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加給年金とは?受け取れる条件と給付額、手続き方法を解説

加給年金とは?受け取れる条件と給付額、手続き方法を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)
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加給年金とは、家族がいる方に対して、条件を満たすことで年金に一定の金額が加算される制度です。しかし「加給年金の適用条件は?」「加給年金の手続きの手順は?」など、疑問を抱いている方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、加給年金について詳しく解説します。加給年金に必要な書類や申請時に注意することなど、まとめてチェックしていきましょう。

この記事を読んでわかること

加給年金は、老齢厚生年金における家族手当のような制度です。条件を満たしたうえで、必要な書類を集めて申請することができます。しかし、条件によっては加給年金が支給停止になる場合もあるため、しっかりとご自身の状況を理解しておく必要があります。そのため、加給年金の適用条件や給付額をあらかじめ把握しておき、老後資金に不安を感じる場合は、資産運用を検討しても良いかもしれません。いずれにしても、今回の記事を参考にご自身の条件をしっかりと把握すれば、正確な受給額を知ることができます。

加給年金とは

1.加給年金とは

まずは、加給年金がどのようなものなのか、適用の条件や給付額など、加給年金の基礎的な知識についてご紹介します。

加給年金は「年金における家族手当」

加給年金は、被保険者が65歳になった時点で扶養家族がいる場合に支給される年金制度のことです。老齢厚生年金に加算支給されるため、定年退職後に収入が減った場合にも、生活費の補填をすることができます。

加給年金は、厚生年金に適用されるため、民間の会社員や公務員などの第2号被保険者でなければ受け取ることができません。さらに、加給年金の支給を受けるには条件があるため、詳細を確認しておく必要があります。

加給年金の適用条件

加給年金の適用条件については、以下のとおりです。

<加給年金の適用条件>

  • 被保険者本人の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上であること
  • 被保険者本人が65歳に到達した後、老齢厚生年金を受給すること
  • 被保険者本人に生計を維持されている配偶者または子どもがいること

上記の条件をすべて満たしている場合には、定められた年齢制限の期間中に、対象者に応じた加給年金の金額を老齢年金に加算して受給することが可能です。

ただし、加給年金の加算を希望する場合には、届出が必要となる場合もあります。その場合は、年金相談に対応している「ねんきんダイヤル」、または最寄りの「年金事務所」に問い合わせると良いでしょう。

加給年金の給付額

加給年金の給付額について、以下の表にまとめました。加給年金の給付額は、対象者の年齢や条件によって異なるので、見ていきましょう。

<加給年金の給付額>

対象者 年齢制限 加給年金額
配偶者 65歳未満であること
※大正15年4月1日以前に生まれた配偶者には年齢制限なし
228,700円
※老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金に33,800円~168,800円を特別加算
1・2人目の子ども 18歳になる年度の末日までの間の子ども
または、1・2級の障害がある20歳未満の子ども
各228,700円  
3人目以降の子ども 18歳になる年度の末日までの間の子ども
または、1・2級の障害がある20歳未満の子ども
各76,200円

参照元: 日本年金機構

厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳を迎えた時点で、生計を維持している配偶者や子どもがいる場合に加算されます。ただし、上記の年齢制限に該当しなくなった場合や、離婚や死別などによって生計が維持されなくなった時点で、加給年金の加算は終了するので覚えておきましょう。

令和4年(2022年)4月から適用されている、配偶者加給年金額の特別加算額については、以下の表にまとめました。さっそく、詳細を確認していきましょう。

<配偶者加給年金額の特別加算額>

受給対象者の生年月日 特別加算額 加給年金+特別加算額の
合計金額
昭和9年4月2日~
昭和15年4月1日
33,800円 262,500円
昭和15年4月2日~
昭和16年4月1日
67,500円 296,200円
昭和16年4月2日~
昭和17年4月1日
101,300円 330,000円
昭和17年4月2日~
昭和18年4月1日
135,000円 363,700円
昭和18年4月2日以後 168,800円 397,500円

加給年金が支給停止になる条件

令和4年4月から、年金制度の改正によって、加給年金の支給停止になる条件が見直されました。基本的には、加給年金は配偶者が65歳に達すると支給停止になります。

または、公的年金を受け取る権利が発生した場合や、公的年金を受けているときには支給されません。改正後の加給年金の支給停止の要件は、以下のとおりです。

<加給年金の支給停止の要件>

  • 配偶者の老齢厚生年金
  • 旧厚生年金保険法、旧船員保険法の老齢年金
  • 退職共済年金(組合員期間20年以上)

※実際に受け取っていない場合でも、受け取る権利がある場合

ただし、ここから紹介する条件を満たす場合は、加給年金の支給を継続する経過措置が設けられています。

<経過措置について>

  • 令和4年3月時点で本人の老齢厚生年金か、または障害厚生年金に加給年金が支給されている場合
  • 令和4年3月時点で加給年金額の対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金などの受給権があり、その全額が支給停止されている場合

老齢厚生年金の請求をする際に、加給年金の申請を行わなかった場合などは、後から申請することもできます。その場合は「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」の用紙を使用して請求することが可能です。

振替加算とは?

ここからは、加給年金が支給停止となった場合の振替加算について見ていきましょう。

加給年金の代わりに支給される「振替加算」

2.振替加算とは?

振替加算は、配偶者が65歳になると支給停止になる加給年金の代わりに支給される制度です。ただし、振替加算を受けるには、一定の要件を満たす必要があります。また、加給年金と同様に、振替加算をされるための申請手続きが必要です。

振替加算の適用条件

対象となる妻(夫)が満65歳になり、老齢基礎年金を受給する資格を得た場合。夫(妻)が受給している年金の加給年金額の対象となっていた方のうち、以下の条件を満たしている方が、振替加算が適用されます。

  加入期間 生年月日
1 180月(15年) 昭和22年4月1日以前
2 192月(16年) 昭和22年4月2日~昭和23年4月1日
3 204月(17年) 昭和23年4月2日~昭和24年4月1日
5 216月(18年) 昭和24年4月2日~昭和25年4月1日
6 228月(19年) 昭和25年4月2日~昭和26年4月1日

振替加算給付額の算出方法

配偶者の生年月日によって、振替加算の金額は異なります。昭和61年4月1日時点で59歳以上(大正15年4月2日〜昭和2年4月1日生まれ)の場合は、配偶者加給年金額と同額の228,100円が支給されます。

それ以降は、年齢が若くなるにつれて支給額は減額する一方です。そして最終的には、昭和61年4月1日時点で20歳未満(昭和41年4月2日以後生まれ)の方は、振替加算による支給額が0円になるように定められているのが現状です。

振替加算には一部例外がある

振替加算の対象からは外れるものの、ある条件を満たせば例外的に振替加算の給付を受け取れる場合があります。加給年金額の対象者でない場合でも、65歳以降に振替加算の対象となる条件は、以下のとおりです。

<65歳以降に老齢基礎年金の受給権が発生した場合の振替加算適用条件>

1 本人の生年月日が大正15年4月2日~昭和41年4月1日まで
2 本人の老齢基礎年金の受給権が発生する前に結婚をしている
3 本人は下記いずれかに該当する年金の受給権をもっていない
※20年以上の厚生年金保険の被保険者期間を計算の基礎としている老齢厚生年金
※20年以上の共済組合の組合員期間を計算の基礎としている退職共済年金
4 本人に老齢基礎年金の受給権が発生した当時、以下の要件を満たす年金の受給権者である配偶者によって生計を維持されていた方
※老齢厚生年金(20年以上厚生年金保険の被保険者である)の受給権者
※退職共済年金(20年以上共済組合の組合員である)の受給権者
※障害厚生年金1級または2級の受給権者
※障害共済年金1級または2級の受給権者

引用元:ナビナビ保険

上記で紹介した条件に該当する可能性がある場合は、最寄りの「年金事務所」や「年金相談センター」に問いあわせると良いでしょう。

加給年金の手続き方法

加給年金の申請手続き方法について詳しく見ていきましょう。

加給年金の手続きの流れ

3-1.加給年金の手続きの流れ

加給年金の手続きについても、最寄りの「年金事務所」または「年金相談センター」で行います。加給年金の手続きの流れについては以下のとおりです。

加給年金の手続きの流れ>

  1. 加給年金の申請に必要な書類の準備
  2. 最寄りの「年金事務所」または「年金相談センター」にて申請手続きを行う
  3. 申請手続き後は、日本年金機構から加給年金の手続きのお知らせ書類が届くので受け取る
  4. お知らせ書類に同封されている「返信用はがき」に必要事項記入後に返送する

加給年金の手続きに必要な書類

加給年金の手続きに必要な書類は以下のとおりです。

<加給年金の手続きに必要な書類>

  • 老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届
  • 受給権者の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 世帯全員の住民票の写し
  • 加給年金額の対象者(子どもや配偶者)の所得証明書または非課税証明書のどちらか一方

※加算開始日より後に発行、かつ提出日の6ヵ月以内のもの

住民票や所得証明書の添付は不要の場合もあるので、手続き前に確認しましょう。

加給年金の申請時に注意すること

加給年金申請について、注意すべきことをまとめてご紹介します。

年金の繰り下げ受給をすると加給年金・振替加算が受け取れなくなる

受給できる金額をなるべく多くしたいという理由から、繰り下げ受給を検討している方も少なくないでしょう。しかし、繰り下げ受給を行うと、加給年金や振替加算の適用対象外になる場合があるので注意が必要です。

加給年金は、厚生年金の被保険者の厚生年金被保険者期間が20年以上かつ、65歳になった際に生計を担っている場合に、条件を満たしている配偶者や子どもに加算されるもの。しかし、被保険者本人が、年金の繰り下げを行っている場合は、加給年金はもらえません。

共働きだと配偶者加給年金が打ち切られる場合がある

共働きの場合は、配偶者加給年金が支給停止になるケースがあるので注意が必要です。

配偶者加給年金の要件の1つとして、“配偶者が、被用者年金20年以上の(特別支給の)厚生年金の受給権がないこと”とされています。

そのため、配偶者加給年金を受け取っている方でも、配偶者が被用者年金に加入中の場合、厚生年金+共済年金の期間が240ヵ月以上であれば、240ヵ月以上が確定した年金を受け取ることができるようになるのです。

しかし、配偶者加給年金の要件から外れ、配偶者が65歳未満であっても配偶者加給年金は打ち切られます。

配偶者の国民年金保険料納付が必要になることがある

4-3.配偶者の国民年金保険料納付が必要になることがある

年の差夫婦に多いケースですが、国民年金保険料の納付が必要になる場合があります。配偶者が65歳になるまで支給される上乗せ分の年金が、加給年金です。年の差夫婦の場合は加給年金の支給期間が長くなるので得なように感じますが、配偶者に対して年金に関する支出が発生する可能性があります。

これは、厚生年金の被保険者が65歳に到達すると、60歳未満の配偶者は年金制度の扶養に入ることができなくなるためです。扶養に入れないことで、それまでは支払う必要がなかった「国民年金保険料」を納める必要があります。そのため、加給年金が長く支給されても得にはならないのです。

配偶者が年上の場合、振替加算申請が必要になる可能性がある

配偶者加給年金対象者の配偶者が年上(65歳以上)の場合、振替加算の要件を満たしていれば申請可能です。被保険者に加給年金が加算される65歳を迎えたときに、すでに配偶者が老齢基礎年金を受け取っている場合もあります。

このような場合は、振替加算申請が必要になるため、日本年金機構から送られてくるハガキと必要な書類を年金事務所に提出しましょう。振替加算申請を行うことで、支給されるようになります。

老後資金が不安なら早めに資産運用の検討を

加給年金の支給停止規定の見直しによって、経過措置はあるものの支給条件は厳しくなっています。しかし「金融リテラシー調査2022年」のデータによると、将来の年金給付額を把握できている50代の方が4割未満であるとの結果。

そのため、年金だけでは不安…とお悩みの方は、50代から早めに自分に合った資産運用スタイルを見つけることからはじめるのも良いでしょう。

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おわりに

加給年金は、適用条件の生年月日などによって支給額も変化することが分かりました。また、加給年金が支給停止になる条件や手続き方法、振替加算などについても理解することができたでしょう。今回の記事で紹介した、加給年金の支給額を算出する方法や注意点などを参考にして、老後資金のシミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。まずは、ご自身の状況を把握することが重要です。

有価証券投資に関する重要事項(セゾン投信)
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