リフォームの際に利用できる補助金があれば費用負担を抑えられるので、活用できる補助金がないか気になっている方も多いでしょう。
この記事では、リフォームとリノベーションの違い、補助金のメリット、補助金を活用しやすい工事内容、利用できる補助金制度や減税制度などを解説します。リフォームで利用できる補助金について詳しく知りたい方は是非参考にしてください。
この記事を読んでわかること
- リフォームやリノベーション工事では補助金制度や減税制度を利用できる場合がある
- 制度によって適用条件や補助金の金額、必要な手続きが異なるので注意が必要
- 工事費用の全額が補われるわけではないので自己資金を確保することも重要
リフォームとは?リノベーションと何が違うのか?
リフォームとは、経年劣化によって老朽化した建物を新築時の状態に戻す工事のことです。例えば、壁紙やフローリングの張替え、耐用年数が経過した設備の交換などはリフォームに該当します。
リノベーションとは、既存の建物を改良する工事のことです。リフォームがマイナスになったものをゼロに戻す工事であるのに対し、リノベーションは価値を高める工事という点で違います。例えば、壁を取り払う間取りの変更、水回りの位置の変更などはリノベーションに該当します。
昨今の国の補助金制度は、リフォームであれば何でも補助金を利用できるのではなく、省エネ性能を高めるリフォームが主となっているということを理解しておきましょう。
リフォーム補助金を活用するメリット
リフォームする際に国の補助金制度を利用するメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 自己負担を抑えられる
- お得に安全性・快適性を高められる
リフォームやリノベーションは、工事の内容や規模によって費用に差がありますが、数百万円程度の費用がかかることも少なくありません。
工事の内容が対象の場合、補助金を受けることによって自己負担を抑えられます。仮に100万円の工事に対して10万円の補助金が適用されれば、10%の値引きを受けたのと同じなのでお得に工事に取り組めるのです。
また、対象となる工事は省エネ性能や耐震性を高めるものなどです。補助金を利用してお得に建物の安全性や快適性を高められる点はメリットと言えるでしょう。
リフォームの補助金制度を活用しやすい工事内容
全てのリフォームやリノベーションに対して補助金制度を利用できるわけではないため、どのような工事であれば可能であるかを事前に把握しておくことが大切です。
リフォームの補助金制度を活用しやすい工事内容として、以下の4つが挙げられます。
- エコ・省エネ
- 耐震性
- 介護・バリアフリー
- 在宅勤務やウイルス対策
それぞれの工事内容を詳しく見ていきましょう。
1. エコ・省エネ
エコ・省エネの観点から行われるリフォームやリノベーションは、補助金制度を利用できる可能性が高いです。例えば、断熱化、節水型トイレへの交換、太陽光発電システムの設置などがあります。
エコ・省エネの工事にかかる費用の目安は以下の通りです。
工事内容 | 費用の目安 |
窓の断熱化 | 5万~60万円(1箇所につき) |
屋根・外壁の断熱化 | 80万~350万円 |
節水型トイレへの交換 | 13万~35万円(1台につき) |
太陽光発電システムの設置 | 130万~300万円 |
蓄電池の設置 | 15万~21万円(1kWhにつき) |
2. 耐震性
住宅が十分な耐震性を備えているか確認するための耐震診断を受ける際や耐震補強工事を行う場合は、補助金制度を利用できる可能性が高いです。
耐震診断や耐震補強工事にかかる費用の目安は以下の通りです。
工事内容 | 費用の目安 |
耐震診断 | 20万~40万円 |
耐震補強・改修工事 | 25万~200万円 |
ブロック塀の撤去 | 5,000~1万円(1㎡につき) |
3. 介護・バリアフリー
介護・バリアフリーの観点で実施されるリフォーム・リノベーションも補助金の対象となる可能性が高いです。例えば、浴室や廊下への手すりの設置、床の段差解消、引き戸への変更などがあります。
介護・バリアフリーの工事にかかる費用の目安は以下の通りです。
工事内容 | 費用の目安 |
手すりの設置 | 3万~10万円(1箇所につき) |
床の段差解消 | 1万~20万円(1箇所につき) |
引き戸への変更 | 5万~30万円(1箇所につき) |
4. 在宅勤務やウイルス対策
コロナ禍で感染予防の観点からテレワークを導入する企業が増えたこともあり、以前とは働き方に変化が生じたという方も多いのではないでしょうか。自治体によっては、在宅勤務やウイルス対策へのリフォームやリノベーションにも補助金を利用できる可能性があります。
在宅勤務やウイルス対策の工事にかかる費用の目安は以下の通りです。
工事内容 | 費用の目安 |
間仕切りの設置 | 8万~25万円(1箇所につき) |
洗面台の増設 | 15万~50万円(1台につき) |
窓の新設 | 10万~30万円(1箇所につき) |
住宅のリフォーム補助金制度
具体的にどのような住宅のリフォームの補助金制度があるのか気になっている方も多いと思います。代表的な住宅リフォーム補助金制度として、以下の8つが挙げられます。
- こどもエコすまい支援事業制度
- 先進的窓リノベ事業
- 給湯省エネ事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 次世代省エネ建材の実証支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 介護・バリアフリーリフォーム補助金(介護保険法にもとづく住宅改修費の支給)
- 各自治体の補助金制度
それぞれの住宅リフォーム補助金制度について詳しく説明していきます。
1.こどもエコすまい支援事業制度
こどもエコすまい支援事業制度とは、断熱化や省エネ化などのリフォーム・リノベーションをすると利用できる補助金制度です。工事に使用する材料や製品、数量に応じた金額の補助を受けられるのが特徴です。
補助金の額 | 工事に使用する材料や製品、数量に応じた金額(上限30万~60万円) |
申請条件 | ・「開口部・屋根・外壁・天井・床の断熱改修」か「エコ住宅設備の設置」を行うこと ・登録された施工業者と契約すること ・補助金支給額が5万円以上になること ・リフォームする住宅の所有者であること など |
申請方法 | 施工業者が手続きをするので不要 |
補助金の上限は、通常30万円です。しかし、申請者が子育て世帯や若者夫婦世帯の場合と既存住宅の購入に合わせて行うリフォームの場合には、それぞれ15万円が加算されて上限が60万円となります。なお、手続きは施工業者が代わりに行ってくれるので必要ありません。
2.先進的窓リノベ事業
先進的窓リノベ事業とは、住宅の窓の断熱性を高めるリフォームで利用できる補助金制度です。窓の性能やサイズに応じた金額の補助を受けられるのが特徴です。
補助金の額 | 窓の性能やサイズに応じた金額(5万~200万円) |
申請条件 | ・窓(ガラス)を断熱改修するリフォームであること ・事業者登録された施工業者と契約すること ・補助金支給額が5万円以上になること ・リフォームする住宅の所有者であること |
申請方法 | 施工業者が手続きをするので不要 |
断熱性を高める窓のリフォームをした際は、新しい窓の性能やサイズに応じて5~200万円の補助金を受け取れます。手続きは施工業者が代わりに行ってくれるので必要ありません。
3.給湯省エネ事業
給湯省エネ事業とは、リフォームで高効率給湯器を設置した際に利用できる補助金制度です。事業の対象機器に指定されている機器に限られている点に注意が必要です。
補助金の額 | 導入する給湯器に応じた金額(5万~15万円) |
申請条件 | ・高効率給湯器(対象機器)導入する工事であること ・事業者登録された施工業者と契約すること ・機器を設置する住宅の所有者であること |
申請方法 | 施工業者が手続きをするので不要 |
事業の対象機器に指定されている効率給湯器を設置することで、機器によって1台につき5~15万円の補助金を受け取れます。なお、手続きは施工業者が代わりに行ってくれるので必要ありません。
4.既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは、建物の窓や床、天井、外壁などの断熱リフォームを実施した際に利用できる補助金制度です。施工費用の3分の1の補助を受けられるのが特徴です。
補助金の額 | 施工費用の3分の1(上限15万~120万円) |
申請条件 | ・既存住宅のリフォーム工事であること ・一定の断熱効果が見込まれる建材を使うこと ・店舗・事務所と併用されていない住宅であること ・着工は交付決定後に行うこと など |
申請方法 | 見積もりを取ってから申請。交付の決定通知後に着工 |
補助金の上限は戸建住宅120万円、集合住宅(マンション)15万円となっています。登録されている製品から使うものを選択して工事の見積もりを取り、交付が決定されてから着工という流れです。
5.次世代省エネ建材の実証支援事業
次世代省エネ建材の実証支援事業とは、外壁や内壁、窓などを高断熱化品へ交換した際に利用できる補助金制度です。指定されている製品に限られている点に注意が必要です。
補助金の額 | 材料費+施工費用の50%(上限125万~400万円) |
申請条件 | ・外張り断熱、内張り断熱、窓断熱のいずれかを行うこと ・リフォームは交付決定後に契約・着工すること ・リフォーム後、室温等の測定に協力すること ・使用製品は指定のものから選ぶこと など |
申請方法 | 見積もりを取ってから申請。交付の決定通知後に着工 |
補助金の上限額は工事の種類や住宅の種類によって変化します。登録されている製品から使うものを選択して工事の見積もりを取って、交付が決定されてから着工という流れです。
6.長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、耐震性の向上による長寿命化や省エネ化などで住宅性能を向上させた際に利用できる補助金制度です。施工費用の3分の1の補助を受けられるのが特徴です。
補助金の額 | 施工費用の3分の1(上限100万~250万円) |
申請条件 | ・住宅の性能向上リフォーム全般が対象 ・省エネ化、耐震性向上、構造劣化対策、バリアフリー化 など |
申請方法 | 施工業者が手続きをするので不要 |
補助金の上限額はリフォーム後の性能や世帯構成によって変化します。手続きは施工業者が代わりに行ってくれるので必要ありません。
7.介護・バリアフリーリフォーム補助金
介護・バリアフリーリフォーム補助金とは、バリアフリー化をした際に利用できる補助金制度です。介護保険を利用した住宅改修では、施工費用の70~90%の補助を受けられるのが特徴です。
補助金の額 | 施工費用の70~90%(上限14万~18万円) |
申請条件 | ・介護保険の被保険者であること ・要支援者、要介護者が居住する住宅であること ・生活の支障をなくす、軽減する工事であること など |
申請方法 | 改修前に市区町村の役所に申請、改修後にも申請 |
介護保険の被保険者で要支援者・要介護者が居住する住宅へのバリアフリーリフォームを行った際に利用できます。ケアマネージャーに相談しながら進めましょう。
8. 各自治体の補助金制度
補助金制度を提供しているのは国だけではありません。県や市町村などの各自治体でも補助金制度を提供している場合があります。
併用できない場合もあるため、国の補助金制度と各自治体の補助金制度のどちらを選択すべきなのかをよく考えてから選択しましょう。
リフォーム補助金制度と併用できる減税制度について
リフォームやリノベーションで利用できるのは、補助金制度だけではありません。場合によっては、減税制度を利用することも可能です。
減税制度を併用できれば、補助金でお得にリフォーム・リノベーションできるだけでなく、税負担を軽減できます。
住宅ローン減税、省エネリフォーム減税、バリアフリーリフォーム減税、耐震リフォーム減税などの多くの種類があるため、どのような減税制度があるのかを確認しておきましょう。
リフォーム補助金制度を活用する際の注意点
リフォーム補助金制度を活用する際は、以下の2つの点に注意が必要です。
- 申請の期間
- 予算の上限
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
1.申請の期間
リフォームやリノベーションで補助金制度を活用する場合、手続きを施工業者が代わりに行うケースもありますが、自分で申請しなくてはならないこともあります。
自分で申請するケースでは、工事着工前と工事後の2回のタイミングがあり、着工前の申請を忘れた場合、補助金を利用できなくなるので注意してください。タイミングを確認し、忘れず申請しましょう。
2.予算の上限
リフォームやリノベーションの補助金制度は、期間内に手続きすれば必ず利用できるというわけではありません。
予算が決まっていることがほとんどで、期間内であっても予算の上限に達した場合には締め切られる可能性があるので注意が必要です。補助金制度を利用したい場合は、早めに申請しましょう。
補助金制度の知識があるリフォーム会社へ相談しよう!
補助金制度をうまく活用しながらリフォームやリノベーションを行うためには、補助金制度の適用に慣れている施工業者に相談することが重要です。
また、いくら補助金制度を利用できると言っても、全額が補助されるわけではないため、ある程度の自己資金を確保する必要があります。自己資金が不足している場合は、リフォームローンを検討しましょう。
セゾンのリフォームローンでは、最長25年間、最高500万円までの融資を受けられます。来店不要、担保や保証人も不要でWEBで申し込めるのが特徴です。リフォームローンの利用を検討している方は是非ご相談ください。
セゾンのリフォームローンについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
リフォームやリノベーションを行う際は多額の資金が必要です。しかし、補助金制度を利用すれば、費用負担を抑えられます。補助金制度を利用すると言っても、全てのリフォームやリノベーションが対象ではありません。
利用できる工事内容は限られているので、どんな工事に対してどんな補助金制度を利用できるのかを確認してからリフォーム・リノベーションを進めましょう。