少子高齢化が進み、年金は若年層ほど受給額が減る見込みです。年金のみに頼らず自力で老後資金を準備する必要がありますが、資金が不足する恐れもあります。年金の仕組みと給付金がもらえない場合の対策について解説します。
年金がもらえないのはどんな場合?
国民年金は20歳以上60歳未満の者全てが加入が義務付けられています。保険料は収入に関わらず定額で、前納で割引があります。給付種類は老齢、遺族、障害の3種類があり、それぞれ受給要件が設定されています。老齢基礎年金の2022年度満額月額は64,816円ですが、480ヵ月(40年間)の保険料完納が条件です。この金額は保険料を支払った期間によって左右され、保険料の未納や免除期間が増えるほど減額されていきます。
参照元:日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
国民の2割が年金を払っていない!
2020年度の厚生労働省の統計によると、約2割が国民年金を未納で、未納率は若年層(25歳から34歳)では約3割にも達します。未納だと付加年金などの公的増額制度が利用できず、万が一の際の遺族・障害年金も受給できない恐れがあります。自営業者やフリーランスは、自身で国民年金保険料の支払いを行う必要があるため、未納になりがちです。
参照元:厚生労働省年金局「令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況」
年金を払っていない無年金の老後はどうなる?
保険料が未納となった場合、老齢基礎年金の給付額が減少したり、受給要件を満たせないことで、年金をもらえない無年金状態になる恐れがあります。
また国民年金には死亡や障害者となった場合など、遺族基礎年金と障害基礎年金の給付もあります。遺族基礎年金は子どもや子どものいる配偶者が受給対象で、2022年度の給付額は年額777,800円+子どもの加算額で、第一子・第二子の場合は年額223,800円、第三子以降は年額74,600円の加算があります。
障害基礎年金は障害の状態に応じて給付額が変わり、障害1級では年額972,250円、障害2級では777,800円でいずれも遺族基礎年金と同様に子どもの加算額も受け取ることができます。
子ども2人の場合の遺族基礎年金や2級の障害基礎年金は年額122万5,400円となり万が一の際の大きな助けとなります。
しかし、国民年金には受給要件が定められており、老齢基礎年金は保険料納付期間と免除期間を合算した受給資格期間が10年未満である場合、遺族基礎年金と障害基礎年金は直近1年以内に保険料の未納がある場合などは年金を受け取ることができなくなってしまいます。
このため、年金保険料を未納状態のまま病気やケガなどで働けなくなり収入が減少した場合は生活が一気に苦しくなってしまう恐れがあります。
参照元:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」 | 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
年金がもらえない方の老後資金対策とは?
老齢基礎年金ももらえず、現状のままでは老後資金が不足してしまう場合、そのまま老後を迎えてしまうと老後貧困に陷ってしまうかもしれません。そうならないためにも老後資金の準備方法を見直し、必要であれば国民年金保険料を追納するなどして受給資格期間を延ばすことがおすすめです。
もし金銭的な問題で納付が難しい場合は、保険料の免除申請を活用すると良いでしょう。
免除される保険料の額は、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4種類があり、免除期間は受給資格期間に加算されるほか、老齢基礎年金の年金額にも反映されるなどのメリットがあります。また、60歳以上65歳未満の方であれば、任意加入制度を利用することで受給資格期間を延ばしたり老齢基礎年金の年金額を増やすこともできます。
さらに年金保険料の支払いを行うことで、付加年金や国民年金基金といった節税効果と年金増額効果のある公的制度を利用することも可能になります。
付加年金は毎月400円の保険料を支払うことで年金額を月額200円ずつ上乗せすることができる制度で、年金の受給開始2年で支払った保険料以上の年金を受け取ることができます。
国民年金基金は国民基礎年金に上乗せする公的年金で、一生涯年金を受け取れる終身年金と、一定期間の年金支給となる確定年金の2つの年金形態があります。ご自身のライフプランに合わせて保険料や年金タイプを決められるため自由度が高いといった特徴があります。
付加年金や国民年金基金の保険料は社会保険料控除として所得控除の対象となり、所得税・住民税の節税効果も期待できるため、積極的な利用をおすすめします。
持ち家があればリースバックでまとまった資金を得ながら賃貸として住み続けられる
もし、現在お住まいのご自宅が持ち家である場合、これを活用して老後資金を準備することも可能ですが、売却してしまうと引っ越し費用が生じたり住み慣れた環境から離れなければならなくなってしまうため、心理的負担も大きくなります。
そこでご自宅を売却してまとまった資金を得つつ、賃貸物件として居住を継続できる「リースバック」を検討してみると良いでしょう。
持ち家のメリットとして、家賃の支払いがないため住居費の負担を小さくできると思われがちですが、屋根や外壁といった住宅設備の維持・修繕が必要となり多額の費用負担が生じるリスクもあります。
リースバックは住宅ローンが残った状態でも利用でき、所有権が金融機関に移るため維持・修繕費用の負担や固定資産税などの支払いからも開放されるメリットがあります。
リースバックなら「セゾンのリースバック」がおすすめ
リースバックを利用する場合、セゾンファンデックスが提供する「セゾンのリースバック」がおすすめです。セゾンのリースバックでは、賃貸借契約時の礼金や事務手数料・更新手数料が不要となるため賃貸物件として居住開始後の費用負担を小さくすることができます。
また、火災保険にも保険料負担無しで加入できるほか、無料で選べる特典としてハウスクリーニングやホームセキュリティ・見守りサポートなど老後生活に適したサービスを利用することができます。
おわりに
国民年金は老齢基礎年金以外にも遺族基礎年金や障害基礎年金といったセーフティーネットとしての役割も備えていますが、未納期間があると利用することができない場合があります。
年金による支えがない状態で、万が一働けなくなってしまうと収入が大きく減少しご自身やご遺族の生活が苦しくなってしまうリスクがあるため、未納期間を生じないよう免除制度を活用することが重要です。
また、老後資金が不足している場合は年金額を上乗せする付加年金などに追加で加入したり、リースバックによるご自宅の活用もおすすめします。
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