保険についてもっと知ろう(その5)

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保険についてもっと知ろう(その5)

保険についてもっと知ろう(その4)」はお読みいただけましたでしょうか。保険についてもっと知ろうという意識になっていただけましたら幸いです。今後これまでご説明した用語などが出てきますので、もし意味が分からなくなったらこれまでのコラムに戻って確認をお願いします。

1.ライフサイクルからのアプローチ

あなたの資産、大丈夫ですか?(その4)」において、自身の人生で起こりうるリスクを洗い出しましょうということをお伝えしました。このときは、考えていただく参考として収入を例に出してご説明しました。これに則って考えていただくのが難しいようでしたら、リスク(どのような時にお金が必要になるのか)をライフイベントから見ていくという方法もあります。人の一生は、出生から死亡に至るまでの間に、就職、結婚、子どもの誕生・進学・独立・結婚、マイホーム購入、退職、老後、といくつかのステージがあります。このように人生のステージの変化のことをライフサイクルといいます。

私たちは、各ライフステージにおいてそれなりの出費を求められます。例えば、子どもが生まれれば、進学のためのお金が必要になりますし、マイホームを購入するとなるとローンを組む必要も出てきます。長生きすればその分生活費が必要になりますから老後に備える必要もあります。このようなさまざまなライフステージにおいて金銭面での助けになるのが生命保険です。

2.生命保険の内容

2.生命保険の内容

2-1.基本的な分類

生命保険とはどのようなものをいうのかご説明できますか?「人」が保障の対象となり、人の生存または死亡に関して保険金が支払われる保険のことでしたね。

生命保険の商品は複雑なように思えますが、基本的な分類をすると以下の3つになります。

  • 死亡保険:被保険者が死亡または高度障害となったときに保険金が支払われる保険。一定の保障期間内に被保険者が死亡した場合に保険金が支払われる定期保険、死亡保障が一生続く終身保険、終身保険に定期保険を特約形式で付けることで一定期間の死亡保障を厚くした定期付き終身保険があります。
  • 生存保険:被保険者が一定期間生存したときに保険金が支払われる保険。被保険者である子どもが一定年齢に達したときに給付金が支払われる学資保険、個人年金保険などがあります。
  • 生死混合保険:被保険者が死亡または高度障害となったときも被保険者が一定期間生存したときも保険金が支払われる保険。死亡保険金と保険期間満了時の満期保険金が同額で支払われる養老保険、個人年金保険などがあります。

2-2.保障期間による分類

さて、先程は生命保険を基本的な分類として3つに分けました。実はこれは、保険事故による分類です。保険事故とは、保険金が支払われる事由のことをいいます。死亡保険において保険金が支払われる事由、すなわち保険事故とは被保険者が保障期間内に死亡すること、となりますし、生存保険における保険事故とは、被保険者が所定の期間満了時に生存していることとなります。

生命保険の分類には、これ以外にも色々とありますが、ここでは保険金を受け取れるタイミング=保障期間による分類をして生命保険をご紹介したいと思います。保障期間によって生命保険を分類すると、定期保険、養老保険、終身保険の3つに分けられます。

定期保険とは、契約時に定めた一定の期間のみ保障され、その間に保険事故があれば保険金が支払われる保険です。死亡保険がこれに該当し、「掛け捨て保険」とも呼ばれます。解約返戻金がゼロまたは少額で満期保険金はありませんが、その代わり保険料は他の保険より割安です。

養老保険とは、保険期間中の死亡保険金と保険期間満了時の満期保険金を同額とする有期の保険です。つまり、死亡しても生きていても保険金が受け取れる保険で、保障と同時に貯蓄ができるため、老後資金の準備にも利用できます。貯蓄という機能があることから、定期保険よりは保険料は割高です。

終身保険は、読んで字のごとく、被保険者が死亡するまで保障される保険です。定期保険のように保障期間がなくなるということがありませんので、解約しない限り被保険者が死亡すれば必ず保険金が支払われます。また、解約すると一定の解約返戻金が支払われます。

ただし、保障が生涯続くことや解約返戻金があることから、保険料は定期保険に比べ高額です。保険料は、死亡するまで払い続ける終身払込タイプと一定期間で終了する有期払込タイプがあります。終身保険は保険料が定期保険に比べて高額なため、必要な保障を終身保険ですべてカバーするのは経済的に難しいという人もいらっしゃるかと思います。そのような場合のために、定期保険特約を付帯した終身保険もあります。

3.掛け捨て保険と積み立て保険

3-1. 掛け捨て保険とは、積み立て保険とは

「掛け捨て(保険)」と「積み立て(保険)」を見たり聞いたりしたことはあるでしょうか。

「掛け捨て保険」とは、満期給付(満期保険金や解約返戻金)がない保険です。保障の期間が定められており、死亡保険であればその期間内に被保険者が死亡した場合、生存保険であれば一定期間満了時に被保険者が生存していた場合に保険金が支払われます。逆にいえば、死亡保険であれば保障期間を過ぎた後に被保険者が死亡した場合、生存保険であれば被保険者が保険期間中に死亡した場合は、保険金は支払われません。ただし、実際に生存保険として販売されているものは、保険期間中に被保険者が死亡した場合は、その時点までに支払われた保険料程度の死亡給付金が支払われるものが多いです。

一方「積み立て保険」は、解約返戻金や満期保険金が受け取れる保険です。死亡保険のうち終身保険という死亡するまで保障が続く保険は、いつ被保険者が死亡しても所定の保険金が支払われます。被保険者が生存中に保険を解約すると解約返戻金が保険会社から支払われますが、受け取れる解約返戻金は保障期間が経過するとともに増額するため、場合によっては払い込んだ保険料よりも高額の解約返戻金を受け取れることがあります。このため、保険料は掛け捨て保険よりも高額です。

3-2.掛け捨て保険は損か得か

掛け捨て保険の話が出ると、テーマとして掲げられることが多いのが「掛け捨て保険は損か得か」ということです。このように検討されるのは、「掛け捨て保険は保障期間内に死亡または高度障害にならないと保険金が支払われないため、支払った保険料が無駄になる」という考えからきています。

積み立て保険は確かに解約返戻金や満期保険金が受け取れますので支払った保険料を取り戻せる、とも考えられます。ただ物事にはメリットだけでなくデメリットも存在するのであり、金銭面だけをみれば支払う保険料は掛け捨て保険に比べて高く、家計へのインパクトはそれなりにあるということが検討材料として抜けています。一方で、掛け捨て保険は金銭面だけを見ればお金を貯めることができないというデメリットはあるものの、保険料は積み立て保険より安く、少額で大きな保障を得られるというメリットがあります。

ここでお伝えしたいのは、そもそも、このように検討すること自体がナンセンスであり、保険の本質から外れているということです。保険とは、というそもそもの役割を考えると、支払う保険料の額や支払われる保険金の形態という金銭面に焦点をあてて決められるものではないはずです。現状において起こるかもしれないリスクを適切にカバーするのはどのような保険なのか、というところから検討すれば、そこには金銭面における損得という概念は出てこないでしょう。

あなたの資産、大丈夫ですか?(その2)」をお読みいただいている人は、そこでお伝えしたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。このコラムでは、何かを始めるには、まずは現状把握、次にゴール設定が大事だとお伝えしました。これは保険を選ぶ際においても同じです。自身の周りに潜むリスクを認識し、それをどのようにカバーしたいのかというゴール設定をすることから検討するのが保険の正しい選び方です。

おわりに

人は必ずいつかは死にます。ところが、「死」を身近に感じ考えることがないため、生命保険は損得で考えられがちです。しかし、今回の記事でご説明したように、損得で考えるものではありません。保険本来の役割から、それが自分にとってどのような位置付けになるかを考えることが大切です。この記事がその一助になれましたら幸いです。

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