老後や死後のことについて不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
身寄りなしの方の場合は、相談相手が身近におらず、誰かが支えてくれるわけではないため、生前に自身の終活について考えておくことが大切です。
この記事では、終活とは何なのか、身寄りなしの方が終活すべき理由、具体的なステップ、サービス利用などを解説します。身寄りなしで終活について詳しく知りたい方は、是非参考にしてください。
(本記事は2024年3月25日時点の情報です)
- 身寄りがない方は老後や死後に相続人や親族のサポートを受けられないので終活が重要
- 終活が重要な理由には、尊厳を守る、他の人に迷惑をかけない、自身の意向を死後に反映するため
- 不備なくスムーズに終活を進めるためにも、終活では何をどうするのかを事前に把握しておく
- 終活に不安を抱いている方は、終活サポートを利用することで不安を解消できる
終活とは何か?
終活という言葉を聞いたことがあるものの、具体的に何をどうすればいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
終活を進めるには、まず終活とは何なのか詳しく知ることが大切です。
身寄りがない場合の終活の重要性
終活とは、人生の最終段階における準備または計画を立てることです。特に身寄りなしの方の場合、老後や死後に相続人や親族のサポートを受けられません。
そのため、病気や加齢による体力的な衰え、認知症で判断能力が低下したなどの理由で財産の管理が困難になるのを回避したい、死後に自身の意向を反映したい方は生前の終活が必須です。
始める前に知っておきたい終活の基礎知識
終活が人生の最終段階における準備または計画を立てるものであることは分かったものの、具体的に何をどうするのでしょうか。
例えば、身の回りの整理をする、財産を把握する、遺言書を作成する、介護または葬儀などに関する自身の意向や終活で把握した財産や個人の情報などをエンディングノートにまとめる、葬儀の準備を進めるなどです。
終活における心構えと準備
終活における心構えで大切なのは自身の死を受け入れることです。自分の価値観や望みを明確にし、それらを踏まえた計画を作成します。また、相続人や身内がいる場合、死後のトラブルを防ぐために生前に話し合っておくことも重要です。
基礎知識の見出しで触れた以下の項目の準備を進めます。
- 遺言書の作成
- 財産の整理
- 葬儀のプランニング
- エンディングノートの作成
- 健康管理と介護の準備
自身の意向を明確にしなければ準備が進まないため、財産分与の方法、葬儀の方法など自身の意向を明確にしましょう。
終活プラン作成のステップ
終活を不備なく速やかに進めるには、事前に流れを把握しておくことが大切です。終活プラン作成のステップは以下の通りです。
- 自身の意向の明確化
- 選択肢の検討
- 具体的な計画の作成
- エンディングノートの作成
- 関係者との話し合い
- 定期的な見直し
介護、財産分与、葬儀などの終末期や死後に対する自身の意向を明確にします。その後、情報収集を行い、どのような選択肢があるのかを検討します。
身寄りなしの方の場合は、具体的な計画を立てにくいかもしれません。不安な場合は弁護士といった専門家に相談しましょう。
自身の意向をまとめたエンディングノートを作成して相続人や親族などと共有します。状況の変化で見直しが必要な場合は、適宜見直しを行います。
身寄りなしの人が終活すべき理由
個人の尊厳と意志の尊重のためには終活すべきです。身寄りなしの人は終活すべきと言われますが、なぜ終活すべきなのでしょうか。終活すべき主な理由は以下の通りです。
- 孤独死してしまったときに気付いてもらえない
- 何かあったときの身元保証人や身元引受人を用意できない
- 希望しない相続人に資産が受け継がれる可能性がある
- 火葬や埋葬方法を自分で選択できなくなる
- 周囲に迷惑をかけてしまう恐れがある
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
孤独死してしまったときに気付いてもらえない
国土交通省が公表した「死因別統計データ」によると、東京都区部で発生した孤独死の数は年々増加傾向にあり、2018年は5,513件のうち65歳以上が約7割(3,867件)を占めました。
孤独死に至る方の多くは身寄りがおらず、亡くなったとしても発見されるまでに時間がかかる場合が多いです。発見が遅れた場合、死体の腐敗が進行し、尊厳が失われてしまいます。
そのような事態を回避するためにも、終活で自身に何かがあったときに気付いてもらえるサービスの利用を検討することが大切です。
何かあったときの身元保証人や身元引受人を用意できない
病気で入院する、介護が必要になって施設に入所する際は、身元保証人や身元引受人を用意するのが一般的です。しかし、身寄りなしの方が身元保証人や身元引受人を用意することは困難です。
身元保証人や身元引受人を用意できない場合、入院または施設の入所ができない可能性があります。終活で身元保証サービスの利用をあらかじめ決めておけば、万が一の事態が発生しても身元保証人をすぐに用意できるので安心でしょう。
希望しない相続人に資産が受け継がれる可能性がある
財産分与について何も決めずに亡くなると、法定相続人という民法に定められた相続人がいる場合、法定相続人が遺産を相続することになります。もし、身寄りがなく、法定相続人や特別縁故者などの相続をする方がいない場合は財産が国庫に帰属します。つまり、国のものになるということです。
法定相続人の中に遺産を相続させたくない人がいる場合や寄付したいなどのように財産分与において自身の意向がある場合は、終活で遺言書を作成することによって自身の意向を反映できるでしょう。
火葬や埋葬方法を自分で選択できなくなる
身寄りなしの方が亡くなった場合は、遺体の引き取り手が誰もいなければ、管轄する自治体が火葬や埋葬などを行います。しかし、これはあくまでも自治体のルールに基づく火葬や埋葬であり、自身の意向とは異なる可能性があります。
葬儀の方法に自身の意向を反映した場合は、エンディングノートに明記するといったように、終活で自身の意向を明確にしておかなくてはなりません。
周囲に迷惑をかけてしまう恐れがある
身寄りがなく孤独死に至った場合、周囲に迷惑をかける可能性があります。例えば、遺体発見までに時間がかかった場合、遺体の腐敗が進行して異臭が発生して近隣住民に迷惑がかかります。
また、部屋についた臭いやシミを除去するための特殊清掃、遺品整理などで不動産会社やオーナーに迷惑をかける可能性があるため、さまざまな事態を想定して対策を練っておくことが大切です。
身寄りなしの人終活する具体的なステップ
具体的なステップを確認しておけば、身寄りなしの人でも不備なくスムーズに終活できるでしょう。終活する具体的なステップは以下の5つです。
- 資産形成と管理
- 遺言書の作成方法
- 葬儀の事前準備
- 葬儀後の手続きと遺品整理
- お墓や納骨について
それぞれのステップについて詳しく説明していきます。
資産整理と管理
自身が亡くなると、法定相続人や特別縁故者などがいる場合は遺産相続の対象となり、いない場合は財産が国庫に帰属します。
財産分与について意向がある場合は、現在の財産を把握し、誰にどのような分け方をするのか事前に決めておくことが重要です。
また、負債があった場合は、相続人が負債を引き継ぐことでトラブルに発展する可能性があるため、相続人にあらかじめ伝える、生前に負債をなくしておきましょう。
遺言書の作成方法
遺言書を作成すれば、自身の意向を死後に反映できるようになります。しかし、誤った方法によって作成された遺言書の場合は無効となるので注意が必要です。
自身で遺言書を作成することも可能ですが、不安な方は弁護士や司法書士などの専門家にあらかじめ相談することをおすすめします。
葬儀の事前準備
遺体の引き取り手がいない場合は、管轄する自治体のルールに基づく火葬・埋葬方法が選ばれます。そのため、自身の意向を反映したい方は葬儀の方法を明確にしておく必要があります。
葬儀の事前準備をするには葬儀会社へ相談するのが最適です。希望する葬儀の方法を選択できるか、葬儀にどのくらいの費用がかかるのか確認して用意おけば、万が一の事態が発生しても自身の意向を反映した葬儀・埋葬方法が実行されるでしょう。
葬儀後の手続きと遺品整理
葬儀後には医療機関または介護施設、賃貸物件への清算や退去手続き、ライフラインやスマホなどの解約手続き、生命保険、納税、行政などの手続きが必要です。
また、遺品整理を行う必要がありますが、遺品整理は故人の許可なく行うことができません。死後に必要な事務手続きを不備なく速やかに行う、第三者が遺品整理に着手できるようにするためにも必ず終活で死後の手続きを第三者に委託しておきましょう。
お墓や納骨について
身寄りなしの方の場合、亡くなった後のお墓の管理をする方がいないという問題に直面する可能性が高いです。また、親族のお墓に入りたくないという方もいることでしょう。
そのような方には永代供養がおすすめです。永代供養とは、永代にわたり供養をしてくれるお墓で、死後のお墓の管理について気にせずに済みます。
サポート体制とサービスの利用
身寄りなしで終活に不安を抱いている方には、終活サービスを利用することをおすすめします。主な終活サービスとして、以下の3つが挙げられます。
- オンラインで利用できる終活サービス
- 相談できる専門家とその選び方
- 地域コミュニティの活用
それぞれのサービスの利用について詳しく見ていきましょう。
オンラインで利用できる終活サービス
少子高齢化によって身寄りなしの方の終活サポートの需要が高まっていることもあり、各民間企業はオンラインで利用できる終活サービスの提供を開始しました。
例えば、遺言作成サービス、葬儀手配サービスなどです。オンラインで利用できる終活サービスは、オンラインで手軽に始められる、終活を進める際に必要なサービスのみ選択できるため、費用負担を抑えられます。
しかし、オンライン操作に慣れていない方にはハードルが高く、遺言書はデジタルのままでは法的な効力が生じないといったデメリットがあるので注意が必要です。
相談できる専門家とその選び方
弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナー、葬祭ディレクターといった専門家に相談するのも選択肢の1つです。
オンラインで利用できる終活サービスはある程度の知識がないと活かしきれない可能性があります。しかし、専門家に相談する場合は、内容に応じた的確なアドバイスを受けられるので知識がなくても安心です。
ただし、相談する専門家によっては費用がかかるため、どのくらいの費用がかかるのか確認してから相談しましょう。
地域コミュニティの活用
地域コミュニティを活用するのも選択肢の1つです。地域の福祉サービスやボランティア活動、地域密着型の葬儀会社などの地域コミュニティを活用すれば終活の悩みを解消できる可能性が高いです。
地域コミュニティは無料で利用できるケースが多いですが、何でも解決できるわけではありません。専門家によるサポートが必要な場合、専門家の相談料が発生する点に注意が必要です。
身寄りのない人の施設入所は「ひとりのミカタ」がおすすめ
身寄りがなく終活に悩みを抱えている方には「ひとりのミカタ」がおすすめです。ひとりのミカタをおすすめする理由は以下の3つです。
- クレディセゾンのグループ会社が運営している
- 入院・入居時の身元保証をしてくれる
- サポート体制が整っており身寄りなしの方でも安心できる
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
クレディセゾンのグループ会社が運営している
「ひとりのミカタ」を提供する「くらしのセゾン」は、クレディセゾンが100%出資するグループ会社です。クレディセゾンはセゾンカードで有名大手のなクレジットカード会社の1つであり、運営元の企業の規模が大きいので安心です。
また、弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士といった有資格者が在籍する信頼の置ける士業事務所と提携していて、万全のサポート体制が整っている点も魅力です。
入院・入居時の身元保証をしてくれる
「ひとりのミカタ」がサポートするのはエンディングサポート(死後事務手続き)だけではありません。病気で入院する、介護施設に入所する場合に必要となる身元保証人を引き受けてくれます。
また、24時間電話で看護師など専門的な資格を持つスタッフが健康相談に乗ってくれるうえに、容態の変化で緊急の連絡が入った場合に身元保証人としてさまざまな対応をしてくれるので安心です。
サポート体制が整っており身寄りなしの方でも安心できる
オンラインセミナーでは、「おひとりさまの終活」をテーマに、相続対策や生前整理・遺品整理、お葬式・お墓の問題、死後の事務手続きなどのおひとりさまが抱える多くの悩みを解決するサポートを行っています。
24時間電話健康相談や、24時間見守り駆けつけサービスなどもプランには含まれるため、終活だけでなく何かあった場合の心強い味方となるでしょう。
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おわりに
身寄りなしの方が亡くなった場合、生前に対策をしておかないと、死後の発見が遅れて遺体の腐敗が進行して尊厳を失う、遺品整理で他の人に迷惑をかけるといったトラブルが生じます。
また、法定相続人や特別縁故者などの相続人がいない場合は、財産が国庫に帰属するといったように自身の意向とは異なる財産分与が行われる可能性があります。
トラブルを防ぐ、自身の意向を死後に反映するためにも、終末期あるいは死後における自身の希望を明確にし、生前にしっかり終活をしておきましょう。
クレディセゾングループが提供する、おひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」は、入院や高齢者施設入居時の「身元保証」、もしものときの「緊急連絡先」、ご逝去後の「エンディングサポート(死後事務手続き)」など、おひとりさまの毎日の暮らしや終活のさまざまなお悩みごとを総合的に支援するサービスです。
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