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与信限度額とは何か?設定方法や知っておきたいポイントについて

与信限度額とは何か?設定方法や知っておきたいポイントについて
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

取引先の財務状況をはじめとした企業健全度を見て、いくらまで取引可能なのかを算出するのが与信限度額です。与信審査が取引の可否なら、取引可能の判断のもとで条件を付加するイメージです。

与信限度額の設定が無いと、注文や依頼を受注し、いざ納品してから「やはり支払えません」となった場合、売掛金が未回収になるほか、支払督促や弁護士費用、裁判費用もかさみます。与信限度額を理解するとともに、設定するポイントや注意点を確認していきましょう。

この記事を読んでわかること

  • 与信限度額が何か、与信調査との違いを理解できる
  • 与信限度額を設定しなかったとき、どのようなリスクが生じるかが分かる
  • 与信限度額を算出する計算方法を共有する
  • 与信限度額は社内のどの部署で取り組むべきかを理解する・与信限度額を設定する際のポイントを理解する

与信にまつわる基礎知識

与信にまつわる基礎知識

与信限度額とは取引の前に自社で設定する、「この企業からいくらまで受注・発注取引をしても問題ないか」という基準です。受注をしても対価を先方から支払って貰えなかったり、発注をしても相応の業務を提供して貰えなかったりという事態は、自社にとって大きなリスクになります。

与信限度額の設定においては、条件付きで増額をしたり、設定期間を設けるなど、柔軟に対応する部分も見受けられます。

そもそも与信とは?

そもそも与信とは、取引先の経営状況を見極めて、どの程度まで取引して良いかをチェックし、信用を与えることです。信用を与えるとは相手が支払能力があることと同意語であり、発生した取引進行を了承することです。

取引前に相手側について調査する段階を与信調査といいますが、与信限度額は与信調査の結果、金額設定という条件付き認可の際に必要となる調査といえるでしょう。

与信限度額について

与信限度額は取引先ごとに設定します。取引先ごとに財務状況が異なるため、売掛金や受取手形などの許容できる債権も変わります。

万が一の差押対象となる資産の有無も確認しながら、設定する上限額が与信限度額です。与信調査が企業全体の信頼度であるのに対し、与信限度額はタイミングごとの財務状況がメインのため、調査ごとに上限額が変わるのもひとつの特徴です。

与信管理を行う理由

なぜ与信限度額の設定が必要なのでしょうか。与信管理をすることで、取引先が倒産して債権回収ができなくなるというリスクを予防することができます。取引金額が大きい場合、自社へのダメージが大きくなることが考えられます。

万が一の場合、売掛金が回収できないことにより連鎖倒産のリスクもゼロではありません。また売掛金の回収は支払督促、裁判の提起、弁護士への依頼から裁判期日の対応に至るまで、訴える原告にとっても大きな負荷がかかるものです。

このリスクを予防するという視点からも、与信管理を行う必要性があります。

与信限度額の計算方法とは?

与信限度額の計算方法とは?

与信限度額の設定方法と、金額の計算方法についてみていきましょう。与信限度額の設定においては、財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の分析が欠かせません。具体的には損益計算書(PL)の売上高・売掛金と、貸借対照表(BS)の純資産が分析の対象となります。

取引先の純資産を基準にする

取引先の純資産を基準にして決める正味財産分割法があります。純資産とは賃借対照表に記載される項目で総資産から他人資本である負債を控除し、純資産を算出します。

正味財産分割法は、取引先の上限額を純資産とする方法です。純資産を超えた取引は先方の支払能力を超過したものと判断する可能性が高く、企業規模によっては他の基準を利用することもあります。

取引先の月間売上高から算出する

取引の上限額を月商の1割以下とする、月商1割法という与信限度額の設定方法があります。年1回の決算から時間が経過している場合、必ずしも純資産がリアルタイムの財務状況を示すとは限りません。

一方、売上からの与信限度額の算出であれば常に推移するため、相手の最新の支払能力を反映することが可能です。当然売上高の全てが企業に残っているお金ではなく、さまざまな支払いがあることを考慮して、売上の1割を支払い上限額とします。

なお、1割は単純に基準値であり、自社の状況によって柔軟さを持たせることも可能です。ただし、売上高は業種・業態での違いがあるので全ての業種で適用できるとは限りません。

取引の継続状況から算出する

前項の与信限度額を純資産から算出する場合も、売上高から算出する場合もそれぞれメリットとデメリットがあります。

そこで段階的増枠法という手法があります。この方法はまず最初の与信限度額は低額にしておき、取引が継続する場合に段階的に増額や減額をするという方法です。

メリットは常にリアルタイムの与信限度額を確認できる一方、限度額の算出に時間がかかるため、迅速さに欠ける面もあります。

同業他社と比較して算出する

ここまでは対象となる1社の財務諸表などを見て分析する手法ですが、この他に同業企業比較法という手法があります。

その名のとおり、同業他社のなかで標準的企業を選び、その企業と比較し限度額を決める方法です。与信限度額設定をする企業自体の分析をするわけではないので、当然ながら精緻さに欠けるのがデメリットである一方、同業社の与信限度額も踏まえたうえで対象企業の健全度を算出することができます。

与信管理も重要!どんなことをすると良い?

与信管理も重要!どんなことをすると良い?

与信限度額を設けたらそれで終わりではありません。与信限度額は日々変化します。与信管理はスポットではなく、継続的に取り組む必要があります。

与信調査を行う

まずは始点として与信調査を行います。営業部署や企画部署から取引開始において与信調査の依頼が入る場合と、管理部門にて与信調査が必要と判断されるケースがあります。与信調査の結果、与信限度額が設定される場合は根拠にもとづき設定し、営業部門に戻されます。

内部調査の実施

与信調査はまず自社で蓄積した情報を調べる、営業担当・企画担当へのヒアリングから、信用情報を客観的に判断することが大切です。

契約したい営業担当は「この取引先は問題無いと思う」「財務状況は一時的なもの」などと主観を入れます。本当に問題がないのか、その親を反映した与信限度額を設定するかは管理部門の判断です。一方で営業担当がせっかく取ってきた案件であれば社内のモチベーションを左右するという側面もあります。

直接調査の実施

自社で情報を集めたあとは、取引先に直接連絡して調査する段階です。訪問のほか、電話やメールで行うこともあります。この時点では前向きな関係を築いている取引先のため、関係を壊さないような工夫が必要です。

外部調査の実施

官公庁情報など取引先以外の情報元から情報を得る方法もあります。法務局で商業登記簿や不動産登記簿などの閲覧、官報の確認、WEBサイトやSNSの情報確認などです。これらは自社で進めるケースもありますが、まとめて調査会社に依頼することもできます。

依頼調査の実施

与信限度額はノウハウが蓄積していない企業が自社で行うには限界があります。企業調査を行っている調査会社に依頼し、報告書の到着を待ちます。プロフェッショナルである調査会社に依頼する場合は単純に与信限度額だけではなく、反社リスクや不自然な点といった広義での経営リスクも確認し、必要であれば手を打ちます。

数値で表せない情報を考慮する

与信のポイントは表面化している数字だけでは測れません。最前線で向き合っている、現場の担当者のみが知っているような情報も大切です。

社内の雰囲気、業界での立ち位置、経営者のビジネス能力、同業者からの評判など、実際に先方と接している担当者や担当部署だけが掴んでいる情報が、正確な与信限度額を設定する鍵になることもあります。

与信限度額を設定する際のポイント

与信限度額を設定する際のポイント

与信限度額を設定するポイントにはどのようなものがあるでしょうか。

専門の部門を設ける

管理部門が業務のひとつとして行う企業もありますが、与信管理は取引先の情報収集など地道な作業が不可欠です。また客観的に判断する能力も必要なため、与信管理専門の部署があった方が精緻な調査を展開することができます。調査会社もスポットで依頼するのではなく、継続した関係を築くことで更なるメリットが生じます。ビジネス領域として与信調査が多い企業は、専門部署を設けるようにしましょう。

各取引先の期待値をはっきりさせる

全てを平等に判断するのであれば、財務資料などを見て数値のみで判断すれば良いだけです。しかし、ビジネスではそういうわけにはいきません。

多少与信限度額を超えても、取引することで両社のステップアップが期待できるケースがあります。その一方で数値的には問題がないものの、自社として許容できないリスクが予測される場合もあります。

この判断は企業として統一した見解になるため、各部署間での調整が必要となります。担当部署では調整がつかず、役員や経営企画部の判断になる場合もあります。

現場と密に連絡を取り合う

与信限度額の設定において大切なのは、自社で各部署が話し合って結論を出すことです。営業担当がゴリ押しして後から不払いリスクが生じるのも問題ですし、汗を流して獲得した案件を管理部門が一刀両断するのも理想とはいえません。

担当者は取引先の様子や雰囲気の変化を察知しやすい立場にありますので、意見を尊重することが大切です。営業部門と与信管理部門は密に連携して自社としての結論を導いていきましょう。

万が一に備えた対策も必要!

万一に備えた対策も必要!

与信限度額の設定の際には、可能額を算出するだけではなく、実際に入金を早めるファクタリングのサービスを活用することも選択肢です。これらの審査は与信審査も含んでいるため、依頼する自社としてはメリットがあります。

セゾンファンデックスの「今スグまとめ払い」

今スグまとめ払いは先方の売掛金や請求書を審査のうえ、先に入金を実施するサービスです。併せて与信調査を行うため、依頼者としては与信管理と入金の早期化を実現することができます。万が一に備えて、活用を検討するようにしましょう。

セゾンファンデックスの「今スグまとめ払い」の詳細はこちら

おわりに 

与信限度額についてお伝えしました。限度額の算出方法は複数あり、それぞれ算出負荷も異なります。また営業寄りなのか、管理寄りなのかによって設定額や与信審査の結果可否も左右されます。与信限度額を算出することで企業にハレーションを起こさないよう意識しながら、自社としてベストの形で活用していきましょう。

【貸付条件一覧】セゾンファンデックス

【不動産担保ローン(フリーコース)】
ご融資額:100~3,000万円
ご融資年率:6.8%~9.9%(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:60回~180回/5年~15年
ご返済方式:毎月元利均等払いまたはボーナス併用払いのいずれか
遅延損害金:年率 20.00%
担保:不動産
保証:原則不要
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の1.65%以内(税込)、調査料 融資額の0.55%以内(税込)、収入印紙代相当額、登記費用(実費)、振込手数料(実費)
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【住宅ローン】【親族間売買ローン】【遺産分割ローン】
ご融資額:100万円~5億円
ご融資年率:変動金利 3.75%~5.15%※2023年7月時点(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:60回~360回/5年~30年
ご返済方式:毎月元利均等払いまたはボーナス併用払いのいずれか
遅延損害金:年率 20.00%
担保:不動産
保証:原則不要
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の1.65%以内(税込)、調査料 融資額の0.55%以内(税込)、収入印紙代相当額、登記費用(実費)、振込手数料(実費)
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【不動産投資ローン】
ご融資額:100万円~5億円
ご融資年率:変動金利 3.75%~5.15%※2023年7月時点(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:60回~360回/5年~30年
ご返済方式:毎月元利均等払いまたはボーナス併用払いのいずれか
遅延損害金:年率 20.00%
担保:不動産
保証:原則不要
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の1.65%以内(税込)、調査料 融資額の0.55%以内(税込)、収入印紙代相当額、登記費用(実費)、振込手数料(実費)
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【不動産担保ローン(リフォームコース)】
ご融資額:100万~1億円
ご融資年率:変動金利 3.75%~4.55%※2023年4月時点(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:60回~360回/5年~30年
ご返済方式:毎月元利均等払い(個人の場合ボーナス併用払い可)
遅延損害金:年率 20.00%
担保:不動産
保証:法人の場合原則代表者の保証要
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の1.65%以内(税込)、調査料 融資額の0.55%以内(税込)、収入印紙代相当額、登記費用(実費)、振込手数料(実費)
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【事業者用不動産担保ローン】
ご融資額:100万円~5億円
ご融資年率:変動金利 2.75%~4.55%※2023年4月時点・固定金利4.5%~9.9%(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:60回~300回/5年~25年
ご返済方式:毎月元利均等払い
遅延損害金:年率 20.00%
担保:不動産
保証:原則不要
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の1.65%以内(税込)、調査料 融資額の0.55%以内(税込)、収入印紙代相当額、登記費用(実費)、振込手数料(実費)
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【不動産売却前提ローン】
ご融資額:100万円~5億円
ご融資年率:固定金利 3.65%~9.9%(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:1回~24回/最長2年
ご返済方式:期日一括返済方式(最終返済期日までは毎月利息払い)
遅延損害金:年率 20.00%
担保:不動産
連帯保証人:原則不要
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の1.65%以内(税込)、調査料 融資額の0.55%以内(税込)、収入印紙代相当額、登記費用(実費)、振込手数料(実費)
***************************************************************
【かんたん安心カードローン】
ご融資額:1~500万円
ご融資利率:実質年率6.5%~17.8%
ご返済回数・期間:1~60回/1~60ヵ月
ご返済方式:定額リボルビング方式、1回払い
遅延損害金:年率 9.49%~20.00%
担保・保証人:不要
***************************************************************
【かんたん安心フリーローン】
ご融資額:10~300万円
ご融資利率:実質年率8.8%~17.4%
ご返済回数・期間:6~96回/6~96ヵ月
ご返済方式:元利均等返済方式
1) 毎月1回返済(ボーナス併用あり)
2) 2ヶ月に1回返済(60歳以上の方限定)
遅延損害金:年率 12.84%~20.00%
担保・保証人:不要
***************************************************************
【個人事業主専用カードローン】
ご融資額:1~500万円
ご融資利率:実質年率6.5%~17.8%
ご返済回数・期間:1回~60回・1ヵ月~60ヵ月
ご返済方式:定額リボルビング方式、 1回払い
遅延損害金:年率9.49%~20.00%
担保・保証人:不要
***************************************************************
【リフォームローン】
ご融資額:30~500万円
ご融資利率:実質年率3.8%~10.9%
ご返済回数・期間:6回~96回・6ヵ月~96ヵ月
ご返済方式:毎月元利均等払いまたはボーナス併用払いのいずれか
遅延損害金:年率5.54%~15.91%
担保・保証人:不要
***************************************************************
【POファイナンス】
ご融資額:原則300万円~5億円・電子記録債権金額の範囲内(受注金額が上限)
ご融資利率:固定金利 3.65%~9.9%(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:36回以内・3年以内
ご返済方式:期日一括返済方式
遅延損害金:年率 20.00%
担保:原則電子記録債権※ほかに担保として動産もしくは不動産を提供していただく場合があります。
連帯保証人:原則代表者個人の連帯保証
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の2.2%以内(税込)収入印紙代相当額、振込手数料(実費)
***************************************************************
【POファイナンス(補助金対応)】
ご融資額:原則300万円~5億円・電子記録債権金額の範囲内(補助金交付金額が上限)
ご融資利率:固定金利 3.65%~9.9%(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:36回以内・3年以内
ご返済方式:期日一括返済方式
遅延損害金:年率 20.00%
担保:原則電子記録債権※ほかに担保として動産もしくは不動産を提供していただく場合があります。
連帯保証人:原則代表者個人の連帯保証
契約時の諸費用:事務手数料 融資額の2.2%以内(税込)収入印紙代相当額、振込手数料(実費)
***************************************************************
【マンション管理組合ローン】
ご融資額:100万円~2億円
ご融資年率:変動金利 2.65%~3.65%※2023年4月1日現在・固定金利4.65%、5.65%、6.65%(実質年率15.0%以内)
ご返済回数・期間:12回~240回/1年~20年(1年単位)
ご返済方式:毎月元利均等払い
遅延損害金:年率 15.00%
担保:不要
連帯保証人:不要
契約時の諸費用:収入印紙代相当額、振込手数料(実費)

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