「お金持ちになる方法」「投資を始める方法」などという本を読んでいると、超富裕層という言葉をよく見かけます。超富裕層と聞くと、相当なお金持ちのイメージするでしょう。「超」という言葉が付きますので、想像しているお金持ちよりも、さらに莫大な富を手に入れているのだろうと想像してしまいます。
謎が多い超富裕層ですが、日本にもいるのでしょうか。有名なお金持ちの方々はいますが、超富裕層なのかというと分かりません。そもそも超富裕層とは、どのような方たちのことを指すのでしょうか。豪邸に住んでいる、ジェット機を持っているなどでは、超富裕層に含まれないのかもしれません。
どのような職業なのか、どのような暮らしをしているのか気になります。さらに、誰でも超富裕層になれるのかも知っておきたい内容です。このコラムでは、世界や日本での超富裕層の割合、定義、生活について紹介します。
超富裕層とは
富裕層の定義は明確に定まっていませんが、野村総合研究所の調査では「純金融資産保有額1億円以上5億円未満」の世帯を富裕層としています。
資産階層で表すと、超富裕層はピラミッドの頂点に位置します。定義が「5億円以上」ですので、金額に天井がありません。一言で表すと「トップクラスのお金持ち」です。超富裕層には投資家・社長・著名人など、さまざまな業種の方がいます。その中には、誰もが知っている有名な方もいるでしょう。
また、超富裕層の中には、自身で事業を成功させて資産を築いた方や、親や祖先から資産を引き継いだという方もいます。このことから、「自身で事業を起こす」という道は、超富裕層になるチャンスはある道かもしれません。しかし、日本を含め世界中に超富裕層は存在しますが、全世帯の割合ではほんのひと握りの方たちです。
富裕層と準富裕層の違い
超富裕層以外に「富裕層」と「準富裕層」が存在します。名前のとおり、超富裕層に続くお金持ちです。三者の違いは何かというと、保持している純金融資産額の違いです。明確に金額が分かれています。純金融資産額の違いは以下のとおりです。
「超富裕層」「富裕層」「準富裕層」は、純金融資産額ごとに分けられて定義されています。これらは世帯を見分けやすくするために、名付けられています。
参照元:出典:「純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数」(2020年、株式会社野村総合研究所)
世界の超富裕層の割合は?
また、これは少し基準が異なりますが、純資産3000万ドル以上を持つ個人を超富裕層(Ultra High Net Worth Individuals)を対象とした、調査機関Wealth-Xによるレポート「World Ultra Wealth Report 2021」によると、世界の超富裕層の割合は、以下のとおりです。
北米とアジアの割合が増えていて、ヨーロッパの割が多く、北米とアジアは前年より増加しているものの、ヨーロッパは減少していることが分かります。
北米とアジアが成長
北米とアジアが成長していて、超富裕層人口は増加傾向にあります。北米は全世界で最も超富裕層の多い地域で、人口は毎年増加傾向にあります。ここ数年間は、北米がトップの座についています。続いてアジアは、中国・日本・インドが中心です。
また、アジアの超富裕層は10年前から増加していて、現在では世界の4分の1の超富裕層がアジアに集結しているといわれています。今後も経済成長に伴い、超富裕層の人口は増えていくでしょう。
ヨーロッパ圏は国外に流出
ヨーロッパ圏の超富裕層は、減少傾向にあります。EU主要国では経済成長が一時改善の兆しを見せていましたが、金融市場活動の鈍化により見通しが不透明な状況です。また、超富裕層の人口は、年々数%ずつ減少しています。
米国が最も多い
超富裕層の人口が一番多い国はアメリカです。国別の超富裕層の人口ランキングは、以下のとおりです。
アメリカの超富裕層の人口は101,240人で、全世界の34.2%がアメリカに集中しています。GAFA(Google・Amazon・フェイスブック・Apple)のような世界的IT企業が、アメリカに集結していることが要因と考えられます。また、都市別で見るとアメリカ・ニューヨークが最も多く、11,475人の富裕層が存在しています。
日本の超富裕層の割合は?
日本に話を戻しまして、野村総合研究所によると、日本の超富裕層は8.7世帯で、割合としては全世帯の0.16%です。このことから、ほんのひと握りの方たちが超富裕層だと分かります。超富裕層全体の金融資産は97兆円と言われていますので、1世帯あたりにすると約11億円の資産を持っています。
2013年以降増加傾向
アベノミクスがはじまった2013年以降、超富裕層の人口が増加しています。金融資産運用の活発化が、背景にあると考えられています。ただし、2020年以降コロナウイルスの影響により、経済指標が悪化しました。このことから、今後大きく変化する可能性があるといわれています。
超富裕層になりやすい職業は?
調査機関Wealth-Xによると、超富裕層になりやすい職業は、以下のとおりといわれています。
- 1位:金融業
- 2位:サービス業
- 3位:非営利組織
- 4位:不動産業
- 5位:ヘルスケア業
- 6位:IT分野
- 7位:製造業
- 8位:エンターテインメント
- 9位:建築業
- 10位:食品サービス業
引用元:2020年版:資産5億円以上の超富裕層になりやすい業界トップ10 | Business Insider Japan
超富裕層の暮らしぶりは?
超富裕層の暮らしぶりは、以下のとおりです。
- 海外と日本を往復しながら暮らす
- 資産運用しながら暮らす
- 城のような自宅で暮らす
自宅や生活にお金をかけたり、こだわっていたりする超富裕層は多くいます。ただし、豪華な生活だけが目的なのではなく、経済を回すためにお金を使う方もいます。どのような暮らしぶりなのか、一緒に見ていきましょう。
海外と日本を往復しながら暮らす
1つ目の例は「海外と日本を往復しながら暮らす」です。海外に職場があったり、頻繁に海外旅行に行ったりする場合は、海外と日本を往復する生活になるでしょう。日本に自宅がありながら、海外にも物件を購入する超富裕層は少なくありません。日本と海外を往復しながら、悠々自適にセカンドライフを送る方もいます。
資産運用しながら暮らす
2つ目の例は「資産運用しながら暮らす」です。資産を持っていても、シンプルな生活を好む超富裕層もいます。実際に都心から離れた郊外に、昔ながらの日本家屋を構えて過ごしているという方もいらっしゃるようです。また、投資家は投資・消費・浪費のどれかを考えて金銭を使いますので、倹約家が多い傾向にあるといわれています。
城のような自宅で暮らす
3つ目の例は「城のような自宅で暮らす」です。超富裕層といえば、豪邸に暮らしているイメージがあります。格調高い玄関・海外から取り寄せたこだわりの家具・厳重なセキュリティなど、お城のような雰囲気の自宅です。数億円で購入した自宅を、気分によって定期的にリフォームして過ごしている超富裕層もいるようです。
富裕層になるには?資産形成を始めよう
資産形成の第一歩として資産形成を始めるなら、少額から始められるNISAやiDeCoがおすすめです。詳細は以下のとおりです。
NISA
NISAは毎年一定金額で購入した金融商品の利益が、非課税になる制度です。
クレジットカードで積み立てするなら、月々1,000円から1円単位で自由に設定でき、無理なく始められます。NISAにも対応しているセゾンポケットがおすすめです。
iDeCo
iDeCoは確定拠出年金法に基づいて、実施されている私的年金の制度です。自身で申し込み掛金を拠出し、さらに運用方法を選んで掛金を運用できます。掛金と運用益との合計額を、給付として受け取れます。
おわりに
超富裕層は純金融資産保有額が、5億円以上ある世帯を指します。日本では全世帯の0.16%の割合です。資産形成を上手く活用できれば、超富裕層に近付くことができます。また、5億円以上世帯を持てなかったとしても、手に入れた資産は将来役立ちます。早めに資産運用に取り組んでみるのはいかがでしょうか。