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【医師監修】エイジングケアとは?ケアを始めるべき4つのサインやお手入れ方法を紹介

【医師監修】エイジングケアとは?ケアを始めるべき4つのサインやお手入れ方法を紹介
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

監修者
小渕 英里 富士見スキンクリニック飯田橋 院長

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。東京女子医科大学卒、同大学病院東医療センター、都内クリニック勤務を経て、2021年9月に飯田橋駅西口すぐに「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。 皮膚科専門医として患者さまの悩みやご希望をお伺いし、保険診療/美容自費治療の両面から最適な治療方法をご提案しています。

年齢を重ねるにつれて、シワやたるみなどの肌トラブルが増えていきます。肌の悩みに対処し、肌年齢を若く保つためには、エイジングケアがかかせません。しかし、エイジングケアを始めるタイミングや、効果的な肌ケアの方法が分からないとお悩みの方は、多いのではないでしょうか。

肌からのお手入れサインを敏感に察知して適切なケアを施していけば、若々しい肌を保てるでしょう。一方、肌トラブルを放置するとダメージが蓄積し、肌の老化につながる可能性があります。

そこでこのコラムでは、エイジングケアを始めるべきタイミングや肌からのお手入れサイン、エイジングケアの方法について、詳しく紹介します。ぜひ最後までお読みください。

1.エイジングケアは「年齢に応じたお手入れ」を行うこと

肌は、年齢を重ねるにつれ水分量と皮脂量が変化し、ツヤや潤いが減少します。さらに、バリア機能が低下するため、年齢に合わせて水分や油分を補うことが大切です。このように、年齢に応じて肌のお手入れを行うことを「エイジングケア」といいます。

肌のバリア機能の低下は、女性だけの問題ではありません。男性の方も年齢に応じてエイジングケアをすることで、若々しいお肌を保てます。特に、男性の場合は、以下の要因が重なり、肌トラブルを引き起こす場合があります。

  • 肌の水分量が少ないため乾燥しやすい
  • シェービングによるダメージが蓄積している
  • 皮脂の過剰分泌によってシミやニキビができる

心当たりのある方は、肌ケアを心がけると良いでしょう。「エイジングケア」とよく似た言葉に「アンチエイジング」があります。アンチエイジングは、加齢による肌の変化を元に戻すことを指します。一方、近年は「ウェルエイジング」が主流になりつつある考え方です。

「ウェルエイジング」とは、アンチエイジングのように年齢に逆らうのではなく、年相応の美しさを引き出すための肌ケアの考え方です。エイジングケアは、ウェルエイジングの立場で年齢に応じた肌の健康を目指します。

2.エイジングケアは何歳から始める?【お肌の不調を感じたタイミング】

エイジングケアを始めるタイミングは、肌の不調や老化を感じた時が1つの目安といわれています。肌の不調や老化のサインは、以下のとおりです。

  • ハリや弾力がなくなった感じがする
  • 洗顔後のつっぱり感
  • ほうれい線やシミが目立ってきた など

実は、このような肌質の変化は、10代の後半から始まっています。肌細胞の生まれ変わりの周期は、20代前半で28~30日といわれており、細胞の生まれ変わりの周期は、年齢とともに長くなる傾向があります。細胞が交代するのが遅くなると、肌トラブルが起きやすくなるのです。

そのため、20~30代前半から始める「ファーストエイジングケア」という肌ケアがあります。未来の肌を守るために、若い頃から肌を整えていくことを目的としています。つまり、エイジングケアを始めるのに、早すぎることはありません。肌の状態が気になったタイミングで、ケアを始めることをおすすめします。

これまであまりケアをしてこなかった方も、遅すぎることはありません。いろいろなやり方がありますので、自分のできる範囲のことから少しずつ取り組んでいきましょう。

3.エイジングケアを始めた方が良い4つのサイン

エイジングケアを始めるにあたり、肌からのサインに敏感になることは大切です。ここでは、お肌からのサインを具体的に紹介します。ご自身に当てはまる現象があれば、今すぐケアを始めることをおすすめします。

3-1.シワやたるみ

目元や口元は、細かいシワやたるみが現れやすい部分です。シワやたるみは、肌を支える役割があるコラーゲンが減少することで引き起こされます。コラーゲンが減少してしまう要因は、以下の二つです。

  • 紫外線やストレスによるコラーゲンの破壊
  • 血行が悪くなることによるコラーゲン生成能力の減少

なお、コラーゲン不足によって肌を下から支える機能が弱っているところに、洗顔などで外的な力を加えることもシワをつくる原因です。シワやたるみを防ぐためには、紫外線対策や血行改善を行うことをおすすめします。

3-2.黒ずみ

毛穴の黒ずみの原因は、毛穴の開きや角栓です。皮脂や角質などの老廃物が、開いた毛穴に詰まり、空気に触れて酸化されます。老廃物が酸化されて黒く変色し、黒ずみの原因となるのです。

皮脂が過剰に分泌されると、毛穴の開きにつながります。黒ずみの対策には、食事のバランスを整えて皮脂の過剰分泌を防ぐことが挙げられます。

3-3.シミ

シミの原因は、紫外線から皮膚を守るために生成されるメラニンです。黒い色素であるメラニンが、皮膚に蓄積することでシミが発生します。健康な肌であれば、約28日サイクルで細胞が入れ替わり、メラニンは古い肌細胞とともに剥がれ落ちます。

しかし、メラニンが過剰に生成されたり新陳代謝が滞ったりすると、黒い色素が肌に残りやすくなります。その結果、メラニンが肌に沈着しシミになるのです。シミを防ぐには、メラニンを生成する原因となる紫外線を浴びないようにする必要があります。

3-4.くすみ

肌がくすむと、ファンデーションの色が濃くなったり、目の下のクマが目立ってきたりするため、全体的に暗い印象を与えてしまいます。くすみの原因は、以下の3つが挙げられます。

・乾燥

白い粉をふいて、かさついている場合は、乾燥によるくすみです。肌が乾燥すると、肌表面に細かい凹凸ができ光が乱反射するため、くすんで見えます。乾燥が原因の場合は、化粧水や乳液、クリームなどを用いた保湿を心がけましょう。

・血行不良

血行が悪くなり毛細血管に十分な血液が行きわたらなくなると、肌の赤みが減少し、くすんで見える原因となります。特に、疲れや顔のむくみは、血行不良のサインの可能性が高いです。マッサージをすることで、顔の血行を改善しましょう。

・角質

古い角質が剥がれ落ちずに肌表面に蓄積してしまうと、肌がくすんで見える場合があります。年齢を重ねるにつれて肌細胞のターンオーバーの周期が遅くなると、角質が肌表面に積み重なっていきます。

結果的に肌の透明感がなくなり、くすんで見えるのです。ピーリング効果のある洗顔料を使用したり、紫外線対策をすることで、角質対策を行いましょう。

4.エイジングケアをするためのお肌のメンテナンス方法5選

肌トラブルにはさまざまなケースがありますが、適切にエイジングケアを行うことで、将来的に健康的な肌を保てます。ここでは、肌のメンテナンス方法を5つ紹介します。これからエイジングケアを始める方は、ぜひ参考にしてみてください。

4-1.保湿する

乾燥は、肌にダメージを与える主な要因です。年齢を重ねるごとに肌の保水力は低下するので、潤いを保つための肌ケアは欠かせません。乾燥が原因で、シワができたり紫外線の悪影響を受けやすくなったりします。そのため、保湿はエイジングケアの中で最重要事項といえるでしょう。

洗顔後に、保湿成分が入った化粧水で保湿することで、肌に潤いを与えます。保湿成分の例は、以下のとおりです。セラミド、ヒアルロン酸ナトリウム、スクワラン、アミノ酸類などが含まれた保湿剤を、意識的に利用すると良いでしょう。

保湿成分効果
セラミド肌表面の層に水分と油分を抱え込む
ヒアルロン酸細胞同士のクッション、水分を豊富に蓄える
コラーゲン肌に弾力を与える、水分を抱え込む
エラスチンコラーゲン繊維を束ねて支えている、肌のハリを保つ

(参照元:大正製薬|保湿成分にはどんなものがある?

4-2.紫外線から肌を守る

紫外線は、肌にダメージを与えるため対策を施す必要があります。大きく分けて「UVA」と「UVB」の2種類の紫外線があり、それぞれダメージを与える箇所は異なります。

「UVA」は、窓ガラスや雲を通過し、すぐに肌を黒くする紫外線です。肌の深い部分にダメージを与え、肌の黒化やシワの原因となります。一方「UVB」は、肌の浅い部分にダメージを与える紫外線です。「UVB」は、日差しを浴びた数時間後に、赤い炎症を引き起こします。

サングラスをつけたり日傘を差したりすることで、物理的に紫外線を浴びないように対策を打つことが大切です。なお、日焼け止めは紫外線対策に大変効果があるので、外出する際は積極的に利用しましょう。汗で日焼け止めが流れることを防ぐために、2~3時間に1回は塗り直しましょう。

4-3.マッサージ

血の巡りが滞っていると、肌に充分な栄養が行きわたらないことに加え、老廃物の排出機能が正常に働きません。そこで、マッサージを行って血行を改善することで、肌の環境を改善させることをおすすめします。マッサージする際は、摩擦によって肌を傷めないように注意しましょう。クリームを塗布することで肌表面の滑りが良くなり、ダメージを軽減できます。

4-4.肌への刺激を抑える

肌は、非常にデリケートです。そのため、洗顔や化粧水を使う際は、肌に刺激を与えないよう注意を払う必要があります。物理的な刺激は、肌のダメージに直結します。洗顔時は、以下の3つのポイントを意識することで、肌への刺激を抑えられるでしょう。

  • 洗顔料を泡立てて、泡を転がすようにして顔を洗う
  • お湯ではなく35℃前後のぬるま湯で顔を洗う
  • 化粧水や乳液は肌にしっかりとなじませる

肌をゴシゴシ擦ったり、熱いお湯で洗顔したりするのは、肌への刺激が強すぎます。なお、化粧水や乳液は、時間をかけてしっかり肌に浸透させることで、バリア機能を高められるでしょう。

4-5.バランス良く栄養をとる

肌の老化を防ぐためには、スキンケアだけでなく内側からのケアが欠かせません。バランス良く栄養をとることで、肌のバリア機能を高められるでしょう。結果的に、ターンオーバーのリズムが整い、肌の健康につながります。肌の健康に効果があるといわれている栄養素は、以下のとおりです。

栄養素働き食材
ビタミンA皮膚粘膜を正常に戻すニンジン、海藻類、レバー
ビタミンB6肌を保護する鶏肉、魚介類、にんにく
ビタミンC抗酸化作用でコラーゲンの生成を促すピーマン、キウイ、じゃがいも
亜鉛肌細胞のターンオーバーを促進するうなぎ、牡蠣
タンパク質肌細胞を構成する肉、卵、乳製品

(参照元:KOSE|乾燥肌の人が摂るべき食べ物は?

右の欄で紹介されている食材を積極的に食べることで、肌の健康に良い栄養素を摂取できるでしょう。栄養素は、バランスが大切です。そのため、まんべんなく栄養素を摂取できるような献立を立てることをおすすめします。

毎日のセルフメンテナンスもとても大切ですが、医療の力を利用するのも、お悩み解決の近道となるかもしれません。

おわりに

エイジングケアを始めるのに、遅すぎることはありません。肌トラブルが気になり始めたタイミングで、積極的に肌ケアを始めましょう。早めに取り組むことで、年を取っても若々しい肌を保つことにつながります。これからエイジングケアに取り組まれる方は、ぜひこのコラムを参考にしてみてください。

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