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伝わる写真を撮るための3つのステップ

伝わる写真を撮るための3つのステップ
早坂 華乃 ブランディングフォトグラファー

執筆者
早坂 華乃 ブランディングフォトグラファー

1枚のプロフィール写真で女性起業家を次のステージへ導く、ブランディングが得意なフォトグラファー。ただ綺麗な写真ではなく、集客目線で撮影する「ブランディング撮影」で、広告費0円で満席更新中。主催するフォトグラファー養成講座では、プロ希望者デビュー率100%を誇る。2022年『ブランディング撮影の教科書』出版


今、インスタグラムをはじめとするSNS最盛期の中、写真への注目がこれまでになく高まっています。今やスマホにカメラ機能が搭載され、誰もがいつ、どこにいてもすぐに写真を撮れる便利な時代になりましたね。


ここで質問です。あなたにとって「良い写真」とはどのような写真でしょうか?


✔笑顔があふれる写真?

✔徹底的瞬間をとらえた写真?

✔心が温かくなる写真?

✔状況がよく分かる写真?


読者の皆様、それぞれの答えをお持ちだと思います。この問いには正解はありません。写真の世界は、「感性」なので基本は自由のため、それぞれ良い写真の定義が違うのは当然のことです。
ただ、正解ではないのですが、もしあなたが写真を撮る目的が、「感動を伝えたい」だったとしたら?それを誰かに見せたり、分かちあいたいと思って撮っているとしたら?

せっかくなら、そのあなたの「思い」や「意図」が伝わる写真が撮れたらいいと思いませんか?
そこで今回は、「伝わる写真」を撮るための3つのステップをお伝えします。


1.伝わる写真を撮るために

まず、伝わる写真を撮るために必要なことはなんだと思いますか?それは、あなた自身が「何を伝えたいのか」きちんと自覚して撮影することなんです。そんなこと、当たり前だよ!と思った方、本当に意識して撮影しているでしょうか?ただ闇雲にシャッターを押していたり・・・していませんか?
あなたがシャッターを切りたいと思った時、それは確実にあなたの心が何かで動かされた時です。

伝わる写真を撮るために

あなたが何に感動して、何を写真として収めたいと思ったのか、そこにしっかりと目を向けて欲しいのです。それを意識して写真を撮るようにすると、あなた自身が好きなものが何か、自分でとても良く分かりようになり、あなた自身の感性がますます磨かれていくのを実感できることでしょう。

写真を撮り始めると、季節の変化に敏感になったり、以前はまったく気が付きもしなかった、足元に咲く小さな花に気が付くようになったり、日常が、まるで鮮やかに色をまとったように、輝いて見えるようになります。それは、写真を撮る事を通じて、自分の感性が磨かれ、小さな幸せに感謝できるようになったからに違いありません。


私はそこに写真の素晴らしさを見出し、その感動を広く伝えたいと思い、写真の撮り方をこうしてお伝えしているのです。

2.伝わる写真を撮るための3つのステップ

伝わる写真を撮る方法として、私は次の3つのステップをいつも写真教室の生徒の皆さんにお伝えしています。これを意識して撮るだけで、写真はがらりと変わりますので、ぜひしっかりと身に付けてくださいね。

2-1. 観察する

まず1つめのステップが「観察する」です。写真は1ピクチャー1テーマが基本。あれもこれも・・・と伝えたいものを盛り込んでも伝わらない写真になってしまいます。まずは、どんなところに魅力を感じたのかしっかりと観察してみましょう。一瞬のものであれば、観察する時間もありませんが、カメラマンは基本写真を撮る上で、どんな短い時間であろうと鋭い目で瞬時に観察して、伝えたいものを決めているものなんです。すぐ撮るのではなく、まず観察する、を今日から是非心掛けてみてください。

2-2. 主役を決める

しっかりと観察したら、次のステップは「主役を決める」になります。ドラマや映画も、主人公は1人ですよね。その主人公を引き立たせる名脇役がいますが、脇役はあくまで脇役。基本、主役は1人です。脇役が主役より目立ってしまったら・・それはもはや脇役ではなくなってしまいます。

写真でも、しっかりと何を主役にして撮りたいのか、意図して決めていくことが大切です。沢山の花が束ねられている花束を撮る時でも、私はその中で1番心が惹かれる1輪を主役と決めて撮っています。ただそのまま何も考えずに撮ってしまうと、主役が伝わりにくくなってしまうからです。

2-3. どう撮るか決める

しっかりと観察して、主役を決めたら、最後はどう撮るか決める段階です。主役が引き立つような構図やフレームで切り取っていきます。構図に関しましては、こちらの記事でご紹介していますので、良かったら参考にしてください。

参考記事:写真の撮り方|おしゃれな構図の知識

センスがないと嘆いてる方も、ご安心ください。センスは培う事ができるものですし、写真の場合は構図をマスターすることで、おしゃれな写真を撮ることができるようになれます。どう撮るか決めるにあたり、一眼レフカメラやミラーレス一眼レフカメラの場合、明るさや雰囲気など細かい調整が可能です。

こうしたカメラの場合、カメラの設定を操作して、例えば

✔ふんわりとした雰囲気で撮る
✔ダークな雰囲気で撮る

✔色鮮やかに鮮明なイメージで撮る

など、より表現したいイメージを設定で作っていくことができます。

「主役が可愛いお花だったらふんわりとした雰囲気で」や、自分の表現したいイメージを設定で作ることができるのです。スマホ撮影の場合は、フィルターをかけるなどの加工(編集)で
自分の出したい雰囲気を出すことができます。

伝わる写真を撮るための3ステップ

4.これを習慣に!伝わる写真を撮るためのトレーニング

伝わるための3つのステップ、どうでしたか?ここでさらに、上達するのにとっても有効な方法をひとつお伝えしたいと思います。

それは「いらないモノ探し」です。自分が撮影した写真をみて、何かいらないものが写っていないか、チェックする癖をつけるのです。いらないものとは、主役より目をひいてしまう目立つもののような、主役から目がそれてしまう要因になるものです。

自分が撮った写真、主役の背後にいらないごちゃごちゃしたものは写っていませんか?主役より目立つ、主張するものが写っていませんか?

ちゃんと主役が分かりやすい写真になっているかどうかは、この「いらないモノ探し」をするかどうかで、その視点が養われます。

プロのカメラマンは自然と、当たり前のように常にいらないモノ探しをしながら撮影しているのですが、カメラマンではない普通の方は、なかなかこの視点に慣れている人はいません。

ここで大事なのは、「いらないモノ探し」をしたらそのままにしないで、その「いらないモノ」をどかして撮りなおす事です。撮りなおす事で、「いらないモノ」が写ってない写真の感覚を掴むことができ、それを繰り返すことで、そもそも撮る時点でいらないモノを入れずに撮ることができるようになります。

ちなみに、いらないモノをどうやって撮らないようにするかは2つあります。ひとつ目は、いらないものをどかすこと。料理写真を撮るとき、背後に映り込んでしまった紙ナプキン。これはどかせば済むことですよね。2つ目は、自分が動くことです。

いらないモノ探しのすすめ

動かせないいらないモノの場合は、自分が動いて、アングルを変えることで、背景に入れ込まないようにすることができます。普段から、撮った写真を見返して、「いらないモノ探し」をして、その視点を養うようにしていきましょう。これを続ければ確実に写真は上達する事間違いなしです。

おわりに

今回は、伝わる写真を撮るための3つのステップと、日々できる「いらないモノ探し」について紹介しました。今スマホのカメラ機能の発達でいつでもどこでも気軽に写真を撮ることができる時代になりました。毎日1枚くらいは誰でも写真を撮っているのではないでしょうか。そこで、この伝わる写真を撮る3つのステップを意識し、そして、いらないモノ探しを加えることで写真は見違えるほど上達します。ぜひ、今日から写真撮影の際は、意識して気を付けてみてくださいね。

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