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入院日数の平均は30日を下回る!年代別・病気別の平均入院日数について解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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厚生労働省がとった統計によると入院日数の平均は30日を下回っており、入院期間はこれからも短くなることが予想されます。しかし、入院1日あたりの自己負担額は平均2万円超えと高額です。

このコラムでは年代別・病気別の平均入院日数や入院時の自己負担額について解説します。

1.入院日数の平均は30日を下回る 

入院日数の平均は30日を下回る傾向が続いています。厚生労働省がとった統計によると、2019年の平均入院日数は27.3日 でした。また、2022年3月時点で公表されている2021年1月〜11月の平均入院日数も、1月を除けばいずれも30日を下回っている状態です。

2021年度平均入院日数
1月30.2日
2月28.9日
3月27.0日
4月27.1日
5月29.4日
6月27.0日
7月27.2日
8日26.7日
9月27.4日
10月26.9日
11月26.7日

1-1.【年代別】入院日数の平均

近年の入院日数の全体平均は30日を下回っていますが、実際は、年代ごとに、その日数は大きく異なっています。厚生労働省が発表した2017年の統計を基に、入院日数の平均は年代別で見ると以下のとおりです。

年代平均入院日数
0〜14歳7.4日
15〜34歳11.1日
35〜64歳21.9日
65歳以上37.6日
75歳以上43.6日

2017年の平均入院日数は29.3日です。入院日数が平均を上回るのは65歳以上からとなっており、75歳以上ともなると平均よりも10日以上入院日数が延びていることが分かります。このことから、年代が上がるにつれて入院日数の平均は長くなる傾向にあるといえるでしょう。

1-2.【病気別】入院日数の平均

入院日数の平均は病気によっても大きく異なります。厚生労働省が発表した2017年の統計を基にした病気別の入院日数の平均は以下のとおりです。

病気の種類平均入院日数
結核54.1日
ウイルス性肝炎21.2日
がん(全体)17.1日
胃がん19.2日
乳がん11.5日
肝臓がん16.9日
肺がん16.3日
糖尿病33.3日
認知症349.2日
統合失調症531.8日
アルツハイマー病252.1日
高血圧性疾患33.7日
心疾患19.3日
脳血管疾患78.2日
肺炎27.3日
喘息8.6日
歯肉炎および歯周疾患2.3日
肝疾患22.9日
慢性腎臓病47.9日
骨折37.2日

統合失調症や認知症、アルツハイマー病などの精神系および神経系の病気は、入院が長引く傾向にあります。一方で精神系や神経系以外の病気の平均入院日数は短く、いずれも100日未満です。

・交通事故による平均入院日数は約30日

厚生労働省が発表した2017年の統計によると、交通事故による入院日数の平均は約30日といわれています。事故別の入院日数の平均は以下のとおりです。

事故の種類平均入院日数
自動車事故31.3日
自転車事故22.7日
その他の交通事故24.6日
 スポーツ中の事故11.0日

自動車事故の平均入院日数は30日を上回っていますが、それ以外は30日未満です。事故に遭った場合の入院日数も、入院日数の平均と大差ないといえるでしょう。 

1-3.半数以上の方が0〜14日で退院している

入院日数の平均は30日を下回っていますが、厚生労働省がとった統計によると68.2%の方が0〜14日以内に退院しています。

入院日数総数精神病床感染症病床結核病床療養病床一般病床
0〜14日68.2%15.7%87.0%17.3%13.1%71.9%
15〜30日15.7%13.2%7.9%16.9%11.0%15.9%
1〜3ヵ月未満12.4%39.2%5.1%47.4%40.4%10.5%
3〜6ヵ月未満2.3%13.9%0%16.2%19.1%1.3%
6ヵ月以上1.4%17.9%0%2.2%16.2%0.3%

一方で、精神病床や療養病床は退院までに6ヵ月以上かかっている場合があり、他の病気よりも入院日数が長引く傾向にあるといえるでしょう。

2.平均入院日数は短くなっている  

厚生労働省が発表した2017年の統計を見ると、入院日数の平均は1990年から年々短くなっていることが分かります。

年代平均入院日数
1990年44.9日
1993年41.9日
1996年40.8日
1999年39.3日
2002年37.9日
2005年37.5日
2008年35.6日
2011年32.8日
2014年31.9日
2017年29.3日

厚生労働省-令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況

1990年から2019年までの29年間で、平均入院日数が15.6日も短くなりました。入院日数が短くなっている背景には「医療技術の進歩」が挙げられるでしょう。

1990年からの29年間、毎年短くなっていることからも、今後も医療技術の進歩により平均入院日数はこれからもどんどん短くなっていくかもしれません。

2-1.入院日数の平均が短くなっている2つの理由

入院日数の平均は1990年から年々短くなっており、これからも短期化することが予想されます。平均入院日数が短くなっている2つの理由は以下のとおりです。

  • 医療技術の進歩によって長期入院を必要としないから
  • 政府が入院期間を短期化する政策を進めているから

入院日数の平均が短くなっている2つの理由について、以下で詳しく解説します。

・医療技術の進歩によって長期入院を必要としないから

入院日数の平均が短くなっている理由として、医療技術の進歩が挙げられます。歳月の経過とともに新しい医療技術が確立され、今では患者の身体に大きな負担を掛けない手術も可能となっています。

内視鏡手術がその一例であり、このような手術は回復までが早く、長期間の入院を必要としなくなりました。

・政府が入院期間を短期化する政策を進めているから

年々、平均入院日数が短くなっているもうひとつの理由として、政府が入院期間の短縮を目的とした「医療費適正化計画」を進めていることが挙げられます。

少子高齢化が進む中、医療給付費の伸びの過大が問題になっています。また、入院患者数が増え続けることにより、病床が不足する事態にもなりかねないという側面もあるかもしれません。

このような事態を未然に防ぐために、政府は平均入院日数の短縮を目的とする政策として、医療機能の分化・連携、在宅療養の推進、療養病床の転換支援の取組みなどを行っています。

3.入院1日あたり自己負担額の平均は23,300円

2020年12月、公益財団法人の生命保険文化センターが行った調査によると、入院1日あたりの自己負担額は平均で23,300円です。入院1日あたりの自己負担額と構成割合は以下のとおりです。

入院1日あたりの自己負担額構成割合
5,000円未満10.6%
5,000円〜7,000円未満7.6%
7,000円〜1万円未満11.1%
1万円〜15,000円未満24.2%
15,000円〜2万円未満9.0%
2万円〜3万円未満12.8%
3万円〜4万円未満8.7%
4万円未満16.0%

これは過去5年以内に入院をし、入院費用などを支払った方を対象に調査したもので、調査対象者には高額療養費制度を利用した方も含まれています。日本には公的医療保険制度があるとはいえ、入院1日あたりの自己負担額の平均が2万円を超えるとなると家計負担も大きくなるでしょう。

4.長期入院による2つのリスク 

入院期間が長引くことで生じるリスクとして、以下の2つが挙げられます。

  • 自己負担額が大きくなる
  • 収入が減る恐れがある

入院期間が長引くほど、自己負担額も大きくなることが生命保険文化センターの調査で明らかになっています。そのうえ、入院中は仕事ができないため、入院期間が長引くほど収入も低減するでしょう。

入院期間が長引くことで生じる2つのリスクについて、以下で詳しく解説します。

4-1.自己負担額が大きくなる

長期入院をすると自己負担額が大きくなる可能性が高いです。実際、生命保険文化センターの調査内容を見ると、入院期間が長期化するにつれて入院時の自己負担額も大きくなっています。

入院期間入院時の自己負担額の平均
5日未満10.1万円
5〜7日15.6万円
8〜14日21万円
15〜30日28.5万円
31〜60日34.6万円
61日以上60.9万円

また、生命保険文化センターの調査内容によると、入院期間が7日以下の方の約半数は入院時の自己負担額が10万円未満で済んでいるのに対し、入院期間が31日以上となると多くの方が50万円〜100万円を負担しています。

このように入院時の自己負担額は入院期間に連動して大きくなる傾向にあるため、長期入院の際は、入院日数に比例し、自己負担額も大きくなることを頭に入れておきましょう。

4-2.収入が減る恐れがある

長期入院によるもう1つのリスクは、収入が減る恐れがある点です。入院中は仕事ができないため、入院日数が長引くほど収入も減ってしまいます。入院によって収入が低減した方の割合を年代別にまとめました。

年代減収となった方の割合
20代28.1%
30代22.1%
40代24.1%
50代23.5%
60代18.6%

収入が低減した方は、働き盛りの20〜50代の方に多い傾向です。勤務先で加入している健康保険から傷病手当金が支給される場合もありますが、支給額は給料(標準報酬日額)の3分の2のみのため、やはり収入は低減するでしょう。

・入院時の逸失収入は平均32万円

本来得られるはずだった収入が、入院によって失われた収入分を逸失収入といいます。2020年12月に生命保険文化センターが行った調査によると、入院時の逸失収入は平均32万円で、入院1日あたりの逸失収入は平均19,500円です。

ただし、これは入院によって低減した収入のみを示したもので、実際は逸失収入に加えて入院費用などの自己負担額も発生します。入院時の自己負担額と逸失収入の総額を入院期間ごとにまとめました。

入院期間入院時の自己負担額と逸失収入の総額
5日未満11.7万円
5〜7日19.1万円
8〜14日29万円
15〜30日43.9万円
31〜60日60.6万円
61日以上92.7万円

入院期間が長引くにつれて家計負担も大きくなります。長期入院によるリスクに備えたい方は、医療保険への加入を検討しましょう。

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おわりに

現在の平均入院日数は30日未満であり、入院日数はこれからも短くなることが予想されます。しかし、入院1日あたりの自己負担額の平均は23,300円と安くはありません。特に入院期間が長期に及ぶ場合は顕著で、入院費が家計を圧迫します。

入院による家計負担を少しでも軽減したい方は、医療保険への加入を検討しましょう。医療保険に加入することで、高額な入院費や逸失収入が発生する事態に備えられます。

病気が見つかったあとでは保険に加入できないケースも多いため、早めに医療保険に加入して万が一に備えましょう。

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