親が住む実家。空き家になる可能性がある場合、いつ売却すべきか?

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親が住む実家。空き家になる可能性がある場合、いつ売却すべきか?

親が住む実家が空き家になることが考えられるときは、早めに売却のタイミングについて検討するこが重要です。生前に売却した場合と、相続してから売却した場合とでも違いがでてきます。親とともにベストな選択をするために、親が元気なうちに話し合っておきましょう。

1.実家を売却せず空き家にするとどうなる?

総務省の平成30年(2018年)住宅・土地統計調査によれば、空き家件数は848万9千戸で全国の住宅の13.6%と過去最多となっています。前回平成25年(2013年)の調査からも約25万戸あまり増えています。

空き家が増加している主な要因には少子高齢化の進展や都市部への人の移動などが背景にあるとみられています。

空き家率を都道府県別に見ると、空き家率が高い順に山梨県21.3%、和歌山県20.3%、長野県19.5%、徳島県19.4%、高知県と鹿児島県が18.9%といったように、甲信・四国地方で空き家率が高くなっているようです。

一方で空き家率が低いのは順に埼玉県と沖縄県の10.2%、東京都10.6%、神奈川県10.7%、愛知県11.2%となっていて、空き家率が高い地域と比較すると半分程度の空き家率となっています。それでも10戸に1戸以上の割合で空き家があることが分かります。

空き家にはいくつか種類があります。その中には「賃貸もしくは売却用の住宅」や別荘といった「二次的住宅」に分類される空き家があり、それらは空き家といっても一時的に空き家状態となっているもので、基本的には所有者が利用・管理している住宅といえます。

空き家でも問題になりやすいのは、何らかの理由によって使用目的のない住宅や、取り壊すことになっている住宅で「そのほかの住宅」に分類されるものです。2018年にはそのほかの住宅は348万7千戸あり、空き家に占める割合は約41%にもなり、住み手が見つからず放置されやすい傾向にあります。

また、国土交通省の令和元年空き家所有者実態調査によれば、空き家を取得した経緯は「相続」によるものが全体の54.6%と最も多くなっています。そして「建築時期が古い」ものほど相続の割合が総じて大きくなっています。

1-1.空き家がかかえるリスク

では、相続などで取得した実家を空き家のままにしておくことで、どのような問題が生じるでしょうか?定期的な管理が行われず空き家が放置されると、以下のような問題が生じる可能性があります。

他者への危険性老朽化による建物の倒壊や衛生面で有害など
地域への悪影響景観の悪化や近隣の住宅価値を下げるなど
防犯上のリスクホームレス・犯罪者などの不法侵入や、不法投棄・放火など

例えば、建物が倒壊したことにより他人にケガなどを負わせた場合には、損害賠償を請求される可能性があります。所有者にとっては突然、経済的な負担を強いられることになりかねません。

また、通称「空家法」といわれる「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、周囲への危険や景観を損ねる空き家を自治体が「特定空家」と定めることが可能になりました。これにより空き家の所有者は自治体から、空き家の立木伐採や解体撤去などの助言・指導・勧告・命令などを受ける可能性があります。

1-2.空き家を所有することによる税負担

空き家には固定資産税の問題もあります。空き家を利用していなくても、所有することで毎年固定資産税等の負担が生じます。

固定資産税等には特例があり、専用住宅の敷地として利用されている土地の場合、土地の面積200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)までの分については、固定資産税の課税標準は6分の1に、都市計画税の課税標準は3分の1に減額されます。この特例は、建物を取り壊して更地にしてしまうと適用されません。そのため、老朽化による建物の倒壊といったリスクを避けるために更地にしたくても、固定資産税等の税負担が増えてしまう理由から放置されてしまうケースもあるようです。

なお、「特定空家」に指定されると固定資産税の特例は適用されなくなる場合があることに注意が必要です。

2.実家を相続してから売却する場合の税金の特例

空き家にすることで生じるさまざまな問題を回避するための方法の1つに、実家を売却する方法があります。売却を検討する際には、税負担を軽減できる制度を利用できないか確認してみましょう。まずは、実家を相続してから売却するまでに利用できる税金の特例制度を見ていきます。

2-1.小規模宅地等の評価減の特例

親から相続を受けた時には相続税がかかる場合があります。相続税は現金での一括納付が原則なため、相続税の支払い負担により相続人の生活を脅かさないようにすることを目的とし相続税評価を減額する小規模宅地等の特例があります。

この特例が適用される要件にはいくつかありますが、その1つに親が自宅として使っていた土地(特定居住用宅地等)を相続する場合があります。ただし、親と同居していたかどうかなどで要件が異なってきますので国税庁のホームページなどでしっかり確認しましょう。特例が適用されると、評価額が土地330平方メートルまでの面積について80%減額されます。

2-2.空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例

空き家を売却した際には所得税が発生する可能性があります。売却した際の譲渡所得(不動産の売却益)に対してかかる所得税負担を軽減するために、空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例があります。

この特例は相続によって取得した空き家を特例の適用期間である令和5年(2023年)12月31日までに売却したときに、譲渡所得の金額から最高3,000万円までを控除できます。ただし、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間の売却に限り、特例を適用できることは注意しておきましょう。

特例の対象となる空き家は被相続人が居住していた家屋で、以下の3つの要件に当てはまるものとなります。

・昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
・区分所有建物登記がされている建物(マンションなど)でないこと。
・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。

2-3.取得費加算の特例

「取得費加算の特例」は、相続後3年10ヶ月以内に相続財産を売却した場合に、相続税額の一部を取得費に加算することで譲渡所得にかかる所得税を軽減できる制度です。これは相続した空き家にも適用できます。

ただし、この特例は空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例と併用することはできず、どちらかを選択する必要があります。

3.親が生前に自宅を売却する場合の税金の特例

将来的に空き家になる可能性があるのであれば、親が生前のうちに自宅を売却してしまうことも考えられます。この時に利用できる税負担を軽減する制度にはどのようなものがあるでしょう。

3-1.譲渡所得税3,000万円の特別控除の特例

自宅を売却したときは、所有期間の長さには関係なく、譲渡所得から最高3,000万円までを控除することができます。これを「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

この特例が適用される前提として親が実際に住んでいる自宅が対象であること以外にも、適用要件が複数あり、全てを満たしている必要があるのでしっかり確認するようにしましょう。

3-2.自宅を10年超所有しているときの軽減税率の特例

自宅を売却し一定の要件を満たす場合は、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率の特例の適用を受けることができます。この特例により譲渡所得6,000万円以下の部分の所得税と住民税を合わせた税率が14.21%(令和19年までの復興特別所得税を含む)となります。なお、譲渡所得6,000万円を越える部分についての税率は、長期譲渡所得の税率で20.315%となります。

この特例は、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例と併用して利用することが可能です。

4.実家を売却するタイミングは相続後か、生前か?

実家の売却にあたっては、税負担の軽減に利用できる特例をしっかり確認しながら、もっとも税負担の軽くなるタイミングを図るのも方法の1つですが、経済的な面だけでなく、家族それぞれの状況にあったタイミングを見つけることが大切です。

一方で、例えば親の老後資金に余裕がないのであれば、後の空き家対策にもなる「リースバック」という手段を検討するのも方法です。これは生前に売却する方法の1つになります。

リースバックは自宅を売却して現金を得ながら、売却後も同じ住宅を借りることで引っ越しせずに住み続けられるものです。例えば、セゾンが提供しているリースバックには以下のようなメリットがあります。

・住み慣れた自宅に住み続けられる
・現金が一括して支払われる
・転居が不要なため引っ越し費用がかからない
・固定資産税がかからなくなる
・将来的には買い戻すことも可能

生活に必要な資金を得られながら住み慣れた自宅に住み続けられるリースバックは、実家を有効に活かす方法の1つです。

おわりに

実家を空き家のまま放置しておくことでさまざまな問題が生じてしまうリスクがあります。そのため、状況に応じて売却のタイミングを考えることは良いことです。一方で、空き家が増加している状況では売却自体が思うように進まない可能性もあります。

そこで、空き家対策だけでなく資金不足対策も含め、実家を相続前にリースバックにより資金化することも選択肢の1つとして検討するのが良いでしょう。

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