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65歳以上でも働ける仕事とは?人気の職種や就職先の探し方

65歳以上でも働ける仕事とは?人気の職種や就職先の探し方
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

60歳手前になると、定年を意識する方が多いのではないでしょうか。60〜65歳を過ぎても「元気なうちは働きたい」「収入を少しでも増やしたい」という考えの方は、少なくありません。

働き続ける選択をする場合、定年後もこのままこの企業にいられるのか、新しい仕事は何があるのかなどが気になります。これらの疑問や不安を少しでも解決できるよう、このコラムでは、65歳以上でも働ける仕事を紹介します。

また、65歳以上の勤務者の現状や高齢者の雇用制度、人気の職種や就職先の探し方についても解説します。参考にしていただけると幸いです。

1.65歳以上でも働ける仕事とは

65歳以上でも働ける仕事は、マンション管理・警備員・販売員などがあります。どの職種もほどよく身体を動かせる仕事です。同時に、65歳以上の方の「経験豊富である」「時間にゆとりがある」部分を活かせるでしょう。

現在65歳以上の74.2%は上記の仕事を含めた、さまざまな職種で働いています。また、いままでの経験を活かした仕事をしている方や、新しい仕事にチャレンジしている方もいます。

2.高齢者雇用安定法改正で就業年齢が伸びる?

2021年4月、高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業機会確保を掲げています。家計・健康・社会との繋がりを考えると、「長く働きたい」という方が多いためです。実際に「元気なうちは働きたい」という思いから、現在は多くの65歳以上の方が勤めています。

3.65歳以上の75.9%は非正規雇用

65歳以上の75.9%は非正規雇用です。正社員の場合は出勤日数や労働時間が長く、体力を使います。そのため、継続して勤務するのにはハードルが高く、非正規雇用を選ぶ方がほとんどです。

また非正規雇用は、ビルの管理・マンションの管理・警備員・外食・販売など、さまざまな職種が揃っています。職種が多く経験値の高さや、人当たりの良さを生かして働けるので、ぜひ積極的に検討してみてください。

4.65歳以上のシニアが働く際に有利な点

65歳以上のシニアが働く際に有利な点は、「時間に余裕がある」「人生経験が豊富」ということです。若者の方が有利な点も多いと思いますが、実はシニアだからこそできる「働き方」があります。勤務時間や勤務内容によっては、65歳以上の方も戦力になります。どのような点が有利に働くのか、見ていきましょう。

4-1.時間に余裕がある

65歳以上のシニアが働く際に有利な点の1つ目は、「時間に余裕がある」ことです。65歳以上の方が働く場合は、正社員の頃よりも出勤日数が短くなったり、勤務時間が短くなったりします。そのため、時間に余裕のある方が多いようです。

さらに、子どもが独立したり、人付き合いが落ち着いていたりしますので、急な用事にも都合が合いやすいでしょう。このことから、土日出勤・早朝勤務・シフト変更などに応じやすくなります。

4-2.人生経験が豊富

65歳以上のシニアが働く際に有利な点の2つ目は、「人生経験が豊富」なことです。これはシニア層にしかない大きな武器です。今までやってきた仕事の経験だけではなく、年齢を積み重ねたからこそできる対応や気遣いが、あらゆる職種で活かせます。

特に、介護や福祉の現場は世代が近く、利用者の気持ちを理解しやすいと重宝されています。お客様だけではなく、同僚とも温かいコミュニケーションがとれるでしょう。

5.65歳以上の働きがいのポイント

65歳以上の働きがいのポイントは、「やりたいことをする」です。やりたいこと・好きなことで、社会に貢献できるのが理想的な働き方といえるでしょう。いままでやってきた好きな仕事を続けても良いですし、新たにやりたい仕事に挑戦するのもおすすめです。

65歳以上で現在働いている方の中には、収入は低めでも新しい環境や仕事に、刺激とやりがいを感じているという声がありました。「培った能力や経験を活かせる」「社会に貢献している」「家族に理解されている」と実感できる仕事が、働きがいにつながっているのでしょう。

6.どの職種が人気?

人気の職種は以下のとおりです。

  • 過去の経験が活かせる職種
  • 持っている資格を活かせる職種
  • 外で務める職種
  • 在宅の職種

仕事の向き不向きは、各々によって違います。チームで働くことに喜びを感じる方や、一人で黙々と働きたい方など、さまざまな理想があります。あなたの理想の働き方は、どのようなものでしょうか。理想の働き方ができる職種はどれか、参考にしていただけると幸いです。

6-1.過去の経験が活かせる職種

過去の経験が活かせる職種は、以下のとおりです。

  • 事務ワーク
  • 法務
  • 経理

上記の職種は経験があれば、培った技術や能力を長く活かせる仕事です。法務や経理の仕事は、勤務歴が長いほど対応力があります。同時に、長く仕事から離れていた場合でも、再度働きはじめれば思い出すことができます。このような理由から、経験を活かせる仕事は人気です。

しかし、オフィスワークでは一つ心配な点があります。歳を重ねるといままで以上に、パソコン作業が辛くなるでしょう。目・首・肩などを痛めてしまう可能性があるので、体調を考慮したり身体への負担を軽減する工夫をしたりして、無理のない範囲で働くことをおすすめします。

6-2.持っている資格を活かせる職種

持っている資格を活かせる職種は、以下のとおりです。

  • ボイラー技士
  • 保健福祉士
  • 図書館司書
  • 講師

資格が必要な技術系の仕事は、何歳になっても需要があります。また、技術・知識・経験などが必要なため、限られた方しか働けません。このことから、資格があると就職しやすいでしょう。

同時に、そろばん講師・書道講師・手芸講師など、講師の仕事は能力・体力面を考えても働きやすいと言われています。女性の場合は保育士・看護師・衛生士・調理師など、同性が多く活躍している職場が働きやすいと感じるでしょう。

6-3.在宅の職種

在宅の職種は、以下のとおりです。

  • 調理補助
  • 引っ越しの片付け
  • 小学校・幼稚園の給食の調理補助
  • 介護施設の食事作成補助

資格・経験を問わずにチャレンジできるうえに、勤務時間が短いものが多いので人気があります。働きやすさから、長く続けている方が多い職種です。他にも、長年の家事や育児経験を活かして、家事代行・ベビーシッター・学童スタッフの仕事も人気です。

6-4.その他の職種

その他の職種は、以下のとおりです。

  • 清掃
  • お弁当販売
  • スーパーのレジ
  • コンビニ
  • チラシ配達

どの仕事も軽作業ですので、身体を壊さない程度の軽い運動になると人気です。接客の仕事は他者とのコミュニケーションが必要なため、会話能力の低下も防げます。また、短い時間で働ける仕事が多いので、身体への負担を少なく働けるでしょう。

7.65歳以上におすすめの仕事

65歳以上におすすめの仕事を、男女別に紹介します。「多少の力仕事」や「家事との両立」などを踏まえると、性別によっておすすめの仕事が変わってきます。周囲の企業や店舗を見ても、製造や警備は男性が多く、接客業や教育現場では女性をよく見かけるのではないでしょうか。男女別でどのような仕事があるのかについて見ていきましょう。

7-1.男性の場合

65歳以上の男性におすすめの仕事は、以下のとおりです。

  • オフィスワーク
  • 軽作業・製造・清掃
  • 警備
  • 営業
  • 販売・接客・サービス

オフィスワークはそれほど体力が必要ではありませんので、シニアになってからも働きやすいと人気です。その他の仕事は未経験でも採用されやすいので、応募しやすいでしょう。企業や店舗によって作業内容に違いはありますが、あらゆる場所でシニアの男性は活躍しています。

7-2.女性の場合

65歳以上の女性におすすめの仕事は、以下のとおりです。

  • オフィスワーク
  • 販売・接客・サービス
  • 軽作業・製造・清掃
  • 医療・介護・福祉
  • 教育

オフィスワークは男性だけではなく、女性にも人気の仕事です。販売・接客・サービスも男性と同じくおすすめですが、女性の方が割合は高いとされています。中でも大手コンビニ、大手ファーストフードは、マニュアルや研修が整備されていたり、自宅から近くに店舗があったりするので勤務しやすいのかもしれません。

8.65歳以上で就職先を探す方法

65歳以上で就職先を探す方法は、以下のとおりです。

  • 再雇用制度を活用
  • 勤務延長制度を活用
  • 知人の紹介
  • 人材紹介を活用
  • シルバー人材センターの活用
  • シルバー向け求人情報サイトの活用

さまざまな制度や方法があります。探し方は、企業や公益社団法人によるものであったり、手軽に利用できるサービスだったりとさまざまです。ご自身に合う方法で、就職先を探してみましょう。

8-1.再雇用制度の活用

再雇用制度を活用すると、慣れ親しんだ環境や仕事内容のためスムーズに働けます。一度退職してから、再び同じ企業に雇用される制度です。近年、企業では希望者がいる場合、再雇用することが義務化されました。ただし、雇用条件は見直される場合が多く、年収が現役時代の約20〜50%程度低下すると言われています。

8-2.勤務延長制度の活用

勤務延長制度を活用すると、役職・賃金・仕事内容は大きく変わらず、勤務期間を延長できます。再雇用制度は一度退職の手続きをしますが、勤務延長制度の場合は退職せず雇用形態を維持できるのが利点です。その代わり退職金の支払いは、延長期間終了となる退職時です。

8-3.知人の紹介

知人からの紹介は、理想的な転職方法です。仕事内容や職場環境などを、知人から詳しく聞けます。転職前も、仕事を始めてからも、気になることは知人に聞けますので安心です。人材を求めている知人がいる場合は、打診してみると良いでしょう。

8-4.人材紹介の活用

人材紹介を活用すると、さまざまな仕事から選択が可能です。紹介企業を扱っているため、選択の幅が広がります。また、自身の経験やスキルに合わせて、企業を紹介してくれます。ただし、ニーズが噛み合わなければ企業の紹介を受けられません。紹介企業任せにせず、ご自身の要望を担当者に細かく共有しましょう。

8-5.シルバー人材センターの活用

シルバー人材センターでも、さまざまな仕事を紹介してくれます。公益社団法人が運営していますので、信頼度は高いでしょう。地域毎に一つずつ設置されています。ただし、紹介を受けるには2,000〜3,000円程度の年会費が必要です。同時に高い収入を期待している方は、やや難しいと言えます。なぜなら、多くの仕事が給与ベースではなく、配分金の形式を取っているためです。

8-6.シルバー向け求人情報サイトの活用

最近になって、シルバー向け求人情報サイトの種類が増えてきました。スマホを活用して職探しをする、シニアが増えてきたためです。また、「マイナビミドルシニア」のようなサービスも登場しています。今後もさらに、シルバー向けの求人サイトの種類は増えていくでしょう。

おわりに

65歳以上でも働ける仕事は、マンション管理・警備員・販売員などが挙げられます。非正規雇用は出勤日数や出勤時間は短いものが多く、シニア層も無理なく長く働けるでしょう。経験が必要な仕事以外に、未経験でもできる仕事も増えてきました。昨今では、転職をサポートする制度やサービスが充実しています。

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