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家族信託でかかる税金とは?課税される税金の種類と節税効果についても解説

家族信託でかかる税金とは?課税される税金の種類と節税効果についても解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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認知症などで判断能力が低下すると資産が凍結され、預貯金の引き出しや不動産の売買など財産の管理ができなくなってしまうリスクがあります。そのような事態に備えて検討したいのが、「家族信託」です。家族信託では、元気なうちに信頼できる家族に財産の管理を任せることができます。しかし、家族信託には税金が関わってくるため、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、家族信託の仕組みや家族信託に関わる税金の知識について詳しく解説します。
(本記事は令和6年1月31日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 家族信託とは、認知症などで判断能力が低下したときに備えて、保有する財産の管理・処分権限を信頼できる家族に託すこと
  • 家族信託に関わるのは委託者・受託者・受益者の3者
  • 家族信託を利用しても一定の資産に対する課税関係は変わらず、基本は受益者に課税され委託者には課税されない
  • 家族信託で受益者にかかる税金は贈与税、譲渡取得税、所得税・住民税・相続税
家族信託サポート
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家族信託に関わる税の基礎知識

家族信託に関わる税の基礎知識

認知症などによって判断能力が低下すると、預貯金の引き出しや不動産の売買など、財産の管理ができなくなってしまいます。そのような事態への有効な対策が、「家族信託」です。家族信託により、信頼できる家族に財産の管理を任せることができます。

将来に備えて家族信託を検討する方も多いですが、そこで気になるのが家族信託に関する税金についてです。

ここでは、家族信託の仕組みや種類、家族信託に関する税金について概要を解説します。

家族信託とは

家族信託とは財産管理の方法のひとつ。認知症や介護が必要になるなど自分で財産を管理できなくなったときに備えて、保有する預貯金や不動産などの管理・処分権限を信頼できる家族に託すことです。

家族信託に関わるのは、次の3者です。

  • 委託者:財産を託す方
  • 受託者:財産の管理を任される方
  • 受益者:財産管理によって発生する利益を得る方

委託者は受託者と信託契約を結んで財産を預け、受託者は財産を管理し、受益者に利益を渡します。実際には、委託者と受益者が同じケースが多いです。

委託者と受益者が同一人物である信託を「自益信託」、委託者と受益者が異なる信託を「他益信託」といいます。つまり、信託は誰かのために財産を管理・運用できるだけでなく、自分のために財産を管理・運用もできる仕組みです。

家族信託に関する税について

家族信託は将来認知症になるなどの事態や相続問題の解決において有効な方法ですが、財産の移転が発生する場合は税金が関係してくるので注意が必要です。ここでは、家族信託に関して押さえておきたい税の基礎知識について解説します。

  • 家族信託を利用しても一定の資産に対する課税金額は変わらない
  • 自益信託と他益信託で税が発生するかどうか変わる
  • 基本は受益者に課税され委託者には課税されない

家族信託を利用しても一定の資産に対する課税金額は変わらない

家族信託を利用したことで課税金額が増えることはないのが原則です。例えば、固定資産税や自動車税などは、家族信託を利用したからといって税率が変わることはありません。家族信託を利用してもしなくても、不動産を贈与すれば贈与税が、相続すれば相続税がかかりますし、賃貸物件で収益が出れば所得税がかかります。

ただし、不動産を信託すると名義書き換えのための登録免許税という費用はかかりますが、一定の資産に対する課税金額は変わりません。

自益信託と他益信託で税が発生するかどうか変わる

家族信託は、開始日や効力発生の条件が定められていない場合、信託設定時に効力が生じます。

家族信託には自益信託と他益信託があると前述しましたが、自益信託の場合、信託設定時に課税関係は生じません。一方、他益信託の場合は、信託設定時に受益者に対して贈与税が課税されます。

なお、遺言信託による場合は委託者の死亡により信託の効力が生じるので、委託者の死亡時に委託者から遺贈があったとみなされ、相続税が課税されます。

基本は受益者に課税され委託者には課税されない

家族信託の場合、受益者に課税されるのが基本で、委託者には課税されません。他益信託の場合、委託者に課税関係が生じることはなく、自益信託の場合も実質的には信託財産の所有権が移転していないので、贈与税も課税されないことになります。

ただし、自益信託により信託財産から利益が生じる場合は、得られた利益に対して所得税が課税されます。

関連記事:家族信託で受益者がいない場合の税金は誰が払う?課税対象者や受益者代理人についても解説

家族信託で受益者にかかる税金

家族信託で受益者にかかる税金

家族信託では、受益者に課税されるのが基本だと前述しました。では、どのような税金がかかるのでしょうか。ここでは、以下の税金について詳しく解説します。

  • 贈与税
  • 譲渡取得税
  • 所得税や住民税
  • 相続税

贈与税

不動産を贈与すると、新たな名義人である受贈者に贈与税が課税されます。これに対し、家族信託では新たに名義人となった受託者ではなく、信託財産である不動産から収益を受ける受益者に贈与税が課税されます。これは、税務上、受益者を所有者だとみなすためです。

他益信託の場合、委託者と受益者が異なるため、家族信託により財産が受益者に移転したと扱われるため贈与とみなされ、贈与税がかかります。ただし、自益信託の場合は税務上財産の移転がない(所有者の変更がない)扱いになり、贈与税も発生しません。

譲渡取得税

受益者が信託財産から利益を受ける権利である「信託受益権」を他者に売却した場合は、その売却から生じた利益に対して受益者に譲渡所得税・住民税が課されます。

所得税や住民税

信託期間中は、受益者が信託財産を所有するとみなされて所得税や住民税がかかります。所得の種類は信託財産の種類によって異なりますが、例えば信託財産が賃貸マンションの場合、家賃収入が不動産所得が課税対象です。

相続税

家族信託では、信託契約で委託者兼受益者が死亡した場合に、受益者の地位を引き継ぐ新たな受益者を定めているケースが多いです。受益者が死亡すると、信託契約により定められた新たな受益者に対して相続税が課せられます。

家族信託で受託者にかかる税金

家族信託で受託者にかかる税金

次に、信託設定時や信託期間中、受託者にかかる税金について確認しておきましょう。受託者は信託財産の管理・運用・処分を行うだけで、信託財産からの利益を受けないので、税法上は信託財産の所有者とみなされません。そのため、受託者には贈与税、所得税は課税されないのです。

受託者にかかる税金として、以下の2種類について解説します。

  • 登録免許税
  • 固定資産税

登録免許税

不動産の場合、相続・贈与・売買を原因として所有権の移転登記をする際に登録免許税(登記申請時に納める税金)が課されます。これに対し、家族信託では、信託設定時の所有権移転登記の登録免許税は非課税です。信託分には課税されます。

【信託設定時の登録免許税】

  • 所有権移転分:非課税
  • 信託分(土地):固定資産税評価額の3%
  • 信託分(建物):固定資産税評価額の4%

信託が終了した場合は、信託財産である不動産を受託者から引き継ぐ方に通常の所有権移転登記の税率で登録免許税が課されます。

ただし、自益信託の場合、信託終了時に委託者兼受益者が信託財産である不動産を引き継ぐ(元の所有者に戻す)際に登録免許税はかかりません。一方、信託終了時に委託者の相続人が信託財産である不動産を引き継ぐ場合は、相続による登記として登録免許税の税率は1,000分の4になります。

固定資産税

不動産を家族信託した場合、固定資産税の納税通知書は受託者に届きます。税法上、信託財産から利益を受ける受益者が所有者とみなされるはずです。しかし、固定資産税の場合、毎年1月1日現在の固定資産課税台帳に登録された方が納税義務者とみなされるため、信託不動産の名義人である受託者に通知書が届きます。

ただし、固定資産税は、信託契約にて「受益者が負担する」と定めるのが一般的です。この場合、固定資産税は信託財産の収益から支払われるので、実質的には受益者が負担することになります。

家族信託変更時や終了時の課税関係は?

家族信託変更時や終了時の課税関係は?

続いて、家族信託変更時や終了時の課税関係について見ていきましょう。

家族信託変更時の課税関係

家族信託変更時の課税関係は、受益者の変更と受託者の変更の2つに分けられます。

受益者の変更

受益権の譲渡などにより受益者が変更された場合は、旧受益者から新受益者に対して信託財産の経済価値、つまり実質的な所有権の移転があったとして、適正な対価の支払いがない場合は贈与税が、適正な対価の支払いがあった場合は譲渡所得税が課税されます。

受託者の変更

辞任や死亡などの理由で受託者が変更された場合、課税関係は生じません。あくまでも課税関係は受益者に生じると考えてください。信託財産に不動産が含まれている場合は受託者変更登記が必要ですが、受託者変更登記の登録免許税も非課税です(登録免許税法第7条第1項3号)。

家族信託終了時の課税関係

家族信託では、信託終了時の残余財産の帰属先を自由に定めることができます。そのため、家族信託終了時の課税関係のポイントは、残余財産が信託期間中の受益者から誰に帰属することになるのか(財産権の実質的な移転があるかどうか)です。

例えば、委託者が父、受託者が息子、受益者が父という自益信託で考えてみましょう。

残余財産の権利帰属先が父(受益者)の場合、実質的に権利が移転していないとみなされるため、課税関係は生じません。

一方、残余財産の権利帰属先が父ではなく受託者の息子だった場合はどうなるのでしょうか。この場合、信託の終了によって息子が残余財産を取得するため、父から息子へ経済的価値(実質的な所有権)が移転した、つまり贈与があったとみなされ、息子に贈与税が課せられます。なお、受益者の死亡を原因として家族信託が終了する場合は、遺贈とみなされ相続税が課税されることに注意してください。

また、受益者が死亡しても家族信託が終了しない「受益者連続型信託」の場合は、信託期間中に利益を受けていた受益者から受益者以外に信託財産の所有権が移り、新たな受益者に相続税が課税されます。

家族信託は節税対策にはならない

家族信託は節税対策にはならない

家族信託を節税のために使えないかと考える方もいるかもしれません。

家族信託では、認知症対策や相続の際の財産の受け継ぎ方について自由に定められます。しかし、受益者に課税されるのが原則なので、節税対策はほぼできません。

ただし、贈与税がかからずに信託財産の管理を家族に託すことができる点は家族信託のメリットです。

例えば、父と長男の間で、生前から賃貸マンションの管理を長男に任せるためにそのマンションを長男に贈与すると、賃料収入を得る権利も長男に移転するため、長男に贈与税が課税されます。これに対し、家族信託の場合、委託者・受益者を父、息子を受託者とすれば賃貸マンションの所有・管理権は長男に移転しますが、受益権者は父のままです。そのため贈与税がかからずに信託財産の管理を委託できます。

関連記事:家族信託は危険?失敗や後悔するパターンを事前に把握しておこう

家族信託に関する相談はセゾンの相続「家族信託サポート」へ

家族信託に関する相談はセゾンの相続「家族信託サポート」へ

認知症になると財産が凍結され、預貯金の引き出しや不動産の売買ができなくなるリスクがあります。このようなリスクに備えるために、元気なうちに信頼できる家族に財産の管理・処分を託せる家族信託は有効な方法です。しかし、家族信託についての疑問点が多く、どのように進めれば良いのかわからない方も多いかもしれません。 

家族信託についてより具体的に知りたい方は、「セゾンの相続 家族信託サポート」にご相談ください。家族信託に強い司法書士と提携しているため、信頼できる専門家との無料相談や最適なプランのご提案が可能です。今すぐには考えておらず、まずは相談だけでもという方にもおすすめします。

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おわりに 

認知症などによって判断能力が低下すると、預貯金の引き出しや不動産の売買などといった財産の管理ができなくなってしまいます。そのような事態に備えて検討したいのが、「家族信託」です。家族信託により、元気なうちに信頼できる家族に財産の管理を任せることができます。

ただし、家族信託については税金が関わってくるため、疑問や不安な点がある方も多いのではないでしょうか。より具体的に知りたい場合は、「セゾンの相続 家族信託サポート」などの専門家に相談することをおすすめします。

関連記事:家族信託の事業承継で受益者変更はできる?適用条件や注意点など

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