万が一の備えとして、死後事務委任契約の締結を検討している方も多いのではないでしょうか。
不備なく速やかに契約を締結するには、事前に契約の流れを把握しておくことが大切です。
この記事では、死後事務委任契約とは何か、契約の流れ、かかる費用、個人で受任した場合における各種連絡と対応などについて解説します。死後事務委任契約の流れについて詳しく知りたい方は是非参考にしてください。
(本記事は2024年3月8日時点の情報です)
- 死後事務委任契約とは、受任者に自身の意向を伝え、死後に手続きを行ってもらう契約
- 死後事務委任契約の締結には、最短1か月、状況によっては3か月程度の期間を要する
- 契約の流れは、委任事項の選定→受任者の決定→死後事務委任契約書の作成の3つのステップ
- 委任する内容によって異なるものの、数百万円の費用がかかる場合がある
死後事務委任契約とは?
万が一亡くなった場合は、葬儀やお墓、行政への届出、住居の明け渡しといったさまざまな手続きが必要です。
しかし、独身または配偶者と死別といった理由からおひとりさまであるという方の中には、これらの手続きを行う方がおらず、悩んでいる方も少なくありません。
そこでおすすめするのが死後事務委任契約です。死後事務委任契約では、事前に自身の意向に沿った死亡後の手続きを受任者に伝えておき、死亡後にそれらが実行される契約です。
死後事務契約について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
死後事務委任契約の流れ
死後事務委任契約の締結には、契約完了までに一般的な方で1か月、状況が特別な方で3か月程度の期間を要します。
不備なく速やかに死後事務委任契約を締結するには、どのような流れで契約を締結するのかを事前に把握しておくことが大切です。死後事務委任契約の手続きの流れは以下の通りです。
- 委任事項の選定
- 受任者の決定
- 死後事務委任契約書の作成
それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。
委任事項の選定
死後事務委任契約では、死後に関する葬儀やお墓、行政への届出、住居の明け渡しなどのさまざまな手続きを受任者に委任できます。
委任事項に漏れがないようにするには、どのような事項を委任できるのか事前に把握しておくことが大切です。主な委任事項は以下の通りです。
- 緊急時の対応事務
- 訃報の発送
- 葬儀・永代供養
- 賃貸契約や施設入居契約の解除手続き
- 公共料金・医療費・施設費の清算
- 有料サービスの解約
何をしてもらうのか、予算はいくらなのかといった詳細を決めておきましょう。
受任者の決定
死後事務委任契約の受任者には特に専門的な資格は必要とされていません。そのため、家族や親族、友人などとも死後事務委任契約を締結することが可能です。
しかし、死後に必要な事務手続きを確実に行ってもらうためには、信頼できる人物に依頼することが大切です。
また、受任者によっては資格がないという理由で委任事項に取り組めない可能性があるため、委任が不安な方や特殊な委任事項を頼もうとしている方は弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
死後事務委任契約書の作成
死後事務委任契約には決まった形式がないため、口約束でも成立します。しかし、口約束の場合には「言った・言わない」でトラブルに発展する可能性があるので注意してください。
また、死後に必要な手続きが確実に実行されるとは限らないため、生前に文書を作成しておくことをおすすめします。特に公正証書という公証人がその権限に基づいて作成する公文書であれば、文書の成立について強力な証拠となるため、トラブルに発展するリスクを軽減できるでしょう。
死後事務委任契約にかかる費用
死後事務委任契約を締結する際は、以下のような費用がかかります。
- 死後事務委任契約書の作成料
- 死後事務委任の費用
- 公証役場の手数料
- 預託金
それぞれの費用を詳しく解説していきます。
死後事務委任契約書の作成料
死後事務委任契約を締結する際はトラブルを回避するために契約書を作成します。
委任者の意向をしっかり反映した契約書を作成するためには専門家に依頼する必要があり、おおよそ30万円の費用がかかるので覚えておきましょう。
死後事務委任の費用
死後には、葬儀や納骨などの手続きを受任者に行ってもらう必要があります。
これらの葬儀や納骨、永代供養などの手続きにかかる費用は、何を選択するかによって違いますが、50~100万円程度の費用を想定しておきましょう。
公証役場の手数料
死後事務委任契約書を公正証書で作成する場合、公証役場で手続きを行う必要があります。
公証役場での手続きでは、公証人に手数料11,000円を支払う必要があるので覚えておきましょう。
参照元:日本公証人連合会|公証事務
預託金
依頼者が亡くなった場合、預金口座は凍結され、財産の権利は相続されます。
葬儀費用など必要な資金をあらかじめ受任者に預託金として預けておく方法が取られます。
預託金とは、死後に必要な手続きにかかる費用をあらかじめ受任者に預けておいたお金です。
個人で受任した場合の各種連絡と対応
個人が死後事務委任契約の受任者となった場合は、どのような対応をするのでしょうか。個人が死後事務委任契約で受任者となった場合の対応として、以下の4つが挙げられます。
- 知人への死後通知
- 葬儀・納骨手配
- 家財・遺品整理
- デジタル遺品の整理
それぞれについて詳しく説明していきます。
知人への死後通知
死後事務委任契約では、生前親しくしていた人に死後通知を希望する方が多いです。
委任者が知人への死後通知を希望する場合は、誰に通知するのか、どのような連絡手段で死後通知を行うのか、連絡先などを明確にしておきましょう。
葬儀・納骨手配
死後に対する葬儀や納骨、埋葬方法に何らかの希望がある場合、それらを死後事務委任契約で明確に定めておく必要があります。
火葬後に、一般的な墓地や納骨堂ではなく、樹木葬や海洋散骨といった特別な埋葬方法を希望する方は、葬儀・納骨手配を指定しておきましょう。
家財・遺品整理
委任者が亡くなった後、家財や遺品整理を行う必要がありますが、許可なく勝手に家財・遺品整理を進めるとトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
トラブルを回避するためにも、遺産の範囲、受任者に遺品を処分する権限を与えるという内容を必ず死後事務委任契約に盛り込んでおきましょう。
デジタル遺品の整理
委任者が亡くなってもデジタル遺品は残ったままです。写真のデータ、SNSのアカウントといったデジタル遺品の削除を希望する場合は、それも死後事務委任契約に盛り込んでおきましょう。
なお、SNSのアカウントはアクセスするのにIDやパスワードなどが必要です。削除したいデジタル遺品をピックアップする、IDやパスワードの確認漏れがないか注意しましょう。
おひとりさまが安心した老後を送るためにおすすめのサービス
自身の死後に必要な手続きについて不安を抱えているおひとりさまも少なくありません、
そのような方には「ひとりのミカタ」をおすすめします。
「ひとりのミカタ」は、セゾンカードでおなじみの安心のクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供するサービスです。
「ひとりのミカタ」をおすすめする理由は以下の3つです。
- 経験豊富な専門の士業事務所と連携し終活の総合サポートをしてくれる
- 必要とするサービスに応じて選べる2つのプラン
- 日常生活のサポートも充実
それぞれを詳しく見ていきましょう。
経験豊富な専門の士業事務所と連携し終活のトータルサポートをしてくれる
死後事務委任契約の受任者は特に資格を必要としません。そのため、親族や友人などを受任者として死後事務委任契約を締結することも可能です。
しかし、自身の意向が必ずしも反映されるとは限らない、資格を必要とする死後手続きもあるため、専門家のサポートがあるほうが安心です。
「ひとりのミカタ」は、取り扱い経験が豊富な専門士業事務所と連携しており、万全のサポートを提供しています。
必要に応じて最適な専門家を紹介してくれるため、意向に沿った死後手続きが可能となるでしょう。
必要とするサービスに応じて選べる2つのプラン
年齢によって、必要とするサポートは異なります。「ひとりのミカタ」では、以下の2つのプランをご用意しています。
- 身元保証中心のサービス:「エルダープラン」
- エンディングサポート(死後事務手続き)まで含む:「プラチナプラン」
「エルダープラン」では、入院または高齢者施設入居時の身元保証、病院や施設からの緊急連絡先、24時間365日電話健康相談といった毎日の暮らしの安全と安心をサポートしています。
「プラチナプラン」では、「エルダープラン」に24時間見守り・駆けつけサービスと、万一の時に備えたエンディングサポート(死後事務手続き)を加え、終活をトータルサポートしています。
日常生活やさまざまなお悩みのサポートも充実
「ひとりのミカタ」では、日常生活やさまざまなお悩みのサポートも充実しています。例えば、必要なときにだけ依頼できる、タイムチャージ制による家事代行やハウスクリーニングなどはもちろん、生前整理や遺品整理、相続、葬儀、お墓に関するご相談は無料で受けられます。
老後の不安を抱えており、各種サービスの利用を検討している方は是非一度ご相談ください。
おひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」の詳細はこちら
おわりに
死後事務委任契約とは、死後に必要な手続きを受任者に委任する契約です。おひとりさまが増加する昨今、死後に自身の意向を反映したい、周囲に迷惑をかけたくないなどの理由で契約を検討する方が増えています。
死後事務委任契約の締結には、最短1か月、状況によっては3か月程度の期間を要します。不備なく少しでもスムーズに契約を締結するためにも、どのような流れで手続きを進めるのか、どのくらいの費用がかかるのかを事前に確認しておきましょう。
クレディセゾングループが提供する、おひとりさま総合支援サービス「ひとりのミカタ」は、入院や高齢者施設入居時の「身元保証」、もしものときの「緊急連絡先」、ご逝去後の「エンディングサポート(死後事務手続き)」など、おひとりさまの毎日の暮らしや終活のさまざまなお悩みごとを総合的に支援するサービスです。
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