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NISA口座変更のタイミングは年に1回?メリットやデメリット、方法を解説

NISA口座変更のタイミングは年に1回?メリットやデメリット、方法を解説

NISA口座は年単位で変更可能です。希望する年の前年10月1日から翌年9月30日までで、希望する年の1月1日以降に新規買い付けがなければ、その年に変更できます。新NISA開始に合わせて、金融機関を変更したい方もいるのではないでしょうか。

そこでこのコラムでは、NISA口座変更のタイミングや変更のメリット、デメリットについて解説します。変更手続きが分かり、スムーズに新NISAを始められるでしょう。

この記事を読んでわかること

  • NISA口座の変更は年単位で可能
  • 変更したい年の前年10月1日から翌年9月30日までで、その年に変更できる
  • ただし変更したい年の1月1日以降に新規買い付けがあると、その年には変更できない
  • 変更前と後の金融機関それぞれで手続きが必要で、完了までに2週間から3週間程度かかる

1.NISA口座は変更できる?タイミングを解説

NISA口座は変更できる?タイミングを解説

NISA口座は変更できますが、状況によっては希望する時期に変更できない可能性があります。はじめに口座変更のタイミングを解説します。計画どおりに資産形成を続けられるよう、スケジュールに注意しましょう。

1-1.NISA口座の変更は年単位で可能

NISAには「開設口座数はひとり一つ」「金融機関の変更は年単位で可能」のルールがあります。変更前と変更後の金融機関それぞれに書類を提出したり、総合口座を開設したりしなければなりません。

複数の金融機関に申し込んだ際には、手続きが早かった金融機関で口座が開設されます。マイナンバー提出の有無など、状況によって必要な手続きは異なるため、気になる証券会社や銀行があれば、WEBサイトで流れを確認しましょう。

一般NISAからつみたてNISAへの変更もできる

NISAの口座変更は「金融機関」だけではなく、「一般NISAからつみたてNISAへの変更」もあります。

現行NISAでは一般NISAとつみたてNISAを併用できないため、変更手続きが必要です。同じ金融機関内で変更する際には「区分変更」扱いとなり、金融機関を変える時には「廃止通知書」での手続きとなります。

2024年からスタートする新制度ではつみたて投資枠と成長投資枠を併用できます。併用する際には、手数料や購入金額などを間違えないよう、ノートやスマホのメモ機能に残すなど対策を考えましょう。

1-2.NISA口座の変更にはタイミングがある

NISA口座を変更したい年の前年10月1日から翌年9月30日までに手続きをすることで、希望する年に変更できます。例えば2023年に口座を変更したければ、変更期間は2022年10月1日から2023年9月30日までです。

ただし希望する年の1月1日以降に、新規買い付けをしている場合には、その年の変更はできません。上記の例では2023年1月1日以降に購入していれば、変更できるのは2023年10月1日以降で、「2024年分」からとなります。

変更したい際には希望する年を明確にし、その年は買い付けをしないよう、あらかじめスケジュールを組んでおきましょう。

2.NISA口座を変更するメリットはある?

NISA口座を変更するメリットはある?

NISAの運用に慣れてくると「もっと手数料を下げてリスクをコントロールしたい」「友人がA社でNISAを始めて、使いやすいとすすめてくる」といったこともあるのではないでしょうか。次にNISA口座を変更するメリットを解説します。

2-1.運用できる商品が変わる

NISAで購入できる商品は株式や投資信託、REIT、ETFなどがあり、取扱銘柄は金融機関によってさまざまです。

例えば銀行から証券会社に変更することで、選べる銘柄数が増えたり、手数料を下げられたりします。アセアン株など、新興国の株式にチャレンジできるかもしれません。また信託報酬が安くなると、今までよりも非課税の恩恵を受けやすくなるでしょう。

口座変更により選択肢が広がることで、「長期投資をしたい」「投資には慣れているのでスポット購入や個別株式にもチャレンジしたい」など、よりニーズに合わせた投資が可能です。口座変更時には変更先に希望する商品があるか、WEBサイトで最新情報を集めるようにしましょう。

2-2.選ぶ金融機関によっては使い勝手がよくなる

金融機関によっては、Tポイントや楽天ポイント、dポイント、Pontaポイント、Vポイントなどが貯まり、ポイントで商品を購入できるケースもあります。クレジットカードで積み立てをすることで、ポイント還元率が上がることもあります。普段使っているクレジットカードやポイントで金融機関を選ぶのもおすすめです。

またネット証券に変更することで、アプリで口座開設手続きから取引まで完結できるため、使い勝手が良いと感じることもあるでしょう。銀行であれば、対面で不明な点をすぐに質問でき、安心して投資ができるかもしれません。

運用効率を上げ、長く投資を続けるためにも、ご自身の投資経験や性格、ライフスタイルに合った方法を選択してみましょう。

2-3.口座開設キャンペーンがあることも

金融機関によっては、「もれなくポイントプレゼント」や「一定期間の手数料が無料」「現金プレゼント」といった口座開設キャンペーンを開催しています。ポイントサイト独自のキャンペーンもあります。

候補の金融機関が複数ある時には、キャンペーンの内容で決めて良いかもしれません。

キャンペーンの条件は細かく定められている場合があるため、最新情報をWEBサイトでチェックしましょう。

3.NISA口座を変更するデメリットは?

NISA口座を変更するデメリットは?

NISA口座の変更では「前の口座の商品を移管できない」「ロールオーバーができなくなる」「手続きに時間がかかる」といった注意点があります。何度も変更することのないよう、デメリットをしっかりと把握することが大切です。状況によっては口座変更をしない方が良いこともあるため、慎重に判断しましょう。

3-1.NISA口座で保有する商品を移管できない

変更前の口座にある株式や投資信託などは変更後のNISA口座に移動できません。前の口座で保有し続けると、2つの口座を管理しなければならず、大変に感じる方もいるでしょう。また変更してしまうと、前の口座では新規買い付けができなくなります。

前の口座の商品は非課税期間内で保有し続けるか、売却するか、対策を考えておくことが大切です。非課税保有期間は一般NISAで5年、つみたてNISAで20年となります。

また2つの口座のログイン・取引時のID・パスワード、投資金額、手数料など、すぐに分かるように一つにまとめておきましょう。

3-2.NISA口座で保有する商品をロールオーバーできない

非課税期間を延長できるロールオーバーの仕組みは同じ金融機関内でしか利用できません。ロールオーバーの仕組みは一般NISAとジュニアNISAのみにあります。ロールオーバーができないと、非課税期間が短くなり、手元に残る金額が少なくなってしまいます。

なお2024年からスタートする新制度では非課税保有期間が無期限となるため、ロールオーバーの仕組みはありません。混同しないようにしましょう。

3-3.手続きに時間がかかる

口座変更手続きには約2週間から3週間かかります。変更前の金融機関から「金融商品取引業者等変更届出書」を取り寄せ、変更後の金融機関に「非課税管理勘定廃止通知書」を返送するといった作業が必要です。仕事や育児で忙しい方であれば、スムーズに手続きを進められないかもしれません。

手続きに時間がかかってしまうと、売買のタイミングを逃す可能性があります。購入したい商品がある場合には、口座変更のタイミングに注意しましょう。

4.NISA口座を変更したい!流れを解説 

NISA口座を変更したい!流れを解説

NISA口座変更の流れは以下のとおりです。

  • 変更前の金融機関に変更の申し込みをする
  • 変更後の金融機関に開設書類を提出する

詳しくは各金融機関に問い合わせることをおすすめします。

4-1.変更前の金融機関に変更申し込みする

変更前の金融機関での流れは以下のとおりです。

  • 口座変更を申請する
  • 「金融商品取引業者等変更届出書」を受け取る
  • 必要書類とともに「金融商品取引業者等変更届出書」を返送する

はじめに現在の金融機関に、口座変更手続きを申請します。金融機関から「金融商品取引業者等変更届出書」が送られてきたら、氏名や住所、生年月日などを記入し、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類とともに、現在の金融機関に返送しましょう。

その後、現在の金融機関から「非課税管理勘定廃止通知書」が届きます。「非課税管理勘定廃止通知書」にはご自身の氏名や生年月日、廃止通知書の作成日などが記載されており、必要事項を記入する必要はありません。「非課税管理勘定廃止通知書」は変更後の金融機関に提出しなければならないため、大事に取っておきましょう。

4-2.変更する金融機関に開設書類を提出

次に変更したい金融機関でNISA口座の開設手続きをします。流れは以下のとおりです。

  • NISA口座の開設を申請する
  • 「非課税口座開設届出書」を受け取る
  • 「非課税管理勘定廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を返送する

はじめに金融機関のWEBサイトからNISA口座の開設を申請しましょう。総合口座を開設してない場合には併せて開設手続きをします。しばらくすると変更後の金融機関から「非課税口座開設届出書」が送られてきますので、氏名や住所、生年月日などを記入しましょう。そして前の金融機関から送られてきた「非課税管理勘定廃止通知書」と一緒に、本人確認書類と併せて返送します。

その後税務署と金融機関で審査に入り、開設手続きが完了したらメールなどでお知らせが届きます。

おわりに 

NISA口座の変更は年単位で可能で、希望する年の前年10月1日から翌年9月30日までで、その年の1月1日以降に新規買い付けがなければできます。前の金融機関と変更したい金融機関の両方で手続きが必要です。変更には2週間から3週間程度かかることもあるため、計画的に進めましょう。

口座変更には「選べる商品が多くなる」「手数料が安くなる」といったメリットもあります。一方で「保有商品を移管できない」「ロールオーバーができなくなる」といったデメリットもあります。両者を比較した上で、口座の変更を検討しましょう。

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