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葬儀保険ってなに?デメリット・メリットや選ぶ際のポイントを紹介

葬儀保険とは、葬儀費用に備えるための保険です。死亡後、比較的すぐに支払いが確定することから、早急に用意しなければならない葬儀費用に充てたり、お墓を買うための費用として利用したりすることができます。「生命保険とどう違う?」「デメリットが生じそうで不安」という方のために、葬儀保険の内容やデメリット・メリットについて解説します。

この記事のまとめ

このコラムでは、葬儀保険の目的や内容、生命保険や互助会との違いについて解説しています。さらに葬儀費用の相場についてもご案内しているため、葬儀保険に加入することで得られる金額と、実際の葬儀費用相場を照らし合わせることが可能です。後半では葬儀保険のデメリットやメリットを詳細に紹介し、葬儀保険を選ぶ際のポイントも掲げています。葬儀保険の利用に向いている方についても記載しているので、ご自身や家族が葬儀保険に加入すべきかどうか、しっかりと検討したうえで判断しましょう。

1.葬儀保険とは?

葬儀保険とは、被保険者の逝去後に、受取人である家族などが保険金を受け取れる保険です。多くは請求があったあとすぐに、100〜200万円程度のまとまった金額が手に入る仕組みになっています。

預貯金は契約者が亡くなると口座が凍結され、相続が確定するまでは原則としてお金を引き出すことができません。相続確定前であっても同一の金融機関から150万円までは払い戻しができる制度もありますが、相続人全員の戸籍謄本など、書類を揃えるのに苦労することがあります。

また一般的な死亡保険は500万円以上のまとまった金額が手に入ることが多いですが、請求から受け取りまで一週間以上かかることも珍しくありません。

100〜200万円という金額は保険金としては少額ですが、葬儀保険は申請から保険金受け取りまでのスピードが最短翌営業日など比較的速いため、葬儀後すぐに発生する支払いに備えることができるのが特徴です

葬儀保険は、少額短期保険業者で扱われているケースが多い保険です。少額短期保険業者とは、最大300万円(損保分野は1,000万円)までの保険金を取り扱う業者で、保険期間は1年(損保分野は2年)と短めです。

葬儀保険の他、「ペット保険」や「地震補償保険」「自転車保険」なども、少額短期保険業者が扱う保険です。「ミニ保険」などとも呼ばれています。

1-1.葬儀保険の種類

葬儀保険には、「保険金定額タイプ」と「保険料一定タイプ」の2種類があります。それぞれ詳しく解説します。

保険金定額タイプ

保険金定額タイプは、逝去後に支払われる保険金の金額が一定である保険です。「保険金100万円」の定額タイプの場合、70歳で亡くなっても、80歳で亡くなっても、支払われる金額は100万円です。

ただし、保険金は一律でも、保険料は変動します。契約年齢が高くなるほど、保険料は上がります。葬儀保険は基本的に1年更新のため、契約更新のたびに、あるいは3年ごと、5年ごとに金額がアップしていくと考えて良いでしょう。

保険料一定タイプ

保険料一定タイプは、何歳で加入しても、契約を更新しても、保険料が変わらないタイプの保険です。「保険料一律1,000円」の一定タイプの場合、70歳で加入しても、80歳で加入しても保険料は1,000円です。

ただし、保険料は変わりませんが、逝去後に受け取ることができる保険金の金額は変わります。年齢が上がるにつれて、受け取れる保険金の金額は下がっていきます。

1-2.生命保険との違いはなに?

葬儀保険と生命保険の主な違いは、「保険金額」「保険料」「加入条件」「貯蓄性」の4つです。

保険金額

葬儀保険の保険金額は、300万円までを限度とし、「100万円コース」「200万円コース」などいくつかのプランの中から選びます。

一方、生命保険の保険金額は、1,000万円から3,000万円ほどが主流であり、1億円にもなる場合もあります。また、保険金額は契約者自身が必要な金額や保険料との兼ね合いを見つつ自由に選ぶことができます。

保険料

葬儀保険の保険料は数百円から1,000円程度です。定額保険のため、保険料も抑えられています。

一方、生命保険の保険料は、年齢や受取額にもよりますが、5,000円以下になることはまれです。30,000円以上の保険料を支払う方も多くいます。

加入条件

葬儀保険の加入条件は緩く、医師の診断書が不要で簡便な自己申告をするだけというケースが大半です。「葬儀」保険という保険の性格上、年齢の上限が緩やかで、80歳代でも加入できます。

一方、生命保険は加入の際に医師の診断書が必要で、持病によっては加入できないケースもあります。また、シニアになると加入が難しくなり、加入できても保険料が割高になります。

貯蓄性

葬儀保険は掛け捨てで、1年ごとに更新する必要があります。よって貯蓄性はありません。

一方で生命保険は、掛け捨て型と貯蓄型の2タイプがあります。解約返戻金や満期保険金が受け取れる貯蓄型の生命保険に入っておくと、支払った保険料の一部や全部、あるいは実際に支払った保険料よりも大きな金額が返ってきます。

1-3.互助会との違いはなに?

互助会とは、「冠婚葬祭互助会」の略称です。会員がお金の積み立てを行うことによって、結婚式や葬儀といった冠婚葬祭の費用に備える組織で、全国に互助会の仕組みを利用した会社があります。

葬儀保険と互助会との大きな違いは、「保険か、そうではないか」にあります。葬儀保険は「保険」であり、一定の金額を保険料として支払うことによって、逝去時に契約どおりの保険金を受け取ります。

一方、互助会は「保険」ではありません。毎月の掛金を積み立てることで、逝去時に積み立てた金額に相当する葬儀サービスを受け取れます。お金ではなくサービスを受け取るという点では、「共済」とも違います。

また、葬儀保険は被保険者が亡くなった時にしか保険金が支払われませんが、互助会は「被保険者」を立てないため、特定の誰かではなく、家族みんなの葬儀に使えます。親族などに権利を譲ることも可能です。

2.葬儀費用の相場

葬儀保険を検討するに当たり、気になるのは葬儀のとき実際にかかる費用です。葬儀保険で葬儀のための費用を準備しようと考えるなら、葬儀にどれだけかかるのかを把握してから加入する必要があります。

実は、葬儀の費用相場は形式によりかなり変動します。形式ごとに、葬儀の費用相場について解説します。

2-1.一般葬

一般葬とは、親族だけでなく、縁のあった全ての方を参列対象とする葬儀形式です。故人や遺族の友人、会社関係者、近所の方たちが参列に訪れます。60〜200名程度の参列者が想定され、規模が大きいため、ここで紹介する全ての形式のうち最も高額の葬儀となります。

一般葬の平均葬儀費用は、200万円ほどです。このうち、葬儀そのものや飲食のための費用は160万円ほどで、お布施など宗教者への謝礼は、40万円ほどとみておいていいでしょう。

2-2.家族葬

家族葬とは、親族を中心とした葬儀のことです。会社関係者や近所の方など義理での参列を遠慮してもらい、親しい人たちだけで故人を見送る形式で、参列者は多くとも50名程度です。

遺族の金銭的・精神的負担が軽減されるため、最近とくに人気があります。コロナ禍により「3密」が敬遠される時代にあっては、参列者の数がさらに減少しました。

家族葬の平均葬儀費用は、120万円ほどです。葬儀や飲食の費用に80万円ほど、お布施など宗教者への謝礼に40万円ほどとみておいていいでしょう。

2-3.直葬

直葬(ちょくそう)とは、通夜や告別式を行わず、火葬だけを行う葬儀形式です。故人は病院から葬儀社等が保有する安置施設や自宅に搬送され、出棺時刻になったら火葬場へ向かいます。

宗教儀式を伴わないため宗教者への謝礼が発生せず、葬儀式場の利用料も必要ありません。最も費用のかからない葬儀形式として知られています。

直葬の平均葬儀費用は、35万円ほどです。直葬の金額は、火葬場の利用料によって大きく変動します。東京23区の民間斎場を利用する場合、火葬料は5~10万円ほどがかかります。一方、公営の火葬場の中には、自治体の構成員であれば利用料が無料のところもあります。

3.葬儀保険のデメリット

保険料が定額で済み、すぐに支払われるということで安心感のある葬儀保険ですが、デメリットも多く存在します。以下に注意しながら検討しましょう。

3-1.掛け捨ての保険である

葬儀保険の最大のデメリットが、掛け捨ての保険であることです。貯蓄性がないため、どんなに長期間の加入であっても、契約を終了してしまえば支払った保険料は戻ってきません。

また少額保険のため、保険料が安いからといって長く契約していると、支払った保険料の総額が保険金を超えてしまうこともあります。葬儀保険に加入するときは、自身の年齢と保険料、実際に支払われる保険金の金額を見比べて検討したいものです。

3-2.加入後すぐに受け取ることはできない

葬儀保険の多くに、待機期間が設けられています。葬儀保険の待機期間とは、亡くなっても保険金が受け取れない期間のことです。初年度においては、加入日から3ヵ月間を待機期間としている保険会社が目立ちます。

3-3.保険会社が倒産した場合保険金を受け取れない

葬儀保険の契約をしていた会社が倒産した場合、その後は保険金を受け取れない可能性があります。少額短期保険業者は、生命保険会社、損害保険会社が加入する契約者保護機構(セーフティーネット)の対象になっていません。

ただし、破綻した場合の損失の補填等の観点から、供託金を法務局に差し入れる義務があります。

保険料が少額のため倒産しても家計に与える影響はそれほどないかもしれませんが、被保険者の危篤時に倒産するなどといった事態になっては大変です。実績や評判を確認するなど、保険内容のみならず会社として信用できるかという視点を大事に選びましょう。

3-4.受け取る保険金は課税対象

生命保険金を相続人が受け取った場合、相続税の非課税枠が設定されています。「500万円×法定相続人の数」が、非課税限度額です。法定相続人が3人の場合は、1,500万円までが非課税で受け取れます。

一方、少額短期保険は非課税の保険に該当しません。よって、受け取った保険金は相続税の対象となります

相続税は資産ごとにかかるわけではなく、相続財産全ての価額が基礎控除額を超過したときに、超過分が相続税の課税対象となります。基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。法定相続人が3人の場合は、4,800万円までが非課税です。

葬儀保険をかける前に、自宅や車、宝飾類などの相続財産総額をざっくり概算し、相続税がかかりそうな方は心づもりをしておきましょう。

4.葬儀保険のメリット

葬儀保険には、デメリットばかりではなく、もちろんメリットもあります。他の保険などと比べてみて、「やはり葬儀保険が良いのでは」と感じるようなら検討しましょう。

4-1.高齢でも加入できる

葬儀保険は、70歳代、80歳代と高齢であっても加入できます。

高齢でも保険に入りたいと考えている方、年齢のせいで他の保険に入れなかった方には、一考の価値があるでしょう。

4-2.保険料が割安

葬儀保険は、数百円から1,000円程度で加入できます。生命保険などに加入する際、保険料の高さに悩みがちなシニアにとっては、ローコストで安心が手に入る良い保険といえます。

ただし、保険料は会社によって、またプランによって違います。200万円、300万円など、比較的高額のプランを高齢で契約すると、保険料が割高になりがちです。各葬儀保険会社のWEBサイトで無料公開している保険料計算シミュレーションを行ってから申し込むのがおすすめです。

4-3.申請後すぐに受け取れる

葬儀保険は、申請すればすぐに受け取れるのもメリットの一つです。逝去後、必要事項に漏れのない書類をすぐに契約会社へ送付すれば、最短で到着の翌営業日に支払いが完了する会社もあります。

申請から支払いまで1週間、もしかしたらそれよりもかなりかかってしまう可能性がある生命保険と比べると、遺族にとっては嬉しい保険です。

4-4.葬儀代以外でも利用可能

葬儀保険は「葬儀」という名称がついていますが、保険金の用途に制限はありません。葬儀費用の他、亡くなるまでの入院費用、遺族の当面の生活費、お墓や仏壇のための費用に使えます。

逝去後、故人の口座に利用制限がかかる中で、相続確定まで乗り切らなければならない遺族にとって、かけがえのないお金になるかもしれません。

4-5.診断書なしで加入できる

葬儀保険は、前述したように医師の診断書がなくても加入できます。健康状態は自己申告です。持病により他の保険に加入できない方にとっては大いに助けとなります。

5.葬儀保険を選ぶ際のポイント

葬儀保険を選ぶ時は、次のポイントを重視しましょう。

5-1.請求後なるべく早く保険金を受け取れる会社を選ぶ

葬儀保険は、一般的な生命保険よりも保険金請求から受け取りまでの期間が短めです。しかし、最短期間は会社によって異なります。

僧侶に渡すお布施は現金ですし、葬儀代も現金払いや振り込みが基本です。保険金を葬儀代に充てたいと考えるなら、なるべく早く現金を受け取れる会社に決めると良いでしょう。

5-2.保証内容や範囲の比較を事前に行う

複数の会社の保証内容と保証の範囲を比較して、より自分の希望に合った葬儀保険を選びましょう。ほとんどの葬儀保険は亡くなってから保険金が発生しますが、余命宣告を受けた後すぐに保険金が発生するものもあります。

まとまった金額の葬儀代を残したいと考えているのであれば、自分が希望している葬儀形式の費用相場から必要となる保険金額を割り出します。その上で保険料を算出してもらい、納得のいく保険料かどうかを検討しましょう。前述した「保険金定額タイプ」を選ぶということです。

具体的な金額の希望があるというよりも「なるべく保険料を抑えて、いざという時の安心を確保しておきたい」と考える方は「保険料一定タイプ」を選びます。家計と照らし合わせて希望の保険料を決め、同じ保険料で最も多くの保険金がもらえるところを探しましょう。

5-3.保険金発生日の確認をする

契約後の待機期間を確認してから契約しましょう。前述したように、葬儀保険の待機期間は3ヵ月としている会社が多いようですが、それ以上の期間を設けているところもありますから、注意が必要です。

待期期間とは、保障されない期間をさします。待機期間中に亡くなられた場合は、保険金が支払われません。

例えば、待期期間が契約日から3ヵ月の場合、契約日からその日を含めて3ヵ月以内に疾病により亡くなった場合は、保険金の支払い対象になりません。なお、すでに支払った保険料の返金ありませんので注意しましょう。

6.葬儀保険の利用に向いている方

以上のデメリットやメリットを踏まえると、葬儀保険に向いているのは次のような方です。

6-1.生命保険の保障内容では足りないと考えている方

これまでかけてきた生命保険の保障内容を見直してみて、「これでは自分の死後、家族のお金が足りない」「生命保険が下りる間に使えるお金がないと困りそうだ」など、保障内容に不安を感じている方は、ぜひ葬儀保険を検討してみましょう。生命保険にプラスして葬儀保険をかければ、少しの負担で不安が解消されます。

6-2.年齢や持病のせいで保険に加入できず困っている方

家族の将来を考えて保険に加入しようとしたところ、持病や年齢がネックとなって思うような保険に入れなかったという方にも、葬儀保険がおすすめです。審査内容が緩やかなので、無事保険に加入できる可能性が高くなります。

6-3.家族にできるだけ迷惑をかけたくない方

一家の大黒柱ではない専業主婦の方などの中には、「自分の死後、家族にできるだけお金の面で迷惑をかけたくない」と考えている方は多いでしょう。しかし、一般的な生命保険は家計への負担が大きすぎると感じているなら、少しの負担で葬儀代が受け取れる葬儀保険はおすすめです。

7.お葬式選びは、「セゾンの相続お葬式サポート」がおすすめ

突然の不幸で悲しみに暮れる中、すぐに納得のいく葬儀社を探すのは一苦労です。故人が亡くなると、葬儀保険の請求はもとより、さまざまな手続きに追われてしまいます。すると、さまざまな葬儀社を比較検討する心や時間の余裕がなくなってしまいがちです。

セゾンの相続・お葬式サポート」では、経験豊富な提携専門家のご紹介が可能です。葬儀に至る前の事前相談や、葬儀後のお墓、仏壇、相続まで、エンディング関連の悩みを幅広くサポートします。

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