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花粉が飛散する前の花粉症対策の薬膳。はやめはやめが肝心!

はやめはやめが肝心!花粉が飛散する前の花粉症対策の薬膳
瀬戸 佳子 国際中医薬膳師・登録販売者

執筆者

国際中医薬膳師・登録販売者

瀬戸 佳子

早稲田大学理工学部卒、同大学院理工学研究科修了。北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)薬膳科卒業。会社員を経て、東京・表参道の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で、漢方相談を行いながら東洋医学に基付いた食養生のアドバイスを行う。雑誌やWEBセミナーの講演などでも幅広く活躍。 『1週間で必ず体がラクになる お手軽気血ごはん』『季節の不調が必ずラク~になる本』(共に文化出版局)が好評発売中。

今や国民病ともいえる花粉症。早いと年明けから症状が出始めている方もいらっしゃるでしょう。花粉症の症状が長引く方だと梅雨の前まで、そして気が付けば一年中花粉症になってしまったという方もいるかもしれません。「花粉症が辛く春のお花見はとてもいけない…」と嘆く方も、日常生活に東洋医学・薬膳の知恵を取り入れることで、症状が緩和し、辛い春が再び楽しい春に戻ることもあります。今からしっかり対策をして、少しでも花粉症の予防をしていきましょう。

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花粉症は生活習慣の改善で予防できる!

花粉症は生活習慣の改善で予防できる!

花粉症は治らない、と思っている方もいるかもしれませんが、実は生活習慣次第で緩和するケースがかなり多くあります。 

東洋医学では、花粉症は外から飛んでくる花粉そのものが悪いというよりも、それを受け止める私たちの身体のバランスが崩れていることに多くの原因があると考えています。そのため私たちの身体の中にある原因となるものを、できるだけ少なくすることがとても大切です。 

この原因となるものを東洋医学では

「熱毒(ねつどく)」

「痰湿(たんしつ)」

「瘀血(おけつ)」

といいます。 

この原因物質がたくさんあればあるほど、花粉症を発症しやすくなったり、花粉症の症状が悪化しやすくなりします。つまり花粉症を予防するには、「熱毒」「痰湿」「瘀血」をできるだけ少なくしておくことが大切なのです。 

もうひとつ、3つの原因物質が少なくても花粉症になってしまう方がいらっしゃいます。それは「衛気(えき)不足」の花粉症です。 

東洋医学では身体のバリア機能のことを「衛気」といいます。この「衛気」がきちんと働いていないと、どんどん花粉が体の中に入ってきてしまい、原因物質が多くなくても花粉症になってしまうのです。花粉症の予防には「衛気」が充実していることも大切です。

あなたはどのタイプの花粉症?

あなたはどのタイプの花粉症?

あなたはどのタイプの花粉症なのか、まずはチェックしてみましょう! 

タイプ①

✓目が腫れたり充血したりする

✓黄色い鼻水や痰が出る

✓花粉症の症状が全体的に強い

✓便秘になりやすい

✓体力がある

✓暑がり

✓イライラしやすい

✓揚げ物や味の濃いものが好き

タイプ①

タイプ②

✓鼻水が多い

✓涙が多い

✓痰が出る

✓皮膚の痒みがある

✓むくみやすい

✓胃がもたれやすい

✓冷たいものや甘いものが好き

✓生ものをよく食べる 

タイプ②

タイプ③

✓頭痛

✓肩こり

✓皮膚が痒くなる

✓肌のくすみやクマがある

✓アルコールやカフェインが多い

✓乳製品が多い

✓寝不足になりやすい

✓ストレスが多い 

タイプ③

タイプ④

✓花粉症の症状は比較的おとなしい

✓ぐずぐずとした症状がずっとある

✓風邪をひきやすい

✓体力がない

✓疲れやすい

✓貧血ぎみ

✓冷え性

✓肌が乾燥しがち 

タイプ④

①にチェックが多い→「熱毒」タイプ

もともと身体に余分な熱がこもっているので、アレルギーによる炎症が強くなりやすく、花粉症の炎症に火に油を注いでいるような状態です。炎症が強くなると瘀血も多くなりがちです。 

②にチェックが多い→「痰湿」タイプ

余分な湿気が身体に溜まっており、それが花粉症の鼻水や涙などになっている状態です。痰湿は余計なものをくっつけてしまう性質があるので、瘀血や熱毒にも変化しやすいです。

③にチェックが多い→「瘀血」タイプ

血流が悪くなっており、アレルギーの解毒がうまくいっていない状態です。痰湿や熱毒が多くなっていたり、花粉症歴が長かったりする方に多いです。 

④にチェックが多い→「衛気不足」タイプ

身体のバリア機能が低下していて花粉が入りやすくなっている状態です。体力が低下していたり、疲れていたり、生活の不摂生が続くと起きやすくなります。

多くの方はひとつのタイプではなく、複数のタイプにまたがって症状が出ることが多いです。 

花粉症タイプ別|花粉症の予防に絶対に避けるべきもの

ご自身の花粉症のタイプがわかったところで、予防のために避けたい食事を見ていきましょう。花粉症のタイプによって症状がひどくなるものがあります。

①「熱毒」タイプ

①「熱毒」タイプ

•    脂っこいもの

•    アルコール

•    辛いもの

•    味の濃いもの

これらのものは炎症をより強くしてしまいます。例えば、唐揚げにマヨネーズや唐辛子をかけてビール、なんでもチーズを乗せるなどが挙げられます。花粉症の時期は、揚げたもの、乳製品、アルコール、香辛料は控えて、さっぱりしたものを中心に過ごすと良いでしょう。 

イライラしたり、温泉やサウナに入ったりすることなどで悪化する場合もあるので気をつけましょう。お通じを良くしておくことも大切なので、発酵食品や繊維質ものを多めに摂ると良いです。 

②「痰湿」タイプ

「痰湿」タイプ

・生もの

・冷たいもの

・甘いもの

・夏の果物・野菜

 胃腸に湿気が溜まることで、痰湿の原因となってしまいます。お刺身や生野菜サラダ、果物の摂り過ぎには注意しましょう。特に甘くて冷たいジュースやアイスクリームは気をつけましょう。ビールも痰湿を増やす原因になりますから控えた方が良いです。

胃腸の冷えが、痰湿のものになるのでできるだけお腹を冷やさないようにすると良いです。水分の摂り過ぎにも気をつけましょう。 

③「瘀血」タイプ

「瘀血」タイプ

・乳製品(特に甘いもの)

・揚げ物・スナック菓子

・アルコール

・カフェイン

 これらのものは瘀血を増やしやすいもので、血液の流れが滞りアレルギー反応が強くなりがちです。朝ご飯にパン+バター、甘いカフェオレ、ヨーグルトといった組み合わせですと、どうしても瘀血が増えてしまいます。また、おやつにクッキーやチョコレート、揚げ煎餅やスナック菓子というのも気をつけましょう。

できるだけ和食中心にしたり、おやつも和菓子にしたりすると良いでしょう。寝不足になると瘀血がより増えてしまうので、できれば12時前に寝ると良いです。  

④「バリア機能不足」タイプ

「バリア機能不足」タイプ

・生もの

・冷たいもの

・甘いもの

・タンパク質や脂質の不足

 胃腸の働きが落ちるとバリア機能が落ちてしまいます。痰湿タイプと同じように、生もの・冷たいもの・甘いものが多いと、胃腸に痰湿が増えてしまってバリア機能が低下してしまうのです。身体が冷えると症状が出やすいので、冷えには特に気をつけましょう。さらに、バリア機能不足の方は、貧血のことも多く、動物性タンパク質や脂質の不足から肌が荒れていることが多いです。しっかり食べて体力を回復することが大切です。 

発汗のし過ぎはバリア機能の低下になるので、サウナやお風呂での発汗、マラソンなど激しい運動は避けると良いです。また、ピーリングや脱毛もバリア機能が落ちるのでこの時期はやめましょう。 

花粉症予防に食べたいもの

ここまでは避けてほしいものを中心にお伝えしましたが、ここからはぜひ積極的に食べてほしいものをお伝えします。 

葉物野菜

葉物野菜

東洋医学では春は肝臓の時期。緑色の葉物野菜をたくさん食べると肝臓の解毒作用が促されて花粉症の症状が緩和しやすくなります。予防のためにも花粉症の時期が近づいていたらぜひたくさん食べてください。

日常的に食べやすいものとしてはキャベツ、菜の花などのアブラナ科の野菜。炎症を取り除く作用のあるものも多いので、ぜひ色々な種類をたくさん食べてください。

発酵食品

発酵食品

花粉症予防にヨーグルトを意識的に摂っている方は多いと思いますが、他の発酵食品も腸内環境を整えてくれ、免疫を調整する作用があります。

東洋医学では脾の働きを整えることで、バリア機能を高めてくれます。また、便通が悪いと炎症が体の中に滞りがちですから、便通を良くしておくことも花粉症予防にも大切です。一緒に繊維質のものをよく食べると良いでしょう。

なお、朝7時~9時は脾の時間帯だと東洋医学では考えます。特におすすめしたいのが味噌汁です。温かい発酵食品で胃腸が元気になることに加え、味噌には解毒作用もあります。ぜひ花粉症予防に朝の味噌汁を取り入れてみてください。 

青魚

青魚

青魚は瘀血を取るのに良い食材です。血液の滞りが少なくなり、アレルギーが起きにくくなります。おすすめはサバ缶などの缶詰。手軽に摂ることができますし、新鮮なうちに加工されているので脂の酸化が抑えられています。 

他の2つの食材と組み合わせて食べるとさらに相乗効果が高まります。

食事や生活習慣の改善は、始めてすぐに効果がありその日から突然花粉症がなくなるというものではありません。しかし地道な努力が花粉症だけでなく、体質も変えてくれて他の不調も緩和してくれることも多くあります。1年、また1年と積み重ねることで改善していきますので、諦めずにできることから取り入れてみてください。

また、すでに症状が出始めている方でも遅くはありません。今日からできることを始めてみましょう。花粉症を気にぜずに楽しめる春となりますように。

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