「最近地震が多い気がする」「もうすぐ日本で大きな地震が来る可能性があるのでは」などと感じる方も多いのではないでしょうか。近年、日本各地で震度4以上の地震の頻度が高く、危機感を覚える方も少なくありません。
さらに、南海トラフ地震や首都直下地震はいずれ起こると予測されており、地震が来る度に不安になってしまうでしょう。このコラムでは、最近の地震の発生回数や今後日本で発生が予想されている地震などについて、詳しくご紹介します。
1.最近、地震が多い?
最近地震が多いと感じる方も多いかもしれません。しかし、過去に年間でどのくらいの地震が起きていたのか知らない方も多いでしょう。ここでは、実際に最近地震が多いという根拠となる事実についてご紹介します。現在と過去の地震の発生回数を比較しますので、ぜひ参考にしてください。
2.最近の地震の発生回数はどのぐらい?
気象庁の震度データベースを参考に、過去数年間の地震状況を震度別に表でまとめると以下の通りです。
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
震度3 | 178 | 118 | 119 | 181 |
震度4 | 67 | 31 | 38 | 44 |
震度5弱 | 7 | 6 | 6 | 4 |
震度5強 | 2 | 0 | 1 | 5 |
震度6以上 | 2 | 3 | 0 | 1 |
合計 | 256 | 158 | 164 | 235 |
2021年は2019年と比べると77回も地震回数が多く、2020年と比べると71回地震が多いということが分かりました。しかし、2018年と比べると23回少なくなっています。つまり、最近地震が多くなったという事実はありません。昔から日本は地震が多い国だと分かります。
最近地震が多いと感じる理由のひとつに、小さな揺れにも敏感になったことが挙げられます。近年震度4を超える地震が多く、東日本大震災や熊本地震など、過去に大災害を引き起こした地震が頭をよぎります。そのため、多くの人が小さな揺れにも敏感になってしまい、最近地震が多いと感じている可能性もあるでしょう。
3.そもそも地震とは?地震が発生する仕組み
そもそも、地震が発生する原因や仕組みはどのようなものなのでしょうか。
地震が発生する大きな原因のひとつが、地球内部の岩盤のズレです。何かしらの力が加わり、その力に耐えられなくなると、硬いものにはヒビが入ります。地球でも似たような現象が起こっています。岩盤に力が入り、その力に耐えられなくなった時、岩盤にズレが生じ、その生じたズレのことを地震というのです。
地球は中心から核→マントル→地殻(プレート)という層構造だと考えられています。プレートは日々少しずつ動いているため、移動するプレート同士がぶつかったり、すれ違ったりすることでプレートに強い力が生じますが、この力によって生じるのが地震です。
日本は「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」「ユーラシアプレート」「北アメリカプレート」の4つのプレートに囲まれた国です。日本の地震の多くは、これら4つのプレートのいずれかのズレによって生じます。
参照元:気象庁|地震発生のしくみ
4.世界と日本の地震に関する比較
日本では地震が非常に多く発生しています。これほど多く地震が発生するのは日本だけなのでしょうか。また、世界でも日本と同様に頻繁に地震が発生する地域はあるのでしょうか。ここでは、日本を中心に日本と世界の地震の発生回数を比較します。日本は世界的に見ても地震が多い国だといえるのか詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
4-1.日本は世界有数の地震大国?
一般財団法人国土技術研究センターによると、日本は地震が多い国とされています。世界全体に占める日本の災害発生割合は非常に高く、世界の0.25%の国土面積に対してマグニチュード6以上の地震回数が20%以上あるなど、災害発生の多さは一目瞭然です。
さらに、内閣府が発表している日本付近の地震活動では以下の画像のように、マグニチュード5以上の地震の多くが日本周辺で発生していることが分かります。
また、国連開発計画(UNDP)の調査によると、1980年〜2000年の間に起きたマグニチュード5.5以上の地震を含む年平均の発生頻度は、中国・インドネシア・イランに続いて日本が4位に位置しています。
参照元:国連開発計画(UNDP)-世界報告書 災害リスクの軽減に向けて
4-2.日本が地震の多い国である理由
日本は、海のプレートである「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」と、陸のプレートである「ユーラシアプレート」「北アメリカプレート」の4つのプレートが交わる真上に位置しています。約2,000以上の活断層が存在することが、日本で地震が多い理由です。
地震は、主に「海の地震(海溝型地震)」と「陸の地震(直下型地震)」に分けることが可能です。海の地震は揺れの時間が長くなります。2011年に発生した東日本大震災は海の地震によって起こりました。
一方で陸の地震は震源が陸にある地震のことです。陸の地震は直下型地震ともいわれており、活断層が原因で起こります。1995年に発生した阪神淡路大震災は陸の地震によって起こりました。
参照元:気象庁|地震発生のしくみ | 日本で地震が多いわけは?
5.今後日本で発生が予想されている地震
政府の地震調査委員会では、今後30年以内に「南海トラフ巨大地震」「首都直下地震」の2つの大きな地震が来ると予測しています。この2つの地震では阪神淡路大震災や東日本大震災の時同様、大きな被害が出ると予測されているのです。
それではこの2つの地震はどの地域で発生して、どれほどの被害が想定されるのでしょうか。詳しくご紹介します。
5-1.南海トラフ巨大地震
政府の中央防災会議では、南海トラフ地震について様々な予測がされています。内閣府の調査では、70%〜80%の確率で30年以内に南海トラフという領域での地震発生の可能性を評価しました。この領域では100〜200年の期間で地震が繰り返し起こると仮定されたのです。
南海トラフ地震の際、静岡県から宮崎県にかけての一部地域で震度7の地震が発生すると予測されています。また、その周辺の地域では震度6強から震度6弱の大きな揺れが起こる可能性があるとされてるのです。さらに、震源地から離れるであろう関東地方や九州地方でも、地震が影響して広い範囲に10mを超える大きな津波が襲来することも想定されているので、事前に把握しておきましょう。
参照元:地震調査研究推進本部事務局 (文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
5-2.首都直下地震
首都直下地震は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、山梨県などの南関東地域のどこかで発生すると予測されています。
首都直下地震の発生確率は30年以内に70%という数値を政府が発表。したがって、日頃から首都直下地震に備えておくことが大切です。同時に、最大でマグニチュード7.3程度の地震が来ることも予測されていて、関東地区は大きな被害に遭う可能性が高いでしょう。
参照元:首都直下地震の被害想定 (概要)
6.地震に備える!今すぐできる防災とは?
日本は地震が多い国だということが分かります。そして、万が一に備えて防災対策をしておく必要があります。地震が起きる前にどのようなことに備えておくべきかをチェックしておくのがおすすめです。
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6-1.家具の固定
地震が起きた時に普段日常で使っているテレビや食器棚などの家具が自身や家族の危険を脅かす存在となり得ます。
阪神淡路大震災や東日本大震災などで大きな地震が起きた際に、実際に地震で家具が倒れてしまい、下敷きになって亡くなってしまった方や、大ケガをしてしまった方も少なくありません。
大きな地震が起きて家具が倒れると、ケガをしたり、ドアが塞がって外に出られない事態に陥ったりする可能性もあり得ます。転倒すると考えられる家具は地震に備えて事前に金具などで固定しましょう。
6-2.避難経路の確認
避難経路の確認も重要です。あらかじめ避難経路を確保していないと、どこから逃げれば良いのか、どこにいけば良いのか分からなくなります。その結果、助かる命も助からなくなる可能性も否定できません。自治体のホームページなどを確認して、自宅から近い避難場所や、避難経路の確認をしておきましょう。
6-3飲食料の備蓄
大地震が起きると、飲食料も不足します。
地震が起きると停電や断水によって、生活のライフラインが止まり、日常に大きな影響を与えます。自衛隊が災害地域を訪れて水や食料を配布してくれることもあります。しかし、全ての地域で必ず配布されるとは限りません。
そのため、水や乾パン、ビスケットなどの保存が利いて、身体のエネルギーになりやすい飲食料を準備しておきましょう。また、災害で電気が使えないことも少なくありません。したがって、ろうそくやカセットコンロ、蓄電池なども準備しておくと停電が起きた際に便利です。
6-4.防災バッグの準備
地震が起きて安全な場所に避難すると、状況によっては避難所で数日避難生活を送ることもあります。防災バックを準備しておけば、避難所生活でも生活必需品を確保することが可能です。さらに、災害発生時に防災バックだけを持ってすぐに避難することもできるため、生存率も上がります。
防災バックには以下のものを入れておきましょう。
- 飲料・食料
- 通帳・印鑑・現金・保険証
- ばんそうこうなどの救急用品
- ヘルメット・マスク・軍手
- 懐中電灯・スマホの充電器
- 衣類
- 洗面用具
- 携帯トイレ
- ウエットティッシュなど
上記で紹介したものはあくまでも一例です。実際に準備する際には自身で必要になるものを入れておくことをおすすめします。なお、防災バックは必要最低限のものが備わっているものを購入することが可能です。
防災グッズについては『【厳選】本当に必要な防災グッズ11選!準備する際のポイントや管理方法も解説』のコラムも読まれています。
6-5.家族での防災会議
家族での防災会議は、今すぐにできる災害対策です。
地震はいつ起こるか分かりません。そのため、地震発生時、家族全員が同じ場所にいるとは限りません。地震発生直後は子どもは学校にいたり、親は職場にいることも多いのです。災害発生後すぐに安否確認ができるように集合場所を決めておいたりするなど、家族で防災会議をしておくことをおすすめします。
6-6.自分の住んでいる地域のハザードマップを確認
自身の住んでいる地域のハザードマップを確認することも重要な防災対策です。
ハザードマップとは、災害が起きた時に避難場所や避難経路が示されているマップのこと。ハザードマップは地震以外のも豪雨や台風、火災などの自然災害時でも種類が変わるため、注意してください。
6-7.海が近い場合は海抜がどのくらいなのか、津波などの対策も余念がない体制を
住んでいる場所が海から近い場合は、海抜はどのくらいなのかなど、津波の対策も整えておきましょう。
東日本大震災は多くの方の記憶に残りました。海が近い所に住んでいる場合、大きな地震があると津波が発生する可能性が高いです。そのため、地震だけではなく津波の対策もしておく必要があります。
また、地震やそれに伴う津波、噴火などの災害の発生で、通信がつながりにくい状況になった場合に提供が開始される声の伝言板として「災害用伝言ダイヤル」があります。
万が一に備えて、災害があった際に利用できるようにあらかじめ把握しておきましょう。「災害用伝言ダイヤル」については、『災害用伝言ダイヤルとは?シニア世代にわかりやすく使い方やポイントを解説』で詳しく紹介しているので、あわせてお読みください。
おわりに
国別年間地震頻度で見ると、中国・インドネシア・イランに続いて日本が4位に位置していて、世界的にも地震が多い国とされています。
また、直近30年以内には南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの大きな地震が来ることも予測されていることから、あらかじめ地震対策をしておくことが重要です。
地震が来るか来ないかは分からないため、警戒心が少ない方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に大きな地震が来てからでは遅いのです。事前に対策をしておくことは、自身や自身の家族の命を守る行動ともなるため、地震に対して今から十分に備えておきましょう。