計画的に貯金したいと考えている方の中には、気軽に取り組める貯金方法がないか気になっている方も多いと思います。500円玉貯金は気軽に取り組める貯金方法のひとつですが、途中で挫折しないためにも、コツを押さえながら取り組むことが重要です。
このコラムでは、500円玉貯金でどのくらい貯められるか、500円玉貯金の注意点、成功させるコツなどを解説します。500円玉貯金に興味がある方は、是非ご参照ください。
この記事を読んでわかること
貯金は継続的に取り組めるかどうかが重要です。500円玉貯金は気軽に取り組みやすい手段ですが、500円玉貯金で貯金目標を達成できるとは限りません。500円玉貯金を始める際は、1年でどのくらい貯金できるのか、500円玉貯金の注意点を理解してから始めることが重要。また、500円玉貯金を成功させるためには、目標を具体的に決める、お釣りを意識して買い物をするといったようにコツを押さえておくことも大切です。貯金が苦手という方は、お金のプロに相談してライフプランに合った貯金方法をアドバイスしてもらいましょう。

1.500円玉貯金は1年間で10万円以上貯められる

500円玉貯金とは、500円硬貨を貯めることです。1回の貯金額が事前に決まっていることで進捗状況を管理しやすく、硬貨の中では最も金額の高い500円玉なので効率良くお金を貯められます。
500円玉を毎日貯金した場合と平日のみ貯金した場合でどのくらい貯まるのかシミュレーションすると、以下のような結果になります。
貯金する期間 | 毎日 | 平日のみ |
1か月 | 約1万5千円 | 約1万円 |
半年 | 約9万円 | 約6万円 |
1年 | 約18万円 | 約12万円 |
5年 | 約90万円 | 約60万円 |
10年 | 約180万円 | 約120万円 |
数百万円の資金が必要なライフプランに備えるには、500円玉貯金では不十分です。しかし、1年間で10~20万円程度を貯金したい方には500円玉貯金がおすすめです。
2.500円玉貯金は「意味がない」といわれる理由

500円玉貯金は、500円玉貯金専用の貯金グッズが販売されるほどの人気のある貯金方法です。しかし、500円玉貯金は意味がないといった声も聞かれます。
500円玉貯金は意味がないといわれる背景には、以下のような理由が挙げられます。
- 500円玉を入手するために浪費してしまう
- 盗難や家族に使われるリスクがある
- 利子がつかない
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
2-1.500円玉を入手するために浪費してしまう
500円玉貯金に取り組むには、500円玉を入手しなくてはならず、そのために浪費する可能性があるので注意が必要です。
500円玉を手に入れるためには、両替で入手する、お釣りとして入手するなどが挙げられます。しかし、両替で入手する方法は基本的に手数料がかかるため、お釣りとして入手するのが一般的です。
お釣りを得るために買い物を繰り返して無駄な支出が生じては意味がありません。手数料のかからない手段を組み合わせて、無駄な支出が生じないようにしましょう。
2-2.盗難や家族に使われるリスクがある
500円玉貯金は銀行が管理してくれる預金とは違い、自宅で自己管理することになるため、盗難や家族に使われるリスクと隣り合わせである点に注意してください。
500円玉貯金では貯金箱や専用の貯金グッズなどを使って貯金を進めますが、自宅で管理するため、泥棒が侵入した際に盗難に遭う恐れがあります。また、貯金用として保管していた500円玉を家族が支払いに使ってしまう可能性もあるでしょう。
盗難や家族に使われるリスクを回避するためにも、貯金グッズからバレにくい方法を選ぶ工夫をしましょう。
2-3.利子がつかない
銀行にお金を預けた場合は預金に利子がつきますが、500円玉貯金の場合は利子がつかないという点に注意してください。
日本の預金金利がいくら低いといっても、預けた預金に利子がつくことに変わりはありません。また、増えたお金に利子がつく複利効果によって効率良くお金を増やせるでしょう。しかし、500円玉貯金は利子がなく非効率的です。
利子の恩恵を受けるためには、一定額が貯まったら銀行に預けるというのも選択肢のひとつでしょう。
3.500円玉貯金を成功させるポイント

500円玉貯金は長期的に継続することでようやく結果が出る貯金方法になります。そのため、いかに無理なく長期的に継続できるかが重要です。
500円玉貯金を長期的に続けるポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- 目標を具体的に決める
- 自分に合った貯金箱を使う
- お釣りを意識して買い物する
- 500円玉にこだわりすぎない
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
3-1.目標を具体的に決める
長期的に継続するには、目標を具体的に決めることが欠かせません。その理由は、目標が明確であれば根気強く継続しようという意思が生まれるからです。
500円玉貯金では1日1回の貯金で500円ずつしか貯まらないため、長期的に続けないと多額のお金を貯めることができません。例えば、20万円貯まったら沖縄旅行をするといったように、具体的で明確な目標を設定すれば、貯金の意欲が高まるでしょう。
3-2.自分に合った貯金箱を使う
500円玉貯金では、自分に合った貯金箱を使うことも重要。その理由は、モチベーションが高まる貯金箱であれば、無理なく貯金を継続しやすいからです。
例えば、いくら貯まっているのかわからない貯金箱だと、途中経過がわからないのでモチベーションの下がる可能性があります。一方、貯めた金額がすぐわかる貯金箱だと、増えていく喜びを味わえるのでモチベーションを高く維持できるでしょう。
500円玉貯金は人気の貯金方法であるため、バラエティに富んだ数多くの貯金箱が販売されています。500円玉貯金を成功させるためにも、自分に合う貯金箱を探してみましょう。
3-3.お釣りを意識して買い物する
500円玉貯金を継続するには、500円玉が必要なので、お釣りを意識して買い物をすることも大切になります。その理由は、昨今はキャッシュレス決済も進んでおり、意識しないと500円玉を入手できないからです。
500円玉を効率良く入手するには、現金払いを選択し、500円玉をお釣りとしてもらえるように意識して買い物をする必要があります。
しかし、一部店舗では500円玉などのお釣りが不足しているので協力を要請している店舗もあります。そのような店舗では無理に500円玉のお釣りをもらおうとせず、互いに協力しながら気持ち良く貯金を継続しましょう。
3-4.500円玉にこだわりすぎない
500円玉貯金を無理なく継続するためには、500円玉にこだわりすぎないことも大切。その理由は、500円玉を入手するのは困難で、500円玉にこだわると貯金計画に支障が生じる可能性があるからです。
例えば、500円玉という金額にはこだわりながら、100円玉5枚や2日分を千円札として貯金するという代替案が考えられます。
ルールを頻繁に変えることは貯金計画に支障を与えるのでおすすめしませんが、長期的に継続するには柔軟に対応することも重要なポイントといえるでしょう。

4.500円玉貯金が貯まったら銀行・郵便局へ

500円玉貯金である程度の金額や目標額が貯まった場合は、銀行や郵便局で両替や入金をしましょう。その理由は、自宅で保管していると盗難のリスクを伴う、利子がつかない、買い物での貨幣(硬貨)の使用は原則20枚までと定められているためです。また、500円玉が増えてくるといくら貯まっているのか管理しにくいですが、適宜両替をすれば貯金額を管理しやすくなるでしょう。
4-1.大量の小銭の両替・入金は迷惑にならないか
銀行や郵便局は基本的に小銭の両替や入金に対応しています。しかし、大量の小銭の両替には手数料が発生する、両替に時間と手間がかかるので迷惑がかかる点に注意が必要です。
例えば、大量の小銭を持ち込む予定がある場合、事前に両替えをして入金したい小銭の金額を伝えておく、混雑している日時を避けるなどです。
両替や入金は禁止されている行為ではありませんが、他の方に迷惑にならないように配慮しましょう。
5.500円玉の両替にかかる手数料

お釣りだけでは500円玉貯金を継続することが困難なので、銀行や郵便局での両替を検討している方も多いと思います。しかし、両替には手数料がかかる場合があるので注意が必要です。
また、手数料の有無、手数料の金額は枚数や両替方法によって異なりますが、基本的には両替機を使っての両替のほうが手数料を抑えられます。
どのくらいの手数料がかかるのか、代表的な金融機関の窓口と両替機の手数料を比較してみましょう。
5-1.窓口の場合
窓口で両替するメリットは、両替機は一度に両替できる枚数に上限がありますが、窓口では上限がなく、1,000枚を超える両替にも応じてくれる点です。しかし、手数料が両替機よりも高く設定されており、順番を待たなくてはならないというデメリットがあります。
代表的な金融機関の窓口でかかる両替時の手数料は以下の通りです。
窓口でかかる手数料
枚数 | 三井住友銀行 | 三菱UFJ銀行 | みずほ銀行 | ゆうちょ銀行 |
1~10枚 | 口座あり:220円 口座なし:330円 | 口座あり:無料 口座なし:550円 | 口座あり:無料 口座なし:550円 | 無料 |
11~500枚 | 770円 | 550円 | 550円 | 11~50枚:無料 51~100枚:550円 101~500枚:825円 |
501~1,000枚 | 1,540円 | 550円/500枚 | 1,320円 | 1,100円 |
1,001枚以上 | 770円/500枚 | 同上 | 660円/500枚 | 550円/500枚 |
※金額はすべて税込み
ゆうちょ銀行は50枚までが無料なので他の金融機関と比べてお得といえるでしょう。
5-2.両替機の場合
銀行の店舗には両替機が設置されている場合が多いです。しかし、ゆうちょ銀行や郵便局には両替機が設置されていないので注意してください。
両替機で両替するメリットは、順番待ちの時間を短縮できる、一部金融機関では一定枚数までは無料で両替できる、窓口よりも手数料を抑えられる点です。しかし、11枚以上の両替をする場合は、いずれも両替専用のカードを作成しなくてはならないというデメリットがあります。
代表的な金融機関の両替機での手数料は以下の通りです。
両替機でかかる手数料(両替専用のカードを利用する場合)
枚数 | 三井住友銀行 | 三菱UFJ銀行 | みずほ銀行 |
1~10枚 | 400円 | 1回目:無料 2回目以降:200円 | 1回目:無料 2回目以降:300円 |
11~500枚 | 400円 | 300円 | 400円 |
501~1,000枚 | 800円 | 600円 | 800円 |
※金額はすべて税込み
三菱UFJ銀行は他の金融機関と比べて手数料が低めに設定されているのでお得といえるでしょう。
6.500円玉を手数料無料で両替する方法

基本的には金融機関の窓口や両替機で500円玉に両替をしようとすると手数料がかかってしまいます。しかし、手数料をかけずに500円玉を入手することも可能です。
例えば、窓口やATMでお金を預け入れして引き出すという方法であれば、手数料をかけずに500円玉を入手できます。しかし、時間帯によっては入出金に手数料がかかるので注意してください。
また、窓口や両替機での両替は一部手数料が無料の場合もあります。しかし、金融機関によっては1回、1日の枚数に上限が設定されています。ゆうちょ銀行の窓口は50枚まで無料で両替できますが、51枚を超えると手数料が発生し、ATMの場合は1枚からでも手数料が発生するので注意してください。
7.将来のお金に関する悩み事はプロへの相談がおすすめ

500円玉貯金では、毎日貯めたとしても1年で18万円が限界になります。ライフプランの中には、数百万円の資金を必要とするイベントもあるため、しっかり備えることが大切です。
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おわりに
500円玉貯金は気軽に取り組みやすく、継続的に取り組めばある程度のまとまったお金が貯まるため、人気の貯金方法のひとつです。
ただ、500円玉貯金には500円玉が必要になりますが、500円玉を継続的に入手することは簡単ではありません。また、長期的かつ継続的に取り組まないと、まとまったお金を貯めることはできないため、事前に500円玉貯金を成功させるポイントを押さえてから始めましょう。