みなさんは定年退職した後、どのように過ごそうと考えていますか。例えば、孫と遊んだり、たくさん国内外に旅行したりなど、いろいろ楽しみなことがあると思います。しかし、老後の楽しみは何かとお金がかかることが多いです。
しかし、貯金が苦手な方も多いことでしょう。そこで今回は、60代の方の平均貯蓄額や平均収支、貯蓄がない時に起きる問題、そしておすすめの資産運用をご紹介します。
1.60代、65歳前後の方はどれくらい貯蓄している?
60代、65歳前後の方はどのくらいお金を貯めているのでしょうか。近年、老後2,000万円問題や人生100年時代が話題になっています。
金融広報中央委員会の調査(2021年)によると、60代世帯の平均貯蓄額(金融資産保有額)は2,265万円、中央値は700万円となっています。平均値と中央値(大きい順に並べたときの真ん中となる水準)は大きく離れており、半数以上の方は平均に達していないことが伺えます。
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和3年調査結果
2.65歳前後の平均貯蓄額は?
老後2,000万円問題などが話題になる中、実際に老後に向けて貯蓄ができている方はどれくらいいるのでしょうか。2,000万円は大金であり、貯金ができていないという方も多いのではないでしょうか。そのような中、世間ではどれくらい貯蓄できているのでしょうか。
今回は60代の平均貯蓄額を2人以上世帯(夫婦世帯)と単身世帯の二つに分けて、それぞれ平均貯蓄額と中央値を調べました。ぜひ参考にしてください。
2-1.夫婦世帯の平均貯蓄額と中央値
金融広報中央委員会が出した家計の金融行動に関する世論調査(2021年)によると60代の2人以上の世帯の平均貯蓄額(金融資産保有額)は2,427万円、中央値は810万円です。
平均値はお金持ちによって大きく数値が変わるため、平均値よりも中央値を参考にした方が平均的な世帯に近くなります。この調査を見ると、2人以上世帯では中央値が810万円であり、中央値以下だと貯蓄が少ないと判断できます。
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯]令和3年調査結果
2-2.単身世帯の平均貯蓄額と中央値
金融広報中央委員会が出した家計の金融行動に関する世論調査によると、2021年の60代の単身世帯の平均貯蓄額(金融資産保有額)は1,860万円、中央値は460万円です。
この調査結果を見ると単身世帯よりも夫婦世帯の方が金融資産が多いことが分かります。共働きの世帯が多くなっているため夫婦世帯の資産が多いとも言えるかもしれません。
参照元:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯]令和3年調査結果
3.65歳前後の平均収支は?
65歳前後の平均収支はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が発表した国民生活基礎調査において、高齢者世帯で、生活にゆとりがあると答えた方は全体の5.4パーセントほどで、苦しい・やや苦しいと答えた方は半分の50パーセントを超えています。
この調査から適切に資産運用して、資産形成をしていないと老後の生活が苦しくなることが分かります。そこでさらに、夫婦世帯と単身世帯ではどれくらい違いがあるのか、詳しく見てみましょう。
3-1.夫婦無職世帯の収支
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均収支は収入が約23.6万円で支出は約25.4万円です。
ゆとりのある老後を過ごすために必要な生活費用は一般的に約36万円といわれています。この結果を見ると年金だけでは不足分を補えていません。これからは資産運用をすることが必須の時代になるかもしれません。
3-2.単身無職世帯の収支
65歳以上の単身無職世帯の平均収支は収入が約13.5万円で支出が約14.4万円です。夫婦世帯も単身世帯も支出が収入を上回っています。
また、歳を取っていくと自然と病気にかかりやすくなったり、事故でケガをしてしまったりして病院に行く回数が増える可能性があります。その際にかかる治療費や入院費は数字に入っていないので、収支からさらに引く必要があります。
4.65歳以降からの理想の老後資金、目安はいくら?
突然病気やケガになって入院したり、高額なものを買いたくなったりした時のために、老後資金は多めに持っておく方が良いでしょう。老後資金として、年金や退職金を合計して最低2,000万円、3,000万円あると老後の生活にゆとりを持てます。
4-1.年金
年金を支払っている方も多いと思いますが、老後には一体どのくらい支給されるのでしょうか。日本年金機構によると2022年4月分からの年金額等について、老齢基礎年金(1人あたり)は約6.5万円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は約21.9万円です。また、昨年から年金が0.4%減少しています。
4-2.退職金
次に退職金です。大企業で大学卒の場合平均金額は約2,230万円で、高校卒の場合約2,017万円です。中小企業で大学卒の場合約1,119万円で、高校卒の場合約1,031万円です。この金額は大学卒なら22歳から、高校卒なら18歳から定年まで働いた時の満額なので、途中で退社をした場合は上記の金額より少なくなります。
参照:令和3年賃金事情等総合調査(確報) – 中央労働委員会
5.老後に貯蓄額が少ないとどうなる?
貯蓄について常に考えてはいるがなかなか貯蓄にお金を回せず、貯蓄が貯まっていないという方も少なくないと思います。しかし、老後はなかなか働きにくいので貯蓄が非常に重要になります。
老後に貯蓄がないとどうなるのでしょうか。例えば、冠婚葬祭の費用を工面できず執り行うことができなかったり、生活スタイルに合わせた家の修理やリフォームもできません。このような状況に陥らないためにしっかりと今のうちから貯蓄しておきましょう。
5-1.冠婚葬祭の費用が捻出できない
冠婚葬祭の冠は成人式や還暦、七五三など、婚は結婚式、葬は葬式、祭は祖先に関することで、法事やお盆、お正月、七夕などの行事です。お金がないと冠婚葬祭の費用を捻出できません。
冠婚葬祭は人生にとって良い思い出となる節目であったり、別れであったり、とても重要な行事です。孫がいる場合は、七五三や成人式の思い出が作れなくなってしまいます。
5-2.子どもや孫への援助や贈り物ができない
老後に貯蓄額が少ないと、子どもや孫に欲しいものを買ってあげたいのにお金がないため買ってあげられないという状況になる場合があります。子どもや孫にプレゼントをするためにも、老後のために貯蓄をしておきましょう。
5-3.住居の修繕や改築ができない
お金がないと住んでいる家の修理や改築ができないということもあります。定年退職したら1日の半分以上を家で過ごすことになる方も多いです。家に長い時間いると家をリフォームしたいという願望や壊れていて修理したい場所も出てくると思います。
その際にお金があれば、修理屋さんを呼んだり自身で材料を購入したりして直すことができます。しかし、お金がないと修理屋さんも呼べず、自身で材料を購入して直すこともできません。住んでいる家に不満があるとその先の生活が楽しくなくなってしまいます。老後の生活を楽しめるようにリフォーム代などを残しておきましょう。
5-4.娯楽のためのお金がない
老後の楽しみには旅行やレジャーに行くことも挙げられます。老後になると仕事をしていた時間が自由な時間に変わるので、大部分を娯楽に充てることができます。しかし、お金がないと旅行やレジャーができません。趣味にお金を回すことも難しくなってしまいます。
老後を楽しく過ごすために今からでも資産運用をしましょう。
6.65歳前後の今からでもできる貯蓄・資産運用
まず、仕事ができるうちはしっかり働いてお金を稼ぎましょう。しかし、年を取るごとに段々働けなくなっていきます。収入が少なくなっても支出の額はあまり変化しません。老後にゆとりのある生活をするためには貯蓄が必要になります。
そこで、貯蓄のために何をして良いか分からないという方に向けて、初心者でも始めやすい資産運用方法についてまとめました。
日本人の平均寿命は年々延びていて現在男性81歳、女性87歳です。これからもっと伸びていくと予想されています。人生100年時代に突入していく中で資産運用は非常に大事になっていきます。ぜひこの機会に始めてみましょう。
6-1.身体が動く間は働く
60歳を超えると働くのは体力的に厳しくなります。しかし、シニアの雇用に積極的な会社や仕事も増えています。したがって、体が動く内は経験や知識を活かした仕事などを続けることで、着実に資産を貯めることが重要です。
6-2.iDeCo(確定拠出年金)
iDeCoとは、自分が拠出した掛金をご自身で運用して資産形成する年金制度です。掛金を60歳まで拠出し、60歳を過ぎれば老齢給付金として拠出してきたお金を受け取ることができます。より豊かな老後の生活を送るための資産形成方法の一つとして、多くの方が利用しています。
今までiDeCoには60歳までしか加入できませんでしたが、2022年5月から、2022年5月の改正後は、原則65歳未満の国民年金被保険者であれば、65歳になるまで加入できるようになっています。
お勤めの企業によっては、企業型確定拠出年金という制度があり、企業型確定拠出年金の年金規約によってはiDeCoに加入できる場合もあります。
6-3.NISA
NISAとは、投資を行う際の少額投資非課税制度という税制優遇のことです。通常、金融商品に投資した時には売却益や配当に対して税金が約20%かかります。しかし、NISAを利用すると一定額までの投資で得た利益を一定期間(現行のNISAの場合は、5年間)売却益や配当が非課税になります。
6-4.つみたてNISA
つみたてNISAとは、長期の積立・分散投資を通じた資産運用を推進するために創設された税制優遇制度です。毎年40万円まで投資することができ、最大20年間配当が非課税となります。
つみたてNISAのメリットは、2つあります。
- 積み立てNISAは最大20年間と一般NISAと比較すると4倍ほど長い
- 積み立てNISAでは低コストで毎月投資をすることができる
6-5.退職金などを資産運用する
仕事を退職して、退職金や年金などのまとまったお金が入った方も一度にたくさんのお金を投資するのではなく安全に少額から運用することをおすすめします。
6-6.不動産投資(任意組合出資)
不動産投資とは不動産を購入して運用することで、家賃収入や売却益などの利益を得ることです。家賃収入は株価のように変動することがないため安定した収入を見込めるという点でおすすめです。
しかし、不動産投資は初期投資が高いためなかなか手が出せないと思っている方も多いでしょう。そのような方にはVシェアという不動産投資がおすすめです。Vシェアの特徴は2つあります。その特徴は下記のとおりです。
- Vシェアは不動産を小口化商品にすることで複数人で購入するため少額で購入できる
- 資金評価額の引き下げにより相続税や贈与税の負担を軽減する
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(リンク先は、株式会社ボルテックスが運営しています。)
おわりに
60代の方の平均貯蓄額や資産運用の方法をまとめました。日本ではまだまだ投資や資産運用の文化が外国と比べて根付いておらずギャンブル要素が強いと思われていますが、一概にそうとはいえません。
近年、人生100年時代や老後2,000万円問題が話題になっている中、貯蓄がない方や資産運用してこなかった方も資産運用に興味を持つようになってきました。このコラムで紹介したような資産運用方法を上手く活用し、安心して老後も暮らすことができるように貯蓄しましょう。
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