日頃から気を付けていても、キッチン周りは汚れがたまりやすい場所です。一言で「汚れ」といっても、その種類や原因はさまざまで、掃除の方法は異なります。
「掃除をする時間がない」「汚れがひどい」という場合は、思い切ってプロにクリーニングを依頼するのもひとつの手です。このコラムではキッチンが汚れる原因や放置することで生じるリスク、掃除の方法、プロに依頼する際のメリット・注意点についてご紹介します。
キッチンが汚れる原因は?
まずはキッチンが汚れる原因について解説します。
水アカによる汚れ
水道水に含まれるカルシウムなどが石灰化し、固まったものが水アカの正体です。水道を使った後、水分が残ったままのシンクや蛇口の周りなどに水アカが発生しやすいのはそのためです。水アカは放置するほど固まり、落ちにくくなってしまいます。
油汚れ
料理に使った油は、自分自身が思う以上に飛び散っているものです。炒めものや揚げものだけでなく、煮込み料理に少量の油を使った場合や、素材から染み出てくる油分でさえも水蒸気とともに広がります。油汚れは特にコンロや換気扇、床を中心に汚れがたまりがちです。
カビによる汚れ
肉や魚から出るドリップや、調理中に鍋やフライパンからこぼれた食材や汁なども、汚れの大きな原因の一つです。キッチンは水分が豊富で温度も高いため、放置しておくと細菌が増え、カビが発生してしまいます。
特にタイルの目地やゴムパッキンにカビが発生すると、落とすのが大変です。また、肉や魚を梱包してあるパッケージなどは必ず水洗いしてから捨てましょう。特にゴミの日まで数日ある場合は腐敗が進み、臭いの原因になってしまいます。
手垢による汚れ
キッチンは手垢が付きやすい場所でもあります。長く使っているキッチンであれば、手垢による汚れが蓄積している可能性があります。特に、キッチンの棚などの良く触れる場所は手垢が蓄積しやすいといえます。
飛び散った食べ物による汚れ
切ったり、煮たり、焼いたり、炒めたり、キッチンでは食材をさまざまな方法で調理します。調理の過程で、小さな破片だからといって放置しておくと、素材がこびりついて落としにくい汚れの原因になります。
キッチンの汚れを放置するとどうなる?
キッチンには、さまざまな要因で汚れがたまります。汚れを放置したままにすると以下のような被害につながります。
臭いの原因になる
排水口やコンロの上などに生ゴミや油汚れが付いたままだと、そこから発生する細菌やぬめりが、臭いの原因になってしまいます。
換気扇の排煙力が低下する
油汚れとホコリが混じったものが換気扇に付着すると、汚れの重みでファンの回転が悪くなり、排煙力が低下します。また、負担が大きくなるため、異音や故障の原因になることもあります。
火災の原因になる
油汚れやホコリがレンジフードにたまっていくと、汚れが何層にも積み重なって熱がこもりやすくなり、その熱が原因で発火する恐れがあります。
害虫が出やすくなる
油汚れや食材のカスなどを放置すると、それらをエサとする害虫が出やすくなります。具体的には、コバエやゴキブリといった害虫です。これらの害虫が食品に触れたり、産卵したりすると、食中毒の原因にもなりかねません。
キッチンの掃除に必要な道具と部位別の掃除方法
キッチン掃除に必要な道具と部位別の掃除方法について解説します。
キッチン掃除をする際に準備しておきたい道具
キッチン掃除を行う際には、以下の道具を準備しましょう。
・厚手のビニール手袋
手の汚れや、強力な洗剤などから手荒れを防ぎます。手袋の厚みはさまざまなので、自分自身の手の感触に合った好みのものを選ぶと良いでしょう。
・汚れを拭く布
使い終わったシンクや調理台を拭きます。乾拭きにも使えますし、水やお湯を含ませて拭くと、汚れを落としやすくなります。
・バケツ
頑固な汚れを落とすための、つけおき洗いなどに役立ちます。用途に合った大きさのものを準備しましょう。
・スポンジ・メラニンスポンジ
洗剤を含ませて使います。材質によってはキッチンに傷をつけてしまうものもあるため、掃除する箇所に応じてスポンジを使い分けましょう。
・重曹
弱アルカリ性のため、酸性のものを中和する働きがあり、油汚れや焦げの除去に適しています。水に溶かしたり、ペースト状にしたり、炭酸ナトリウムと合わせて「セスキ炭酸ソーダ」にして使ったりと、汚れの程度に合わせてさまざまな使い方ができます。
・中性洗剤
水と油を混ぜ合わせる働きを持つ「界面活性剤」が油汚れを浮かせ、汚れを取り除きます。酸性でもアルカリ性でもないため手肌や素材に優しく、軽めの汚れを落とすのに適しています。
・スプレーボトル
市販の詰め替え用洗剤や、重曹などで手作りした洗剤を入れて使います。100均でもデザイン性の高いボトルが手に入るでしょう。好みのものを揃えれば、掃除のモチベーションが高まるかもしれません。
・歯ブラシ
細かいところの掃除に便利なのが歯ブラシです。水栓の金具とシンクのつなぎ目部分や、排水口のゴミ受けなど、気になるところに使ってみましょう。
・ゴミ袋
キッチン掃除で出たゴミを入れるために必要です。ゴミを入れた後に口をしっかり縛っておけば、臭いも防止できます。また小さなパーツのつけおき洗い等にも使用でき、工夫次第で重宝します。
・ラップ
頑固な汚れを落とすとき、洗剤を含ませたキッチンペーパーにラップをかぶせてください。洗剤の乾燥を防ぎ、汚れを密着させることで、洗剤の効果アップが期待できます。
・新聞紙・キッチンペーパー
水滴や、こぼれてしまった調味料など、ちょっとした汚れを拭き取るために使います。気付いたときにさっと取り出せるよう、手の届くところに置いておくと良いでしょう。
これらの道具があれば、キッチンのあらゆる箇所の掃除ができます。キッチン全体の掃除を検討している方は、参考にしてみてください。続いて、部位別のキッチンの掃除方法について解説します。
コンロ周りの掃除
・ガスコンロ
油汚れには「セスキ炭酸ソーダ」を直接スプレーすると良いでしょう。浮いてきた汚れを布で拭き取り、水拭きで仕上げるとピカピカになります。五徳の細かい部分には、歯ブラシを使ったこすり洗いも有効です。
・魚焼きグリル
焼き網、受け皿ともに、メインの汚れは焼いた魚から落ちた油です。重曹やセスキ炭酸ソーダを溶かした水やお湯につけ込むのが効果的です。
・IH
洗剤をスプレーした布で拭き、その後、水に浸した布で汚れや洗剤を拭き取ります。汚れがひどい場合は濡らした新聞紙ではじめに拭きとるのが良いでしょう。ガラストップが傷つくのを防ぐために、重曹の使用は避けましょう。
なお、重曹の効果については以下の記事にまとめています。興味がある方はこちらの記事も合わせて確認してみてください。
参考記事:重曹を使うとキッチン掃除はどれくらい綺麗になるのか?
換気扇・レンジフードの掃除
・換気扇
プロペラファンを取り外し、つけ置き洗いをするのが有効です。フィルターには洗剤をスプレーし、浮き上がった汚れをスポンジや歯ブラシで取り除きましょう。
・レンジフード
こちらも換気扇と同様、フィルターやシロッコファンを取り外し、浸け置き洗いをするのが有効です。取り外し時に部品を無くさないように注意しましょう。
排水口・シンクの掃除
・シンク・推薦
酸性とアルカリ性の2種類の汚れが混ざり合っています。洗剤を付けたら数分置いて、水で洗い流してみましょう。それでも落ちない場合は、スポンジやブラシでこすって汚れを落としてみてましょう。
なお、シンクを傷つけないためにも、クレンザーやハイターなど塩素系の洗剤・漂白剤は少量にするか、または使わないようにしましょう。また、たわしでシンクをこすると傷の原因になります。
ラップをくしゃくしゃにして丸めた物もスポンジ代わりになるため、シンクを傷つけたくない方は試してみましょう。
・排水口・ゴミ受け
生ゴミや油汚れで、カビやぬめりが発生しやすい部位です。汚れがひどく、直接手で触るのがためらわれる場合はゴム手袋を着用したり、スプレータイプの洗剤を使ったりしましょう。細かい部分には、歯ブラシの使用もおすすめです。
電子レンジ・オーブン
耐熱容器に「水200ml」「小さじ1〜2杯の重曹」を混ぜ、ラップをせずに約6分加熱します。そのまま30〜60分ほど蒸気を充満させた後、重曹水にキッチンペーパーを浸し、電子レンジ・オーブン内の水分を拭き取りましょう。
キッチンを掃除する頻度
キッチン掃除をする頻度は、以下を参考に「毎日行うところ」「3日に1回程度行うところ」「1ヵ月に1回行うところ」に分けて行ってみるのも良いでしょう。
・毎日行うところ
日々使うシンクは、使用後すぐに掃除しましょう。水滴をさっと拭き取るだけでも効果はあります。生ゴミは臭いや雑菌、ぬめりの原因になるので放置しないようにしましょう。
・3日に1回程度行うところ
コンロの拭き掃除は3日に1回程度が理想的です。定期的に行うために「ゴミ回収日の前日」に掃除する、といったように曜日を決めておくと習慣化しやすいでしょう。
・1ヵ月に1回程度行うところ
グリルや電子レンジやオーブン、換気扇、レンジフードのフィルターの掃除は、1か月に1回ほどでも良いでしょう。もちろん汚れが気になる場合は、都度掃除をするのに越したことはありません。
キッチンクリーニングを専門会社に依頼するメリット・注意点
キッチンの汚れをキレイに取り除くには、時間がかかるだけでなく、素人が行うとレンジフードなどを故障させてしまう恐れがあります。
そのため、細部まで掃除をする場合はハウスクリーニングの専門会社に依頼するのがおすすめです。キッチンクリーニングを専門会社に依頼するメリットについて解説します。
専門会社を利用するメリット
専門会社を利用するメリットとしては以下の6つが挙げられます。
・掃除が難しい箇所もキレイにしてくれる
換気扇・レンジフードやコンロ周りなどは油汚れがたまりやすく、細部まで清掃するためには器具を分解する必要があります。プロに依頼すれば、自分自身では掃除が難しい箇所もキレイにしてくれます。
・どのようなタイプのキッチンでも対応できる
専門会社には豊富な経験とノウハウがあるため、どのようなタイプのキッチン設備にも対応できます。また、材質にあわせて最適な道具や洗剤を使い、しっかりと汚れを落としてくれます。
・日常の掃除がしやすくなる
プロの手で徹底的にクリーニングされたキッチンは、簡単な手入れを続けるだけでその効果が維持できます。
・短時間でキッチン全体をまとめてキレイにしてもらえる
専門会社に依頼することで、自分で掃除する手間が省けるうえ、短時間でキッチンがキレイになります。
・キッチン全体が清潔になり衛生面で安心して使用できる
専門会社にキッチン全体のクリーニングを依頼することで、細部まで汚れが取り除けるため、菌などの繁殖を抑えることができます。そのため、衛生面でも安心して利用できるようになります。
・嫌な臭い・ぬめりも取り除いてもらえる
素人の掃除では、キッチンの嫌な臭い・ぬめりを完全に取り除くことができないことがあります。専門会社に依頼することで、このような臭い・ぬめりも解消してもらえるでしょう。
専門会社を利用する際の注意点
専門会社を利用する際には以下のような注意点があります。メリットだけでなく注意点も把握しておきましょう。
・コストがかかる
専門会社に依頼することで、クリーニング代金のコストが発生します。時間と技術をお金で買うかの判断が求められます。
・依頼するのに手間がかかる
依頼をする手間がかかります。また、年末の大掃除の時期といった繁忙期には、希望日に対応してくれる会社が見つけにくいかもしれません。早めの手配が大切です。
・クリーニング中は在宅が必要
ほとんどの専門会社で、クリーニング中の在宅が求められます。仕事や家の用事などのスケジュール管理に気をつけましょう。
・専門会社の選び方を間違えるとトラブルにつながる恐れがある
専門会社の選び方を間違えると、「依頼した清掃ができていない」「清掃後に見積もりにはない金額を請求された」などのトラブルにつながる恐れがあります。信頼できる会社であるかどうかは、依頼前にしっかり確認しましょう。
失敗しない!ハウスクリーニング専門会社を選ぶ際のポイント
キッチンクリーニングの専門会社を選ぶ際には、以下のようなポイントに注意してみてください。これらのポイントを抑えておけば、トラブルに巻き込まれる可能性は低いでしょう。
キッチンクリーニング専門会社を選ぶポイント
・相場よりも金額が高すぎないかを確認する
専門会社のキッチンクリーニングの料金を見比べて、大体の相場を把握しましょう。あまりに、金額が高すぎる場合は、避けた方が良いでしょう。
・基本プランとオプションのサービスを確認する
一見料金が安く見えても、ほかの会社のプランに含まれているサービスが含まれていない可能性があります。基本プランに含まれるサービス内容と、オプションでどのようなサービスを追加できるのかも確認しましょう。
・土日祝日の対応が可能かどうかを確認する
専門会社によっては、休日や祝日が定休日になっている可能性があります。平日に依頼することができない方は、土日祝日でも対応できるのかどうかを確認しましょう。
・専門会社が担当している地域やエリアを確認する
専門会社が担当している地域やエリアを確認しましょう。専門会社によってはエリアが限定されており、対応できない可能性があります。
・キッチンクリーニングの所要時間を確認する
清掃スタッフによるクリーニング中は、在宅しなければならないことがほとんどです。前もって所要時間を把握しておきましょう。
・駐車場代の料金について確認する
清掃スタッフはほとんどの場合、車で移動しています。駐車場代がプランに含まれている場合と、別途請求となる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
・専門会社の実績や口コミを確認する
専門会社の清掃の品質を知るのに適しているのが、実績や口コミを確認することです。会社のWebサイトや口コミサイトを確認して、利用者がどのような評価をしているのかを確認しておきましょう。
・損害賠償制度がある専門会社かどうかを確認する
清掃中にキッチンの一部が破損したり、故障してしまった場合、損害賠償制度がある専門会社であれば、修理費用を負担してもらうことも可能です。損害賠償制度やアフターサービスの有無を確認しましょう。
・割引やキャンペーンの有無を確認する
各専門会社は、初回割引や割引キャンペーンを行っています。通常よりもお得にクリーニングを受けられるので、割引やキャンペーンがないかどうかを確認しましょう。
・複数の専門会社に見積もりをとる
複数の会社から見積もりをもらうことで相場が把握でき、サービス内容と料金のバランスに優れた会社を選ぶことができます。
料金が安すぎたり、プランの内容が不明瞭であったり、トラブルにつながりそうな会社を避けることもできるため、1社ではなく3社程度から見積もりをもらうようにしましょう。
大手と個人の違いは?
キッチンクリーニングの専門会社には、全国展開しているような大手サービスと地域に特化した個人サービスがあります。大手は、マニュアル化されているためサービスの品質が均一で安心感があるのがメリットです。
個人はサービスの品質に差があるものの、ニーズに合わせてプランを入れ替える柔軟性があるなど、大手にはない魅力があります。
どちらが良いかは一概にはいえませんが、初めての場合は、安定感のある均一なサービスを提供している大手を選ぶのが無難かもしれません。
キッチンクリーニングの作業の流れと所要時間
キッチンクリーニングを依頼した際の作業の流れとクリーニング完了までの所要時間を解説します。
キッチンクリーニングの流れ
キッチンクリーニングは、以下の流れで進行します。
・壁面を洗浄する
キッチンの壁面にこびりついた油汚れを、業務用の洗剤を使用して取り除きます。
・ガステーブル・IHを洗浄する
ガステーブルやIHについた汚れを取り除きます。
・ガステーブルの部品を洗浄
ガステーブルの部品をすべて取り外し、つけ置き洗いなどで洗浄します。
・戸棚を拭き上げる
キッチンの戸棚などについた汚れを拭き取ります。
・シンク全体を洗浄する
シンクの内部、蛇口、水栓金具、排水口のゴミ受けなどを洗浄します。
・キッチン全体の拭き上げ
ガステーブルの部品を取り付け、最後に床を含む全体を拭き上げて完了です。
キッチンクリーニングの所要時間は?
キッチンクリーニングの所要時間は、2時間半〜4時間半程度とされています。キッチンの広さや汚れ具合によって、所要時間が大きく変わるため、詳しくは見積もりの際などに確認しましょう。
ハウスクリーニング専門会社の費用相場
一般的に、「キッチン全体(壁面、ガステーブル・IH、戸棚、シンク、レンジフード)」のクリーニング料金と、魚焼きグリルや電子レンジといった、個別の「オプション」料金が設定されます。
おおよその相場は、I字型のキッチンで19,000円前後、L字型のキッチンで23,000円前後、U字型や対面型のキッチンで27,000円前後です。
なお、レンジフード(換気扇)のクリーニングは別メニューとなり、相場は20,000円前後です。キッチンとレンジフードクリーニングのお得なセットがよくあるので、どちらも気になる方は専門会社に問い合わせましょう。
キッチンのクリーニングでお困りの方は、くらしのセゾン「キッチンクリーニング」がおすすめ
くらしのセゾンの「キッチンクリーニング」は、経験豊富なプロによるキッチンクリーニングサービスです。
プランには「流し台・正面タイル壁面・ガステーブル・吊り戸棚・床面・システムキッチン収納扉表面・フードカバー・手元灯・窓ガラス内面」の清掃が含まれており、キッチン全体に対応しています。
キッチンクリーニングを専門会社に依頼したいという方は、以下のリンクよりお問い合わせください。
おわりに
キッチンは、日頃からまめに掃除を心がけたいものですよね。今回ご紹介した掃除方法を、ぜひ参考にしてみてください。
そして、仕事や子育て、介護などで掃除に手が回らない場合には、プロに依頼する選択肢を持っておくと安心です。それぞれのライフスタイルに合った方法で、キッチンを清潔に保っていきましょう。