出産費用は保険が適用されず全額自己負担のため、いつ払うのかが気になるところです。出産費用には出産育児一時金が支給され、直接病院に支払われる制度もあります。利用できれば、費用を準備する手間も軽減されるでしょう。本コラムでは出産費用をいつ払うのか説明し、支払う方法などもご紹介します。
出産費用はいつ払う?
妊娠・出産では多くの費用が必要になり、資金の準備が必要です。高額な費用を用意するには時間がかかることもあり、いつの時点で準備すれば良いのか迷うこともあるでしょう。支払い時期は病院によっても異なるため、利用する施設に事前の確認が必要です。
出産費用はいつ払うことになるのかについて、確認していきましょう。
支払い時期は病院によって異なる
出産費用は退院時に支払う病院が一般的です。ただし、病院によっては退院前のタイミングで請求される場合もあります。いつ請求されても良いように、お金を準備しておかなければなりません。また、出産は正常分娩とは限らず、異常分娩で入院が長引く可能性もあります。あらゆる事情を想定して不足に陥らないよう資金を用意する必要があります。
出産費用は全額自己負担
出産費用は健康保険が適用されず、全額自己負担です。平成28年度の調査では、出産費用の全国平均は約50万円というデータがあります。あくまでも平均であり、入院する施設によってはさらに高額になる可能性もあるでしょう。また、出産費用の金額は地域差もあります。全額を負担しなければならない出産費用について、もう少し詳しく見てみましょう。
出産費用の平均は50万円程度
出産費用の全国平均は、正常分娩の場合で50万円程度という数字が出ています。入院日数の平均は6日で、おおまかな金額の内訳は以下のとおりです。
項目 | 金額 | 中央値 |
入院日数 | 6日 | 6日 |
入院料 | 112,726円 | 102,000円 |
室料差額 | 16,580円 | 0円 |
分娩料 | 254,180円 | 250,000円 |
新生児管理保育料 | 50,621円 | 51,500円 |
検査・薬剤料 | 13,124円 | 10,000円 |
処置・手当料 | 14,563円 | 5,560円 |
産科医療補償制度 | 15,881円 | 16,000円 |
その他 | 28,085円 | 18,440円 |
入院費は食事代を含む6日間の費用で、室料差額は入院する部屋を指定した場合の差額です。検査・薬剤料は出産後の母体に異常があった場合の検査や投薬にかかる費用です。産科医療補償制度は聞きなれないかもしれませんが、出産時に重度の脳性麻痺などの後遺症を患った赤ちゃんと家族の経済的負担を速やかに補償するための制度です。
50万円という金額はあくまで目安で、さらに高額になる可能性はあります。正常分娩ではなく帝王切開や早産の場合など、異常分娩の場合は保険が適用されますが、入院が長期化することで費用が高額になる場合があるでしょう。
また、産婦人科がある総合病院と産科専門の診療所、.助産所では費用が異なります。出産のタイミングも金額を左右する要素です。休日や深夜帯など出産のタイミングによっては割増料金になるところもあり、予想外に出産費用がかかる場合があることを把握しておかなければなりません。
参考:公益社団法人 国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について」
出産費用を補助する出産育児一時金
出産費用は高額になりますが、補助金により負担を軽くすることができます。その代表的なものが出産育児一時金で、1児につき42万円が支給される制度です。また、会社に勤めている方は、出産手当金を受け取ることもできます。産前産後休暇の時期に給与の支払いがない場合、出産予定日前42日と産後56日分を所定の金額が手当される制度です。
出産育児一時金をあとから受け取る場合は、いったん退院時に精算する必要がありますが、出産育児一時金を健康保険組合から病院に直接支払ってもらう制度もあります。詳しく見てみましょう。
病院には立替払いが必要
出産育児一時金は、健康保険に加入している被保険者、または健康保険に加入している夫の被扶養者が申請できる一時金です。受給するためには申請書の提出が必要で、出産翌日から2年以内であれば申請できます。
ただし、この方法で申請する場合には、退院時等に自身で病院側と精算を行う。つまり、費用を立て替えなければなりません。このような手間を省くために、出産育児一時金に相当する金額を病院に直接支払う制度が設けられています。
立替払いをしなくて済む方法
出産一時金は本来、出産後に申請して受給する方法でした。しかし、現在では費用を立て替える面倒を省くため、直接支払制度や受取代理制度という制度が設けられています。どちらも、事前に立替払いをしなくて済み、差額が生じた場合のみ差額分を精算する方法であるため、事前に費用を準備する負担がなくなるのがメリットです。
直接制度と受取代理制度とはどのような制度なのか、ご紹介します。
・直接支払制度
直接支払制度とは、出産育児一時金の金額を上限に、本人に代わって病院が健康保険に出産費用の支払いを請求する制度です。利用できるのは、制度を導入している医療機関に限られます。直接支払いを受けるには、退院までに「合意書」を医療機関に提出しなければなりません。健康保険組合から出産育児一時金が直接、病院に対して支払われ、差額が発生した場合のみ、精算が必要です。
・受取代理制度
小規模な診療所や助産所などでは、事務的負担などで直接支払制度を導入できないところもあります。そのような施設では、本人に代わって出産育児一時金を受け取る「受取代理制度」の利用ができます。出産予定日の2ヵ月前に健康保険への申請を行うことで、医療機関に出産育児一時金が支払われる制度です。申請を忘れると制度を利用できないため、入院する医療機関ではどちらの制度を利用できるのか、早めに確認しておくと良いでしょう。
差額を支払う場合もある
直接支払制度では、出産費用が一時金の金額を上回る場合、窓口で差額の支払いが必要です。例えば出産費用が60万円だった場合、出産育児一時金の42万円を超える18万円を窓口で清算しなければなりません。
反対に、出産費用が一時金を下回った場合、差額分を健康保険組合に請求する必要があります。申請書の所定欄に医師・助産師の証明をもらい、医療機関から交付される領収書のコピーを添付して提出します。申請を忘れると差額を受け取れないため、注意しましょう。
受取代理制度の場合も、出産費用が一時金の額を超えた場合は窓口で支払います。出産費用のほうが低い場合は、直接支払制度とは異なり申請する必要はありません。差額分が指定の口座に振り込まれます。
出産費用にクレジットカードは使える?
出産費用の精算に際して、クレジットカードが利用できれば面倒がありません。多額の資金を持ち歩くのを避けたい場合もあるでしょう。近年は多くの医療機関でもクレジットカードの利用ができるようになっています。
ここでは、出産費用にクレジットカードが使えるのかをご紹介します。
病院によってはクレジットカードが利用できる
病院でクレジットカードを利用できるかは、施設によって異なります。医療費の支払いをクレジットカードで行いたいという要望は強く、総務省は医療機関に対してクレジットカードの取り扱いを呼びかけています。
最近は利用できる病院も増えており、クレジットカードが利用できれば出産育児一時金の差額が高額になった場合でも慌てることがありません。入院を予定する病院に、クレジットカードの取り扱いがあるか事前に確かめておくと良いでしょう。
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クレジットカードの利用ができない場合の対処法
クレジットカードの利用ができない場合、現金を用意しなければなりません。出産育児一時金で賄えれば問題ありませんが、出産費用がどのくらいになるかは予測が難しいものです。入院の長期化などで費用がかさむ可能性もあるでしょう。
高額な費用をすぐに準備できないという方は、かんたん安心フリーローンの利用を検討してみてはいかがでしょうか。一時的な費用が必要なときに便利なローンで、10万円〜300万円までの利用が可能です。毎月の返済額や返済期間について柔軟に対応しているため、負担のない返済をしたい方におすすめです。
出産費用はいつ払うのか事前に確認しよう
出産費用は平均で約50万円ほどかかり、健康保険の適用がないため事前の準備が必要です。いつ払うのか、利用する医療機関に確認しておくのが良いでしょう。
出産育児一時金の直接支払制度を利用すれば立て替える手間が省けますが、出産費用が超過して差額を支払わなければならなくなる可能性もあります。クレジットカードの利用ができる医療機関であれば心配ありませんが、利用できない場合は、かんたん安心フリーローンの申し込みもぜひ検討してみてください。