【医師監修】血圧を下げる方法9選!血圧を下げる食材も合わせて紹介

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【医師監修】血圧を下げる方法9選!血圧を下げる食材も合わせて紹介
工藤 孝文(くどうたかふみ) 内科医

工藤 孝文(くどうたかふみ) 内科医

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、自身のクリニック:みやま市工藤内科院長として「世界一のかかりつけ医」を目指して、日々、地域医療に力を注いでいる。門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方治療・ダイエット治療など多岐にわたる。「患者さんに寄り添い、心と体を整える」をモットーに診療を行っている。日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会・・日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

「薬の服用以外で血圧を下げる方法はあるのだろうか」「血圧を下げる食べ物が知りたい」といった悩みはありませんか。高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気の原因となります。そのため、血圧が高いと不安を感じる方が多いでしょう。

そこで、このコラムでは高血圧の原因について解説します。今日からはじめられる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.高血圧とされる数値とその原因とは?

高血圧とは、慢性的に血圧が高い状態を指します。日本高血圧学会で定められている高血圧の基準は、以下のとおりです。

  • 診察室で測る血圧:最大血圧140mmHg以上または最小血圧が90mmHg以上
  • 自宅で測る血圧:最大血圧135mmHg以上または最小血圧が85mmHg以上

血圧は、環境により変動します。自宅では、リラックス状態で測定できることから5mmHg程度低い数値で診断されます。

参照元:厚生労働省:高血圧

ここからは、高血圧の原因を5つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1-1.生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れは、高血圧の原因となります。以下の生活習慣に心当たりはありませんか。

  • 外食が多い
  • 暴飲暴食
  • 運動不足
  • 睡眠不足・昼夜逆転

血圧は、内臓の機能を調整する自律神経によりコントロールされています。睡眠不足や昼夜逆転は、体内時計の乱れにより自律神経のバランスを崩す原因となるので注意が必要です。

1-2.喫煙

喫煙には、血圧を上げる作用があります。1本たばこを吸うと、血圧は約10mmHg上がり、吸い終わってから約30分間、高い状態が継続することが証明されています。また高血圧の方がたばこを吸うと、動脈硬化や心筋梗塞を発症する可能性が高くなるので、禁煙することが大切です。

「どうしても禁煙できない」という方は、禁煙外来への受診をおすすめします。離脱症状を強く感じる方は、禁煙補助薬の活用が効果的です。

1-3.病気によって引き起こされる

高血圧のほとんどは、生活習慣や遺伝により発症する「本能性高血圧」です。一方で、病気によって引き起こされる高血圧を「二次性高血圧」といいます。例えば、二次性高血圧の原因には、以下のような病気が挙げられます。

  • 原発性アルドステロン症
  • 腎血管性高血圧
  • 甲状腺機能亢進症

二次性高血圧は、生活習慣の改善で血圧を下げることができません。病気に対して、適切な治療を受けることが大切です。

1-4.ストレス

人間の身体は、ストレスを受けると自律神経の中の交感神経が刺激されます。交感神経には、血管を収縮させて血圧を上げる作用があるので、ストレスは高血圧の原因となります。日常的にストレスを感じている方は、注意しましょう。

1-5.肥満

肥満の方は、正常な体重の方と比べ、約2~3倍多く高血圧にかかるといわれています。「内臓脂肪が多いことによる血管の圧迫」や「過食による塩分の過剰摂取」が高血圧を引き起こす原因です。日本肥満学会では「BMIが25以上」の場合、肥満と定めています。BMIは[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出できます。

参照元:厚生労働省:BMI

2.高血圧と低血圧の違い

「何も症状がないけれど本当に高血圧なのだろうか」と疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか。ここでは、高血圧と低血圧の症状を紹介するので、参考にしてみてください。

2-1 .高血圧の症状

一般的に、血圧は多少高くても自覚症状はありません。ただし、あまりに高いときは、以下の症状が起きやすくなります。

  • 頭痛
  • めまい
  • 肩こり

高血圧は、自覚症状がほとんどないので、定期的に血圧を測ったり、検査を受けたりすることが大切です。

参照元:日本臨床内科医会:高血圧

2-2.低血圧の症状

WHOでは、低血圧の定義を最大血圧100mmHg以下、最小血圧60mmHg以下と定めています。低血圧の症状は、以下のとおりです。

  • 立ちくらみ
  • めまい
  • 頭痛
  • だるさ・疲労感

一般的に、低血圧には治療は必要ないといわれています。ただし、内臓の機能障害やつらい自覚症状がある方は、治療が必要な場合があります。

3.血圧の下が高いときに値を下げる方法9選

「高血圧を何とかしたい」と思っていても、下げる方法が分からず悩まれている方もいるのではないでしょうか。ここでは、血圧を下げる方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

3-1.食生活を改善する

高血圧の最大の原因となるのは、塩分の取り過ぎです。特に外食は、塩分が多いので注意が必要です。調味料やドレッシングなどは、減塩のものを使用すると良いでしょう。また、醤油の代わりに、酢やレモン汁など塩分が少ない調味料の使用もおすすめです。

近年「DASH食」という血圧を改善するための食事療法が注目されています。DASH食のポイントは2つです。

  • カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維・たんばく質を積極的に摂取する
  • コレステロール・飽和脂肪酸(ベーコンやソーセージなど)を減らす

血圧の高い方は、まず減塩を意識した食事からはじめてみましょう。

3-2.運動する

運動すると、体内の血圧を下げる物質が増加します。高血圧に効果があるのは、有酸素運動です。一方で、息切れするほどの運動やりきみが必要な運動は、血圧を上げるので避けましょう。おすすめの運動は、以下のとおりです。

  • ウォーキング
  • 軽いジョギング
  • エクササイズ
  • 水泳
  • 自転車

厚生労働省では、できれば毎日、有酸素運動を30分以上続けることをおすすめしています。ただし、最大血圧180mmHg、最小血圧100mmHg以上の方は、運動自体が危険になる可能性があります。重度の高血圧の方や不整脈などの合併症を持っている方は、運動前に医師へ相談しましょう。

3-3.呼吸を深くゆっくり行う

2、3回深呼吸すると、血圧が10mmHg下がるといわれています。血圧を下げるには、できるだけ副交感神経を優位にすることが大切です。副交感神経を優位にするために、手軽にできる方法が深呼吸です。深呼吸を行うときは、鼻から大きく息を吸い込み、吐くときは時間をかけて口からゆっくりと吐き出しましょう。

3-4.良質な睡眠を取る

睡眠不足や睡眠の質が悪いと「自律神経」や「血圧をコントロールしているホルモン」のバランスが乱れて、血圧が上がります。そのため、良質な睡眠を取るよう心掛けることが大切です。「寝つきが良くない」「夜中に起きてしまう」という方は、以下の方法を取り入れてみましょう。

  • 寝る3時間前に夕飯を済ませる
  • 寝る前にスマートフォンやパソコンを見ない
  • 朝起きてすぐに太陽の光を浴びる

3-5.急激な温度変化を避ける

急激な温度の変化は、血圧の変動を招く恐れがあります。なぜなら急激に身体を冷やすと、血管が収縮して血圧が上がるからです。急激な温度変化は、身体へ大きな負担になるので避けましょう。特に冬場の浴室やトイレは、温度差が生じやすいので注意が必要です。

3-6.体重を落とす

BMIが25以上で肥満に当てはまる方は、体重を落としましょう。肥満の方が1kg減量すると、血圧は約2mmHg下がるといわれています。肥満の方は、高血圧の薬を服用しても薬が効かないケースがあるので、適正体重を維持することが大切です。ただし、急激な減量は身体に負担を掛けるため避けましょう。体重を落とすには、食生活の改善や運動がおすすめです。

3-7.家でも血圧を測る

血圧は、環境によって変動します。そのため、毎日同じ環境で測定した血圧を記録しておくことが大切です。また血圧は、時間帯によっても変動するので、朝晩の2回測ると良いでしょう。スマホアプリで管理できる血圧手帳や、無料でダウンロードできる血圧記録表があるので、利用してみるのもおすすめです。

3-8.マッサージやツボ押しを行う

血圧は、緊張や興奮したときなど交感神経が優位になると上がります。マッサージやツボ押しで、副交感神経を優位にし身体をリラックス状態にすると、血圧は下がりやすくなります。血圧を下げるには「合谷」というツボ押しがおすすめです。

合谷

ツボ押しは、以下の手順で行います。

  1. 5秒かけて息を吐きながらゆっくり力を加える
  2. 5秒かけて息を吸いながらゆっくり離す
  3. 3回ほど繰り返す

「朝起きて血圧が高いと感じるとき」や「イライラしたとき」は、一時的に血圧を下げる効果のあるツボ押しを試してみましょう。

3-9.薬を服用する

高血圧は、薬を服用することでコントロールできます。「検診で血圧が高いといわれたけれど、どこに受診したら良いか分からない」と悩まれている方は、内科もしくは循環器科へ受診しましょう。

日々ご自宅で血圧を測定している方は、数値を伝えることで、より正確な診断が受けられます。

4.血圧を下げる食べ物9選

「食生活を改善したいけれど何を食べて良いのか分からない」と悩まれる方もいるのではないでしょうか。ここでは、血圧を下げる食べ物を9つ紹介するので、ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。

4-1.カリウムを含む食材

カリウムには、ナトリウムの排泄を促し血圧を下げる作用があります。カリウムを含む食材は、以下のとおりです。

  • バナナ
  • アーモンド
  • アボカド
  • 小松菜
  • 里芋
  • しめじ・えのき・エリンギ

カリウムは、水に溶けてしまう性質があるので、スープにして汁ごと摂取すると良いでしょう。ただし、腎臓病の方は、カリウムの摂取制限があるので注意が必要です。

4-2.マグネシウムを含む食材

マグネシウムには、血管を拡張させて血圧を下げる効果が期待できます。マグネシウムを含む食材は、以下のとおりです。

  • アーモンド
  • ごま
  • ほうれん草
  • ひじき
  • 昆布・わかめ

英国のエジンバラ大学の研究で、マグネシウムには体内時計を調整する効果があると証明されました。体内時計は、自律神経のバランスを整えるために重要な機能です。「寝つきが悪い」「朝起きられない」という方は、マグネシウムを食事に取り入れてみましょう。

4-3.食物繊維を含む食材

食物繊維には、ナトリウムを排出して、血圧の上昇を予防する作用があります。食物繊維を含む食材は、以下のとおりです。

  • 切り干し大根
  • しそ
  • モロヘイヤ
  • ごぼう
  • ブロッコリー
  • 納豆

噛み応えがあり満腹感が出やすい食材が多いので、体重を落としたい方に、おすすめの食材です。

4-4.DHAやEPAを含む食材

DHAやEPAを含む食材には、血圧の上昇を抑える作用があります。DHAやEPAを含む食材は、以下のとおりです。

  • サンマ
  • ブリ
  • サバ

EPAには、血栓を防ぎ血流をよくする効果があるので、動脈硬化の予防に効果的です。

4-5.イソフラボンを含む食材

発酵性大豆製品に含まれるイソフラボンには、血管壁の肥厚を抑制する作用があり、高血圧に効果的といわれています。国立がん研究センターの研究で、発酵性大豆製品のイソフラボンの摂取量は、高血圧の発症を低下させることが証明されました。発酵性大豆製品のイソフラボンは、納豆やみそに多く含まれています。

ただし、高血圧の方でワーファリン(抗凝固剤)を服用している方は、納豆の摂取が禁止されています。薬の作用を弱めてしまうので、控えましょう。

4-6.ポリフェノールを含む食材

カカオに含まれるポリフェノールは、血圧を下げるのに効果的です。ポリフェノールを含む飲み物には、緑茶やココアがあります。また近年、ポリフェノール含有量の高い「高カカオチョコレート」が注目されています。カロリーを抑えて、ポリフェノールが摂取できるのでおすすめです。

4-7.柑橘類

柑橘類には、クエン酸が豊富に含まれているので血液の流れが良くなり、動脈硬化を防止するといわれています。特にレモンは、クエン酸が多く含まれているのでおすすめです。レモンは、肉や魚料理で調味料代わりにもなるので減塩につながります。

ただし、高血圧の薬(カルシウム拮抗薬)を服用している方は、グレープフルーツで薬の作用が増強する危険があります。高血圧の薬を内服している方は、注意しましょう。

4-8.タウリンを含む食材

イカやタコに含まれる「タウリン」には、コレステロールを消費して血圧をコントロールする作用があります。タウリンは体内でも作り出せるといわれていますが、必要量が足りないため、積極的に食品から取り入れることをおすすめします。

4-9.ルチンを含む食材

ルチンには、血管を丈夫にして血圧上昇を防ぐ効果があります。ルチンを含む食材は、以下のとおりです。

  • そば
  • アスパラ
  • ピーマン

そばには、ルチンが多く含まれていますが、つゆに塩分が多く含まれているので食べ過ぎには注意しましょう。

生活習慣の乱れやストレスがあると、高血圧の原因となります。高血圧を放置してしまうと、脳卒中や心筋梗塞などを発症する可能性が高くなります。血圧をコントロールするには、バランスの良い食事を摂取したり、継続的に運動したりすることが大切です。血圧が慢性的に高い方や頭痛やめまいなどがある方は、万が一に備え受診することをおすすめします。