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認知症になる一番の原因は運動不足!?認知症予防におすすめの運動とは?

セゾンのくらし大研究 編集部

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日本の認知症高齢者の数は、2025年に700万人に達するといわれ、実に5人に1人が認知症になる計算となっています。認知症の原因はまだはっきりと解明されていませんが、運動習慣が予防につながることがわかっています。ぜひこのコラムをご参考に、運動習慣を持ち、人生100年時代を健やかに暮らすヒントにしていただけましたら幸いです。 

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運動不足は認知症になる? 

認知症の種類には、アルツハイマー型認知症、脳出血などによる血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症といったものがあります。認知症全体の7割を占めるアルツハイマー型認知症の1番の原因は、運動不足だということが、アメリカの2011年の研究でわかっています。 

また、1970年代初頭のフィンランドの研究では、週に2回以上運動していた方が、認知症になる確率が50%少なかったことがわかりました。海外だけでなく日本でも、1960年代に800人以上の高齢者を17年間追跡した調査があります。週に1回以上運動した方は、アルツハイマー型認知症になるリスクが40%低くなるという研究結果が出ました。 

さらには、生活習慣病があると認知症になるリスクが上がることが知られています。肥満、高血圧、糖尿病といった生活習慣病は、運動不足に因果関係があることは、大変有名です。 

運動すると脳にどんな良いことがあるの? 

運動をすると、血流が増すので、体や脳に効率よく酸素を送れるようになります。血流が増すと、脳内の神経伝達物質の量と、脳由来神経栄養因子(BDNF)と呼ばれるタンパク質の量を増やすことがわかっています。神経伝達物質が信号を伝えるのに対し、BDNFは脳の神経細胞(ニューロン)の成長を促しています。 

長い間、ニューロンは成長したらそのままで、年老いて死滅したニューロンは元に戻らないと思われていました。しかしながら、1990年代に、大人になってからもニューロンが増えるという研究が発表になりました。つまり、いつからでも脳は成長するということです。 

他にも、運動は「うつ病」の予防にも効果があります。運動することは、脳に刺激を与えます。運動を楽しみに生きるなど、未来への活力も出るでしょう。人と一緒に運動をすれば、交流が生まれ、さらに生き生きとしてきます。「うつ病」は認知症になるリスクのひとつになっていますので、ならないに越したことはありません。 

認知症予防におすすめの運動 

では、どういった運動がおすすめなのでしょうか。認知症予防におすすめの運動を4つご紹介します。 

有酸素運動

有酸素運動は全身の血流を良くし、脳の細胞を活性化する効果が期待できます。おすすめの有酸素運動はウォーキングや水泳、ダンス、ラジオ体操などです。週に3〜4回30分以上しましょう。 

筋トレ

どれほど有酸素運動を行っていても、筋肉と骨は歳と共に衰えます。筋肉と骨が衰えると、運動しづらくなります。筋トレは骨粗鬆症も予防できます。筋肉と骨のために、筋トレを習慣にしましょう。 

週に2回の筋トレがおすすめです。椅子に座って足をまっすぐ上げたり、料理を待つ間などにスクワット。階段の上り下りも良いでしょう。 

ストレッチ

週に2回、30分程度、ストレッチをしましょう。ストレッチで柔軟性を鍛え続ければ、腰痛やひざ痛から守られ、歳を重ねても運動を続けることができます。ヨガ、ダンス、バランスボールなどがおすすめです。 

脳の運動

体を動かしながら何かをする「デュアルタスク」いわゆる「ながら動作」は、認知症予防につながる可能性があります。2つの動作を同時にすることで運動機能と思考機能を司る前頭葉を刺激させるのです。軽度認知障害(認知症発症前の状態)まででしたら、効果が期待されています。 

足踏みしながらや、ウォーキングをしながら、「手を叩く」「クイズをする」「暗算をする」「しりとりをする」などはいかがでしょうか。 

運動と課題を組み合わせた「コグニサイズ(国立長寿医療研究センター監修)」もぜひ、参考にしてみてください。 

参考サイト:コグニサイズ

脳を使い続けているとこんなにすごいことが 

1990年代に85歳で亡くなった修道女の脳を調べた研究があります。彼女の脳はアルツハイマー病により、大半がぼろぼろになっていました。また、アルツハイマー病になりやすい遺伝子も保有していました。人格を喪失するほどの認知症になっていてもおかしくない状況でした。 

しかしながら、彼女は最後まで鋭敏な知力があったのです。晩年にも人々を導き、頭を働かせ続けたことにより、傷ついた脳を他の部分が肩代わりしたのではないかと推測されています。少し物忘れが増えてきたなどと不安になる私たちに勇気をくれる話です。 

運動は毎日しないといけない?

運動が良いのは分かったけど、毎日続けるのは無理だと思っている方に朗報です。カリフォルニア大学の研究で、毎日運動するラットと、隔日運動をするラットを比べました。毎日運動したラットは、急激に脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やしましたが、隔日のラットも1ヵ月経つ頃に追いつきました。ラットが運動をやめると、2週間でどちらのラットのBDNFも元の濃度に戻りました。 

しかし、再び運動をさせると、両方ともたったの2日間でBDNFの濃度が高レベルに戻りました。このことから、運動を毎日しても、休み休みでも、1、2週間休んだとしても、効果があるということがわかります。 

運動なんて無理だと思う方へ

そうはいっても運動は好きじゃないという方もいらっしゃるかもしれません。安心してください。遺伝的に運動をしても快楽を得られない方がいます。そういった方は、今のうちから、運動を習慣にしましょう。習慣にすれば、遺伝子の束縛を断ち切り、運動をしたくなります。習慣にしてしまえば楽に続けることができます。運動が習慣になるまでは約3ヵ月かかるといわれていますので、そのくらいの期間は続けましょう。 

また、日常生活全てのことを、運動だと思い、気軽に始めてみるのはいかがでしょうか。階段の上り下り、料理、掃除、洗濯などをする際に、体に運動をしていると思い込ませるのです。少し時間を多めに取り組んでみたり、身振りを大きくすることで、立派な運動になるのではないでしょうか。家事などをしながら脳の運動をすれば、デュアルタスクになります。何事も続かなくては意味がありませんので、楽しく取り組みましょう。 

おわりに

認知症を予防するには、運動を習慣にすることが大切です。運動を習慣にしてしまえば、まるで歯を磨くように気軽に取り組めますし、高齢になって、体が動きづらくなってから始めるよりは、楽ではないでしょうか。脳はいくつになってからも成長し続けることが分かっています。認知症を予防するために、ぜひ、今日から運動習慣を始めてみませんか。 

参考文献:脳を鍛えるには運動しかない(ジョンJ.レイティ with エリック・ヘイガーマン著)

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