おひとりさまの需要が増えたことで、ここ数年で頻繁に耳にするようになった「終活」という言葉ですが、高齢化社会と自身の最期を考えて、30代~40代から老後や死後の準備を始める方が増えています。
具体的には、老後の備えや身の回りの整理、葬儀やお墓の準備など、家族や周囲の方に迷惑をかけないよう、おひとりさまの終活はやることが多岐にわたります。しかし「やることが多すぎて、何から手をつければ良いのかわからない」という方もいるでしょう。
そこでこのコラムでは気持ちをラクに人生の終わりを迎えるために「おひとりさまの終活」について解説します。財産関連や健康、住まいについてなどをまとめているので、ぜひご参集にしてください。
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老後のおひとりさまが増えている?
年々、おひとりさまの割合は増え、現在では65歳以上の男性8人に1人、女性5人に1人がひとり暮らしをしています。内閣府が発表した「65歳以上の一人暮らしの者の動向」を示した表でも、この30年間で65歳以上のひとり暮らしの割合は男女共に11.2%も増加しています。
参照元:内閣府ホームページ
おひとりさまの増加傾向に加え、高齢者の平均寿命も伸び続けています。そのため、ひとりで老後を過ごす時間が増えるおひとりさまは、先を見据えた老後の計画が必要といえるでしょう。
備えておきたい!おひとりさまの老後リスク
ここでは、備えておきたいおひとりさまの老後のリスクをまとめました。
- 健康
- 住まい
- 財産と相続
あらかじめリスクを想定しておくことで、対策を立てやすくなります。これから終活をしようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
健康
おひとりさまの老後のリスクでもっとも注意すべきことは健康面の管理です。高齢でひとり暮らしだと体調不良や認知症の進行に気付けず悪化させてしまう可能性があります。
また、他の方と接したり、会話をする機会が少なくなったりすると、気分が落ち込みやすくなり、生活意欲も低下していくものです。張り合いのない生活は、より認知症の進行を早めてしまうため、肉体面だけでなく、精神面の健康にも気をつけるようにしましょう。
【おひとりさまが健康面で特に注意すべき症状】
- 認知症
- 生活意欲の低下
- 孤独死
家族と定期的にでも話せる機会があれば良いですが、難しいようであれば見守りサービスを利用したり、積極的に地域のコミュニティに参加したりして人と関わるようにしましょう。
インターネットで「お住まいの地域」「コミュニティ」「地域情報」などと検索すれば、参加できるコミュニティも見つかるはずです。自治体が運営するコミュニティなら無料で参加できる催しもあるので、積極的に探してみましょう。
住まい
歳を重ねて足腰が弱ってくると、住まいの問題は生活に大きな影響があるかもしれません。例えば、段差や階段がある住まいなら、つまずいて転んでしまったり、そもそも階段自体を登れなくなったりする可能性もあるでしょう。
そのため、アパートやマンションならエレベーター付きか、もしくは一階部分の部屋を選ぶことをおすすめします。もちろん可能な限りバリアフリーの方が良いですが、家庭の事情で難しい場合は、手すりをつけたり、床に滑り止めをつけたりなど事故が起こりにくいよう手を加えるのもひとつの手段です。
そして、なるべく元気なうちに終の棲家を選び、引っ越すようにしましょう。高齢になると体力も落ちて引っ越しも安易にはできなくなるので、その前に行動することが大切です。
財産と相続
おひとりさまの財産関係は他人にはわかりにくいので、事前に財産状況を把握できる書類を作っておきましょう。もし、なにも準備がなければ、自宅が処分されず空き家になったり、遺産相続でもめ事が起きたりする可能性があります。
とくに遺産相続は、親族のいるいないに関わらず、きちんと決めておきましょう。相続する家族がいない場合は、おひとりさまの遺産は国に帰属することになります。おひとりさまの場合、どんな財産があるのか生前に伝える相手がいないこともあるので、しっかりとした準備が必要です。
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おひとりさまの終活のメリット
ここではおひとりさまが終活をするメリットをまとめました。
- 孤独死のリスクを減らせる
- 老後の不安を減らせる
終活は残された家族の負担を軽くするのに有効ですが、おひとりさまの場合はご自身の老後への備えの意味もあります。「老後に不安がある」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
孤独死のリスクを減らせる
終活をすることでおひとりさまの孤独死のリスクを減らせます。最近では、インターネットの普及で、他の方と接することなく生活できるため、余計に高齢のおひとりさまの孤立化が進んでいます。
- 地域社会との交流がほとんどない
- 隣近所との付き合いがない
- 経済的困窮
など、孤独死が起こりやすい原因は、主に外部との接触不足が上げられます。例えば、室内でケガをして動けなくなっても、孤立した状態なら誰かに発見してもらうことは難しいでしょう。
そのため、終活をすることで今のご自身の状況を冷静に判断し、必要なら地域社会との交流や見守りサービスを利用してみることをおすすめします。ひとりでの生活が難しいと感じたら、必要なサービスを24時間受けられる高齢者向け住宅などの入居も検討してみると良いでしょう。
老後の不安を減らせる
早めに終活をすることで、老後に不安を減らすことができます。「老後の生活費をどうしよう」「何かあったときの連絡先は?」など、漠然とした焦燥感に駆られていては日常生活が送りにくいものです。
そんな気持ちを落ち着かせて、今を大切に生きるために、終活は大きな意味を持ちます。終活を行うことで残りの人生について真剣に考える時間を作り、自信をもってこれから先の人生を楽しめるようになります。
おひとりさまの終活でやること
ここでは、おひとりさまが終活でやるべきことを11個ご紹介します。
- エンディングノートを書く
- かかりつけ医を見つける
- 生前整理
- 生前贈与
- 身元保証人や身元引受人を決めておく
- 葬儀・お墓の手続き
- 財産と死後の手続き
- 財産管理等委任契約
- 任意後見契約
- 死後事務委任契約
- 遺言作成
はじめてのことで戸惑う項目もあると思いますが、取り組む順番などは特段ないので、できる項目から取り組んでみてください。
エンディングノートを書く
エンディングノートとは終活に必要な項目がわかる手引き書のようなものです。
過去のこと | 現在のこと | これからのこと |
自分自身 | 支えてくれる方 | やりたいこと |
家族・親戚 | 資産・借り入れ | 行きたい場所 |
友人・知人 | 年金情報 | 最期の過ごし方 |
慶弔記録 | 保険情報 | 終末期の希望 |
病歴・治療歴 | 医療・介護の情報 | 死後のこと |
書きながら過去の自分を振り返ることができて、これからの人生を考えるきっかけをくれます。5年先、10年先をどう生きたいのか、そしてどんな最期を迎えたいのか、課題が見えてくるでしょう。
またノートに書き残すことで、万が一のときはご自身の考えや希望を残った親族や知人などに知ってもらうことができます。遺言とは違い法的な力はありませんが、大切な方に最後の気持ちを伝えるのにも役立つでしょう。
かかりつけ医を見つける
終活でやるべきことのひとつに、かかりつけの医を作ることがあります。おひとりさまが老後を楽しく生きるには、資本である身体のケアは特に大切です。
そのため、健康面の相談ができて、自分の身体の状態を把握してくれる「かかりつけ医」を見つけておきましょう。また、行きつけの薬局もあると、薬について疑問があるときなどにアドバイスをもらえて便利です。
生前整理
万が一のときのために、日用品や家具などの家の中に溢れているものを少しずつ整理していきましょう。生前に身の回りを整理することで、室内での転倒のリスクを軽減し、掃除の手間もはぶけるようになります。残された方に遺品整理を頼むのも大変なことなので、時間があるときに物を減らしていく努力をしていきましょう。
生前贈与
身体も心も元気なうちに、子どもや孫などへ譲れる財産を贈与しておきましょう。贈与税の控除制度を利用しながら、不動産や株式、現金など、生前贈与にすることで身の回りをスッキリさせることができます。高齢になるといつ認知症になるかわからないので、ご自身で認識できるうちに行動を起こすことをおすすめします。
身元保証人や身元引受人を決めておく
病院や高齢者施設への入居手続きで必要になる「身元保証人」や「身元引受人」を決めておきましょう。親族や友人など頼れる方がいる場合は、事前に了解を取っておくと必要なときの手続きもスムーズにできます。
ただ、おひとりさまで頼れる親族もいない方は、もしもの時のためにサポートを受けられるサービスに入っておくことをおすすめします。
葬儀・お墓の手続き
万が一のときに周囲が慌てないよう、終活では葬儀やお墓の手配などもご自身でおこないます。火葬や納骨、死後の手続き、遺品の処分など誰に頼むかまで細かく記載しておきましょう。
そして必要な情報をエンディングノートに記載したら、今度は遺言を作成したり、専門家と契約を結んだり葬儀や死後に向けて具体的な行動をとります。
財産と死後の手続き
財産と死後の手続きでできることは、生前に全て終わらせておきましょう。とくにおひとりさまの場合、後々トラブルになることを避けるために、相続関係の問題は解決しておきたいものです。
やること | 内容 |
法定相続人の確認 | ご自身に遺産相続者がいるのか確かめる。いる場合は所在を確かめ、自身が産まれてから現在までの戸籍謄本を準備して相続の準備をしておく。 |
財産目録の作成 | ご自身の財産をすぐに把握できる財産目録を制作する。その際、持っている通帳などがわかるようにまとめておく。 |
遺言書を準備する | 遺言書を作成する。遺言執行者を選んでおく。 |
財産管理等委任契約
財産管理等委任契約とは、高齢による衰えや認知症などにより、自ら財産管理ができなくなったときにサポートが受けられる契約です。当事者同士の契約と別に、金融機関での代理人登録をおこなうことがあります。
任意後見契約
任意後見契約とは、認知症で判断力が低下したときに、代わりに財産管理をしてもらう制度です。事前に任意後見契約を結んでおくと、万が一のときにすぐにサポートを受けられます。一般的には司法書士などの法律の専門家に依頼することが多いようです。
また、自ら契約をする任意後見契約とは違い、親族等の申し立てにより後見人を立てる法定後見制度もあります。もともと任意後見契約をしていない高齢者が、認知症で判断を失ったときに申請されます。
死後事務委任契約
死亡後の各手続きをしてくれるのが死後事務委任契約です。家財等の処分や賃貸契約の解除まで、委任した範囲内で仕事をしてもらえます。おひとりさまで死後の事務や細かな処理をしてくれる方がいない場合に大変便利なサービスです。
遺言作成
誰に遺産を与えるか決めている場合は、遺言書の作成をおこないます。遺言を利用すれば、親族以外の方に財産を無償で譲る遺贈などの指示も自由にできます。遺言内容をスムーズに実現するには、遺言を実行する役割を持つ遺言執行者を決めておくと良いでしょう。
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おひとりさまの終活はいつから始める?
ひとりさまの終活に明確な期日は決まっていません。ただ、一般的に30代~40代くらいの方が終活に興味を持つケースが多いようです。終活は項目が多いので思ったより時間がかかります。そのため、時間に余裕があるときに少しずつ進めていくほうが、無理なく続けられるでしょう。
おひとりさまの終活まとめ
終活は、おひとりさまが安心して楽しい老後を過ごすために大変有効です。元気なうちに老後と死後に必要な準備を終わらせることで、漠然とした不安から解消される効果があります。
- エンディングノートを書く
- かかりつけ医を見つける
- 生前整理
- 身元保証人や身元引受人を決めておく
- 葬儀・お墓の手続き
- 財産と死後の手続き
終活はやるべきことが多いため、面倒に感じるかもしれません。しかし、ご自身の人生を俯瞰で見ることができ、残りの人生に大きな影響を与えられます。このコラムを読んで「終活」に興味をもったおひとりさまは、ぜひ試してみてください。