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介護費用は実際いくら?総額と1ヵ月あたり自己負担額の平均額は?

介護費用は実際いくら?総額と1ヵ月あたり自己負担額の平均額は?
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

生命保険文化センターの調査によれば、介護費用の自己負担額は平均月7.8万円でした。要介護度や負担割合、利用する介護サービスによってどう費用が変わるのか、詳しく解説します。また、これから介護される立場としてどんな準備をしていくことができるのかについて見ていきましょう。

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介護費用の自己負担額は総額500万円

介護費用の自己負担額は総額500万円

日本では40歳以上のすべての方が公的な介護保険に加入し、介護サービスが必要になったとき(※)には1~3割の自己負担額で利用することが可能です。しかし、介護施設に入所する際の居住費や食費などは保険適用外になることがあり、また、要介護度が高くなると利用する介護サービスの量も増えるため、たとえ1~3割であっても少なからず負担になることがあります。

生命保険文化センターの調査によれば、介護期間は平均54.5ヵ月、介護負担額は毎月7.8万円(合計425.1万円)です。また、介護生活になったときに住宅をバリアフリー仕様にする資金や介護用ベッドの購入資金などの一時的な費用として69万円かかることを考慮すれば、総額500万円程度かかるでしょう。

夫婦2人の介護費用を考えれば、さらに高額の資金を用意しておく必要があります。住宅をバリアフリー仕様にするリフォーム費や介護用ベッドなどの設備にはお金がかからないとしても、毎月の介護費用はかかるでしょう。単純計算すれば総額920万円ほど用意しておくことが望ましいでしょう。

※原則として65歳以上です。40歳以上65歳未満の方が介護サービスを利用するためには、特定の疾患を原因とすることが条件となります。

参考:生命保険文化センター「介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?

介護費用の毎月の自己負担額は個人差が多い

介護費用の毎月の自己負担額の平均は7.8万円です。しかし、介護費用は個人差が大きく、月に15万円以上かかる方も15%以上います。また、介護生活において一時的にかかる費用も平均は69万円ですが、200万円以上かかったという方も6.1%いました。

自宅で家族が介護をするか、施設に入所するかによっても介護費用は大きく変わります。施設に入所すると居住費や食費も別途支払うことになるため、自宅で介護生活を送るよりも高額な出費になることもあるでしょう。

また、手厚い介護サービスを受けようと思えば、要介護度や要支援度によって定められた介護保険適用額上限額を超えてしまう場合もあるでしょう。介護保険適用額を超えて介護サービスを受ける場合は全額自己負担となるため、さらに介護費用がかさむでしょう。どのような介護を受けたいか、健康なときから家族と話し合っておくことがおすすめです。

介護費用を決める3つの要素

介護費用を決める3つの要素

介護費用がどの程度かかるか計算し、介護が必要となる前に用意しておきましょう。平均から計算すれば500万円ほど用意しておく必要がありますが、個人差もあるため、必ずしも500万円が必要とは限りません。介護費用を決める要素として、次の3つが挙げられます。それぞれどのように介護費用に影響を与えるのか、また、いくらくらいの影響を与えるのかについて詳しく見ていきましょう。

負担割合

65歳以上の被保険者が利用する場合、介護保険の負担割合は合計所得によって決まります。介護保険被保険者自身の合計所得が年160万円以下、あるいは住民税非課税か生活保護を受けている場合の負担割合は1割です。一方で、単身世帯で合計所得が年280万円以上、2人以上世帯で年346万円以上の場合は2割、単身世帯で年340万円以上、2人以上世帯で年463万円以上の場合は3割負担になります。

負担割合が大きいとその分、介護費用は高額です。例えば2万円分の介護サービスを利用した場合、全額介護保険が適用されるならば、1割負担の被保険者は2,000円の自己負担額となりますが、3割負担の被保険者は6,000円の自己負担額となります。

要介護度

要介護度や要支援度によって介護保険が適用される上限額が変わります。なお 、要介護とは介護サービスが必要な状態で1~5の5段階、要支援とは介護予防サービスが必要な状態で1、2の2段階です。数字が増えるほど必要とされる支援が増えると判断されます。要介護度が高くなると介護保険が適用される上限額も増えますが、必要とする介護サービスも増えるため、自己負担額は高くなるでしょう。

施設介護か在宅介護か

施設で介護を受ける場合には介護費用に加え、居住費や食費、管理費などがかかります。原則として居住費や食費などには介護保険は適用されないため、全額自己負担です。

そのため、自宅で生活しつつデイサービスや訪問介護サービスを利用する場合よりも、施設を利用する場合の介護費用が高なることが多いでしょう。しかし、自宅で24時間ヘルパーを雇って介護サービスを受ける場合などは、施設よりも毎月の費用が高くなるかもしれません。どこで介護生活を送りたいのか、どのような介護サービスを受けたいのか、考えておきましょう。

また、どの施設を選ぶかによっても費用は変わります。例えば特別養護老人ホームと比べると、有料老人ホームの方が居住費や管理費が高いため、自己負担額も高額になるでしょう。有料老人ホームの中でも設備や個室の広さなどによって居住費は大きく変わるので、予算に見合った施設を探すことも大切です。

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介護費用の内訳

介護費用の内訳

介護費用は、在宅介護を選ぶか施設入所するかによって大きく変わります。初期費用や介護サービス費、居住費などの内訳ごとの費用について見ていきましょう。

初期費用

在宅介護の場合は、廊下や玄関、浴室などに手すりをつけたり、玄関をスロープ状にしたりと生活しやすいようにリフォームする必要があるかもしれません。

また、介護用ベッドや要介護者にとって使いやすいトイレ、室内用の車いす、杖など、さまざまな設備や用品を購入する必要もあるでしょう。生命保険文化センターの調査によれば、このような一時的な費用として平均69万円かかります。

一方、施設に入所する場合は、住宅のリフォーム費用や介護用ベッドなどの設備代はかかりません。しかし、入居する際に一時金がかかることもあります。例えば、公的施設である特別養護老人ホームは、入居時の一時金がかかりませんが、老人ホームやグループホームなどの民間施設では無料のところもあれば数十万円~数千万円単位の費用がかかることもあるので事前に調べておきましょう。

介護サービス費

介護サービス費は、在宅でも施設でもほとんど変わりません。介護保険が適用される範囲内であれば1割~3割の負担で利用できます。ただし、自宅で介護をする場合は、介護施設とは異なり家族が介護者となるため、介護サービスを利用する回数が増えることがあるかもしれません。

居住費 

在宅介護では居住費はかかりませんが、施設に入所する場合には居住費が発生するので見積もっておきましょう。施設によって異なりますが月に5万円~12万円ほど、中には月額100万円以上かかるところもあります。

管理費 

居住費とは別に、管理費がかかる施設もあります。在宅介護ではなく施設介護を検討するときは、居住費と管理費を併せてどの程度かかるのか調べておきましょう。施設形態によって異なりますが、有料老人ホームでは月額10万円前後かかることもあります。

食費

介護施設を利用するときは、食費もかかります。介護保険施設では合計所得などによって食費の自己負担額は1日300円~1,445円に定められていますが、それ以外の施設では特に決まりはないため高額になることがあるでしょう。

その他費用

介護生活を送るにあたって、介護費用や住居費、食費以外にもさまざまな費用がかかります。例えばおむつ代や介護用品の購入費用、レンタル費用などもかかってくるでしょう。

また、医療を受けるときには医療費が発生します。医療機関に行くまでのタクシー代なども必要になるかもしれません。

介護生活を送る場合は、まずは介護を受ける方に無理がないことも大切ですが、家族の生活についても考えてみましょう。例えば自宅で介護をする場合、居住費や管理費などがかからないため、費用的には節約できるかもしれません。しかし、家族が仕事を辞めて介護に専念するなら、収入が下がった分、トータルで見れば施設介護よりもマイナスになっている可能性があります。

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介護される立場になるまでに知っておきたいこと

介護される立場になるまでに知っておきたいこと

在宅介護を選択する場合でも、施設で介護を受ける場合にも、相応の費用がかかります。また、費用面だけでなく、家族や要介護者本人に身体的・精神的負担がかかるでしょう。

介護される立場になる前に、介護について、そして介護費用についてある程度知っておく必要があります。特に次の3つのポイントに留意し、介護生活に備えていきましょう。

  • 自己負担額が多いときは高額介護サービス費を申請する
  • どのような介護を受けたいか決めておく
  • 介護費用を前もって準備しておく

自己負担額が多いときは高額介護サービス費を申請する

介護保険には「高額介護サービス費」が設けられており、自己負担額が高額になったときは払い戻しを受けることができます。個人あるいは世帯の課税所得によって上限額が月額15,000円~140,100円に定められているので、上限額を超えたときは払い戻しの手続きをしておきましょう。

ただし、以下の費用については高額介護サービス費制度の適用とはなりません。

  • 住宅リフォームや介護用品の購入にかかった費用の自己負担分
  • 施設で介護を受けるときの居住費や食費、生活費など
  • 介護保険の適用限度額を超えて介護サービスを利用した場合の介護費用
  • 介護保険の適用とならないサービスを利用した場合の介護費用

また、介護保険と医療保険の自己負担額を合算した金額によっては、「高額医療・高額介護合算療養費制度」を利用できることがあります。こちらも高額介護サービス費と同じく所得によって上限額が決まっていますが、月額ではなく年間の費用で決まるので注意が必要です。8月から翌年7月にかかった介護費用と医療費用の自己負担額を合算し、19万円~212万円を超えている場合は、申請して還付を受けましょう。

どのような介護を受けたいか決めておく

介護にはさまざまな選択肢があります。在宅で介護を受けるのか、それとも施設で介護を受けるのか、施設を選ぶ場合はどの施設が良いのかなど考えるべき要素は多数あるでしょう。どの選択をするかによっても必要な費用は異なります。介護費用をどの程度まで出すことができるのかを計算してから、望む形の介護について考えるほうが良いでしょう。

また、家族の意見も重要です。どのような介護をしたいと考えているのか、どの程度までなら在宅介護を支援できるのかなどについても、元気なときから話し合っておくようにしましょう。

介護費用を前もって準備しておく

介護費用を前もって準備しておく

介護費用を準備することも必要です。貯蓄や投資によって準備したり、退職金の一部を介護費用として残したりすることもできるでしょう。

なお、住み慣れた自宅を活用した「リースバック」も検討してみましょう。リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却し、売却した後は、リースバック運営会社と賃貸借契約を締結し、そのまま自宅を賃貸として、住み続けることができる資金調達手法です。

リースバックを活用することで、愛着のある自宅で生活しながら、売却で得た資金を用いて介護サービスを受けることもできるでしょう。一方で、その資金を介護施設への入居資金として活用することも可能です。ぜひ、参考ににしてみてください。

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セゾンのリースバックの説明動画です。(音声が出ます。音量調整にご注意ください。)

おわりに

介護にはお金がかかります。どのような介護を希望するのかある程度決めておき、計画的に介護費用を用意していきましょう。

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