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梅の木の剪定の仕方は?剪定する時期や樹齢による違いも紹介

梅の木の剪定の仕方は?剪定する時期や樹齢による違いも紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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世界に1000種類以上もあるとされている梅の木。花の観賞や実を食すなど、楽しみ方はさまざまです。そんな梅の木をご自宅で育てる場合に、剪定や管理が難しいかも、と悩む方もいるのではないでしょうか。そんな方のために、このコラムでは、梅の木の剪定に適した時期や正しい剪定の仕方、その際の注意点についてご紹介しています。梅の特徴なども併せてご紹介するので、梅の木の育成に興味のある方は、参考にしてみてください。

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初心者でも育てやすい梅の木の特徴

1.初心者でも育てやすい梅の木の特徴

梅の木は寒さにも暑さにも強く、品種に関係なく鉢植えと庭木どちらでも育てやすいといった特徴を持ちます。そのため、育て方や管理のポイントを押さえれば、初心者でも栽培しやすい果樹です。


梅の木には、大きく分けると花梅(はなうめ)と実梅(みうめ)の2種類があります。まずはそれぞれの特徴についてご紹介していきましょう。

花梅(はなうめ)

花梅は鑑賞目的で作られた品種で、代表的なもので「鹿児島紅」や「思いのまま」などがあります。花びらの色は、赤やピンク、白など多彩にあり、魅力のある美しい花を楽しめるでしょう。

また、花の形も一重咲きから八重咲きとあるのが特徴的な樹木で、日本に約400種類あるとされています。花梅の開花時期は1月~3月頃で、果実が小さく実の付き方も良くない傾向にあります。

実梅(みうめ)

実梅は食用として実を収穫するための品種で、代表的なもので「南高」や「白加賀」などがあります。花びらの色は白とピンクがあり、花の形はシンプルな一重咲きです。シンプルながらも可愛らしい花を楽しむことができ、日本に約100種類あるとされています。実梅の開花時期は2月~3月で、花を咲かせた後、品質の良い実や大きな実を付けます。

梅の木を育てるのに適した環境とは?

1-3.梅の木を育てるのに適した環境とは?

梅の木は日当たりや水はけの良い場所を好み、年平均の気温が7℃以上になる環境で育てるのに適しています。

また、葉や枝、果実が雨に当たると病気を発生してしまう可能性があるため、鉢植えなどで育てている場合、雨がかからない軒下に置くのが良いでしょう。梅の木は、マイナス15℃の環境下でも耐えられるとされるほど耐寒性が高く、ある程度寒い地域でも問題なく栽培できます。

梅の木は剪定が必要?

梅の木の生長は早いため、剪定を行わずに放置していると葉や枝が伸び過ぎてしまうでしょう。木全体が大きくなると樹形が崩れて見た目が悪くなります。樹形をきれいに保つには定期的な剪定が必要です。

また、剪定せずにいると日当たりや風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。その他にも必要のない枝にまで養分が届き、生長に必要な養分が不足することで梅の生育に影響を及ぼすことにもつながります。花付きの良いきれいな梅の木を楽しむためにも、毎年定期的な剪定を行うようにすることが大切です。

梅の木の剪定時期はいつ?

梅の木の剪定をするのに、剪定時期はいつが適しているのでしょうか。梅の木の剪定は、基本的に夏と冬の2回です。ここでは、夏と冬の剪定それぞれの目的についてご紹介していきます。

梅の木の夏剪定

3-1.梅の木の夏剪定

梅の木の夏剪定は7月~8月頃の夏の時期に、樹形を整え風通しや日当たりを良くして、生育を促すことを目的として行います。混み合った枝を軽く間引いて、樹形を崩すような長い枝があれば少し切り返します。梅の木は適切な冬の剪定を行っていても生長スピードが早く、新梢の発生も多いので夏には葉や枝が茂り過ぎてしまうのです。それにより、風通しが悪くなるとアブラムシなどの害虫が発生する場合があるため、夏剪定もしっかり行いましょう。

梅の木の冬剪定

梅の木の冬剪定は、11月中旬~1月頃の冬の時期に行います。夏の剪定同様に風通しや日当たりを良くすることに加え、樹形を整えて見た目を良くしたり実の付きを良くしたりする目的があります。梅の木を栽培するうえで特に欠かせないのが冬剪定です。

なぜなら、冬に休眠期に入った梅の木が、春になり樹勢を取り戻す前に剪定をして樹形を整えておくことで、健康的かつ美しい生長を促せるからです。梅の木は、古い枝に梅の花や実が付かないといった特徴があるため、古い枝は剪定して新しく枝が伸びるよう促す必要があります。

夏と冬以外にも剪定は可能?

梅の木の剪定は、夏と冬の時期がベストですが、他の時期に行うこともできます。ただし、適した時期から外れて行う剪定は花や実の付きが悪くなるだけでなく、最悪の場合、枯れてしまうこともあるので注意が必要でしょう。

バッサリ切る強剪定は冬に行う

4.バッサリ切る強剪定は冬に行う

梅の木の強剪定は、冬に行うようにしましょう。強剪定とは、木をバッサリ切ってコンパクトな状態に整えることをいいます。強度のある太い枝もカットする場合があるので、木へのダメージが大きい剪定の方法です。

樹勢の強い春から夏の時期は、切り口ができると修復するために大切な養分を使います。そのため、ダメージが大きい強剪定を行ってしまうと、栄養不足により樹木の生長を妨げる恐れがあります。冬は梅の木が休眠期に入る時期であり、切り口の修復に養分を使うことがありません。

このような理由から、強剪定は冬に行うのが良いとされています。

梅の木を剪定するのに必要な道具

ここでは、梅の木を剪定するのに必要な道具についてご紹介していきましょう。

剪定バサミ

梅の木を剪定する時は、剪定バサミを準備します。普通のハサミや生花用のハサミなどで切るのは危険なため、必ず専用の剪定バサミを使用するようにしましょう。

剪定バサミにはいくつかサイズがあるので、手のサイズに合った扱いやすいものを選ぶことをおすすめします。また、剪定バサミは切れ味の良いものを使いましょう。切れ味が悪いと、切り口が潰れて樹木にダメージを与える場合があります。無理に力を入れて切ることでケガにつながる恐れもあるため、取り扱いには注意が必要です。

剪定ノコギリ

5-2.剪定ノコギリ

剪定ノコギリは、剪定バサミで切ることができない硬い枝や太い枝に使用する剪定道具です。剪定ノコギリには、収納に便利な折りたたみ型や、片手でも使いやすいピストル型など、いくつか種類があるので用途に合わせたものを使います。

枝の太さ、木の高さ、剪定する量、持ち運びやすさなどを考慮して選びましょう。また、ノコギリの目が細かいと枝の奥まで切り込みを入れられないため、普通の目の剪定ノコギリを使用することをおすすめします。

高枝切りバサミ

手が届かない高い場所の枝を切る時に、あると便利なのが高枝切りバサミです。高枝切りバサミは、高い枝を切る場合だけでなく、足場の悪い所にある梅の木を剪定するのにも活躍するアイテムです。

高い場所にある枝を切るために持ち上げて使用するので、なるべく軽量で扱いやすいタイプのものを選ぶのがおすすめです。高枝切りバサミも剪定バサミ同様に、ご自身に合ったサイズを使いましょう。

脚立

高い場所にある梅の枝を切り落とすのに、脚立は必要不可欠な道具のひとつです。梅の高さに合った脚立を選ぶようにします。脚立の上で剪定作業を行うため、倒れにくく安定した三脚タイプのものを使用するのがおすすめです。

少し値段が高い傾向にありますが、剪定用に作られた専用の脚立もあるので、使用してみるのも良いでしょう。ケガ防止のためにも、脚立使用の際は安全をしっかり確認して作業する必要があります。

手袋・軍手

5-5.手袋・軍手

梅の木を剪定する時は、ハサミの刃や切った枝などでケガすることを防ぐため、手袋や軍手を着用して作業を行います。手をしっかり保護できるように、頑丈なタイプや厚みのあるタイプなど作業に適した手袋を選びましょう。

滑り止めが付いている手袋だと、道具を持つ際に滑りづらくなるので、安心安全に剪定ができます。しかし、細かい作業の時には、薄手の手袋や軍手のほうが手先を自由に使える場合もあり、用途に合わせて選ぶことをおすすめします。

梅の木の剪定の仕方

ここでは、梅の木の剪定の仕方について、夏と冬の時期に分けた剪定方法を解説していきます。

梅の木の剪定方法(夏の時期)

夏は梅の木にとって、樹勢が強く花芽の数が決まる大切な時期といえます。安定しない花芽を落とすことがないよう、間引き剪定を行って不要な枝を切り落としていきましょう。間引き剪定は、不要な枝を中心に密集して伸びている枝を切って、枝と幹や枝同士の間に隙間を作るように行う作業です。

剪定のポイントとしては、根本から枝を切り落とすことです。隙間を作ることで梅の木全体の日当たり、そして風通しも良くなり、害虫の発生を防ぐことにもつながります。

梅の木の剪定方法(冬の時期)

6-2.梅の木の剪定方法(冬の時期)

冬には、梅の木が葉を落とすので枝の様子が見やすくなります。花芽も安定しているため、サイズを調整して樹形を整えていきましょう。ただし、梅の木を大きくしたいのか小さくしたいのか、そのままのサイズで維持したいのか、によって切り方が変わるので注意が必要です。

梅の木のサイズを大きくしたい場合は、伸びた枝の先端の1/5、もしくは1/4ほどを切ります。外側に出ている芽の少し上のあたりで切るのがポイントです。

剪定する不要な枝とは

梅の木を剪定するといっても、やみくもに切って良いわけではありません。不要な枝を見極めて剪定する必要があります。まずは、優先的に剪定していく枝を覚えましょう。

  • 枯れている枝
  • 内側に伸びている枝
  • 「ひこばえ」と呼ばれる根本に生える若い芽
  • 上に向かって勢い良く伸びる徒長枝など
  • 他の枝と交差してしまっている枝

上記以外の枝でも、古い枝は積極的に切っていくようにしましょう。なぜなら、梅は何年も伸ばし続けた古くて長い枝に花が付くことはないからです。10cm以下の短くて新しい枝に花を付けます。

梅の木の剪定方法は樹齢によって違う?

梅の木は、植え付けて1年目~3年目までは樹齢に応じて剪定方法が違うため、注意する必要があります。4年目以降は、通常の夏と冬に行う剪定方法で問題ありません。ここでは、1年生苗を植え付けた場合の樹齢に応じた剪定方法について解説していきます。

植え付けから1年目

7-1.植え付けから1年目

1年目は生長を促すことを目的とするため、9月~11月頃に、地面から30㎝~60cmほどの高さになるよう幹を切っていきます。そうすることで、次の年に幹が生長して大きく育つようになるのです。1年目~2年目の苗木は、真っ直ぐな枝が1本伸びた棒苗の状態です。

通常梅は初結実までに3年ほどかかるとされており、実を付けるまでに時間を要します。しかし、理想とする樹形に剪定しやすいのがこの1年目です。

植え付けから2年目

2年目の梅の木の剪定は、12月~1月頃に行いましょう。幹から上に向かって伸びている枝のうち、状態の良い枝を3本ほど残して他の枝は根本から切り落とします。残した部分からさらに何本も枝が伸びるようであれば、1つの枝に3本ほど残して整えます。

植え付けから3年目

3年目からの剪定は、葉や枝も生長しているので樹形を整えるために行うことが目的になっていきます。

冬剪定のみで12月~1月頃に行うようにしましょう。伸びてきた枝のうち、下向きに生えている枝や交差している枝を選び、伸び過ぎている場合は根本から切ります。枝全体が上に向かって生えていくように樹形を整える必要があるのです。

梅の木を剪定する時の注意点

8.梅の木を剪定する時の注意点

梅の木を剪定する時には、まず服装に注意しましょう。剪定後の鋭く尖った枝の切り口でケガをしないように、長袖・長ズボン・底の厚い靴などを着用することを忘れずに、作業に取りかかってください。その他にも、梅の木を剪定する時の注意点はあるので、ポイントをおさえて梅の木を管理していきましょう。

花芽と葉芽の違いを見分ける

梅の木の剪定は、生長した姿をイメージしながら行いましょう。そのためには、まず花芽と葉芽の違いを見分けることが大切です。冬の梅の枝には、2つの冬芽が付いています。大きくプクッとした芽は花芽で、ひとつの花芽が一輪の花になるのです。

小さい芽は葉芽で、今後新梢となり葉や枝を茂らせていきます。花芽と葉芽の違いを見分けられるようになると、剪定後にどのような花が咲き生長していくのかをイメージしやすくなるでしょう。

枝の切り方

梅の枝を切る時には、外芽(外側に向かって付いた芽)の少し上で切るのがポイントです。反対に、内側に向かって付いている芽の上で切ってしまうと、枝が伸びるにつれ込み合ってしまうので注意しましょう。

また、梅の木の樹形を整える時は、光が良く当たるように切ることも大切です。上部の枝は短めに、下部の枝は長めにして、ピラミッドのような形にするのが一般的な切り方です。日当たりや風通しを良くするためには、交差した枝や同じ方向に伸びて重なった枝を作らないように剪定しましょう。

車枝と呼ばれるひとつの場所から3本以上の枝が出ている状態は、枝が裂けやすくなるといった問題が発生することがあるため、日当たりなどの理由同様に作らないことが梅の木の生長には大切です。

病気防止のため癒合剤を塗る

8-3.病気防止のため癒合剤を塗る

梅の木を剪定した後は、病気防止のため癒合剤を塗るようにしましょう。枝を切った後の木はとてもデリケートな状態です。

そのまま放置してしまうと雨に含まれた雑菌や不純物が切り口から入り、病気になってしまう場合があります。癒合剤には、人がケガをした際に使う傷薬と似たような働きがあり、剪定した後の切り口を保護して治癒を早めてくれるのです。

梅の木を健康な状態で保つためにも、切った枝の切り口には癒合剤を塗り、感染対策を行いましょう。目安として切った枝の直径が1cmを超えるようであれば、癒合剤を使用するのがおすすめです。

梅の木をきれいに剪定する自信がない場合はプロに依頼!

梅の木の剪定は、梅を植え付けてからの年数や剪定するためのポイントなど、さまざまな状況を考慮して行う必要があります。そのため、初めて梅を育てる方やきれいに剪定する自信のない方、大きくなり過ぎてしまったといった悩みを抱えている方は、プロに依頼するのも梅の木を上手に育てる方法のひとつでしょう。

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おわりに     

梅の木の剪定について、木の特徴を考慮した剪定の仕方や注意点などについてご紹介しました。梅の木の剪定は、植え付けてからの数年間は方法が違うため、時期に応じた剪定の仕方を確認していく必要があります。剪定の際には、服装や切り方のポイントなどを意識しながら、ご自身のペースで行うことが大切です。正しい梅の剪定を理解して、美しい梅の木を育てるためにご自身で剪定に挑戦してみてはいかがでしょう。

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