終活、つまり人生の終わりに備える活動は、いつかは誰もが直面するテーマです。しかし、具体的に何をすべきか、どのように準備すれば良いのかについては、多くの方が疑問を持っていることでしょう。
この記事では、終活が必要な理由、具体的に行うべきこと、注意点、そして家族がいない場合の終活支援サービスについて解説します。
(本記事は2024年4月5日時点の情報です)
- 終活は人生の終わりに向けて自分の意志を整理し、後悔のないよう準備するために必要である
- エンディングノートの作成、身辺整理、遺言書の準備は終活で行うべき重要な事項である
- 終活を進める際には自分のペースで時間をかけ、家族や親族とのコミュニケーションを大切にすることが重要である
- 専門家の力を借りることで、より効果的かつ安心して終活を進めることができる
どうして終活は必要なのか?
人生の最後に向けて準備をしておく「終活」は、今や多くの人にとって重要な取り組みとなっています。終活とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか。終活が必要とされる理由と、具体的にやるべきことをご紹介します。
終活とは何か
終活とは、人生の最期に向けて行う活動、事前準備のことです。今後の介護や医療についての意向、亡くなったときの葬儀やお墓に関すること、亡くなった後の遺産相続、身の回りの物品や財産を整理する生前整理など人生の最期を意識して準備を行うことをまとめて終活と言われています。
終活が注目されるようになった背景には少子高齢化が関係しています。年々加速する少子高齢化によって介護や看取りを担う人材が不足していること、そして社会保障制度が成り立たなくなる恐れがあることも心配されるようになりました。
こうした状況から高齢者自らが老後や自分の死後のために備える必要があるという考えが増えていき、終活に関心が集まるようになったのです。
終活は、残された家族や周囲の人に苦労をかけないことも目的のひとつですが、それだけでなく実は自分自身のために行う前向きな活動でもあります。
自分がこれまで歩んできた人生を振り返り、気持ちを整理することで、これからの人生を自分らしくどう生きるかというライフプランを考えるきっかけになります。終活は、今後の人生をより充実させるためにも大切な活動なのです。
終活はなぜ必要?
終活を行うことで、残された家族の負担を軽減し、自分らしい人生の最期を迎えられます。
以下では、終活が必要とされる主な理由を2つご紹介します。
残された家族の負担軽減のため
終活での取り組みとして、資産の処分や相続、葬儀、お墓に関する意向を事前に記しておくことが大切です。こうしたことをエンディングノートにまとめておけば、残された家族は本人の希望に沿って葬儀の段取りなどを進められるため、負担を大幅に軽減できます。
また、遺言書を作成しておくことで、遺産相続に関するトラブルを未然に防ぐこともできます。遺言書がないと、誰がどの資産を相続するのかをめぐって、家族間で争いが起こる可能性があります。生前のうちに財産分与について明確にしておけば、円滑な相続につながるでしょう
自分の人生を見つめなおすため
終活により、自分の死後について向き合うことになります。残された時間をどう過ごすのか、やりたいことは何かを考えるきっかけとなるのです。
人生の最期をどう迎えたいのか、葬儀はどのようにしてほしいのか、お墓はどうするのかなど、これまで先延ばしにしてきたことに意識を向けることで、自分にとって本当に大切なことが明確になります。
そうすることで、限られた時間を有意義に使い、自分らしい充実した人生を送ることができるでしょう。また、家族との時間を大切にしたり、やりたかったことに挑戦したりと、前向きに生きるきっかけとなるはずです。
終活でやることリスト3つをご紹介
終活で取り組むべき主な事柄として、以下の3つがあります。
- エンディングノートを書く
- 身辺整理をする
- 相続について遺言を用意しておく
ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
エンディングノートを書く
終活で必要な情報をエンディングノートにまとめておくことで、もしものときに残された家族の助けとなります。また、自分の人生を振り返るきっかけにもなるでしょう。
自分史
エンディングノートでは、生い立ちから現在に至るまでの自分史をまとめておくとよいでしょう。生年月日や出身地、家族構成など基本的なプロフィールに加え、学歴や職歴、資格、人生の転機となった出来事、尊敬する人物、座右の銘など、自身の歩みを振り返って記録します。また、趣味や特技、好きな食べ物、思い出の旅行先など、自分らしさが表れるエピソードを添えるのもおすすめです。
もしもの際に役に立つ個人情報
本籍地、年金手帳、健康保険証、マイナンバーカードなど、重要な個人情報の保管場所を書いておけば、もしもの際に遺された家族が慌てずに済みます。また、運転免許証番号やパスポート番号なども控えておくと安心です。それぞれの書類がどこにあるのかを具体的に記載し、すぐに取り出せるよう整理しておくことが大切です。
家族・親戚・友人関係の連絡先リスト
葬儀の際に誰に連絡を入れたらよいのか、残された家族が困らないよう、親族や知人の連絡先をリスト化しておきましょう。海外在住の知人がいる場合は、できれば現地の言語で住所や電話番号を記載すると親切です。SNSでのみつながっている人は、アカウント名を控えておくのも良いでしょう。
医療に関する情報
病歴、持病、常用している薬、アレルギー、かかりつけ医など医療面の情報もまとめておきます。既往歴や現在治療中の病気があれば詳しく書き、処方されている薬の名前と服用量、通院している医療機関名と担当医を記録します。また、延命措置に関する意思表示もしておくと良いでしょう。
保険や財産に関する情報
生命保険に加入している場合は、保険会社名、契約プラン、契約者名と被保険者名、受取人、証券番号などを記載します。医療保険や学資保険など複数の保険に入っているときは、一覧表にするとわかりやすいでしょう。また、預貯金、株式・投資信託、不動産など、所有する資産についても詳細を書き残しておきましょう。
葬儀やお墓をどうしたいか
葬儀はどのような形式で行いたいか、どの葬儀社に依頼したいか、宗教的な儀式は必要かなど、希望を具体的に記しておきます。また、お墓については、先祖代々の墓に入るのか、新しく建てるのか、納骨堂を利用するのかなど方針を書き添えておきます。
デジタルアカウントの情報
スマートフォンやパソコンのロック解除暗証番号、メールアカウントやSNSのログインIDとパスワード、オンラインバンキングの口座情報など、デジタル遺産に関する情報も大切です。遺族にスムーズにアカウント等を引き継いでもらえるよう、一覧表を作成しておきましょう。
メッセージ
エンディングノートの締めくくりとして、残される家族や友人に宛てたメッセージを添えておくのも良いでしょう。日ごろ感謝の気持ちを伝えられなかった人への「ありがとう」、子や孫たちへの激励の言葉、パートナーへの愛のメッセージなどを記すことで、人生の集大成としての1冊に仕上がります。
身辺整理をする
身の回りの不要品を整理、処分しましょう。残された家族にとって遺品整理は時間もお金もかかり大きな負担となります。家族の負担軽減のためにも、残すものと捨てるものに分けて不要なものは処分しましょう。
不要な物品の処分
自宅にある使っていない物や処分したい物は、少しずつ整理を進めていきます。整理の目安としては、「ここ1年使っていない物は処分」と決めても良いでしょう。
口座の整理
使わなくなった口座を放置しておくと、遺族が解約手続きなどで苦労することになります。銀行や証券会社に行って、不要な口座は解約手続きを済ませておきましょう。
パソコンやスマホのデータ整理
パソコンやスマートフォンに保存されている写真、動画、文書ファイルなども、整理の対象です。USBメモリやクラウドを活用して、必要なデータを移行、バックアップしておきます。思い出の写真は家族と一緒に見返し、アルバムにまとめるのもよいでしょう。
不要なサービスの見直し
月々の引き落としが発生している生命保険、医療保険、オンラインサービスなど加入しているものを洗い出し、不要なものは解約の手続きをしましょう。
相続について遺言を用意しておく
自宅などの不動産や金融資産の相続について、希望がある場合は遺言書を残しておくことをおすすめします。遺言書は自筆で作成する自筆証書遺言と、公証人に作成してもらう公正証書遺言の2種類があります。
また、相続税対策のひとつとして、生前贈与なども検討しておくとよいでしょう。
終活の注意点とは?
終活を行う際の注意点として、以下の3つがあります。
- 自分のペースで時間をかけて行う
- 家族や親族とも話して情報を共有しておく
- 専門家の力を借りることも検討する
以下では、それぞれについて解説します。
自分のペースで時間をかけて行う
終活に決まったルールはありません。周りと比べて焦ったり、完璧を目指したりする必要はありません。終活がストレスになってしまっては本末転倒です。自分のペースでゆっくりと取り組むことが大切です。
たとえばエンディングノートの作成も、一気に全てを書き上げようとせず、時間をかけて少しずつ書いていきましょう。項目が多いと大変に感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に向き合うことで、人生を振り返るよい機会になります。
体力や気力に合わせて、1年かけてコツコツと進めていくくらいの心づもりでよいでしょう。短期間で終わらせようとせず、自分と向き合う時間を大切にしてください。
家族や親族とも話して情報を共有しておく
終活で検討すべき事柄の中には、ご自身だけでなく、家族や親族とも話し合っておく必要があるものがあります。特に、葬儀やお墓、遺産相続などについては、方針を共有しておくことが大切です。
また、せっかくエンディングノートを書いたり、遺言書を作成したりしても、その存在を家族が知らなければ意味がありません。終活の内容は、こまめに家族と情報共有するようにしましょう。
専門家の力を借りることも検討する
相続や葬儀、お墓、介護など、終活に関連する事柄の中には、専門知識が必要で、手続きが複雑なものもあります。
特に、相続税対策や遺言書の作成、生前贈与など、法律や税金に関わることは、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
たとえば、遺言書の作成には弁護士や司法書士、行政書士などの専門家のサポートを受けられます。また、相続税の節税対策については、税理士に相談するのが良いでしょう。
葬儀やお墓については、葬儀社やお寺の住職、霊園の管理事務所などが相談に乗ってくれます。介護に関することは、地域包括支援センターやケアマネジャーに尋ねることができます。
このように、各分野の専門家に相談することで、具体的なアドバイスがもらえるだけでなく、手続きがスムーズに進められるというメリットもあります。
終活を一人で抱え込まず、上手に専門家の力を借りながら進めていくことが大切です。
頼れる家族がいない場合は終活支援サービスの利用もおすすめ
もしもの時のことを考えると、周囲に迷惑をかけたくないというのが本音ではないでしょうか。特にひとり暮らしで頼れる家族がいない方は、万が一の際の対応に不安を感じている方も多いでしょう。
そんな方におすすめなのが、信頼できる企業が提供している終活支援サービスの利用です。
クレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供している終活支援サービスだから安心
セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「ひとりのミカタ」は、ひとりでも最期まで自分らしく安心して暮らせるように第三者の視点で様々な終活支援プランを提供するサービスです。
「ひとりのミカタ」では、提携している司法書士事務所や行政書士事務所、葬儀社など各分野の専門家と連携し、終活の各段階で必要なサポートを適切に受けられるのが特徴です。
大手企業であるクレディセゾングループが運営しているので、サービスの継続性や信頼性も高く安心してサポートを任せられるでしょう。
終活を総合的にサポート
「ひとりのミカタ」では、ひとりになった時に必要な支援を幅広く提供しています。
入院時の手続き代行や身元保証人の代行、介護施設への入居手続きに加え、もしもの時の葬儀手配、入院費用の立替、死後の役所等への届出、解約手続き、遺品整理など、亡くなった後に必要な事務手続きすべてを行ってくれます。
さらに、相続手続きや遺言書作成のサポートなども受けられるので、ワンストップで終活を任せられるのが魅力です。
日々の暮らしに便利なサービスも提供
「ひとりのミカタ」では、終活に関するサポートだけでなく、シニア層の日常生活をより快適にするさまざまなサービスも提供しています。
例えば、キッチンや浴室などの掃除を行う「ハウスクリーニング」や、大切なご家族やご自身の家財を整理してくれる「生前整理・遺品整理」などを会員優待割引で利用できます。
また健康状態を見守り、緊急時には駆けつける「24時間見守り・駆けつけサービス」や看護師等の資格を持つスタッフが受け付ける「24時間電話健康相談」など、ひとり暮らしでも安心して生活を送れるようにサポートしてくれます。
人生の最後まで、自分らしく前向きに暮らすためには、いざという時の備えと共に、日々の暮らしを支えるサービスがあると心強いですよね。頼れる家族がいなくても、「ひとりのミカタ」を味方につけることで、安心して終活に取り組めるのではないでしょうか。
おわりに
終活は人生の最終章を迎える準備として、今や多くの人にとって重要な取り組みとなっています。エンディングノートの作成や身辺整理、遺言書の作成など、終活で取り組むべきことはさまざまありますが、自分のペースでゆっくりと進めることが大切です。また、頼れる家族がいない場合でも、信頼できる企業が提供する終活支援サービスを利用することで、安心して終活に取り組むことができます。最期まで自分らしい人生を送るために、今から終活について考えてみませんか。