「トピックス(TOPIX)って聞いたことはあるけれど、具体的にはどういうもの?」「東証の市場が見直されたけれど、トピックス(TOPIX)に影響はあるの?」といった疑問をお持ちではないでしょうか。トピックス(TOPIX)とは、日本市場を正確に把握するために必要な株価指数の一つです。
2022年4月より東京証券取引所(東証)の市場が再編成されたため、トピックス(TOPIX)の構成条件も見直されました。そのため、影響について押さえておく必要があるでしょう。このコラムでは、トピックス(TOPIX)の概要と東証の市場再編が与える影響について解説します。
東証による市場再編の背景
2022年4月、東証において市場区分の見直しが行われました。2022年2月22日現在の東証上場企業は3,828社、そのうち東証第一部は2,182社。その中には、100円未満の銘柄もあれば、ずっと赤字が続いている厳しい状況の銘柄もあったのです。
日本の最上位市場であった東証一部上場企業が海外の株式市場と競争していく中で、日本の株式市場の価値を高めていくことは不可欠でした。しかし、従来の市場構成のまま海外市場と競争するにはリスクがあったため、市場の再編が必要とされたのです。
見直し後の新市場は以下のように分類されます。
現在の市場 | 2022年4月以降の市場 |
東証一部 | プライム |
東証二部、JASDAQスタンダード | スタンダード |
JASDAQグロース、マザーズ | グロース |
基本的には、現在の市場がそのまま新市場に引き継がれました。ただし、上場条件未達成の場合は下の市場に降格したり、逆に条件を達成していれば上の市場に昇格したりすることもあり得る状況なので、注意しなければなりません。
また、さまざまな記事で古い情報が掲載されている可能性があるため、最新の情報を取得してトピックス(TOPIX)の現状を把握することが大切です。
トピックス(TOPIX)とは?東証の市場再編による影響を解説
トピックス(TOPIX:Tokyo Stock Price Index)とは、従来の東証一部上場の全銘柄を対象とした株価指数のことを指します。トピックス(TOPIX)などの株価指数は、一般的に株式相場の市場全体を把握するために投資家などの市場関係者から注目される指標です。
2022年4月に東証の市場の見直しが行われたことにより、東証一部という区分はなくなりました。ただし、トピックス(TOPIX)利用者への影響を考慮し、これまでトピックス(TOPIX)に含まれていた銘柄は、新しい市場構成下でも継続してトピックス(TOPIX)に採用されます。そのため、仮にプライム市場に含まれなくなったとしてもすぐにトピックス(TOPIX)の対象から外れるわけではありません。
もっとも、流通株式の時価総額が100億円未満の銘柄については、「段階的ウェイト低減銘柄」とし、2022年10月末から2025年1月末までを移行期間として、四半期ごと10段階で構成比率を低減していくこととされています。そして、2025年1月最終営業日にトピックス(TOPIX)から除外される予定です。
東証の市場再編によるトピックス(TOPIX)の2つの変化とは
トピックス(TOPIX)は、日本市場を把握する上で重要な指標の一つです。東証の市場再編によって、トピックス(TOPIX)にも変化が生じました。ここでは、東証の市場再編によってトピックス(TOPIX)に起こる2つの変化を解説します。
構成銘柄は基準を満たした企業が選出される
市場再編前のトピックス(TOPIX)は、東証一部上場の全銘柄が対象でしたが、2022年4月以降は市場区分から切り離されるため、基準を満たした企業が選出されるように変更されました。基準を満たした企業だけをトピックス(TOPIX)の算出対象とすることで、指数の質が向上すると見込まれたからです。
具体的には、流通株式時価総額が100億円以上の銘柄が、新たなトピックス(TOPIX)構成銘柄として選ばれることとなりました。流通株式時価総額は、「流通株式数×事業年度末日の最終価格」で算出されます。
ただし、移行措置があるため仮に「流通株式時価総額100億円以上」という基準を満たしていなかったとしても、従来の東証一部上場銘柄がすぐにトピックス(TOPIX)の構成銘柄から除外されるわけではありません。移行期間中に、トピックス(TOPIX)を構成する銘柄を整理するため、10段階に分けて少しずつ除外されていくこととなっています。
また、基準を満たしていない銘柄は段階的ウェイト低減銘柄として割合を減らされていきますが、再評価によってトピックス(TOPIX)への継続が認められる可能性があります。
株主優待を廃止する企業が増える可能性がある
株主優待は株主数を増やす目的で導入されていますが、廃止する企業が出てくる可能性があります。東証の市場区分再編の影響により、上場基準の必要株主数が減少するからです。具体的には、東証一部上場に必要な株主数が2,200人以上であったのに対し、プライム市場上場に必要な株主数は800人以上なので、差が生じることが分かるでしょう。
東証一部上場企業がすべてプライム市場に移行したわけではありませんが、株主数の条件が緩和されることにより、トピックス(TOPIX)対象銘柄の中で優待制度に変化が生じる可能性があります。そのため、株主優待目当てで投資をお考えの場合には、特に注意が必要です。
トピックス(TOPIX)の種類とは
トピックス(TOPIX)には、構成銘柄を流動性や時価総額の規模に応じて細分化した区分があり、TOPIXニューインデックスシリーズと呼ばれています。トピックス(TOPIX)の種類とそれぞれの特徴は下の表の通りです。
トピックス(TOPIX)の種類 | 特徴 |
TOPIX Core30 | 流動性や時価総額が特に高い日本を代表する30銘柄で構成 |
TOPIX Large70 | TOPIX 100の構成銘柄のうちからTOPIX Core30を除いた70銘柄で構成 |
TOPIX Mid400 | TOPIX 100の次に流動性と時価総額が高い400銘柄で構成 |
TOPIX Small | TOPIX 500の構成銘柄を除いた小型株で構成 |
TOPIX Small500 | TOPIX Smallの中でTOPIX1000に含まれた500銘柄で構成 |
TOPIX 100 | 流動性と時価総額が高い大型株100銘柄で構成 |
TOPIX 500 | TOPIXの時価総額上位500銘柄で構成 |
TOPIX 1000 | 流動性と時価総額が特に高い1000銘柄で構成 |
ただし、東証の市場再編によりトピックス(TOPIX)の構成銘柄が変わるため、投資する場合は注意が必要です。
トピックス(TOPIX)への代表的な2つの投資方法とは
トピックス(TOPIX)に投資する際には、投資信託やETF(上場投資信託)を活用する方法があります。それぞれ特徴が異なりますので、ご自身に合った投資方法を選択することが大切です。
投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金をまとめて、投資のプロが方針に従って運用する金融商品です。多くの投資家から資金を集め、さまざまな銘柄に分散して運用されるため、個人でも少ない資金でリスクを抑えながら投資ができる魅力があります。
また、毎月決まったタイミングで定額を自動的に投資できるようにしておけば、毎回手作業で銘柄を購入する手間はかかりません。長期にわたり継続的な資産形成をしたいとお考えの方におすすめの投資方法です。
ただし、投資信託の場合、投資のプロが銘柄の分析・取引をご自身の代わりに実施するため、購入手数料や信託報酬などの固定コストが高く付く可能性があります。また、ETFとは異なり、リアルタイムでの銘柄の売買ができないのでご注意ください。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)は、トピックス(TOPIX)をはじめとする株価指数と連動するように運用することを目指し、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託です。ETFそのものが証券取引所に上場しているため、証券口座を開設していれば株式などと同様に値動きを見ながらリアルタイムの売買が可能です。
ETFには数多く種類が用意されており、そのほとんどがトピックス(TOPIX)などの株価指数に連動するため、1つETFを購入することで分散投資ができる仕組みとなっています。
ただし、ETFでは自動積立投資ができない場合があるため、その場合はご自身で市場価格を確認しながら購入しなければなりません。毎月購入する予定のETFが決まっていたとしても、手動で積立を行っていくのは負担となるので、根気よく長期間にわたり資産形成を行っていくことが大切です。
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おわりに
トピックス(TOPIX)は、日本を代表する株価指数の一つである日経平均株価と並んで重要な指数です。しかし、東証の市場再編により、トピックス(TOPIX)の構成銘柄が変化したため、これから投資をお考えの方は慎重に事前調査を進める必要があるでしょう。
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