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第二の思春期「ミッドライフ・クライシス」とは

第二の思春期「ミッドライフ・クライシス」とは
斉藤 恵一 セルフマネジメントプロデューサー

執筆者

セルフマネジメントプロデューサー/日本心理学協会 認定心理士

斉藤恵一

大学時代に歌舞伎町のホストの世界に飛び込むも半年間売り上げゼロ。そこから心理学を学びセルフブランディングに取り組み、約6年間売上げNO.1となる。現在は企業向けのコンサルティングやメンタリング、人材育成に取り組む一方、「ナカイの窓」や「ダウンタウンDX」等テレビ出演及び書籍やコラムの執筆等で活動中。

みなさん「ミッドライフ・クライシス」という言葉をご存知でしょうか。耳慣れない言葉かも知れませんが、40~50代で陥りやすく、毎日言葉にならない「心がしんどい」状態が続き、自分ではどうにもできない無力感や焦燥感を感じやすくなるというものです。10~20代前半にかけて訪れる思春期の心理状態に近いことから、「第二の思春期/思秋期」とも呼ばれています。

今回は身近な課題である「ミッドライフ・クライシス」について深く理解し、その特徴と心理的な変化に迫っていきたいと思います。ミッドライフ・クライシスは、私たちが成熟していく過程で起こる自然な心の変化であり、多くの人が直面する課題なのです。「ミッドライフ・クライシス」とはどういったものなのか?そして、どんな対策方法があるのかをぜひ知っていただきたいと思います。

1.ミッドライフ・クライシスの理解

ミッドライフ・クライシスの理解

ミッドライフ・クライシスは、大人になってからの人生の転換期を指し、主に40代から60代にかけて陥ることが多いとされています。ミッドライフ・クライシスでは、さまざまな感情や思いが交錯することがあります。例えば、これまでの人生に満足していない、自分の成果に疑問を抱く、未来への不安や焦りを感じるなどが挙げられます。これによって、毎日「心がしんどい」と感じる状態が続くことがあるのです。このような感情や状況に陥ることは、決して珍しいことではありません。人生の節目に立つ時期だからこそ、自己の再評価や目標設定が生じるのです。これは成長の機会でもあり、新たな可能性を模索する絶好のチャンスなのです。

2.自己認識と再評価

自己認識と再評価

このミッドライフ・クライシスを乗り越えるためには「自己認識」と「再評価」が重要となりますが、「自己認識」は自分自身を客観的に見つめ直すこと、「再評価」はこれまでの人生や価値観に新たな視点を持つことを意味します。

「自己認識」と「再評価」のプロセスにはさまざまなステップがあります。自分の強みや弱み、人生で重要な経験や価値観を振り返ることで、自己理解を深めることができますが、それが契機となって「自己認識」と「再評価」のプロセスに入ることがあるのです。

例えば、ある50歳の男性Aさんのケースを考えてみます。彼は長年にわたって成功を収めてきたビジネスマンでしたが、最近になって「これまでの人生は本当に自分の望むものだったのか?」と疑問を抱き始めました。家族や友人との時間が減り、仕事に追われる日々に違和感を覚えるようになりました。Aさんは「自己認識」と「再評価」のプロセスに入った典型的なケースです。

「自己認識」と「再評価」は、ミッドライフ・クライシスを克服する上での大切なステップとなります。これらに向き合うための具体的な方法として以下のようなことが挙げられます。

日記をつけたり自己分析テストを受ける

自分自身に対する気づきや気持ちを整理することができます。

カウンセリングやコーチングを利用する

専門家のアドバイスを受けることで、「自己認識」と「再評価」を進める手助けになります。

新たな趣味やアクティビティを試してみる

自分自身を発見し、新たな喜びを見つけることができます。

これらの方法を通じて、「自己認識」と「再評価」を深めることで、未来への自信や希望を見出すことができるでしょう。次の章では、健康とウェルビーイングの促進に焦点を当て、心と身体のバランスを整える方法を考えてみたいと思います。

3.健康とウェルビーイングの促進

ミッドライフ・クライシスに陥ると、ストレスや心の負担を感じることが多くなります。長年の職場でのプレッシャーや家庭の責任によって、心のバランスを崩すこともあるでしょう。このような状況に直面した際には、健康とウェルビーイングを促進する以下のような方法を取り入れることが重要です。

リラクゼーション法の実践

ストレスを軽減するために、ヨガ、瞑想、深呼吸などのリラクゼーション法を取り入れることで、心と身体のリラックスを図りましょう。

健康的な食生活の実践

バランスの取れた食事や充分な水分摂取を心がけることで、身体の健康をサポートします。

運動とアクティビティの取り入れ

日常的な運動や散歩、趣味のアクティビティを楽しむことで、体力を向上させ、心の健康にもつながります。

これらの方法を実践することで、健康とウェルビーイングを促進し、心の安定と幸福感を得ることができます。

また、ミッドライフ・クライシスを乗り越えるために、新たな興味や趣味を発見することも良いでしょう。興味を持つことや趣味を楽しむことは、心に活力と喜びをもたらす素晴らしい手段となります。

ミッドライフ・クライシスの時期には、これまでの人生に対して新たな興味を持ちたいという願望が芽生えることがあります。例えば、子育てやキャリアに追われてきた人が、趣味の世界に飛び込むことで心のリフレッシュを図ることができるのです。新たな興味を見つけるために、本や映画、展覧会などに触れることで、自分に合った興味を探求してみたり、何か少しでも気になることを試してみることで、自分に合ったものを見つけることができるかも知れません。料理教室やアートワークショップなど、さまざまな体験にチャレンジしてみましょう。そこで出会った趣味仲間や興味を持つ人たちと交流することで、新たなつながりを築くことができます。

4.人間関係の健全化

人間関係の健全化

ミッドライフ・クライシスの時期には、人間関係に対して不満や疑問を抱くことがあるかもしれません。例えば、家族とのコミュニケーションが減ったり、友人との疎遠感を感じることがあるかもしれません。しかし、これは自然なことです。自分自身と向き合い、関係性を健全化するために努力することで、心に安定感をもたらすことができます。

家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、感謝の気持ちを伝えることで、絆を強めることができます。また、共通の趣味やアクティビティを楽しむことで、より深い絆を築くことができるかも知れません。逆に、家族や友人との健全な関係を築くためには、適度な距離を保つことも大切です。お互いの個別の時間を尊重し、尊重されることで、良好なバランスが生まれます。

これらの方法を実践することで、人間関係の健全化を促し、心の豊かさと幸福感を得ることができます。

5. 新たなフェーズへのエンパワーメント

ミッドライフ・クライシスの時期には、これまでの人生に対して後悔を感じるなど、心に不安や迷いを抱えることがあるかもしれません。しかし、これは過去に囚われているのではなく、未来に向けて新たなスタートを切るためのチャンスです。人生の節目に立つ時期であり、さまざまな感情や疑問を抱える時期であることを理解しましょう。これは新たなチャプターへのスタート地点でもあります。自己認識と再評価、健康とウェルビーイング、新たな趣味や興味の発見、人間関係の健全化、というステップを踏んで、自己の成長を促し、新たなフェーズに向けてエンパワーメントを実現しましょう。

これまでの章でご紹介した方法を思い出してみてください。自己を深く理解し、心と身体のバランスを整え、新しい興味や趣味を見つけ、大切な人との関係を築き、キャリアに新たな展望を見出し、心の充実と幸福を追求することが、新たなフェーズへの鍵となります。

未来の挑戦に向けて、自信と希望を抱いてください。ミッドライフ・クライシスを乗り越えることは、成長と変化のプロセスです。前向きな気持ちと自己のポジティブな強みを信じ、未知の道を歩み出してください。

新たなフェーズへのエンパワーメントを手にし、豊かで充実した人生を築いていくことを願っています。素晴らしい未来に向けて、輝かしい一歩を踏み出してください!

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