シロアリによって床がきしむ、柱がかじられているなどの症状を見つけたら、これ以上の被害が出る前に専門会社に依頼して駆除してもらうのが最善です。「でも費用はいくらかかるの」とシロアリ駆除に必要な費用について不安な方もいるでしょう。
そこでこのコラムでは、シロアリ駆除をするにはどのくらいの費用がかかるのかについて解説していきます。シロアリ駆除を専門会社に依頼しようとしている方はぜひ参考にしてください。
シロアリ駆除にかかる坪数別の費用相場
シロアリは被害に遭うととても厄介です。専門会社に駆除してもらおうと、依頼を検討している方も多いでしょう。では、駆除費用の相場はどのくらいなのでしょうか。シロアリ駆除に掛かる費用は一般的に、坪数または平米の単価で表されます。いくつかの専門会社の値段から、シロアリ駆除の相場を算出してみましょう。
以上の表から平均値を算出すると、シロアリ駆除にかかる費用の相場は1平方メートル当たり2,000円程度で、1坪にすると約6,620円であることがわかります。これを基準にすると、一般的な一軒家は20~30坪であるため約132,400~198,600円がかかると予想しておくのが良いでしょう。
また、専門会社によっては最低施工坪数が設定されており、施工してほしい広さが15坪だったとしても最低施工坪数が20坪であれば20坪分の料金がかかるといった場合もあります。
専門会社別!シロアリ駆除費用の違い
シロアリ駆除に掛かる費用の相場は前述したとおりですが、専門会社によってかかる費用が異なります。以下では、専門会社別のシロアリ駆除費用についてそれぞれご紹介します。
大手上場企業・JA(農協)系
大手上場企業やJA(農協)系のシロアリ駆除に掛かる費用は、1平方メートル当たり約3,000円からであり、1坪に換算すると10,000円ほどです。
大手上場企業は事業規模が大きい分、信頼できますが、人件費や宣伝費などが大きくかかっているため、一般的なシロアリ駆除の相場よりも少々高めの価格帯となっています。JA(農協)系は、紹介手数料をJAに支払っていることから相場を超えた金額となっているのでしょう。
地域密着型中規模事業者
地域密着型中規模事業者はそれぞれの地域で、地元に根ざした独自ブランドを展開している古くからの専門会社です。
1平方メートル当たり1,666~2,970円ほどで、1坪に換算すると5,500~9,900円ほどで利用できます。地域密着型中規模事業者は、大手企業のように一律の価格設定ではなく、お客様の被害状況に応じて臨機応変に価格帯を見積もる専門会社が多いのが特徴です。
ホームセンター
ホームセンターにシロアリ駆除を依頼した場合、1平方メートル当たり約1,100円からであり1坪に換算すると約3,300円からとなります。相場や上記でご紹介した大手上場企業・地域密着型中規模事業者よりも割安となっており、WEBサイトやチラシなどで宣伝されているのを見たことのある方もいるでしょう。
しかし、このような専門会社は施工申し込みの受付や宣伝のみを行っており、実際の施工は他の小規模事業者に委託しているケースが多いのです。ホームセンターなどの専門会社は多種多様な小規模会社に施工を振り分けるため、統一された施工ルールや工事基準、資格や技術、保証などが確かなものでなく注意が必要な時もあります。
インターネット集客型
インターネット集客型も上記のホームセンターのように、施工は委託した専門会社が行うのが一般的です。安い価格帯でシロアリ駆除ができますが、施工する請負会社をご自身で選べないのがデメリットといえるでしょう。
個人経営型
個人経営型では、1平方メートル当たり約800~1,100円、1坪だと約2,600~9,000円でシロアリ駆除が可能です。個人経営のため比較的安い価格でシロアリ駆除を依頼できる点がメリットですが、工事品質に関しては先程のホームセンターやインターネット集客型以上に不安が残ります。
個人経営型は仲介サイトなどに登録して集客しているので、先程のホームセンターやインターネット集客型のように技術や工事基準が明確化されていない場合もあるのです。
以前からシロアリ駆除をしていたプロが経営する専門会社なら心配ありませんが、未経験者が経営している事業所もあるため注意しましょう。
シロアリ駆除の費用が高い理由
シロアリ駆除にかかる費用をお伝えしてきました。ではなぜこのように、シロアリ駆除には多額の費用が必要なのでしょうか。その理由を以下で解説していきます。
作業が過酷だから
シロアリ駆除に多額の費用がかかるのは、作業の過酷さ関係しています。シロアリを駆除するにはまず、シロアリの居場所を突き止めなければなりません。
薄暗い床下などに潜り込み、ほふく前進などの辛い体勢で1ヵ所ずつ探していきます。シロアリの居場所を突き止めたら、ようやく駆除作業の始まり。シロアリが発生している場所に1ヵ所ずつ大量の薬剤をムラなくまいていきます。
このとき使用する大量の薬剤も、シロアリ駆除にお金がかかる理由のひとつです。また、家の構造上などの理由でどうしても床下に入れない場合は、床の上から穴を開けて薬剤を流し込むケースもあります。このような場合は開けた穴の補修まで行って作業が完了となります。これらの流れを、慣れている専門会社が行っても5~6時間ほどかかるため、シロアリ駆除には多額の費用がかかるのです。
修繕費がかかる場合があるから
シロアリ駆除に多額の費用がかかる2つ目の理由として「修繕費がかかる場合があるから」ということが挙げられます。シロアリ被害が深刻化してしまった家では柱や壁、床、畳などを新調しないといけない場合があり、大規模な修繕になると100万円を超える修繕費がかかるケースもあるのです。
例えば、柱を丸々1本取り替える場合、シロアリ駆除の専門会社ではなく工務店やハウスメーカーなどに依頼することになるでしょう。そのようなケースも考えて、新築の家を建てた時に依頼した専門会社や他の工務店など依頼できるところを挙げておくのがおすすめです。
シロアリ駆除の費用が変動するポイント
これまで、シロアリ駆除にかかる大体の相場や専門会社別にかかる費用をお伝えしてきましたが、被害の程度や建物の構造、駆除の工法などによっては掛かる費用が変動する場合があります。以下で詳しく見ていきましょう。
被害の程度
被害の程度が深刻になればなるほど、かかる費用も多額になっていきます。なぜなら、シロアリの被害が大きくなることによって柱の交換や大規模工事が必要になり、材料費や廃材処分費などが別途でかかる場合があるからです。
専門会社に施工をお願いする前に必ず見積もりを出してもらい、多額の費用がかかる場合もあることを念頭に置いておきましょう。
建物の構造
建物の構造によっても、シロアリ駆除にかかる費用が変動します。例えば、床下に入り込めるほどの高さがあるのか、建物が木造なのか鉄骨なのかなどによってもシロアリ駆除の費用が変動する場合があるのです。
駆除の工法
シロアリ駆除にかかる費用は、駆除の工法によっても変わります。シロアリ駆除に使われる主な工法2つについて以下で解説していきましょう。
バリア工法
バリア工法とは、液体の薬剤を散布してシロアリを駆除する最もスタンダードな方法です。費用は1坪当たり5,000~8,000円ほどで、即効性があり費用が安いことがメリットといえるでしょう。デメリットは作業中の悪臭と、壁や床に穴を開ける場合もあることです。
ベイト工法
ベイト工法とは、毒エサを用いて巣からシロアリを根絶する方法です。費用はバリア工法よりも少々上がり、1坪当たり6,000~10,000円ほど。ベイト工法は初期費用だけでなく、管理費用が必要なことにも注意しましょう。
ただし、人や環境に配慮した優しい薬剤の使用と臭いの少なさがメリットといえます。一方で、即効性はなく、完全に駆除できるまでは時間がかかることがデメリットです。
シロアリの種類
日本のシロアリ被害は主に、ヤマトシロアリとイエシロアリによるものです。これらのシロアリ被害の駆除方法はすでに確立されているため、予想を大きく上回るような多額の費用がかかる場合は少ないでしょう。
しかし、家の被害がアメリカカンザイシロアリによるものだった場合は、当初の予算を大きく上回ってしまう可能性があります。アメリカカンザイシロアリは、集団の規模が大きく完全な駆除が難しいうえに被害にあっている場所の特定が難しく、何度も駆除しなければならないケースもあるからです。
点検口の有無
シロアリ駆除の作業をする際は床下に潜って作業するのが基本です。そのため、床下に入り込むスペースがない場合やひとつの点検口から床下すべてを見渡せない場合は、点検口の新設や拡張が必要になります。その結果、点検口の有無によってもシロアリ駆除の価格が変動してしまうのです。
その他
シロアリの駆除は半日~1日程度かかります。家の敷地内に車を停めるスペースがない場合は、コインパーキング代金が別途で必要になる場合もあります。さらに、休日に依頼する場合や遠方の専門会社に駆除を依頼する場合は、別途で休日料金や出張費用がかかるケースもあるでしょう。予想外の出費とならないように、依頼する専門会社へあらかじめ問い合わせておくのがおすすめです。
シロアリ駆除を依頼する際にチェックする点
シロアリ駆除を専門会社に依頼する際は、できるなら安く済ませたいものですが、技術や保証に関して信頼できない専門会社を選んでしまっては二度手間のリスクもあります。そうならないためにも以下では、シロアリ駆除を依頼する際にチェックする点についてご紹介します。
日本しろあり対策協会の会員であるかどうか
シロアリ駆除を依頼する際は、その専門会社が「日本しろあり対策協会」の会員であるかどうかチェックしましょう。
日本しろあり対策協会とは、国土交通省の許可を得て作られたシロアリ駆除の団体です。日本しろあり対策協会は登録した会員に対して講習会や検定などを実施しており、専門的かつ技術レベルの高い会員の育成に努めています。
そのため、日本しろあり対策協会の会員であればある程度の技術があり、安心して任せられるということです。
追加費用や別途費用
シロアリ駆除を依頼する際は、追加費用や別途費用などについてもあらかじめ確認しておきましょう。シロアリ駆除の作業後、清掃代や消毒費などを追加で請求する専門会社もあります。さらに、前述したように駐車料金や移動経費などが別途でかかる場合もあるのです。
事前調査の正確性
事前調査の正確性も、シロアリ駆除を依頼する際にチェックしておきたい項目のひとつといえます。薄利多売型経営の場合は1日に何件も仕事を入れるため、見積もりなどを出す事前調査が疎かになりがち。時間をかけられないので床下にも潜らずに見積もりを出すケースもあります。
そのような専門会社の場合は隠れている被害を見落としやすく、施工が終わっても再発のリスクを高めてしまうのです。リスクを減らすためにも、事前調査が念入りに行われているかチェックしておきましょう。
工事後作業報告書の有無
工事が無事終わっても何の報告もなければ、依頼した側として安心できないでしょう。特に見えない床下が被害を受けやすいシロアリ駆除の場合は、文章や写真での報告がないと心配です。シロアリ駆除を依頼する際は、工事後作業報告書を提出してくれる専門会社かどうかも確認しておきましょう。
保証の有無や内容
専門会社にシロアリ駆除を依頼する際は、保証の有無や内容についても念入りなチェックをしておかなければなりません。保証があっても実際に履行されない場合や、施工後に閉業し保証してもらえないなどのケースはよくあります。
さらに、施工後の点検がなく、再発した場合に早期発見がされない場合もあるのです。そのような場合は被害が拡大し手遅れになるうえに、すべて自己負担になってしまうでしょう。これらを回避するために、保証の有無や内容についてもきちんと確認しておくことが大切です。
シロアリ駆除をお得に行うポイント
シロアリ駆除に関して、品質を落とさず低価格で依頼したいと思う方は多いでしょう。そのような方におすすめの、シロアリ駆除をお得に行うポイントをご紹介します。
直接プロに依頼する
シロアリ駆除をお得に行うには、仲介会社を介さず直接プロに依頼するのがポイントです。シロアリ駆除に限ったことではありませんが、仲介会社を介すと手数料がかかってしまいます。その分見積もりも高くなるため、少しでも費用を抑えてお得にシロアリ駆除を依頼したい場合は、直接プロに依頼しましょう。
確定申告時に雑損控除を申請する
シロアリ駆除には補助金などがありませんが、確定申告時に雑損控除を申請するのがおすすめです。雑損控除とは所得税控除のひとつで、申告し認められればシロアリ駆除に掛かった費用の一部が返金されます。その際に領収書が必要になるので、雑損控除の申告を検討している方は捨てずに取っておきましょう。
くらしのセゾンの害虫駆除を利用する
くらしのセゾンが提供する「害虫駆除」は、ご家庭のシロアリ、ゴキブリ、ハチ、ムカデ、ヤスデなどの害虫、ネズミやハトをはじめとした害獣の駆除サービスです。施工場所は「床下」、「天井裏」など、日常で目にしない箇所が多いため「わかりやすい説明」を心掛けております。また、使用する薬剤は人と環境に配慮した安全性の高い低臭性の製品を使用するため安心してご利用いただけます。ご要望に合わせて防止策もご提案しますので、お気軽にご相談ください。
ご自身でシロアリ駆除をする場合
ここまでは専門会社に依頼した場合のシロアリ駆除について解説してきましたが、ご自身で駆除する場合はどうしたら良いのでしょうか。以下では、ご自身でシロアリを駆除する場合に必要な道具と方法をご紹介します。
必要な道具
ご自身でシロアリを駆除する際に必要な道具は以下のとおりです。
- ベイト工法用薬剤
- 噴射器
- 作業用ツナギ
- 保護ゴーグル
- 防毒マスク
上記の道具以外にも、薬剤を充満させないためのファンや穴を開けるドリルなどが必要になる場合もあります。
シロアリ駆除方法
ご自身でシロアリ駆除をする際におすすめの工法は、毒エサを用いたベイト工法です。かかる費用はバリア工法の半分以下で済む場合もあり、身体に負担がかかりにくいのがおすすめの理由です。
シロアリ駆除に関するQ&A
最後に、シロアリ駆除に関するQ&Aをご紹介します。
シロアリ駆除に100万円は高い?
シロアリ駆除に100万円は高いといえるでしょう。冒頭でも述べたように、一般的な大きさの一軒家であれば20万円以下で施工できる場合が多いからです。ただし、100坪以上ある建物を施工する場合や高額になるテクノガード工法という施工をする場合は100万円を超えてしまう場合もあるでしょう。
シロアリ駆除はいつ行う?
シロアリ駆除は5年に1度を目安に行いましょう。ただし、すでに被害に遭っている方は早急に対処が必要です。
おわりに
シロアリ駆除は作業の過酷さや被害状況によって多くの費用が請求されるケースがあります。ただし、シロアリ被害を放っておくとさらに高額な施工や工事が必要になる場合もあるため、早めの対処が必要です。シロアリ駆除に関して専門会社への依頼を検討している方はぜひこのコラムを参考にしてください。