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不動産担保ローンの金利はどう決まる?相場と低金利で借り入れする秘訣

不動産担保ローンの金利相場はどれくらい?金利を抑えて賢く利用するコツ
セゾンのくらし大研究 編集部

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不動産担保ローンは、所有している土地や建物などの不動産を担保とする金融商品です。無担保のローンよりも金利・融資額などが有利となる場合がありますが、どの程度有利に働くかは金融機関各社によって異なります。できるだけ好条件を引き出すためのポイントについて解説していきます。

事業者向け不動産担保ローン

不動産担保ローンの金利相場とは?

不動産担保ローンは、土地や建物などの不動産を担保とする有担保ローンです。無担保ローンと比較して金利が低めに設定されることが多く、不動産担保ローンの金利相場(ノンバンク系)は以下のとおりです。

金融機関不動産担保ローン金利(実質年率)
セゾンファンデックス4.5%~9.9%
AGビジネスサポート2.49%~8.99%
デイリーキャッシング5.2%~13.0%
ニチデン4.8%~14.6%
MRF4.0%~15.0%
ファンドワン2.5%~15.0%
オージェイ8.0%~15.0%
アクト・ウィル8.00%~15.00%
※金利はあくまでも目安であり、審査状況や借入条件によって異なります。

不動産担保ローンを銀行系とノンバンク系で比較

銀行系不動産担保ローンは、審査が厳格で、融資までに2週間~1ヶ月程度かかることが多いことが特徴です。対してノンバンク系は審査基準が比較的柔軟で、最短数日で融資が可能な場合もあります。

項目銀行系ノンバンク系
金利範囲おおよそ1%〜9%おおよそ2%〜15%
融資額数千万円~数億円数百万円~数億円
融資期間最長35年最長30年
審査の厳しさ厳格比較的柔軟(独自基準により信用力懸念のある場合も利用可能)
審査にかかる時間2週間~1ヶ月程度数日~2週間程度
必要書類多い(3年分の確定申告書類など)やや少ない(1年分の確定申告書類など)
対応可能な担保物件居住用・事業用不動産居住用・事業用不動産、収益物件など幅広く
保証人原則不要場合により必要
資金使途制限あり比較的自由
早期返済手数料高め低めまたはなし

実際借りる時の金利

実際の適用金利は、借り手の信用力や担保物件の評価額、市場金利の動向などによって変動します。例えば、以下のような要因で金利が変わる可能性があります。

要因影響
借り手の年収が高い場合最大0.5%程度の金利引き下げ
担保物件の評価額が高い場合最大0.3%程度の金利引き下げ
返済期間が短い場合最大0.2%程度の金利引き下げ
実際の適用金利に影響する要因

低金利で借りるための具体的なポイント

  • 複数の金融機関に相談し、金利を比較する
  • 担保物件の評価額を高める工夫をする(例:リフォームの実施、周辺開発情報の提示)
  • 返済能力を示す書類を充実させる(例:過去3年分の所得証明書の提出)
  • 可能な限り、短い返済期間を選択する
  • 変動金利と固定金利のメリット・デメリットを比較し、自身に適した方を選ぶ

これらのポイントを押さえることで、最大で0.5%~1.0%程度の金利引き下げが期待できる場合があります。ただし、具体的な数値は各金融機関の判断によって異なりますので、詳細は直接相談することをおすすめします。

変動と固定で金利は異なってくる

不動産ローンの金利タイプは「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利と変動金利のメリット・デメリットはそれぞれ対照的となっているため、それぞれの特徴をよく把握して金利タイプを定めると良いでしょう。

固定金利は固定期間にもよりますが、金利変動リスクを見越し、変動金利よりも高めに設定される傾向があります。ローン金利が高いと返済総額が増加するほか、融資審査の厳格化や融資額の抑制がされやすくなるデメリットがあります。

一方、返済計画が金利変動の影響を受けにくくなるなどのメリットがあります。固定金利は固定期間にもよりますが、長期金利を参考にしているため代表的な「新発10年国債利回り」などが上昇傾向であれば固定金利が有利となる可能性があります。

変動金利は通常、半年ごとに見直されるため、返済額が増加したり返済額が同一であっても元本返済の割合が減少することになり、返済計画が不安定化する可能性のデメリットがあります。変動金利は金利水準が横ばいまたは下落傾向のときに有利となる可能性があります。

不動産担保ローンの金利はどうやって決まる?

不動産担保ローンの金利はどうやって決まる?

不動産担保ローンの金利は、銀行とノンバンクともに、ある程度の幅の中で決まります。 これは、ローン契約の内容によって金利が変わるためです。

では、具体的にどのような点が金利に影響するのでしょうか? 主なポイントは以下の5つです。

  1. ローン契約者の信用力
  2. 担保不動産の評価額と担保掛目
  3. 担保不動産の抵当権順位
  4. 融資期間
  5. 資金使途

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ローン契約者の信用力

「信用力」は「与信」とも呼ばれ、ローン契約者がきちんと返済できるかどうかの能力を指します。信用力が高いほど、金融機関は安心して融資できます。そのため、金利が低くなる傾向があります。

個人の場合

雇用形態、年収、勤続年数、借入状況などから判断されます。安定した収入があり、年収が高いほど信用力が高いと判断されます。

法人の場合

事業の収支や業績動向などから判断されます。黒字経営が続いている会社は信用力が高いと判断されます。

その他、他社からの借入状況なども考慮して、総合的に判断されます。

担保不動産の評価額と担保掛目

  • 担保不動産の評価額:担保となる不動産の価値のことです。
  • 担保掛目:融資額に対して、担保評価額がどれくらいの割合かを表します。

例えば、1億円の不動産を担保に、7,000万円を借りる場合、担保掛目は70%になります。

担保掛目が低いほど、万が一返済が滞った場合でも、金融機関は担保不動産を売却して融資したお金を回収しやすくなります。 つまり、金融機関にとって貸し倒れのリスクが低くなるため、金利も低くなる傾向があります。

一般的に、不動産担保ローンの担保掛目は60%~80%程度が目安です。

担保不動産の抵当権順位

不動産担保ローンを利用すると、担保として提供した不動産に「抵当権」が設定されます。 抵当権とは、万が一、ローン返済が滞った場合に、金融機関がその不動産を売却して優先的に債権を回収できる権利のことです。

抵当権には順位があり、第一順位、第二順位…と続きます。 もし、返済が滞って担保不動産が売却されることになった場合、順位が上の抵当権から優先的に弁済されます。

そのため、金融機関は抵当権が第一順位の物件をより安心して融資できると判断し、金利を低く設定する傾向があります。 反対に、既に他のローンで抵当権が設定されている場合、順位が下がるため金利が高くなることがあります。

銀行は特に、第一順位以外の抵当権を避ける傾向があります。 もし、既に他のローンで抵当権が設定されている場合は、ノンバンクの利用も検討してみましょう。

融資期間

融資期間とは、ローン契約から完済までの期間のことです。融資期間が長いほど、月々の返済額を抑えることができます。 しかし、その分、支払う利息の総額は大きくなります。また、変動金利型のローンを契約した場合、金利の変動リスクも大きくなります。

資金使途

金融機関は、融資する際に、返済が滞るリスクを最小限に抑えたいと考えています。 そのため、不動産担保ローンの資金使途を必ず確認します。

特に、事業資金として利用する場合、事業が赤字になる可能性もあるため、銀行によっては融資を渋ることがあります。 一方で、事業資金への融資に積極的なノンバンクも存在します。

いずれにしても、金融機関に融資を申し込む際には、資金の使い道や事業計画などを明確に伝えることが重要です。 説得力のある事業計画を提示できれば、金利の優遇を受けられる可能性もあります。

不動産担保ローンを低金利で借り入れするポイント

不動産担保ローンを低金利で借り入れするポイント

不動産担保ローンに限らず、ローンは借りるのがゴールではなく、以後の返済期間を見据える必要がありますが、返済負担を軽くするためにはできるだけ低金利でローンを利用する必要があります。低金利を引き出すための条件について確認しておきましょう。

不動産担保ローン会社を比較する

不動産担保ローンを提供している金融機関には銀行系・ノンバンク系があり、それぞれに特徴があります。

金融機関各社の不動産担保ローンの金利や諸費用、融資上限額、融資期間をチェックし、ご自身の信用情報と担保となる不動産価値を基に、融資条件を複数の金融機関で比較・検討しましょう。

返済額は収入に対して余裕のある金額に設定する

希望融資額が担保掛目を超過していたり、長期間の固定金利を選択するとローン金利の上昇を招いてしまいます。返済計画を確認し、返済額が担保価値や収入に対し過大な状態にならないように設定しましょう。

不動産担保ローン担当者にアピールする

不動産の評価額は原価法や収益還元法、実際の売買事例を参照するなどし、金融機関によって独自の方法で算出しています。しかし、不動産は2つとして同じものがないため、これらの方法では所有者などしか知り得ない情報は反映することができません。

建物のリフォームやメンテナンス履歴のほか、土地周辺の開発予定により利便性の向上や地価の上昇が見込まれる場合は不動産担保ローンの担当者に伝えておくと良いでしょう。

また目的が事業用資金調達である場合は、帳簿や事業計画書などしっかりとした経営状況の書類を用意のうえ、会社の運営資金が必要な理由を説明できれば、貸し手側の安心材料となり、金利を抑えた条件を引き出しやすくなります。

事例で見る不動産担保ローン

事業資金としての活用

山田さん(45歳)は、飲食店チェーンを経営しています。新店舗オープンのため、5,000万円の資金が必要になりました。
自己所有のマンション(評価額8,000万円)を担保に、5,000万円(担保掛目62.5%)、金利:年3.5%(変動金利)、返済期間15年の不動産担保ローンを借りました。

長年の夢であった多店舗展開に向け、山田さんは不動産担保ローンを活かして力強く第一歩を踏み出しました。

教育資金としての活用

大学進学を控えた双子の子供がいる鈴木夫妻(夫50歳、妻48歳)は、2人分の4年間の学費と生活費として、合計2,000万円が必要になりました。
自宅(一戸建て、評価額3,000万円)を担保に、2,000万円(担保掛目66.7%)、金利:年2.8%(固定金利)、返済期間20年の不動産担保ローンを利用しました。

不動産担保ローンは、鈴木夫妻にとって、子供たちの未来を明るく照らす希望の光となりました。

事業拡大のための土地購入資金としての活用

不動産賃貸業を営む佐藤さん(55歳)は、事業拡大のため、新たにアパートを建設する土地を購入したいと考えていました。必要資金は1億円です。
既存の賃貸アパート2棟(合計評価額1億5,000万円)を担保に、1億円(担保掛目66.7%)、金利:年3.2%(当初5年間固定金利、以降変動金利)、返済期間25年の不動産担保ローンを組みました。

佐藤さんは、不動産担保ローンによって手に入れた新たな土地に、更なる事業拡大の夢を描き始めました。

リフォーム資金としての活用

築30年の自宅のバリアフリー化リフォームを検討していた高橋さん(60歳)は、必要資金1,500万円を、自宅(評価額2,500万円)を担保に、1,500万円(担保掛目60%)、金利:年2.5%(変動金利)、返済期間10年の不動産担保ローンを借りて調達しました。

不動産担保ローンは、高橋さんの長年の夢であった、快適で安心できる住まいを実現する鍵となりました。

よくある質問(FAQ)

  • 不動産担保ローンと住宅ローンの違いは何ですか?
    • 不動産担保ローンは既に所有している不動産を担保に資金を借りるローンで、使途が自由です。一方、住宅ローンは住宅購入のための専用ローンで、購入する住宅自体が担保となります。
  • 不動産担保ローンの審査にはどのくらいの時間がかかりますか?
    • 金融機関によって異なりますが、一般的に銀行で2〜4週間、ノンバンクで1〜2週間程度です。ただし、必要書類の準備状況や物件の評価に要する時間によって変動する場合があります。
  • 担保となる不動産に住んでいても不動産担保ローンを組めますか?
    • はい、可能です。現在居住中の不動産でも担保として利用できます。ただし、返済が滞った場合は担保物件を失うリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
  • 不動産担保ローンの返済方法には何がありますか?
    • 主な返済方法には、元利均等返済、元金均等返済、期日一括返済があります。元利均等返済が最も一般的で、毎月の返済額が一定となります。
  • 不動産担保ローンの途中返済や繰り上げ返済は可能ですか?
    • 多くの場合、可能です。ただし、契約条件によっては手数料がかかることがあります。事前に金融機関に確認し、返済計画を立てることをおすすめします。

おわりに

おわりに

不動産担保ローンは、万が一の際でも金融機関としては元金の回収が行いやすくリスクが低いため、低金利での融資をすることが可能となっています。

銀行系は、ローン金利が比較的低いですが融資審査が厳しいなどのデメリットがあり、ノンバンク系は金利がやや高めですが独自の融資基準を設けているため、ローン契約者の属性に懸念がある場合でもローンを利用できる場合があります。

また不動産担保ローンは、担保不動産の評価額や金利タイプを変動・固定のどちらを選ぶかでも変化します。検討項目が多くあり、またその時の経済情勢や担当者の判断によって金融機関各社で条件が大きく変動する可能性があるため、複数の金融機関に相談し、条件をよく比較・検討することが大切です。

セゾンファンデックスは不動産担保ローンを20年以上取り扱っており、さまざまな条件での不動産担保ローンの実績が豊富です。

ほかの金融機関に申し込んで断られた場合や、返済計画や融資期間について懸念がある場合でも柔軟な対応を受けられるため、不動産担保ローンの利用を検討されているのであれば、ご相談をしてみることをおすすめします。

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不動産担保ローン
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専門用語解説

担保掛目(たんぽかけめ)

  • 意味: 担保となる不動産の評価額に対して、実際に借りられる金額の割合を示す数値。
  • 計算式: 不動産の評価額 × 担保掛目 = 借入可能額
  • 例: 不動産の評価額が1,000万円、担保掛目が80%の場合、最大800万円まで借りられる(1,000万円 × 80% = 800万円)。

抵当権(ていとうけん)

  • 意味: 借入金の返済が滞った場合に、担保となっている不動産を売却して借入金を回収する権利。
  • 例: Aさんが銀行から1,000万円を借りる際、自宅に抵当権を設定。Aさんが返済できなくなった場合、銀行はその自宅を売却して借入金を回収できる。

変動金利(へんどうきんり)

  • 意味: 一定期間ごとに見直される金利。
  • 特徴: 一般的に6ヶ月ごとに見直され、金利の変動に応じて返済額が増減する可能性がある。
  • 例: 今年4月に年利2%で借りた場合、10月には年利2.5%に上がる(または1.8%に下がる)可能性がある。

固定金利(こていきんり)

  • 意味: 借入期間中、金利が変動しない金利。
  • 特徴: 返済額が一定であるため、将来の金利変動リスクを回避できる。
  • 例: 10年固定金利2%でローンを組んだ場合、10年間は金利が2%のまま変わらない。

根抵当権(ねていとうけん)

  • 意味: 将来発生する可能性のある債務を含めて、一定限度額まで担保する権利。
  • 特徴: 限度額の範囲内であれば、繰り返し借入れが可能。
  • 例: 企業が取引銀行と1億円を限度額とする根抵当権を設定した場合、将来的に複数回の借入れを行っても、合計1億円までは同じ担保で借入れができる。

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