終活、つまり人生の終わりに向けた準備は、老若男女を問わず重要なテーマです。しかし、何から手をつければいいのか、どう進めればいいのか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、終活の基本から具体的なやることリスト、スムーズに進めるコツまでをわかりやすく解説します。また、おひとりさまの終活に焦点を当て、そのメリットやサポートサービスについてもご紹介します。これから終活を始めようと考えている方も、すでに進めている方も、この記事を参考にして、より充実した人生の締めくくりを目指しましょう。
(本記事は2024年4月2日時点の情報です)
- 終活は人生の終盤を自分らしく生きるために必要な準備であり、やりたいことの実現や万が一への備えなどのメリットがある
- 終活のやることリストには、身辺整理、資産確認、相続対策、医療・介護の意思表示、エンディングノートや遺言書の作成などがある
- 終活を進めるコツは、短期間で無理せず、体力が必要なことから始め、家族とも情報を共有することである
そもそも終活とは?内容や目的を解説
終活とは、人生の最期に向けて、自分自身や大切な人のために準備を行うことです。人生の終わりを迎えるにあたって、さまざまな事柄について考え、整理し、必要な手配を進めていくのが終活です。
終活で行う主な内容は以下になります。
- 身辺整理:ご自身の持ち物を整理し、必要なものと不要なものを仕分けます。
- 医療や介護の意思表示:もしもの時に備えて、自分がどのような医療や介護を望むのか、エンディングノートなどにまとめておきます。
- ご自身の葬儀やお墓の準備:葬儀の規模やお墓の場所など、ご自身の希望をあらかじめ決めておくことで、遺族の負担を軽減できます。
- 遺言書の作成:財産の相続方法や分配について、遺言書を作成しておくことで、相続トラブルを未然に防ぐことができます。
- デジタル終活:パソコンやスマートフォン内のデータ整理や、オンラインサービスのアカウント管理なども終活の一環です。
終活をするメリット
終活を行うことで、さまざまなメリットがあります。まず、終活を通じて財産の相続方法や分配を決めておくことで、ご自身が亡くなった後の相続トラブルを未然に防ぐことができます。また、葬儀やお墓の準備をあらかじめしておくことで、遺族の精神的・経済的な負担を大幅に軽減できるでしょう。
加えて、終活は自分自身の人生を振り返り、整理する良い機会にもなります。これまでの人生を振り返ることで、感謝の気持ちを新たにしたり、残りの人生をより豊かに過ごすためのヒントを得られるかもしれません。
終活を始めるタイミング
終活を始めるタイミングに決まりはありませんが、一般的には60代から意識し始める方が多いようです。ただし、40代や50代でも、自分の健康状態に不安を感じたり、身近な人が亡くなったりしたことをきっかけに、終活に取り組み始める人もいます。
いざというときに慌てないためにも、元気なうちから少しずつ終活の準備を進めておくことをおすすめします。特に、判断能力が衰えてしまう前に、自分の意思を表明しておくことが重要です。
終活の準備・やることリスト【11項目】
終活を始める際に、以下の11項目を参考にしながら準備を進めていくとスムーズに行えます。進め方に厳格なルールはありませんが、これらのポイントを押さえておくことで、万が一の際に慌てずに済むでしょう。
- 残りの人生でやりたいことをピックアップする
- 身辺整理する
- 自身の資産を確認する
- 相続について考える
- 医療や介護に関する考えをまとめる
- 老後住まいや資金の計画を立てる
- 葬儀やお墓を検討しておく
- 葬儀に呼びたい人をリスト化しておく
- エンディングノートに情報や希望を残す
- 遺言書を作成する
- 家族に緊急連絡先を共有しておく
以下では、それぞれについて解説します。
残りの人生でやりたいことをピックアップする
人生の終盤を迎えるにあたって、これまで後回しにしてきた夢や目標を改めて見直してみましょう。旅行に行きたい、新しい趣味に挑戦したい、大切な人に感謝の気持ちを伝えたいなど、具体的にリストアップしてみてください。
このリストを作成することで、前向きな気持ちで終活に取り組むことができるだけでなく、残された時間を有意義に過ごすことにもつながります。
身辺整理やデータ整理をする
身の回りの不用品を処分し整理することは、終活の重要なステップです。家族に負担をかけないためにも、生前のうちに不要なものを処分し、必要なものを整理しておくことをおすすめします。
また、パソコンやスマートフォン内のデータ整理(デジタル終活)も忘れずに行いましょう。必要なデータはバックアップを取り、不要なデータは削除しておくことで、家族がデータを整理する手間を省くことができます。
加えて、加入しているサービスや保険、クレジットカードなども見直し、不要なものは解約しておくことで、死後も継続して料金が発生するようなトラブルを防ぐことができます。
ご自身の資産を確認する
預貯金や株式、保険など、ご自身の資産を改めて確認し、リスト化しておくことをおすすめします。それぞれの資産の金額や契約内容、連絡先などを一覧表にまとめておくと、万が一の際に遺族が手続きをする際に非常に役立ちます。また、資産の状況を把握することで、老後の資金計画を立てる際にも活用できます。
相続について考える
ご自身の財産を誰にどのように相続してもらうかを事前に考えておくことは、相続トラブルを防ぐために重要です。遺産分割の方法や、不動産の取り扱い、遺贈や寄付の有無など、具体的にイメージしておきましょう。
また、相続税対策については、早めに専門家に相談することをおすすめします。税理士などの専門家と相談することで、効果的な対策を講じることができます。
医療や介護に関する考えをまとめる
もしものことがあったときに、どのような医療や介護を受けたいかについて、自分の意思を明確にしておくことが大切です。延命治療を望むかどうか、人工呼吸器の使用について、どこまでの医療行為を望むかなど、具体的に考えをまとめておきましょう。
また、介護が必要になった場合、在宅介護を望むのか、介護施設の利用を考えているのかなども、事前に検討しておくとよいでしょう。これらの情報は、エンディングノートや家族との話し合いの中で共有しておくことをおすすめします。
老後の住まいや資金の計画を立てる
老後の生活資金や住まいについて、具体的な計画を立てておくことは非常に重要です。年金だけでは足りない場合の資金の確保方法や、介護が必要になった際の住まいの選択肢などを検討し、あらかじめ準備しておきましょう。
老後の資金計画については、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談するのも一つの方法です。また、住まいについては、自宅の改修や介護施設の探索など、早めに取り組んでおくことをおすすめします。
葬儀やお墓を検討しておく
葬儀やお墓については、生前予約を受け付けている業者もあります。自分の希望するスタイルの葬儀やお墓を予約しておくことで、遺族の負担を大幅に減らすことができます。
予約しない場合でも、葬儀の規模や形式、お墓の場所や種類など、事前に方針を決めておくことが大切です。また、葬儀費用の目安を把握し、必要な資金を準備しておくことも忘れずに。
葬儀に呼びたい人をリスト化しておく
葬儀に呼びたい人の連絡先をリスト化しておくことで、遺族が連絡をする手間を大幅に省くことができます。親戚や友人、仕事関係の方など、幅広く考えてリストアップしておきましょう。
特に、久しく連絡をとっていない人については、連絡先を調べておくことをおすすめします。このリストは、エンディングノートに記しておくか、家族と共有しておくとよいでしょう。
エンディングノートに情報や希望を記す
エンディングノートには、自分の人生の締めくくりに関する情報や希望を幅広く記すことができます。口座番号や契約している保険情報、医療や介護の希望、葬儀に呼びたい方のリストなどに加え、家族へのメッセージや感謝の言葉なども記しておくとよいでしょう。
ただし、エンディングノートには法的効力がないため、財産分与などの法的な事項については、遺言書で定める必要があります。エンディングノートは、家族と共有しておくか、見つけやすい場所に保管しておくことをおすすめします。
遺言書を作成する
遺言書は、財産の相続に関する内容を記すことができる法的文書です。誰にどの財産を残すのか、財産の分け方をどうするのかなど、具体的に記しておくことで、相続トラブルを防ぐことができます。
遺言書の作成には、法的な手続きが必要なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。また、遺言書の保管場所についても、家族に伝えておくか、見つけやすい場所に保管しておくことが大切です。
家族に緊急連絡先を共有しておく
万が一の事態に備え、かかりつけの病院や利用している介護サービス、親しい友人などの連絡先を家族と共有しておくことをおすすめします。
これらの情報は、エンディングノートに記しておくか、家族と話し合っておくとよいでしょう。また、海外旅行に行く際などは、パスポートの保管場所やクレジットカードの利用状況なども、家族に伝えておくことが大切です。
以上のような項目を、自分の状況に合わせて準備していくことが、円滑な終活につながります。一度にすべてを準備する必要はありませんが、時間をかけて少しずつ取り組んでいくとよいでしょう。また、終活の準備を進める中で、家族との対話を深めることも大切です。家族の意見を聞き、一緒に考えていくことで、より充実した終活を実現することができるでしょう。
終活準備をスムーズに進める3つのコツ
終活の準備を進めるうちに、「一人で全てを決めるのは難しい」「何から手をつけたらいいかわからない」と感じる方もいるかもしれません。
そんなときは、以下の3つのコツを意識して、終活に取り組んでみましょう。
- 短期間で終わらせようとしない
- 体力が必要なことから取りかかる
- 家族にも意見を聞く・情報を共有する
それぞれについて解説します。
短期間で終わらせようとしない
終活は、人生の締めくくりに関わる大切な準備です。短期間で済ませようと焦ると、十分に検討できなかったり、間違いが起こりやすくなったりします。
一つひとつの項目をじっくりと吟味し、時間をかけて進めていくことが重要です。気持ちに余裕を持って、ゆったりと終活に取り組むことをおすすめします。
体力が必要なことから取りかかる
終活の中には、断捨離や介護施設の見学など、体力を必要とする項目があります。これらは、元気で体を自由に動かせるうちに進めておくことが賢明です。
年齢を重ねるほど体力が衰えてくるため、体力勝負な終活は優先的に取り組みましょう。そうすることで、余裕を持って終活全体を進めることができるでしょう。
家族にも意見を聞く・情報を共有する
終活は自分自身のことを考える活動ですが、完全に一人で進めるのは難しいものです。葬儀やお墓、遺産相続などは、家族の意見も考慮に入れる必要があります。
また、せっかく終活をしていても、その内容を家族が知らなければ意味がありません。エンディングノートの保管場所や、自分の希望を家族にしっかりと伝えておくことが大切です。
終活に関する気になる疑問を解決
終活を進めるにあたって、次のような疑問が浮かんでくるかもしれません。
- おひとりさまでも終活した方がいい?
- 難しいことは誰に相談したらいい?
ここでは、そんな終活に関する気になる疑問について解決していきます。
おひとりさまでも終活した方がいい?
配偶者や子供などの身近な家族がいない場合でも、終活は重要です。むしろ、身寄りのない方こそ、自分の意思を明確にしておく必要があるでしょう。
特におすすめしたいのが、任意後見人を選んでおくことです。任意後見人とは、自分の判断能力が低下した場合に、財産管理や医療・介護に関する契約などを代わりに行ってくれる人のことを指します。
信頼できる任意後見人を決めておけば、もしもの時に備えることができます。家族がいない方は、弁護士や司法書士など、法律の専門家に相談して任意後見人を決めるのも一つの方法です。
難しいことは誰に相談したらいい?
終活における内容は多岐にわたるため、一人で全てを決めるのは難しいかもしれません。
そんなときは、それぞれの分野の専門家に相談するのがおすすめです。以下の表を参考に、困ったときは専門家を頼ってみましょう。
相談内容 | 相談先 |
---|---|
財産管理・遺言作成 | 弁護士・司法書士・税理士 |
老後の生活設計 | ファイナンシャルプランナー |
健康管理・介護相談 | 医師・介護相談窓口 |
葬儀・お墓の相談 | 葬儀社・墓地管理者 |
孤独死防止・見守りサービス | 地域の社会福祉協議会 |
おひとりさまの終活は「ひとりのミカタ」が全力サポート
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終活に関する悩みや不安がある方は、ぜひ一度「ひとりのミカタ」に相談してみはいかがでしょうか。
おわりに
終活は人生の終盤を自分らしく生きるために欠かせない準備です。終活を通じて、やりたいことを実現し、大切な人への感謝の気持ちを伝え、万が一の際に備えることができます。終活のやることリストを参考に、身辺整理や遺言書の作成など、優先順位をつけて少しずつ取り組んでいきましょう。一人で抱え込まず、家族や専門家に相談することも大切です。おひとりさまの方は、「ひとりのミカタ」のようなサポートサービスを活用するのもおすすめです。人生の最後まで自分らしく生きるために、今から終活について考えてみませんか?