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エンディングノートとは?|若い人向けの書き方や内容をわかりやすく解説

エンディングノートとは?|若い人向けの書き方や内容をわかりやすく解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

エンディングノートは、自分の意志や希望を明確に伝えるための重要なツールで、若い世代にもそのメリットがあります。家族に対して、自分が大切に思うことや希望を伝えるだけでなく、将来の選択を考えるきっかけにもなります。

この記事では、若い人向けのエンディングノートの内容や選び方、注意点について解説します。また、終活や「もしもの時」に備えるための支援サービスも紹介していますので、これからの人生を安心して過ごすための参考にしてください。

この記事を読んでわかること
  • エンディングノートは若い世代でも書くことで、家族への想いを伝え、将来の負担を減らせるメリットがある
  • エンディングノートには基本情報から財産管理、メッセージまで、幅広い内容を記録することができる
  • エンディングノートは目的や使い方に応じてさまざまなタイプから選べ、デジタルでの作成も可能
  • エンディングノートには法的効力がないため、相続などの重要事項は別途遺言書を作成する必要がある
ひとりのミカタ
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若い人もエンディングノートを書いたほうが良い?

若い人もエンディングノートを書いたほうが良い?

エンディングノートとは、終活ノートとも呼ばれ、自分が亡くなった後や意思疎通ができなくなった際に備えて、家族など身近な人に残したい情報や伝えたいことを書き記しておくものです。

特に決まった形式がないため、自分のやりやすいペースで書き始められるのが特徴です。昨今では、20代・30代の若い世代でもエンディングノートを書く人が増えてきました。それには、いくつかのメリットがあります。

メリット1 自分の気持ちを伝えられる

家族や大切な人への感謝の気持ちや愛情表現は、普段の生活の中では照れくさくて、なかなか上手く伝えられないものです。エンディングノートなら、そんな照れくさい気持ちもストレートに文字にすることができます。

万が一、急に大切な人と別れることになった場合、お別れの言葉を伝えられなかった無念さや、支えを失った喪失感で、残された家族は深い悲しみに包まれます。そんなとき、エンディングノートに書かれた想いの言葉は、大切な人の心の支えとなり、悲しみを和らげる力になってくれるでしょう。

メリット2 家族の負担を減らせる

現代の20代・30代の若い世代、特に女性は、育児や介護、家事など、複数の役割を一人で担うケースが増えています。そのため、万が一のことが起きたときに、家族がこれまでの生活を維持できるよう準備をしておくことが大切です。

エンディングノートに口座情報や保険の内容、クレジットカードの情報などを記録しておけば、残された家族が手続きに追われる負担を大幅に減らすことができます。

また、毎月の引き落としや支払いについても把握できるため、生活の混乱を最小限に抑えられます。

メリット3 将来のことを考えるきっかけになる

エンディングノートを書くことは、自分の人生を振り返る良い機会となります。これまでの経験や出来事を思い返しながら文字にしていくと、「あの時ああしておけば良かったな」「昔はこんなことを思っていたんだな」など、新しい気づきが得られるでしょう。

また、自分史をまとめることで、本当に好きなことや望んでいたことが見えてくることもあります。これからの人生をどう過ごしていきたいのか、新しい目標や夢を見つけるきっかけにもなります。将来への不安や悩みを感じている若い世代にこそ、エンディングノートを書くことをおすすめします。

若い人向けのエンディングノートの内容は?

若い人向けのエンディングノートの内容は?

エンディングノートにはさまざまな情報を記録できます。基本的な個人情報から財産管理、大切な人へのメッセージまで、幅広い内容を自由に書き記すことができます。

ここでは、若い人が書いておくと役立つ以下の8つの項目について解説していきます。

  • 自分の基本情報
  • 医療や介護が必要になったときの意思表示
  • 葬儀や埋葬に関する意思表示
  • 自分の資産
  • デジタル財産
  • 遺品の取り扱いに関する意思表示
  • 家族や友人へのメッセージ
  • 親族や友人の連絡先

自分の基本情報

まずは自分に関する基本的な情報を記載することから始めましょう。氏名、生年月日、住所、本籍地といった基本情報は、さまざまな手続きの際に必要となります。電話番号やメールアドレス、勤務先の情報なども忘れずに書き留めておくと便利です。

公的書類の番号や保管場所、学歴、職歴なども記録しておくと良いでしょう。また、自分の歴史や思い出、日々のルーティン、お気に入りのものなども書き添えておくと、認知症になった場合のリハビリにも役立つ可能性があります。家族や医療従事者が、あなたのことをより深く理解するための手がかりにもなります。

医療や介護が必要になったときの意思表示

若くても突然の事故や病気で、自分の意思を伝えられなくなる可能性があります。そのような事態に備えて、延命措置や臓器提供に関する希望を明確に記しておくことが大切です。

かかりつけ医の情報や服用している薬、血液型、アレルギーや持病などの健康に関する情報も詳しく書き留めましょう。これらの情報は、緊急時の医療対応に大きく役立ちます。また、介護が必要になった場合の希望する介護方法についても、家族に伝えておくと良いでしょう。

葬儀や埋葬に関する意思表示

現代では葬儀や埋葬の形式が多様化しています。直葬という火葬のみを行う簡素な形式から、通夜や告別式を伴う一般的な葬儀まで、さまざまな選択肢があります。

例えば、直葬を選択すると費用を抑えられ、遺族の負担も最小限に抑えることができます。ただし、菩提寺への納骨ができない可能性もあるため、信仰している宗派がある場合は注意が必要です。

自分がどのような最期を望むのか、具体的な希望を記しておくことで、残された家族が迷うことなく葬儀を執り行えます。

自分の資産

資産に関する情報は、残された家族が遺産の整理や相続手続きを行う際に重要となります。預貯金口座の情報、生命保険の契約内容、不動産の所有状況、有価証券の保有状況、価値のあるコレクションなど、できるだけ詳しく記録しておきましょう。

複数の口座を使い分けている場合は、それぞれの口座からどのような引き落としが行われているのかも明記しておくと便利です。キャッシュレス決済やクレジットカードの情報、現金や貴重品の保管場所なども忘れずに記載します。これらの情報を整理しておくことで、現状を把握しやすくなり、今後の人生設計の見直しにも役立ちます。

デジタル財産

近年は誰もがスマートフォンやタブレットを所有し、さまざまなデジタルサービスを利用しています。ネット銀行やサブスクリプションサービス、SNSなど、デジタル上の資産や契約も増えています。

これらの解約や引継ぎをスムーズに行うために、ログインIDやパスワードなどの情報を記録しておきましょう。特にインターネットを通じて商売をしている場合は、取引先への連絡方法や事業用の口座情報、税理士との連絡方法なども記載しておくと良いでしょう。また、写真や動画などのデジタルデータの保管場所や取り扱い方についての希望も書き添えておくと安心です。

遺品の取り扱いに関する意思表示

遺品の取り扱いについて、具体的な希望を記しておくことも大切です。すべての遺品を処分してほしいのか、特定の人に譲りたいものがあるのか、貴金属などは売却して相続してほしいのかなど、できるだけ詳しく書き記しておきましょう。

遺品は整理して箱に収納し、希望する取り扱い方法をラベルで示しておくと、より分かりやすくなります。これにより、残された家族が迷うことなく遺品の整理を進めることができ、精神的な負担も軽減されます。

家族や友人へのメッセージ

大切な人への想いや感謝の気持ちは、普段の生活では照れくさくてなかなか伝えられないものです。そんな気持ちをエンディングノートに書き記しておくことで、もしものときに心からのメッセージを伝えることができます。

病気などで意思疎通が難しくなる前に、伝えたいことをしっかりとまとめておきましょう。メッセージと一緒に思い出の写真を添えておくと、より心に響く内容になるでしょう。また、連絡先と合わせて記入しておくと、確実にメッセージを届けることができます。

親族や友人の連絡先

自分のことを知らせてほしい相手の連絡先は、できるだけ詳しく記録しておきましょう。特に友人の連絡先は、家族が把握していないことが多いものです。葬儀に参列してほしい人がいる場合は、必ず連絡先を記載しておく必要があります。

その際、単に連絡先を書くだけでなく、その人との関係性や思い出なども添えておくと良いでしょう。電話番号やメールアドレスが分からない場合は、SNSのIDなど、連絡を取るための手がかりとなる情報も記しておきます。

若い人向けのエンディングノートの選び方

若い人向けのエンディングノートの選び方

エンディングノートにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。

ここでは、若い方が自分に合ったエンディングノートを選ぶためのポイントを解説します。

書きたい内容に合ったものを選ぶ

エンディングノートを選ぶ際は、まず自分が何を書き残したいのかを考えることが大切です。万が一のときに備えて準備したい方は、葬儀やお墓、相続に関する項目が充実したものを選びましょう。介護や延命治療など、自分の尊厳に関わることを記録しておきたい場合は、医療や介護についての記入欄が多いものがおすすめです。

人生を振り返り、子どもや孫に自分の歩んできた道を伝えたい方は、自分史が書けるタイプを選ぶと良いでしょう。これまでの思い出を写真と共に記録できるものなら、より深い内容になります。また、備忘録として活用したい方は、銀行口座や保険情報、各種パスワードなどを整理しやすい構成のものを選びましょう。

機能性をチェックして選ぶ

時間の経過とともに気持ちや考えが変わったり、情報が古くなったりすることもあるため、内容を更新できる機能性も重要なポイントです。バインダー形式のエンディングノートなら、ページの入れ替えや追加が自由にできるため、自分好みにカスタマイズしやすいでしょう。

大切なデータを一緒に保管したい場合は、CD-ROMを収納できるディスクケースやフリーポケットが付属しているものが便利です。また、長期保存することを考えると、汚れやほこりから守るカバーが付いているタイプもおすすめです。20代のうちから使用する場合、50年以上同じノートを使い続けることもあるため、劣化対策は重要な選択ポイントとなります。

記入方法の説明書きが付いたタイプを選ぶ

エンディングノートは記入の自由度が高い分、何をどのように書けばよいのか迷うことがあります。特に初めて書く方は、各項目の必要性や書き方のポイントがわからず、手が止まってしまうかもしれません。そんな方には、記入方法の説明やコラムが付いているタイプがおすすめです。

なぜその項目が必要なのか、どう書けば家族に伝わりやすいのかなど、理解を深めながら記入を進められます。また、マンガやイラストを用いた解説があるものは、より取り組みやすく、エンディングノートへの心理的ハードルも下がるでしょう。

シンプルな薄手のものからスタートする

初めてエンディングノートを書く場合、たくさんの項目があるものを購入しても、なかなかペンが進まないことがあります。そんなときは、ページ数の少ないシンプルな薄手のものからスタートするのがおすすめです。必要最低限の項目について記入することで、心理的な負担も少なく済みます。

最近では100円ショップでもエンディングノートが販売されているので、気軽に始められます。1冊の記入が終わったときの達成感を味わえれば、より詳しい内容のエンディングノートにステップアップする意欲も湧いてくるでしょう。

パソコンやスマートフォンで書く

便利なデジタル機器を活用するのも、現代的なエンディングノートの作り方です。パソコンで作成すれば、文字の修正や追記が簡単にできるほか、写真や動画、音声データなども一緒に保存できるメリットがあります。スマートフォンの終活アプリを利用すれば、空き時間を使って手軽に入力できます。

インターネット上には、無料でダウンロードできるエンディングノートのテンプレートも用意されています。ただし、パソコンやスマートフォンのデータは消失するリスクがあるため、定期的にバックアップを取るなどの対策は忘れずに行いましょう。

エンディングノートを書くときの注意点

エンディングノートを書くときの注意点

エンディングノートは、形式にとらわれず自由に書けることが特徴ですが、気をつけたいポイントとして以下があります。

  • エンディングノートには法的効力はない
  • 個人情報の管理をする必要がある
  • 内容を定期的に見直して更新する

これらの注意点を知っておくことで、より効果的にエンディングノートを活用することができるでしょう。

エンディングノートには法的効力はない

エンディングノートには、遺言書のような法的な効力はありません。走り書きのメモに財産分与に関する内容を記載していても、それだけでは法的な効力を持ちません。かえって相続トラブルの原因になることもあるため、注意が必要です。

遺言書には決まった形式があり、自筆証書遺言の場合でも、遺言者の氏名と押印、作成した年月日の明記、直筆による本文の記載などのルールがあります。特に多くの遺産を残す場合は、エンディングノートとは別に遺言書を作成することをおすすめします。

遺産をどのように分けるか、誰にいくら相続させるかなど、法的な効力を持たせたい内容は、必ず遺言書で残すようにしましょう。

個人情報の管理をする必要がある

エンディングノートには、銀行口座の暗証番号や重要な書類の保管場所など、他人に知られては困る情報が含まれています。そのため、エンディングノートの保管場所や管理方法には十分な注意を払う必要があります。

作成したエンディングノートは、保険証書などの重要書類と一緒に保管するのがおすすめです。ただし、保管場所は家族に伝えておかなければ、いざというときに見つけることができません。

エンディングノートの存在と保管場所は、必ず信頼できる家族に知らせておきましょう。また、分冊になっているタイプのエンディングノートであれば、個人情報が含まれるページは別途金庫などで保管することも検討してください。

内容を定期的に見直して更新する

エンディングノートは遺言書と違い、何度でも書き直すことができます。30代でエンディングノートを書き、50代で亡くなった場合、20年もの時間が経過していることになります。その間に葬儀や相続に関する意思が変わっていたり、状況が大きく変化していたりする可能性は十分にあります。

最新の情報で更新されていないエンディングノートは、かえって残された家族を混乱させる原因となってしまいます。定期的に内容を見直し、気持ちや考えが変わった部分は書き直すようにしましょう。書き直しが必要になることを考えて、ボールペンではなく鉛筆で書くことをおすすめします。また、デジタルデータで作成する場合は、更新した日付を必ず記録しておくと良いでしょう。

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おわりに 

若い世代でもエンディングノートを書くことは、将来への備えとして有効な選択肢となります。自分の意思を家族に伝え、残された人の負担を軽減できるだけでなく、これからの人生を見つめ直すきっかけにもなるからです。エンディングノートにはさまざまな種類がありますが、目的や用途に応じて適切なものを選び、定期的に内容を見直すことで、より効果的に活用することができます。また、専門家のサポートを受けることで、より確実な終活の準備を進めることも可能です。エンディングノートを通じて、自分らしい人生の準備を始めてみてはいかがでしょうか。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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