更新日
公開日

『ミドルシニア世代の「聞く力」7つの習慣』

『ミドルシニア世代の「聞く力」7つの習慣』
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者
セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

「人の話を聞いていない」といわれることが多くなったなと感じる方、それは歳のせいかもしれません。「聞く力」を身に付け、みんなから支持され、共感される人生を歩んでみませんか?このコラムでは、「聞く力」を高める7つのテクニックについてご紹介します。

1.「聞く力」 で人生が変わる 

なぜか会話が弾まない、仕事が思うように進まない、気が付いたら自身の周りから人がいなくなっていた・・・・・・。 

そのようになってしまった原因は「聞く力」にあるのかもしれません。 

人は基本的には「自分の話がしたい」「自分の話を聞いてほしい」と思う生き物です。無口だったり、口下手な方も、自身の思いや考えを言葉で表現するのが苦手なだけで、心の中では自分の話をしたいと思っているはずです。 

つまり、話を「聞く」ということは、相手の根源的な欲求に応えることだといえるでしょう。相手の話にきちんと耳を傾けて聞くと、初対面であっても相手は心を開き、会話が弾みます。すると「この人と、もっと話がしたい」 「また会いたい」 と思われるようになり、人間関係が良くなるばかりでなく、毎日を楽しく過ごせるようになります。「聞く力」を身に付ければ人生がガラリと変わります。そこで、ミドルシニア世代の方におすすめの7つのテクニックをご紹介します。 

2.「聞く力」 7つの習慣 

「聞く力」 7つの習慣

2-1. 相手の話を最後まで聞く 

人が話をしているのに最後まで聞かずに、「それは○○だから」と言ってしまったり、「いや、それは△△だよ」と自身の意見をはさんだり、「自分は□□なんだよね」と、自身の話をしてしまう方がいます。これは頭の良い人、頭の回転の速い人に多く見られる傾向ですが、人生経験を積んでいるミドルシニア世代の方も、このような受け答えをしてしまいがちです。 

実際、相手の話の内容は「すでに知っていること」も多いでしょう。また、自身の意見の方が正しいかもしれません。しかし、話の腰を折られた相手は、「話したい」という欲求が満たされず、フラストレーションが溜まります。そして、自身は拒絶された、否定されたと感じます。これでは、相手と良い関係を築くことはできません。 

話の内容がどうであれ、まずは「最後まで聞く」習慣を付けましょう。言いたいことがあっても我慢し、分かっていても知らないふりをすることが、大人の「聞き方」の基本中の基本です。 

2-2. 相手の話に共感する 

人は誰でも、自身を認めてもらいたい、受け入れてほしいと思うものです。ですから、話を聞くときは「相手の話に共感する」ことがとても重要です。女性は比較的これが得意なのですが、男性は共感するよりも、話の内容について意見しがちです。例えば、Aさんに「仕事がつらい。辞めようかと思っている」と打ち明けられたとき、「このご時世、辞めるなんてもったいない。駄目だよ」と反対してしまう方もいるでしょう。 

しかし上記のケースの場合、Aさんが求めているのは正しい答えではなく、「仕事がつらい」という自身の気持ちに寄り添ってもらうことなのです。逆に「辞めても良いかもね。まだチャンスはあるよ」と賛成されても、共感してもらえなかった不満が残ってしまいます。 

相手の話にはまず共感し、相手の気持ちを受け止めましょう。そして、そのことが相手にきちんと伝わるようにする。Aさんのケースでは、「そうか、大変なんだね」 「それはつらいね」と声を掛けてあげると良いでしょう。 

2-3. 相づちをいい加減にしない 

相づちの仕方一つで相手に好感を持たれたり、逆に人間関係を損ねることもあります。相づちは「聞く力」の神髄といっても良いかもしれません。もっともダメなのは「はい、はい、はい」と「はい」を連発する相づちで、相手には話を聞き流している、バカにしていると思われかねません。「なるほど、なるほど」 「ええ、ええ」なども同じです。「確かに」もあまり言い過ぎることは控えた方が良いでしょう。 

話に共感しているつもりでも、相手には「それは私も分かっていたんですよ」と、上から目線でえらそうな印象を与えてしまいます。「それはあなたも分かっていたんでしょ」も同じで、たまに使うには問題ありませんが、連発は禁物です。もし口にしてしまったら、「確かに、そうですよね」 「なるほど、そうですよね」というふうに、「そうですよね」を付け加えると、共感度が上がります。 

ベストな相づちは、声に出さず相手の目をしっかり見てうなずくことです。これだけで相手には「あなたの話をしっかり聞いていますよ」というメッセージが伝わります。また、声を出すときは、言葉に感情を込めることも重要です。「この人は自身の言いたいことを理解してくれている」と、相手の心を掴むことができます。このとき、低い声でゆっくりと相づちを打つと、より信頼が得られます。 

2-4. 冒頭に否定語をつけない 

冒頭に「いや」 「でも」 「そうじゃなくて」 「というか」など否定語をつける方もいらっしゃいます。単に口ぐせになっているだけかもしれませんが、これでは相手のいうことを否定したような印象になってしまいます。話を聞くときは相手に共感することが大切です。意見がある場合は、まず、「そうですね」と相手の話をいったん受け止めたうえで、「でも、私はこう思います」というのがより良い聞き方です。 

2-5. 姿勢に気を付ける 

ミドルシニア世代の方に見受けられるのが、ふんぞり返って話を聞く方です。風格を出したい、あるいは話し手が自分より若い場合は「なめられたくない」と思ってのことかもしれませんが、この姿勢は相手に不快感しか与えません。また、相手に正対せず、身体を斜めに向けて話を聞くのも好ましくありません。相手のことを受け止めていないような印象を与えてしまいます。ご周知の通り話を聞くときは、身体を相手にきちんと向け、やや前かがみの姿勢で適度に身を乗り出すように心がけましょう。後にふんぞり返るクセのある方は、会話をしているときにソファや椅子の背もたれに背中をつけない習慣を身に付けると良いでしょう。 

2-6. 腕組み・足組み、貧乏ゆすりは禁物 

話を聞くとき、腕を組んだり足を組んだりする方も少なくないようです。腕組みは「拒絶のポーズ」ともいわれ、相手に拒否感を与えかねません。また、足を組むとどうしても身体が相手に向かって斜めに向いてしまい、やはり避けている印象を持たれてしまいます。無意識にやっていることも多いかもしれませんが、いずれもやめたほうが賢明でしょう。足を組んだ方が身体が楽だという場合は、できるだけ身体が相手の正面を向くようにしてください。またクセの中で意外と多いのが、貧乏ゆすりです。貧乏ゆすりは、話をしている相手はもちろんのこと、周りの方を不愉快にさせてしまうので禁物です。自身で意識して直すようにしましょう。 

2-7. 口角を上げながら聞く 

「何事も笑顔が大切」といいますが、人の話を聞くときにも笑顔でいることは重要です。心理学の世界では、コミュニケーションの中で言葉が伝わるのは2~3割だけで、残りの7~8割は、顔の表情や声のトーン、態度やしぐさなど、非言語の部分が占めるといわれています。笑顔は、相手に対して「あなたに敵意を持っていません」 「あなたを受け入れます」というサインに他なりません。笑顔を作るのが苦手な方に、ぜひ行っていただきたいのが、「口角を上げる」ことです。口角を上げることにより、無理に笑顔を作らなくても表情が和らぎ、自然な笑みを作ることができます。相手の話を聞くときには口角を上げながら聞く、これだけでコミュニケーションが驚くほどスムーズになります。 

3.これからは 「聞く力」 の時代 

始めは上手くいかないかもしれませんが、会話をするときに、これら7つのテクニックを意識するだけでも、「聞く力」がぐっと高まります。社会的に成功している方はみなさん「聞く力」に長けています。自身が話すよりも、まず相手の話に耳を傾け、素直に受け止める。それはすなわち相手を思いやることです。すると、自身の周りに人が集まり、「この人についていきたい」 「この人を助けたい」と力を貸してくれるようになります。その結果、いろいろな物事やビジネス、友人関係や家庭も円満に運ぶようになります。これからの時代は「自分が、自分が」というプレゼン型や「俺に黙ってついてこい」というワンマン型の戦術で成功するのは難しいでしょう。それよりも今必要なのは、相手に良い気分になってもらい「また会いたい」 「力になりたい」と思ってもらえる、おもてなし型のコミュニケーションです。そのためにも「聞く力」を身に付けることが、とても重要です。 

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする