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65~69歳の就業率は5割超!65歳からのお仕事図鑑

65~69歳の就業率は5割超!65歳からのお仕事図鑑
【監修者】山中 伸枝 (株式会社アセット・アドバンテージ・代表取締役)

監修者

株式会社アセット・アドバンテージ・代表取締役

山中 伸枝

1993年、米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後、メーカーに勤務し、人事、経理、海外業務を担当。留学経験や海外業務・人事業務などを通じ、これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナーを目指す。2002年にファイナンシャルプランナーの初級資格AFPを、2004年に同国際資格であるCFP資格を取得した後、どこの金融機関にも属さない、中立公正な独立系FPとしての活動を開始。金融機関や企業からの講演依頼の他、マネーコラムの執筆や書籍の執筆も多数。

一昔前と比べて元気な高齢者が増えている日本では、65歳以上の労働人口が増加しています。70歳以降に労働を続ける方も珍しくありません。

収入を得て老後の家計の足しにするためにも、生きがいや社会とのつながりを保つうえでも、働くことは意味のあることです。

本記事では、実際に65歳以上の方がどのような仕事に就いているのか、どういった基準で仕事を選べばよいのかを紹介します。

65~69歳の就業率は5割以上!

65~69歳の就業率は5割以上!

日本は世界有数の平均寿命の長さを誇る国です。公的に老後と呼ばれる65歳以上の年齢になっても、元気で働く意欲を持つ方は少なくありません。

内閣府「令和7年版高齢社会白書(2025年6月公表)」によると、65~69歳の方の就業率は53.6%となっており、半数以上の方がなんらかの形で就業していることがわかります

さらに、70〜74歳でも35.1%、75歳以上も12.0%の方が就業しているという結果になっており、今や老後も働く方々は珍しくないといえます。

同白書によると、65歳以上の就業者数は21年連続で上昇しています

65~69歳の就業率は5割以上!
[図表]主な産業別65歳以上の就業者総数(令和7年版高齢社会白書より)

仕事の業種別にみると、卸売業や小売業で働く方が最も多く、続いて医療・福祉業、サービス業、農業・林業が多いとされています。

65歳以降も働くことを選択する人口が増えた背景には、年金だけでは老後の家計が不十分と感じる人が多いことに加え、労働力不足が課題となるなかで、企業側が高齢者の雇用に積極的に取り組んでいる点も影響していると考えられます。

また、65歳以上で雇用保険の被保険者として働き、一定の条件を満たして離職した場合には、「高年齢求職者給付金」を一括で受け取れる制度もあります。

こうした仕組みを踏まえると、長く働くことは経済面での選択肢を広げる側面があるといえるでしょう

また、単に生活費を稼ぐ手段として労働しているのではなく、働くことを生きがいにする方々が増えているとも考えられます。

60代以降も働き続ける方法の一つに再雇用があります。再雇用契約を交わす際に、給与が大幅に減少するパターンが多く見られますが、近年では人材不足の影響もあってか、再雇用であっても給料がそこまで下がらないケースも少しずつ増えてきているようです。

仕事選びの3つのポイント

仕事選びの3つのポイント

65歳以降の方の仕事選びは、過去の仕事選びと考慮すべき点が異なります。どのように考え方を変えるべきか、見ていきましょう。

①働き方

年齢と共に健康上の問題や体力の衰えを感じやすくなるので、健康状態を考慮して決めましょう。

「重たいものを運ぶ仕事は厳しい」「腰が悪いので座り仕事は合わない」など、ご自身の健康状態と仕事の作業負荷を把握したうえで選ぶことが大切です

年金の受給が開始しており、家計が困窮していないのであれば、無理にフルタイムで働く必要はありません。時短勤務や週3回だけ勤務など無理のない範囲に留めるのもポイントです。

②やりがい

定年を迎えるタイミングは、ご自身が「どんな仕事にやりがいや魅力を感じるか」を考え直す転機ともなります。

再雇用以外に、転職、独立といった選択肢も考えられるので、今後の人生でご自身が何をしてみたいのかをじっくり考えてみるのもいいでしょう

資格や経験を活かせる仕事であれば、職場で重宝されやすくなります。他の方と接することが好きであれば、介護職や接客業をはじめてみると、やりがいを感じられて長く続けられるかもしれません。

これまでの経験で身につけた専門性を活かして、定年後にコンサル業や顧問業を始める方もいらっしゃいます。このような専門性を活かせるお仕事であれば、高収入を狙える可能性があります。

新しい職種にチャレンジしてみたいけど、スキルがなくて不安だという方は「職業訓練校に通ってスキルを身につける」という方法も検討してみてください

③社会保障

仕事と社会保障制度との兼ね合いは、注意したいポイントです。厚生年金の支給を受けながら働く場合、年金額と給与水準の組み合わせによっては、在職老齢年金制度により年金の一部または全部が支給停止となる可能性があります。

また、厚生年金の保険料納付は70歳までが対象となっており、70歳以降は働いていても厚生年金額を直接増やすことはできません。

一方で、雇用保険については加入年齢の上限が設けられていない点も押さえておきましょう。

③社会保障
[図表]シニア世代に関わる社会保障制度

これまでの経験で身につけた専門性を活かして、定年後にコンサル業や顧問業を始める方も雇用保険は給付を受けやすいので、できれば加入しておきたい制度です。 

雇用保険の被保険者であれば、介護休業給付やリスキリング支援なども利用できます。

ただし、労働時間が週20時間以上を超えていないと、雇用保険の対象にはなれません。健康上の理由や体力の問題で毎週20時間働くのが難しい方の場合は、無理をしないようにしましょう。

65歳以降の方が就く仕事にはどんなものがある?

65歳以降の方が就く仕事にはどんなものがある?

ここからは65歳以降の方が就業する仕事を具体例で紹介します。

オフィスでの勤務経験がある方は、事務職として働くことが選択肢に入ってくるでしょう。具体的には、書類の作成や整理、電話対応などの一般的な事務作業を行います。

大型ビルや駅などの施設の清掃員として働く65歳以上の方も多くいらっしゃいます。身体を動かす仕事なので、働くことが健康維持にもつながるでしょう。

マンションなどの建物の管理人も、多くの方がご活躍されているお仕事です。普段はあまり忙しくないかもしれませんが、建物に設備トラブルなどが起きた際には入居者に頼られる存在ですので、やりがいを実感しやすいかもしれません。

道路の交通整理は基本立ち仕事ですが、重たいものを運ぶような負担の大きな作業が少ないので、高齢者の方に選ばれやすい職業です。

ただし、屋外での仕事となるので、夏場や冬場などは体調管理に注意してください

また、工事は夜間の現場も多いですが、そのような案件はご自身の生活リズムを考慮して決めましょう。

介護職、看護師、講師などは資格や経験を活かせる仕事ですので、未経験の職種よりも高い収入を得やすいと考えられます

豊富な経験を活かしながら、周囲に頼られる存在としてやりがいを感じながら働けるでしょう。

65歳以降の方が就く仕事にはどんなものがある?
[図表]65歳以降の方が就く仕事と時給の目安

65歳以降の方の場合、健康維持もかねて身体を動かす仕事を好む傾向があると思います

例えば、福祉の現場でも、60代、70代の方がヘルパーとして働かれていることが多いです。

コミュニケーションを取るのが好きな方も多いので、福祉やサービス業を楽しみながら働ける仕事と感じられるのだと思います。日常生活で他者との会話やコミュニティとの接触が希薄な方は、そのような観点で仕事を探すのもいいかもしれません。

シニア向けの仕事はどうやって見つける?

シニア向けの仕事はどうやって見つける?

仕事を探す際にはさまざまな役立つサービスがあるので、積極的に活用しましょう。

最も代表的なのはハローワークです。

相談員に直接会ってアドバイスを受けながら仕事探しができるので、就業にブランクがある方でも安心です

都道府県知事の指定を受けた社団法人が運営する、シルバー人材センターもあります。

ハローワークで紹介を受けられる仕事は、雇用が継続するものが基本ですが、シルバー人材センターは週1や月1などの求人が中心となっています。「気が向いたときだけ仕事したい」といった考えの方であれば、シルバー人材センターをおすすめします。

もちろん、ネットで見つけるのも有効です。最近では、65歳以上の人材を歓迎する職場が増えており、シルバー層向けに特化した求人サービスもあるので、そのようなサイトを活用するのもいいでしょう。

数時間だけ働く「スキマバイト」などの選択肢も増えているので、仕事の案件が多い地域に住んでいる方は活用のチャンスがあります。

60歳まで福利厚生がしっかりした会社にお勤めされてきた方のなかには、雇用形態とか雇用条件をほとんど考えずに何十年もお仕事されてきた方もいるかと思います。

しかし、 定年して再雇用や転職などで、契約内容や雇用形態が変わると、働き方も変わることになります

そういった身の回りの変化についても、あらかじめ理解しておくべきですね。

おわりに

社会が変わり、65歳を過ぎても働くことが当たり前の世の中になりました。現代の日本では65歳の元気な方々が、社会の役に立つことや他者と接することにやりがいを感じながら、活き活きと働いています。

まだその現役世代として働かれている方も、将来定年後に働くのか、働くとしたらどのような仕事に就きたいかを考えておくといいでしょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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