の借入が必要になる以上、審査もより厳しくなるのは十分に考えられることです。

これらの違いを踏まえたうえで、設備資金・運転資金のどちらに充てるために借りたいのかを考え、入念に準備を進めていきましょう。

運転資金の主な借入理由

運転資金の主な借入理由

運転資金の借入理由は様々ですが、主に以下の4つに分類されます。

  • 事業拡大のため
  • つなぎ資金のため
  • 季節性の資金として
  • 借り換え資金として

これらの理由は、融資審査の際に重要な判断材料となります。次節では、これらの理由をどのように説明し、融資調達を成功させるかについて詳しく解説します。

運転資金のための融資調達を成功させるコツ

運転資金のための融資調達を成功させるコツ

運転資金の調達を成功させるためには、借入理由を明確に説明することが重要です。以下、主な借入理由とその説明方法、そして融資調達を成功させるためのコツを紹介します。

1つ目の理由は「事業拡大のため」です。売上を伸ばすために、既存事業を拡大させたり、新しい事業を展開したりすることは往々にしてあります。

この場合、スタッフに新しい技術を学ばせたり、新しいスタッフを雇ったりなどする場合、その分の運転資金が必要になるはずです。なお、新規店舗や機械・設備の増設が必要になる場合は、設備資金として融資を受けることも考えられます。

2つ目の理由は「つなぎ資金のため」です。つなぎ資金とは、後に確実に入金される見込みがあるものの、入金されるまでに資金繰りが苦しくならないよう必要になる資金のことを指します。

具体例としてわかりやすいのは、取引先からの売掛金の入金を待つ間に、資金ショートを起こさないようにつなぎ資金として融資を受けることです。

仮に順調に売上が伸びていたとしても、売掛金の入金がある前に費用の支払いが発生していたら、手元のお金はどんどん減っていきます。そのため、手元のお金が尽きてしまわないうちに外部から借りておき、取引先から売掛金の入金があったら返済すると考えましょう。

3つ目の理由は「季節性の資金として」です。事業の内容によっては、季節が原因で一時的に支払いが増える月が出ることもあり得ます。

わかりやすい例が「ケーキ店では12月にクリスマスケーキを販売し、スタッフに賞与や特別手当を支給する」です。

材料の仕入費用や人件費の増加が考えられる以上、十分な資金を確保できるよう、早めに融資を受けるなどして、資金を確保しておく必要が出てきます。

4つ目の理由は「借り換え資金として」です。すでに融資を受けていたとしても、金利が低いなどより良い条件で融資を受けられる見込みがあるなら、借り換えを検討する余地があります。

また、複数の融資先から資金を借りていたとしても、1本化することで管理しやすくするため借り換えをする利用者は珍しくありません。このような場合、借り換え資金として融資を受けることができます。

これらの借入理由を明確に説明したうえで、以下のコツを押さえることで、融資調達の成功率を高めることができます。

資金計画を詳細に立てる

1つ目のコツは「資金計画を詳細に立てる」ことです。借入理由に基づいた具体的な資金計画を立てましょう。例えば、事業拡大の場合は、新規採用や設備投資の詳細な内訳を示すことが重要です。

自己資金をできるだけ多く準備する

2つ目のコツは「自己資金をできるだけ多く準備する」ことです。自己資金をできるだけ多く準備できれば、その分融資を受ける金額は少なくて済みます。

金融機関は返済してもらえず、貸し倒れになることを危惧している以上、融資金額が少ないほど審査において有利になるはずです。なお、日本政策金融公庫の「新規開業実態調査」(2023年度)によれば、創業時の平均資金調達額は約830万円で、そのうち自己資金の割合は平均で23.5%となっています。業種別では、製造業が最も高く約32%、サービス業が最も低く約18%となっています。

個々の状況や融資を受ける金額にもよりますが、調達したい金額のうち2割程度は自己資金で準備できると望ましいでしょう。

事業拡大のタイミングで申し込む

3つ目のコツは「事業拡大のタイミングで申し込む」ことです。事業を拡大する場合、ある程度事業がうまくいっていることが前提となる以上、融資においてもプラス要素として判断されやすくなります。より多くの利益を獲得できるため、返済能力も高いと考えられるためです。

実現できる詳細な事業計画書を作成する

4つ目のコツは「実現できる詳細な事業計画書を作成する」ことです。融資の審査においては、事業計画書は重要な参考情報として精査されます。しかし、内容自体は良かったとしても、実現可能性が薄いと判断されたら、融資が否決される可能性は十分にあるでしょう。

実行できなければ利益が獲得できず、相応の返済能力も備わらないためです。事業計画の内容を練り上げて良いものにするのは大事ですが、あくまで実現できることを大前提にしましょう。

必要書類は不備のないよう事前に準備する

5つ目のコツは「必要書類は不備のないよう事前に準備する」ことです。書類の提出漏れがあったり、誤字・脱字が修正されないままになっていたりすると、その都度確認しなくてはいけないので審査の進行に影響を及ぼします。

不備があったから審査が即否決されるとまでは言い切れませんが、金融機関の担当者の心証を悪くする可能性はある点に気を付けてください。

運転資金を借入する際の注意点

運転資金を借入する際の注意点

運転資金の借入は事業を営んでいくなら度々行わなくてはいけないことです。しかし、ちょっとしたことでトラブルが起きる可能性もあるので、細心の注意を払いましょう。特に注意すべき点として、以下の2つについて解説します。

  • 借入期間や借入額はよく見極める
  • 借入理由以外の目的では使用しない 

借入期間や借入額はよく見極める

融資を受ける際は、借入期間や借入額をよく見極めましょう。借りてから借入期間を含めた返済条件の変更を行うのは100%不可能なわけではありませんが、金融機関から今後の融資を断られる可能性がある以上、好ましくありません。

「借入期間が終わるまでに、問題なく返済を完遂できること」を前提に計画を練りましょう。

運転資金の借入額の目安

運転資金をどのぐらい借りるべきかは、事業の業種・形態や資金使途に左右されます。飲食店・小売店など仕入から入金までのスパンが比較的短い業種であれば、手元の現金があまり多くなくても特段問題はないはずです。

しかし、メーカーや不動産開発業など、資金を投下してもそれが回収できるまで年単位で時間がかかる業種の場合、回収までの間も出費が続く以上、問題なく賄えるだけの資金がないといけません。

具体的な金額は個々のケースにより異なりますが、目安として月商の3~6ヵ月分を運転資金として調達するのを前提にしましょう。なお、帝国データバンクの2023年の調査によると、中小企業の平均運転資金借入額は約2,500万円で、借入期間の中央値は5年となっています。業種別では、製造業が平均3,200万円と最も高く、小売業が1,800万円と最も低くなっています。

借入理由以外の目的では使用しない 

融資を受けて調達した資金は、審査時に伝えた借入理由以外の目的に使ってはいけません。例えば「正社員、アルバイト・パートの給与に充てる」と伝えたにも関わらず、実際は備品の購入に使っていたというのは、目的外使用にあたります。

何らかの理由で金融機関に目的外使用の事実が発覚した場合、重大な約束違反となり、資金の一括返済など厳しいペナルティが科せられるので注意してください。金融機関から今後の取引を断られるなど、信用を大きく失墜させる事態に至ります。

運転資金の融資を受けられる主な金融機関

運転資金の融資を受けられる主な金融機関

さまざまな金融機関が企業・事業主に対し、運転資金の融資を行っていますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、運転資金の融資を受けられる主な金融機関について、メリット・デメリットを交えつつ解説します。

  • 民間銀行
  • 信用組合・信用金庫
  • 政府系金融機関
  • 消費者金融

なお、中小企業庁の2023年度の調査によると、中小企業の運転資金調達先として、民間銀行が65%、信用金庫が20%、政府系金融機関が10%、その他が5%となっています。また、融資実行までの平均期間は、民間銀行で約3週間、政府系金融機関で約1ヶ月となっています。

民間銀行

民間銀行には、都市銀行や地方銀行、インターネット専業銀行(ネット銀行)などが含まれます。メリットとして、店舗やカスタマーセンターで気軽に融資の相談を受け付けてくれることが挙げられます。

しかし、どのような銀行を選ぶかによっても審査難易度が異なる点がデメリットです。特に、都市銀行からプロパー融資(信用保証協会を通さない独自の融資)を受けるのは至難の業であり、事業を開始してから年数が経っていない中小企業・個人事業主が使える可能性は極めて低くなっています。

地方銀行であれば可能性は多少高くなりますが、それでも決して簡単ではないため     、以下の方法も併用しましょう。

  • 銀行・信用保証協会・地方自治体が連携して資金を貸し付ける「制度融資」を利用する
  • 保証人・担保を差し入れる                                   

信用組合・信用金庫

中小企業・個人事業主であれば信用組合・信用金庫からの資金調達も検討しましょう。どちらも地域密着型の金融機関ですが、前提となっている法律や会員・組合員資格が異なるなど細かい部分で違いがあります。

信用組合・信用金庫から融資を受けるメリットは、都市銀行・地方銀行に比べ、中小企業・個人事業主であっても審査に通る可能性が高いことです。あくまで地域の繁栄を目指し、会員・地域社会の利益を優先した相互扶助の精神のもと運営がなされている点も背景として挙げられます。

ただし、融資を受けるためには会員・組合員になることが前提となるうえに、融資限度額が民間の銀行に比べると低い点がデメリットといえるでしょう。                                   

政府系金融機関

中小企業・個人事業主が運転資金を調達するための融資が受けられる政府系金融機関の代表例が、日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫は、一般の金融機関ではできないことを補完し、国民生活の向上に寄与することを目指す政府系の金融機関として位置づけられています。

日本政策金融公庫では中小企業・個人事業主に向けてさまざまな融資制度を用意しているので、目的に合った資金調達ができるのが大きなメリットです。また、担保や保証人を用意できなくても借りられることがあるため、資金調達もしやすくなっています。

ただし、状況次第では実際に融資を受けられるまで1ヵ月以上かかることもあるなど、迅速な資金調達がしづらい点はデメリットです。加えて、担当支店が納税地の住所を元に割り振られるため、相性のあまり良くない担当者に当たることも考えられます。                                   

消費者金融

消費者金融でも、運転資金を調達することができるケースがあります。ビジネスローンといって、事業用資金の調達を目的にした融資商品を扱っていることがあるためです。

消費者金融のビジネスローンを使うメリットとして、審査が迅速に行われ、早めに資金調達ができることが挙げられます。会社によっては申し込みをしたその日に融資が実行されるなど、極めて速いスピードで融資が進むこともあり得ます。

しかし、金利が基本的に高めであるのがデメリットです。具体的な金利は利用する消費者金融や利用者の審査結果によって異なりますが、年18.0%など高いケースも散見されます。あくまで必要な最低限の額だけを借りて、早めに完済する前提で利用しましょう。                                        

運転資金の調達にはセゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」もおすすめ

運転資金の調達にはセゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」もおすすめ

運転資金を調達したいなら、金融機関から融資を受ける以外の方法として、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」もおすすめです。ここでは、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」の2つのメリットについて解説します。

  • 銀行では借入が難しいケースにも対応
  • 対象エリアは日本全国

銀行では借入が難しいケースにも対応

1つ目のメリットは「銀行では借入が難しいケースにも対応」できることです。一般的に、赤字決算、2期連続赤字、債務超過がある場合、返済能力の面で問題があると判断される可能性があります。

また、抵当に入れる不動産の状況次第では、返済が滞った場合に銀行側が回収できない可能性も出てくるでしょう。これらの事情は、与信審査においては非常に不利に働きます。

しかし、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」の審査にあたっては、事業計画・返済計画・資金計画なども考慮し、抵当に入れた不動産の担保余力を最大限に評価しているため、前述したように与信審査に通過しにくいケースでも資金調達できる可能性があるのが大きな強みです。

対象エリアは日本全国

銀行によっては抵当に入れる不動産について「三大都市圏にある物件」に限定するなど、条件が付されることがあります。

しかし、セゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」では、地方にある物件や金融機関で対応が難しい物件についても相談可能です。また、自己所有の物件だけではなく、不動産所有者の方の承諾があれば、親族所有の不動産を担保にすることもできるので、まずはお問い合わせください。

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おわりに

個人間でもお金の貸し借りの話が出てきたら、まずは理由を聞いたうえで判断するはずです。事業を営むうえで運転資金・設備資金の融資を受ける場合も同じことで、借入をする理由をはっきりと伝えるのは審査において非常に重要な情報となります。

また、融資を受けられたとしても、その資金を審査時に伝えた借入をする理由とかけ離れたことに使うのは絶対にやめましょう。残りの元本と利息の一括返済や今後の取引打ち切りなど厳しいペナルティが科せられるので注意が必要です。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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