自宅の庭やベランダに人工芝を敷くことで見た目が綺麗になり、家族が過ごしやすい空間が生まれます。人工芝を敷きたいと思ったとき、DIY(Do It Yourself)することはできるのでしょうか。また、施工会社に依頼した際には、どのくらいの費用がかかるものなのでしょうか。
今回は、これから人工芝の敷設を検討している方に向けて、人工芝を敷く方法や費用についてご紹介します。
庭やベランダなどに人工芝を敷きたい場合には、施工会社に依頼するかDIYするかの2択となります。見た目の綺麗さ、仕上がりを重視する方であればプロに依頼、とにかくコストを抑えたい方はDIYがおすすめです。
人工芝は天然芝と比較すると、日々のメンテナンスがラクで、雑草が生えにくく、虫も出にくいなどさまざまなメリットがあります。その反面、定期的な交換が必要であり、導入コストもかかる点はデメリットです。
人工芝は施工会社に依頼するかDIYするかの2択!
人工芝を敷くならば、施工会社に依頼をするかDIYするかの2択です。それぞれのメリットや人工芝を購入する際の費用についてご紹介します。
仕上がりを綺麗にしたいなら施工会社
仕上がりを重視し、見た目を綺麗にしたいという方は、施工会社に依頼するのがおすすめです。施工会社に依頼するメリットは、平らで美しい仕上がりになることです。
施工会社の豊富な実績と経験から、より長い間綺麗な状態を保つことができるでしょう。DIYよりも費用はかかってしまいますが「DIYすることが不安」という方にはおすすめです。
費用を抑えたいならDIY
時間と手間をかけてでも費用を抑えたいと思っている方には、DIYで人工芝を敷くのがおすすめです。人件費などの施工費用がかからないうえに、人工芝とDIY用品さえあればすぐに作業に取りかかれます。
DIYで使用する道具は、手元にある備品を活用したり、ホームセンターや100円ショップなどで比較的安く調達できるものもあるため、大幅にコストを抑えられるでしょう。
敷地を平らにする整地からご自身で行う必要があるので、仕上がりにムラが出てきてしまう可能性もありますが、ご自身の手で仕上げた人工芝のスペースだからこそ、愛着がわくでしょう。
人工芝を購入する際の選ぶポイントは?
人工芝にはさまざまな種類があります。購入する際の選ぶポイントを見ていきましょう。
耐久性が高いポリエチレンやポリプロピレンを選択する
人工芝は似たような見た目のものが多いですが、種類によって使用されている素材が異なります。耐久性で人工芝を選ぶなら、表面はポリエチレンやポリプロピレンなど、裏面はポリウレタンでできている人工芝がおすすめです。耐久性が高い人工芝は価格も高い傾向にありますが、ナイロンなどが使用されている安価なものよりも長期間使用できます。
水はけの良い芝を選ぶ
人工芝の水はけが悪いと、カビが生えたり虫がわいたりする可能性があるため、透水穴付きのものを選ぶことをおすすめします。特に、子どもやペットがいる家ではプールなどで水浴びする機会もあるでしょうから、すぐに乾く水はけの良い人工芝が最適です。
実物を見て選ぶ
人工芝は、WEBサイト上でも購入できます。しかし、人工芝は実物を見て選ぶのがおすすめです。商品画像を見ただけで購入すると、実際に手元で見たときに「つやがあり、ビニールっぽさがある」「芝の密度がなく、スカスカに見える」など、イメージしていた人工芝と違いを感じることがあります。特に芝のリアルさを求める方は、実物の色や質感、芝の触りごこちなどを良く確かめるようにしましょう。
人工芝を敷くメリット
ここからは、人工芝を敷くメリットについて解説していきます。
天然芝よりもラクにメンテナンスできる
天然芝と比較した際に、人工芝の一番のメリットはメンテナンスの手軽さです。天然芝の場合は定期的に芝刈りや水やりをする必要があるため、何かと手間がかかります。また、冬場には芝が枯れて茶色く変色を起こしてしまう可能性もあります。
しかし、人工芝は生長しないため、それらの作業は不要であり、難しいメンテナンスもありません。人工芝のお手入れで必要なことは、定期的に落ちているゴミを拾ったり、デッキブラシなどで汚れを落としたりする程度の簡単な作業のみです。
雑草が生えにくくなる
人工芝とともに防草シートを敷くことで、雑草が生えにくくなるメリットがあります。防草シートとはその名のとおり、雑草の生育を防ぐためのシートです。
特に夏場の庭の雑草取りは骨の折れる作業ですが、人工芝を敷く際に防草シートも敷いておくことで、雑草が生えてくる心配は少なくなります。ただし、防草シートを敷く際に隙間や穴があると、その部分から雑草が生えてしまうので注意しましょう。
耐久性が高い
人工芝は、耐久性の高さも魅力です。人工芝は主に樹脂素材でできており、耐久年数はおよそ8年~10年です。使用頻度や環境面によって差は出てきますが、メンテナンスをしていれば長く使用できるでしょう。
虫が出にくくなる
人工芝は樹脂素材でできた人工物であるため、草のように虫のエサとなるものはありません。そのため、虫が出にくくなることも大きなメリットといえるでしょう。防虫対策を強化したい方は、通気性が高く水はけの良い人工芝を選んでください。
しかし、人工芝にすることで「完全に虫がいなくなる」ということではありません。虫の発生を予防するためには、虫を寄せつけてしまう鉢植えやプランターなどをなるべく置かない、もしくは離して置くようにしましょう。
子どもやペットに安心
人工芝を特におすすめしたいのが、小さな子どもやペットがいるご家庭です。人工芝はふかふかしているため、子どもが転んでしまった際にケガをするリスクが少なくなります。
また、犬などのペットが雨上がりの土や泥で汚れる心配もありません。人工芝を敷設することにより、子どもやペットたちが安心して遊べるスペースができるでしょう。他にも、夏場は人工芝の上にプールを置いて水遊び、サッカーなどのボール遊びにもおすすめです。
人工芝を敷くデメリット
一方、人工芝を敷くことによるデメリットについても解説していきます。
経年劣化により見た目が悪くなっていく
人工芝のデメリットは、芝が抜けたり色あせたりするなどの経年劣化することです。
天然芝は、追肥などのメンテナンスにより青々とした芝を保てますが、人工芝は生長しないため芝の状態が向上することはありません。
定期的に交換が必要
先述したとおり、人工芝は経年劣化していきます。天然芝はきちんとメンテナンスすれば再生することが可能ですが、劣化した人工芝を綺麗にするには交換するしかありません。
人工芝の耐久年数は、およそ8年~10年なので頻度は高くありませんが、定期的に人工芝を取り替える必要がある点は理解しておきましょう。
熱に弱い
人工芝はポリエチレンなどの樹脂素材が使用されていることが多く、熱に弱いのが特徴です。太陽光などで溶けてしまうケースはほとんどありませんが、高温には要注意です。
特に、人工芝を敷いた上でバーベキューをする時などは気をつけましょう。万が一、火の粉や炭火が芝に付くと芝が変形したり溶けたりしてしまいます。
導入コストがかかる
天然芝と比較すると、導入コストが高額になる点はデメリットといえるでしょう。一般的なホームセンターなどで売られている人工芝は、天然芝と比較して値段が高くなります。初期費用を抑えたい場合は天然芝のほうが有利ですが、メンテナンス費用がほとんどかからない点を考慮すれば、総合的なコストに大きな差はないでしょう。
人工芝の敷設にかかる費用の相場
人工芝の敷設にかかる費用の相場を詳しく見ていきましょう。
人工芝本体の価格相場
人工芝にはジョイントタイプとロールタイプの2種類があります。ジョイントタイプは小さな四角形を敷き詰めて使用するタイプで、比較的狭いスペースで使用されることが多く、手軽に取り扱える点も魅力です。
素材や種類によって価格に差がありますが、カインズなどのホームセンターでは、例えば60cm×90cm程度の商品だと1枚当たり700円~900円くらいで手に入ります。一方、ロールタイプは人工芝がロール状になっており、使いたい分だけカットして使用します。庭全体に敷く場合など、広い範囲に人工芝を敷きたいときにはロールタイプがおすすめです。施工会社に依頼をした場合は、ロールタイプを使用するのが一般的です。
ロールタイプの値段相場は、1平メートルで2,000円~4,500円程度。主に、芝の長さによって価格が異なります。芝の長さが長いほど価格は上がりますが、20mm以下だと2,000円程度、30mm~40mmで2,000円~4,000円程度、50mm以上だと6,000円~10,000円程度が相場になります。
ちなみに、20mm未満の短めの芝を「ショートパイル」と呼び、ゴルフの練習などにおすすめです。20mm以上の芝は「ロングパイル」と呼び、クッション性に優れているのでサッカーなどのスポーツにも向いています。
人工芝の施工費用の相場
ここからは、施工会社に依頼した場合とDIYする場合に分けて、施工費用について比較していきましょう。DIYに必要な道具もご紹介しますので、参考にしてください。
施工会社に依頼する場合
施工会社に依頼する場合の費用は、1平方メートル当たり7,000円〜10,000円くらいが目安です。施工会社や人工芝の種類によって価格に差が出ますが、人工芝の費用の他にも防草シートや釘などの材料費、施工費用がかかるため高額になります。他にも、保証や修理費用が含まれているケースもあります。
DIYで行う場合
DIYで行う場合の費用は、1平方メートル当たり2,000円~4,500円くらいが目安です。DIYなら施工費用がかからないので、人工芝代や防草シート代下地材代、釘などの副資材代があれば施工できます。ただし、購入先や使用する材料によって値段が異なるので、お近くのホームセンターなどで確認してみましょう。
また、DIYには道具が必要で、持っていない場合はそれぞれ購入費用がかかります。人工芝を敷くために必要なDIYの道具は以下のとおりです。
- 大きめのはさみ
- カッター
- メジャー
- マジック、チョーク
- ハンマー
- 粘着テープ
- マスキングテープ
- トンボなど
日頃からDIYを行っており、すでに自宅に道具がある場合はそれらを活用してみましょう。
DIYで人工芝を施工する流れ
DIYで人工芝を施工する大まかな流れは以下のとおりです。
- 小石や雑草の除去と整地
- 下地材の設置
- 防草シートの設置
- 人工芝の仮止めと接着
- 人工芝の本止め
- 目地砂(充填材)の散布
小石や雑草の除去と整地
人工芝をDIYで施工する場合、仕上がりの美しさは整地にかかっています。そのため、小石や雑草を丁寧に取り除き、フラットな下地を作りましょう。整地を行う際は、雑草をはぎ取る刃形状の鋤簾(じょれん)やスコップなどを使って雑草を根元から取り除くのがおすすめです。
小石や雑草を取り除いたら、土を固めて平らにしていきます。電動の転圧機があると楽に行えますが、狭い場所では手動のものが良いでしょう。地ならしに使うトンボ(レーキ)などもあると便利ですが、ない場合はレンガやブロックで代用したり、足で踏み固めたりしてもOKです。なお、転圧機はホームセンターなどでレンタルできるので、作業効率や完成度を上げたい場合は利用を検討してもよいでしょう。
ここまでの作業を丁寧に行っておくと、人工芝の施工がしやすくなり、綺麗に仕上がります。
下地材の設置
整地が済んだら、必要に応じて下地材を追加します。土や砂を撒いて転圧すると仕上がりが良くなるだけではなく、排水性の良い安定した下地を作ることができます。そのため、施工場所の水はけが悪い場合にもおすすめです。
下地材として使われる土や砂にはさまざまな種類がありますが、DIYであれば「山砂」や「真砂土」などがおすすめです。山砂は排水性と保水性に優れており、他の資材に比べて安価に入手できます。一方、真砂土には植物の栄養となる成分が含まれていないため、雑草が生えづらくなるメリットがあります。
下地材は3cm程度の厚さになるように撒き、平らにならして固めましょう。
防草シートの設置
整地が終わったら、雑草が生えてこないように防草シートを設置します。防草シートはホームセンターなどで購入できますが、選ぶ際には注意が必要です。安価なものは織り目のすき間から雑草が生えたり、負荷がかかると破れたりする可能性があります。織り目のない不織布で、人工芝専用の破れにくいものを選びましょう。
防草シートを設置する際は、施工箇所に広げていきます。継ぎ目から雑草が生えないように、防草シート同士を10cm以上重ねて敷くのがポイントです。また、人工芝を施工するときにシートがずれないよう、1mほどの間隔で防草シート用の固定ピンを差し込みます。
人工芝の仮止めと接着
ここから人工芝を設置していきます。ズレやすき間防止のため、まずは仮置き・仮止めを行います。なお、人工芝には芝目(植毛の方向)があり、複数枚を敷く場合は芝目が揃っていないと光の反射や見た目に影響します。芝生が寝ている方向をよく確認し、同じ方向に流れるように設置しましょう。
芝生の寝ている方向は、人工芝を斜めから見て光の反射具合や手触りで確認できます。設置する前にしっかりと確認し、全ての人工芝の芝目を統一してください。また、芝目が揃っていても、その方向によって見栄えが大きく異なる点にも注意が必要です。人工芝をよく眺める場所に向けて芝生が寝るように「逆目」で敷くと、光の反射を抑え、自然な色合いを楽しめます。
設置する場所が決まったら、余分な人工芝をカッターなどで切り、継ぎ目が目立たないように接着していきます。人工芝同士を結合する際は、ジョイントテープを貼ることで継ぎ目が綺麗に仕上がり、継ぎ目から雑草が生えるのを防げます。
人工芝の本止め
人工芝同士を接着し、設置位置が確定したら、専用の固定ピンで本止めします。継ぎ目部分は人工芝同士をまたぐように固定し、周囲は列と並行になるよう50cm程度の間隔でピンを打ちます。
本止めが完了したら、人工芝が浮いている部分がないか、継ぎ目が目立たないかを確認します。問題がなければデッキブラシなどで芝を立たせ、見た目を自然な仕上がりに整えましょう。これにより、固定ピンが目立たなくなり、目地砂を入れる場合は均一に行き渡らせる効果も期待できます。
目地砂(充填材)の散布
施工後に目地砂(充填材)を芝の上に撒いてブラシで刷り込むことで、芝葉を立たせたり、人工芝のズレやめくれを防止したりする効果があります。特に、車の乗り入れなどで負荷がかかる部分に撒いておくと、人工芝の耐久性が上がります。
しかし、目地材を撒くことで水はけが悪くなる可能性があり、砂が散らばった際に掃除が必要になるなどの点がデメリットがです。必ずしも目地砂を撒く必要はないので、掃除が面倒な場合は無理に使用しなくても良いでしょう。
【参考】天然芝の敷設にかかる費用の相場
参考までに、天然芝の敷設にかかる費用の相場もご紹介します。
- 施工会社に依頼をして、天然芝を敷く場合
施工会社によりますが、プロに依頼をした場合は施工費が発生します。天然芝は1平方メートル当たり3,000円~6,000円くらいが相場で、施工費を加えると1平方メートルあたり10,000円が目安となるでしょう。 - DIYで天然芝を敷く場合
芝の品種により金額は異なりますが、1平方メートル当たり1,500円~3,000円くらいが相場となります。その他に、副資材やDIYの道具などを揃えるための費用が必要です。
施工会社を選ぶ時のポイント
最後に、人工芝敷設の施工会社を選ぶ時のポイントをご紹介します。
地元の施工会社を選ぶ
施工会社は、自宅近くにある地元の施工会社を選ぶと安心です。地元の施工会社なら、施行後に気になる点が出てきたり、庭の手入れに関する質問などがあったりした際にすぐに相談できます。
また、大手企業に依頼した場合、下請け企業との中間マージンが発生して施工費がより多くかかることも想定されます。なるべく費用を抑えたいと思う方は、信頼できる地元の施工会社を探してみましょう。
見積もりをしてもらう
施工会社に依頼する場合には、必ず見積もりをもらいましょう。見積もりを見れば施工費の内訳を知ることができ、他社と比較する際にも役立ちます。見積もりは複数の施工会社からもらい、比較検討するのがおすすめです。
保証内容をしっかり確認する
施工会社を選ぶ際には、費用の確認と同時に、保証の有無や内容をしっかりと確認しておきましょう。
施工が終わって数日経ってから芝が浮いてきてしまったり、購入したばかりなのに芝が抜けてしまったりするケースがあります。保証範囲や保証期間は施工会社によって異なるので、依頼前に確認しておきましょう。
費用の相談はセゾンのリフォームローンへ
ここまでご紹介したとおり、人工芝の敷設を施工会社に依頼すると、どうしても費用がかかってしまいます。そんな費用についてのご相談は、ぜひ「セゾンのリフォームローン」をご利用ください。施工費用が300,000円以上であればセゾンのリフォームローンで対応が可能です。
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セゾンのリフォームローンについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
おわりに
人工芝の施工費用についてご紹介しました。自宅の庭やベランダに過ごしやすい空間を演出してくれる人工芝。施工会社への依頼とDIYの2つの方法があり、両方にメリット・デメリットがあります。ぜひ、ご自身に合った方法を見つけて、人工芝を敷設してみてください。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。