終活で部屋の片付けをしっかり進められれば、老後の生活がより快適になり、家族への負担も軽減できます。でも、一体どこから手を付ければよいのでしょうか。この記事では、片付けが苦手な人でもスムーズに進められる、終活の片付け術を解説します。また、終活で片付けをしておくメリットや、よくある疑問についてもお答えします。おひとりさまで片付けに不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
(本記事は2024年4月10日時点の情報です)
- 終活の片付けは6つのステップで段階的に進めることができる
- 終活で部屋を片付けておくと老後の生活が快適になり家族の負担も減らせる
- おひとりさまの終活で片付けが進まないときは生前整理会社に依頼するのがおすすめ
終活の片付け6ステップ
人生の終わりに向けて行う事前準備が「終活」です。人生の最期を意識して、身の回りの片付けや介護・医療についての希望、葬儀に関する準備など様々な活動を行います。
終活の中でも大切なのが、身の回りの片付けや整理です。物が散乱していると事故の危険があるほか、いざという時に必要な物が見つからず困ることにもなりかねません。また、自分亡き後に家族に片付けの負担をかけることにもなります。
そこで、終活の片付けをスムーズに進めるためのステップを6つに分けてご紹介します。
持ち物を出して所持品を確認する
最初に、家中にある自分の持ち物をすべて出して、現状を把握することが重要です。家の中にどんな物があるのか、改めて確認する良い機会となります。
ただし、一度に全部の物を出すのは大変なので、部屋ごとや棚ごとに区切って少しずつ作業を進めるのがおすすめです。急がず、自分のペースでコツコツと片付けを進めましょう。
物を仕分ける
出してきた物を「必要な物」「不要な物」「保留する物」の3つに仕分けします。使っていない物や古くなった物は思い切って手放すことが大切です。
判断に迷う物は、一旦「保留」の箱に入れておきましょう。数週間から数ヶ月後に改めて必要かどうか見直します。時間を置くことで冷静に判断できるようになります。
また、思い出の品など捨てることに抵抗がある物は、写真に撮って残しておく方法もあります。デジタルデータなら場所を取らずに済むので便利です。
貴重品や重要書類をまとめる
不動産権利証や株券、保険証券、預金通帳、印鑑など、財産に関する重要な書類は、ひとつにまとめて整理しておくことが大切です。
中でも権利書や証書など再発行が難しい物は、紛失しないよう特に注意が必要です。金庫など安全な場所へ保管しましょう。
また、財産目録(リスト)を作成し、不動産、預貯金、有価証券などの情報をまとめておくと安心です。
必要な物をしまう
仕分けと整理が終わったら、残した物を収納します。その際は使い勝手を考えながら、しまう場所を決めていきましょう。
日常的によく使う物は手の届きやすい位置に、たまにしか使わない物は奥のほうにしまうなど、生活動線を考えるのがポイントです。
不要な物を処分する
仕分けで不要と判断した物は、処分方法を決めて手放します。主な処分方法には以下のようなものがあります。
自治体の回収に出す
各自治体では、定期的にごみの回収を行っていますが、大量の不燃物や大物の家財などについては有料での回収となる場合もあります。地域のルールに従って分別し、指定された日時と場所に出しましょう。
不用品回収会社に依頼する
不用品回収を専門とする業者に依頼する方法もあります。大型家具など、自治体では回収してもらえない物の処分に適しています。
リサイクルショップに売却する
着なくなった服や使わなくなった家電など、まだ使える物はリサイクルショップで売却するのも一案です。小遣い稼ぎにもなります。
家族や知人に譲る
不要でも誰かには必要かもしれません。家族や友人、知人に声をかけて譲ってみるのもよいでしょう。最近はオンラインの譲渡サイトもあります。
デジタルデータを整理する
部屋の片付けと並行して、忘れてはいけないのがデジタルデータの整理です。パソコンやスマートフォンには、たくさんの写真やメール、個人情報などが保存されています。
これらのデータを放置しておくと、いざという時に家族が適切に処理できない可能性があります。アカウントやパスワードがわからず、 データにアクセスできなかったり、不要なデータが残ってしまったりするかもしれません。
必要なデータは外付けハードディスクなどにバックアップを取り、不要なデータは思い切って削除しましょう。
また、パスワードなどの重要な情報は、信頼できる家族と共有しておくか、データの開示方法を書き残しておくことが大切です。
終活で身の回りを片付けておくメリット
終活で身の回りの整理をしっかり行っておくと、さまざまな面でプラスの効果が期待できます。
ここでは、片付けがもたらす以下4つのメリットについて解説します。
- 老後に生活しやすい家に整えられる
- 家族の負担軽減が図れる
- 相続トラブルの回避につながる
- これまでの人生の振り返りになる
老後に生活しやすい家に整えられる
終活の片付けを通じて家の中を整理整頓しておけば、老後の生活をより快適に過ごすことができます。物であふれた部屋は、掃除が大変なだけでなく、つまずいてケガをする危険性も高くなります。
片付けによって動線を確保し、必要な物だけを残すことで、安全でゆとりのある暮らしを実現できるのです。年を重ねるほど、住みよい住環境を整えることが大切だと言えるでしょう。
家族の負担軽減が図れる
身の回りの片付けを先送りにしていると、ご自身が亡くなった後、残された家族が大量の荷物を処分しなくてはならなくなります。
特に遠方に住む家族にとっては、片付けのために長期間滞在しなければならず、時間的にも精神的にも大きな負担となるでしょう。生前のうちに整理を進めておけば、家族が行う作業を最小限に抑えることができます。
相続トラブルの回避につながる
財産に関する書類などを整理し、リスト化しておくことは、相続トラブルの回避にもつながります。
預貯金の情報や不動産の権利書など、相続の対象となる財産を把握し、記録に残しておけば、”争族”になるリスクを減らせるはずです。
また、エンディングノートで財産の分配方法などを示しておくのもよいでしょう。
これまでの人生の振り返りになる
部屋の片付けは、人生の振り返りにもなります。思い出の品や写真、手紙などを整理する中で、これまで歩んできた道のりを振り返る機会を得られるでしょう。
時には懐かしさに浸り、時には反省をしながら、自分の人生を見つめ直すことで、前向きな気持ちで第二の人生をスタートさせることができるはずです。
終活の片付けに関する気になる疑問を解決
終活の片付けを進める中で、さまざまな疑問や不安が出てくるものです。
ここでは、片付けに関してよくある質問をピックアップし、ひとつずつ解説します。
終活の片付けはいつから始めればいい?
終活の片付けは、いつから始めても早すぎるということはありません。ただし、加齢とともに体力や判断力は衰えていくため、できるだけ早いタイミングで取り組むのがおすすめです。
50代から60代前半くらいが、片付けを始めるのに適した時期だと言えるでしょう。まだ元気で体を動かせるうちに、少しずつでも不要な物を処分していくことが大切です。
物を減らすのが難しい場合の対処法は?
“処分する”という言葉には、抵抗を感じる人も多いはずです。そんな時は、いきなり大量の物を手放そうとせず、段階的に捨てる基準を厳しくしていくのが得策です。
使用頻度の低い物から徐々に処分し、最終的には「この1年使っていない物は不要」といったルールを設けてみてもよいでしょう。
また、一人で判断するのが難しければ、家族や友人、終活の整理を専門とするプロに意見を求めるのもひとつの方法です。客観的な視点で必要か不要かを見極めてもらえば、気持ちの整理もつきやすくなります。
一度片付けたらそれきりで大丈夫?
部屋の片付けは、一度きりで完了するわけではありません。日々の生活を送る中で、知らず知らずのうちに物が増えていくことも珍しくないからです。
終活の片付けをしっかりとやり遂げたら、その状態をキープすることが肝心。1年から2年に1度は見直しの機会を設け、再び不要な物を増やさないよう、継続的に整理していく習慣をつけましょう。
おひとりさまの終活で片付けが進まないときは?
一人暮らしの高齢者にとって、片付けはなかなかハードルの高い作業に感じるかもしれません。大量の荷物を前に、どこから手をつけていいのかわからず、立ち往生してしまう人も少なくないでしょう。
そんな時は、思い切って生前整理・遺品整理などを行う家財整理の専門会社に依頼するのがおすすめです。遺品整理のプロが、不用品の仕分けから回収、処分までをトータルでサポートしてくれます。また、思い出の品の整理など、精神的な面でのフォローも期待できるでしょう
片付け以外の終活には何がある?
片付け以外にも、エンディングノートの作成や葬儀・納骨の準備など、終活ではさまざまなことに取り組む必要があります。
また、相続について家族と話し合ったり、介護や医療に関する希望を伝えたりすることも大切です。人生の最終章を迎えるにあたり、残された時間をどう過ごすかを考えることも、立派な終活と言えるでしょう。
人それぞれに、やるべきことは異なりますが、早めに行動を起こすことが何より重要です。
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おひとりさまの終活では、部屋の片付けだけでなく、入院時の身元保証人の確保や万が一の際の葬儀、死後の手続きなど、一人で考えるとさまざまな不安が出てきます。
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終活は一人で抱え込まずに、頼れる専門家に相談することが何より大切。おひとりさまの終活の不安を手厚くサポートしてくれる「ひとりのミカタ」は、まさに心強い味方だと言えるでしょう。
おわりに
終活の一環として部屋の片付けを行うことは、老後の生活を快適にするだけでなく、家族の負担を軽減し、相続トラブルを回避するためにも重要です。片付けは一朝一夕にはいきませんが、持ち物の確認から不要な物の処分まで、段階的に進めることでスムーズに片付けを進められます。早めに取り組むことで、人生を振り返る機会にもなり、心身ともに充実した老後を迎えられるでしょう。終活に不安を感じるおひとりさまは、専門家のサポートを受けることをおすすめします。