2023年が始まってしばらく時間が経っていますが、実はいまだスタートができていないような気がする、という感覚をお持ちの方はおられるでしょうか。
仕事や学校やお付き合いなどは当然新年・新学期という形でスタートはしているでしょう。でも、自分自身の活動や気持ちというところでは、12月から年末年始のバタバタとした忙しさがあけたところで少し休息モードに入ったまま、スイッチオンしていないような心持ちということもあるかもしれません。そんな方におすすめしたいのが今回ご紹介するスイートピーです。
1. 香りで身体をほぐすスイートピー
1-1.スイートピーの力で眠りから覚醒へ
2月4日は立春です。立春とは二十四節気(にじゅうしせっき)のうちのひとつのことで、春の始まりでもあり、一年の始まりとされる日です。実際にはまだまだ肌寒く、春とはいえませんが、それでも新芽が膨らんでいたり、春の花が咲き始めたりと、春の予感を充分に感じられる季節になります。
年が明けてからエンジンが掛かっていない休息モードだった方も、そろそろ腰を上げようと心も身体も無意識に活動を始めようと感じたりしている頃ではないでしょうか。また充分な眠りの後に、気持ちの良い目覚め(覚醒)を経験をしたことがある方は多いでしょう。
2月に気持ちの良い覚醒を迎え、あらためて心身の体感とともに心地良くスタートしていくために、深い眠りに誘う花スイートピーの力を借りてみましょう。
1-2.スイートピーの心理効果
ピンクや紫のスイートピーを思い浮かべてみましょう。どのような印象がありますか。花セラピー協議会による心理効果(花それぞれが持つ癒しの力)の調査では、スイートピーに「やわらかさ」「淑やかさ」「かわいらしさ」という印象を持つ方が多いということが分かっています。(※1)
スイートピーといえば、フリルのような見た目やピンクや紫のやさしい色合いが特徴的です。ピンクのスイートピーと、ラベンダー色のスイートピーを組み合わせて身近に飾ることで、心が温まり、充実感や幸福感が高まるという結果となっています。(※1)幸福感の高まりは、安眠効果にもつながります。
また色だけでなく、香りの種類も豊富です。この香りには安眠効果があるとされており、ヨーロッパではルームフレグランスとしても親しまれています。自分好みの香りを見つけて、緩やかに身体の力が抜けるとリラックスできそうです。(※2)香りの楽しみ方については、後ほどお話しますね。
※1参考文献:「あなたを輝かせる花セラピー」青山克子(著),評言社,2017
※2引用元:日比谷花壇「季節を彩る花物語」
2.新しい花活のすすめ~花セラピーとは~
スイートピーの心理効果についてお話しましたが、この章では花が私たちの心に作用する、ということをご紹介します。
2-1.花セラピーの素は花や植物のリラックス効果
花や植物に「癒し」を感じる方も多いでしょう。森林浴や森林セラピーという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。ストレスを感じたときに、「自然の多い場所で過ごしたい」と考える方も多いのではないでしょうか。花や植物によって、心身に「癒し」や「リフレッシュ」を感じる、という今まで漠然と考えられてきたことが、現在では、大学の研究機関で科学的に証明されてきています。
私たち人間は、進化の過程において何百万年という時間を自然の中で過ごしてきました。花や植物があることで癒される、というのは当然のメカニズムかもしれません。
参照元:「自然セラピー/研究紹介」千葉大学自然セラピー研究室,特任研究員/名誉教授 宮崎 良文
参考文献:「Shinrin-Yoku(森林浴): 心と体を癒す自然セラピー」宮崎 良文(著),創元社,2018
2-2.花セラピーで心をマッサージ
花セラピーとは、花と人の心を結ぶ癒しの手法です。自分の心のままに、自由にアレンジメントを作るのですが、そこには作り手の心が表れます。また花には、鮮やかで多様な色彩と個性的な形があります。そして、それぞれの花には、各々が持つ癒しの力(花から得られる心理効果)というものがあります。
花セラピーでは、その花の持つ癒しの力を活用して「心をマッサージ」することができるのです。「心をマッサージする」とは、心を解放して、本当の自分の気持ちに気付き、認める、ということです。そうすることで、心の奥深くから癒しが湧きあがり、ストレスが軽減されたり、気持ちが明るくなったりすることができるのです。
「心をマッサージ」するためには、何も大作のアレンジメントを作る必要はありません。一輪でも、自分が好きだな、気になるなと感じた花を飾って、愛でることで、あなたの心はマッサージされるのです。
花の愛で方もさまざまです。自分が好きだな、と思ったのは色なのか、形なのか、香りなのか。特に気になる1本があるのか、全体の雰囲気から何かを感じるか。愛で方も自分の心のままに、感じるままに素直に受け取っていくとより心がマッサージされるでしょう。
3.スイートピーの香りで癒される
ある日帰宅して、玄関に入った瞬間にふわっと甘くてやさしい香りに包まれるようなことがありました。その日玄関に飾っていたのは、たった数本のスイートピー。初めて買ったスイートピーにこんな素敵な香りがあったのか、と気付いてビックリしたと同時に、うっとりした思い出があります。それ以来、スイートピーの季節が待ち遠しくてなりません。
3-1.香りが特徴的なスイートピー
スイートピーには以下のような香りがあります。バラやヒヤシンスのような女性的な香り。ブドウのようなすっきりとしたフルーティな香り。柑橘系をメインにしたフレッシュグリーンのさわやかな香り。(※)
私が感じたふわっと甘くてやさしい香りは、女性的な香りの仲間に含まれるでしょう。香りは花だけではなく、なんと茎からも感じられますよ。ぜひお試しください。色と香りの組み合わせで自分の好みを探すと面白そうです。
引用元:日比谷花壇「季節を彩る花物語」
3-2.スイートピーの楽しみ方
この章の冒頭の私の思い出のように、風通しが少ない場所に飾ると一定時間後には、香りが充満して、扉を開けた瞬間にふわっと香りを感じるということができます。玄関やトイレ、洗面所といった行き来の少ない場所が香りを楽しむにはおすすめです。
スイートピーの香りには安眠効果があると考えられているため、寝室に飾るのも良いでしょう。ただし、香りが強すぎると眠りの妨げになるので、少ない本数にしたり、寝る場所に近過ぎないようにしたり、工夫をしましょう。
見た目のかわいらしさもスイートピーの大きな特徴です。スイートピーだけを複数本飾っても大きなフリルのようになって可愛らしい印象となります。色とりどりに自由に色を合わせてみるのも良いですが、癒されたいときは白や薄ピンク、明るさや元気になりたいときは濃いピンクや黄色・オレンジを中心にするのがおすすめです。
またチューリップ、ミモザ、フリージアなど春の切り花と合わせて飾ると一層お部屋が明るく華やかになりそうです。
4.お花を見に行こう!~2月が見頃の冬の花・梅編~
少しずつ春が近づいていることを感じるこの季節。関東には梅の名所がたくさんあります。奈良時代には花見といえば桜ではなく、梅だったそうです。みなさんも梅見はいかがでしょう。
4-1.偕楽園(茨城県水戸市)
日本三名園のひとつ偕楽園。100品種3,000本の梅が植えられています。偕楽園近くにある藩校弘道館には約60品種800本の梅が植えられており、併せて楽しむことができます。毎年2月中旬から3月下旬には「水戸の梅まつり」が開催されています。(水戸の梅まつりの詳細はホームページをご確認ください)
見頃 | 2月中旬~3月下旬 |
アクセス | 常磐道水戸ICより約20分 JR常磐線水戸駅よりバス約20分 バス停より徒歩約3~10分 (複数路線あり) |
公式HP | 日本三名園 偕楽園 水戸の梅まつり « 一般社団法人 水戸観光コンベンション協会 (mitokoumon.com) |
4-2.曽我梅林(神奈川県小田原市)
35,000本の白梅が咲き誇る曽我梅林。関東屈指の梅の名所です。青空と富士山をバックにした梅は必見です。2月4日~26日まで梅まつりが開催されます。(梅まつりの詳細は梅まつりホームページをご確認ください)
見頃 | 2月上旬~下旬 |
アクセス | 東名道大井松田ICより約15分 JR東海御殿場線下曽我駅より徒歩約20分 |
公式HP | 小田原梅まつり・曽我別所梅まつり観光協会公式ホームページ |
4-3.府中市郷土の森博物館(東京都府中市)
都心からほど近い郷土の森は、江戸時代から昭和初期の建物を移築・復元し展示しています。府中市の縮図と捉えた敷地内には、約120種1,300本の梅が植えられています。中には大宰府天満宮から贈られた紅白の梅も。2月4日から3月12日まで「郷土の森梅まつり」が開催されています。(郷土の森梅まつりの詳細はホームページをご確認ください)
見頃 | 2月上旬~3月中旬 (全体的な見頃は2月中旬) |
アクセス | 中央道国立府中ICより約10分 武蔵野線、南武線府中本町駅より徒歩約20分 京王線、南武線分倍河原駅より徒歩約20分 府中駅、分倍河原駅よりバスあり |
公式HP | 府中市郷土の森博物館|公益財団法人府中文化振興財団 (fuchu-cpf.or.jp) |