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遺産を相続したら運用すべき?代表的な運用方法と注意点

遺産を相続したら運用すべき?代表的な運用方法と注意点
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

父母や祖父母が所有していた資産を相続により承継するのが遺産相続です。相続により取得した財産は家族のゆとりある生活のためや次の世代に残していくために大切にしたいところです。

昨今の低金利が続く中、物価は上昇。現金や預金の実質的な価値が目減りする環境において仙台から受け取った遺産をいかに運用するかが重要なテーマとなっています。

高齢者の増加により、当事者ごとと認識している方が多い社会課題といえるでしょう。先代から受け取った資産は大切にしたいところですが、相続税や不動産に対する固定資産税などさまざまな税金がかかります。遺産を運用する手段は複数あるため、おすすめの運用方法や注意点を確認し、円滑に承継できるよう準備しておきましょう。

この記事を読んでわかること

  • 遺産を運用することが必要な理由
  • 遺産のおすすめの運用方法
  • 遺産の運用で気をつけること
相続金融資産の有効活用
相続金融資産の有効活用

相続する遺産にはどんな種類がある?

相続する遺産にはどんな種類がある?

遺産の対象になる資産には、どのようなものがあるのでしょうか。

不動産

まず、日本の家庭において相続資産の対象になりやすいものが不動産です。不動産とは土地や建物など動かすことができない財産のこと。住居が不動産の代表例ですが、農地や店舗、山林、倉庫なども不動産に含まれます。なお、絵画や壺、金銀などは不動産と対照的に「動産」となることも覚えておきましょう。

生まれ育った故郷にある実家や、周辺の田や畑などは、特に相続対象の不動産になりやすいです。そのままご自身や親族が利用しつづけるか、賃貸アパートなどを建てるか、売却するかという選択肢を相続時には迫られますが、代々相続されてきた資産は簡単に売却できないという心理的なハードルも高いでしょう。

そもそも少子化で地方都市の人口が減少しており、以前は不動産相続の第一選択肢だった土地活用も、以前のように安定した収益が必ず約束されるものではなくなってきました。心理的なハードルを乗り越えて売却するという判断も重要です。

金融資産

金融資産は、不動産などの実体を伴う「現物資産」ではなく、流動性がない換金化しやすい資産のことです。現金・預貯金、株式、債券、投資信託が代表的です。また、相続した不動産も売却することにより、流動性の高い金融資産となり得ます。

亡くなった方が所有していた金融資産は、相続人が引き継ぐことになります。相続時の計算上は相続時の評価額で計算されるケースが多いですが、相続後の管理上の取得価格は被相続人の取得価格が引き継がれるのが一般的です。また、亡くなった方が会社を経営していていた場合、その会社の経営権として自社の株式を有していますが、これも金融資産の一つです。

会社を継ぐ場合も、継がない場合も、株式を引き継ぎ、売却や譲渡などの運用を迫られます。

遺産を運用すべき理由

遺産を運用すべき理由

遺産を引き継いだ際は、運用するか否かの方向性を定めましょう。では、なぜ遺産の運用が求められるのでしょうか。

不動産を相続した場合

相続した不動産をただ所有しているだけでは、不動産に対する固定資産税などの支払いばかりが発生する状態になります。

現在の居住地から遠いからと放っておくと、最近国が力を入れている空き家対策の視点で、税金減免の対象外となる方針になってきました。大前提として、そもそも不動産の承継自体が相続税の対象となります。

相続後も保有を続ける不動産については相続税を支払うための現金が足りず、止むを得ず資産を売却することになる前に、どのように相続税支払いのための現金を用意するかがポイントです。具体的には、生命保険などで現金を確保する方法や小規模宅地等の評価減の特例を上手に活用し相続税を圧縮するなど、準備する必要があります。

一方、済み続けない実家や借り手のつかない賃貸不動産などは売却を検討する必要があります。相続や贈与は関連する法律も定期的に変わっていくため、専門家に相談しながら長期的に対策を進めていくと良いでしょう。

金融資産を相続した場合

相続不動産の売却代金含め、金融資産を相続した場合、ご自身が運用や投資を行っていれば、不安は少ないでしょう。運用や投資を行ったことがない人はどうすればよいのか困ってしまいます。運用にはリスクが発生するため、銀行など金融機関に遺産すべてを預けておこうという考え方の方も多いです。

この考え自体は間違ったものではありませんが、現在の日本は超低金利のため、預金をそのまま置いておいても利息で収入を得るには難しい側面があります。金利で入ってくる利息よりも、物価の上昇率やランニングコストとして出ていく諸費用の方が圧倒的に高いという状況です。昨今は物価上昇により現金・預金の実質的な価値は目減りする状況です。

これら低金利、物価上昇に伴う現金・預金の実質的な価値の目減りをカバーする観点からも、リスクを踏まえたうえでの資産運用は必要相になります。

相続した金融資産のおすすめ運用方法

相続した金融資産のおすすめ運用方法

相続した金融資産に対して、具体的にどのような運用方法がおすすめなのでしょうか。

国債

ひとつは国債ですが、日本の国債に限らず、アメリカの国債なども人気銘柄です。

定期的に国が発行する債権を購入し、定められた償還期限に利息を加えた投資金額を回収します。株式や投資信託と比較して、国債は安定している運用方法ですが、国が倒産(デフォルト)する可能性もゼロではありません。そのリスクを踏まえたうえで国債購入を検討しましょう。

日本の国債は償還期限により短期国債、および長期国債として販売されています。

不動産投資

先代から土地や建物を承継した場合は、建物(上物)を建築するなどの不動産投資が可能です。相続した土地に運用物件を建築すると、固定資産税と都市計画税が軽減される仕組みもあるため、多くの土地所有の相続において土地活用が実行されています。

不動産投資は安定した賃料を得られるものの、空室リスクがゼロではないため、収益分岐点となる入居率をいかに維持するかが鍵。また、日本は人口の減少が続いているため、これまで収益を得ていた不動産運用が維持できるかの目利きも運用者としては欠かせません。

投資信託

投資信託はプロフェッショナルであるファンドにお金を預け、それを運用の専門家が大きな資金としてまとめて、株式や債券などに投資運用する商品で、運用効果である運用益がそれぞれの投資金額に応じて分配される仕組みとなっています。

つまり、投資信託は元本が保証されている金融商品ではありません。この点は銀行の預金などとは違うところですので注意が必要です。

現在NISAという国主導の制度が進行しており、通常は配当所得課税が20.315%かかるところ、NISAの枠内で発生した売却益と配当益は非課税となります。

2024年からはNISAの新制度が開始予定。成長投資枠(年間240万円)、つみたて投資枠(年間120万円)を合わせて年間投資枠の上限が360万円に増加するなど大きく変化します。2023年10月からNISA新制度の申込が可能となるため、投資信託を始める方が増える見込みです。

遺産相続の場面においても、金融資産の運用など現在よりも投資信託が重要視されることは間違いありません。その場合は投資運用の専門家である証券会社やIFA(独立性ファン何シャルアドバイザー)に相談し、資産運用方法の検討を進めることをおすすめします。

遺産の運用で気をつけること

遺産の運用で気をつけること

相続した金融資産の運用で気をつけるポイントは何でしょうか。

分散投資する

投資の基本は長期投資と分散投資です。長期投資は、短期的に評価損が生じたときに、慌てて売却して投資を止めないこと。長期的に投資をすることで損益を平準化することが期待できます。

同様に、リスクを避けるために、分散して複数銘柄で資産ポートフォリオを構築することが大切です。投資信託のなかでも日本向け、アメリカ向けという投資地域の違いから、ローリスクのインデックスとある程度リスクを受け入れたアクティブな銘柄の両立で投資を分散させます。

日本の株式・債権・不動産、海外の株式・債権・不動産などに分散して投資することを国際分散投資といいます。私たちの公的年金の運用でも用いられている運用手法です。運用の王道は国際分散投資です。

将来の生活や次世代への相続も視野に入れる

投資は将来のライフイベントや生活スタイル、子や孫世代への相続なども視野に入れて、運用方法を選択しましょう。

家族全体で見たときに何年後にどれくらいの支出が想定されるかが分かると、投資の方向性やリスク・リターンの取り方が見えてきます。その方針を決めてから具体的な投資方法を決めることも方法の一つです。

損失が発生したら繰越控除を行う

一方でリスクのない投資はありません。前提として遺産運用には損失が発生する可能性もあることを理解し、リスクを踏まえつつ運用を行うことが大切です。

損失が発生した場合は、その損失を翌年以降の収益と相殺できる繰越控除という制度が設けられています。控除の仕組みも事前に学んだうえで、遺産の運用をスタートさせましょう。何よりのリスクは発生するリスクを想定できず、行き当たりばったりになることです。

運用方法に迷ったら専門家に相談しよう

運用方法に迷ったら専門家に相談しよう

遺産を相続する場合は、不動産と金融資産という性質の違う資産を相続するケースも多く、運用経験や知識のない方は判断に困る可能性が高いでしょう。特に金融資産関係は法改正が頻繁に行われており、3年前に最新の制度だったものが、既に法改正が施行されているという専門家も驚く状況も珍しいものではありません。

何よりも避けたい状況は、曖昧な知識や勢いで対処してしまうことです。定期的に資産運用の専門家へ相談する方が、トラブルに発展することもなく、安心できるでしょう。おすすめのサービスとして、クレディセゾングループの「セゾンの相続 相続金融資産の有効活用」があります。資産運用は期間が長ければ長いほど効果的ですので、早めに連絡して相談してみましょう。

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相続金融資産の有効活用
相続金融資産の有効活用

おわりに

相続した金融資産の運用についてご紹介しました。低金利、物価上昇により、現金・預金の実質的な目減りが課題となるなかで、リスクを検討したうえで運用することが推奨されています。運用方法によってリスクやリターンが変わるため、場合によっては専門家への相談を重ねたうえで最適な方法を選ぶことが大切です。また、資産運用の相談は早い方が最適な運用方法のの選択肢が増えます。相続した金融資産の運用に少しでも不安があれば、できるだけ早目に対応しましょう。

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