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不動産投資の購入時にかかる諸経費や税金等の費用について解説

セゾンのくらし大研究 編集部

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不動産投資を目的として不動産を購入するうえで、諸経費や税金の費用を事前に把握しておくことは重要です。これから挙げる費用は住宅ローンに組み込むことが出来ないため、現金で支払うことが多いからです。このコラムでは不動産購入における諸経費や税金などの費用について解説していきます。

1.正確な費用を把握するためのコツ

このコラムでは購入時にかかる費用を主に解説していきますが、はじめに、諸費用には購入時にかかる費用と不動産保有期間中は継続してかかる費用があることを理解しておきましょう。多くの方が金融機関から融資を受けて不動産を購入するので、不動産購入代金とは別の費用として、どの程度の金額がかかり、その費用をどうやって捻出するのかまで一括りで検討しておくことは、不動産購入の流れをスムーズにさせるでしょう。

不動産購入にかかる費用はいろいろありますが、次項にあげる費用ごとに試算し、合算して全体的な金額を把握するのが良いでしょう。不動産投資関連の書籍やインターネット記事などで、費用率(経費率)といったものが紹介されることがありますが、これはざっくりとした費用感のイメージを掴むものなので注意が必要です。

投資対象となりうる物件を選別する初期の段階で、そういったざっくりとした数字を用いるのも良いとは思いますが、最終的な投資判断をする際には、必ず各費用の金額を合算する形で総費用金額を計算することをおすすめします。

2.不動産購入時に必要な費用と解説

物件を購入する際に購入代金や消費税以外に必要となる費用として以下のものがあります。

①仲介手数料

不動産売買契約について仲介してくれる不動産会社に支払う費用です。これはいわば成功報酬なので契約した場合に支払うものになります。伸介手数料の支払いが必要となるのは、あくまで不動産会社が取引の仲介をしてくれた場合のみです。不動産会社が売主であり、他の不動産会社が仲介しない場合で直接、売買契約を締結する場合には不要です。

仲介手数料はそれぞれの不動産会社が決めており、一律の金額ではありません。ただし、不動産会社が不動産の売買を仲介した時に受領できる報酬(仲介手数料)は、取り扱う物件価格の3%+6万円(税別)が上限と、国土交通大臣の告示により定められています。仲介手数料には消費税がかかることも覚えておきましょう。

これらの仲介手数料を支払うタイミングは、不動産売買契約締結時に仲介手数料の半額を、物件の引き渡し時に残りの半額を支払うのが一般的ですが、不動産会社によって異なる場合もあります。事前に不動産会社に確認しておくと安心でしょう。

なお、不動産購入の際の仲介手数料は、不動産を購入した時点では必要経費にならず、購入手数料に該当し、資産の取得価額に計上することになります。建物に係る仲介手数料は、建物金額に計上されることになり、減価償却の対象になります。(土地に係る仲介手数料は、土地金額に計上されることになり、減価償却の対象にはなりません。)

②登記費用

売買契約によって不動産の所有権を取得する、金融機関から融資を受けて不動産に抵当権を設定する場合には、その事実を公示するために登記しなければなりません。その登記を行うために必要な費用が登記費用です。

通常は、不動産会社・金融機関指定の司法書士が行います。登記費用の内訳は主に登録免許税、手続きの準備に必要な郵送費・交通費などの実費、司法書士への手数料などが含まれます。登記費用は、司法書士によって費用が異なります。

登録免許税の費用は不動産の評価額(課税標準額)に一定の比率をかけて計算されます。この評価額は、毎年各市区町村から通知される固定資産課税明細書に記載されています。固定資産課税台帳の価格とは、固定資産課税明細書において、一般的に「価格」又は「評価額」と表記されている価格であり、「固定資産税課税標準額」ではありません。なお,固定資産課税明細書の紛失等により固定資産課税台帳の価格を確認することができない場合、各市区町村で発行する証明書により確認することができます。

なお、中古住宅の場合は、土地、建物ともに、売主から買主に所有権が移るため、それぞれについて所有権移転登記を行います。 新築住宅の場合、土地については売主から買主への所有権移転登記になりますが、新築の建物は初めて登記簿に記載されるので所有権保存登記を行います。

例)3,500万円で100㎡の新築住宅を購入(土地:2,000万円、家[新築]:1,500万円)※ 購入金額の70%を固定資産税評価額として設定

住宅ローンは3,500万円のフルローンの場合、2021年9月時点の軽減税率で試算すると、登記費用71,750円になります。実際にはこの金額に実費と司法書士への手数料が上乗せされます。

・所有権移転登記(土地)=1,400万円×0.15%=21,000円

・所有権保存登記(新築建物)=1,050万円×0.15%=15,750円

・抵当権設定登記(住宅ローン)=3,500万円×0.10%=35,000円

合計: 71,750円 (21,000円+15,750円+35,000円)

③印紙税

不動産売買契約書を作成する際には、その記載金額(売買代金)に応じた印紙税を納付しなければなりません。印紙は法務局や郵便局で購入することができます。貼り付けた印紙には消印をしなければなりません。

なお、その納付すべき印紙税を課税文書の作成の時までに納付しなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額(すなわち印紙税額の3倍)に相当する過怠税を徴収されることになります。

租税特別措置法により、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成された不動産の譲渡に関する契約書について、印紙税の軽減措置が講じられ税率が引き下げられています。その概要等は次のとおりです。

国税庁:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

④不動産取得税

不動産の取得に関して、不動産の所在する都道府県によって課される税金です。不動産取得後、半年から1年ほどで納税通知書が郵送されるので、通知に沿って納税します。不動産取得税の金額は次の式によって計算することができます。本則税率は4%ですが、こちらも税率の特例があり、令和6年3月31日まで住宅及び土地は軽減税率で3%となっています。

・不動産の価額(固定資産税評価額) ×税率

⑤融資関連諸費用(保証料・融資事務手数料)

金融機関からの融資を受ける際に必要な手数料として保証料、融資事務手数料が挙げられます。保証料は、金融機関が融資条件として連帯保証人の代わりに保証会社をたてる場合に発生する費用です。

かつては、住宅ローンを組んだものの、払えなくなってしまった時は連帯保証人が代わりに支払う仕組みでした。しかし、身内がいない方や、ただでさえ高額な住宅ローンの連帯保証人を探すのは難しいことから、現代では連帯保証人の代わりに保証会社をたて、その費用として保証料を支払う仕組みになっています。

融資事務手数料については、文字どおり、金融機関での融資事務にかかる手数料です。保証料も、事務手数料も金融機関が決める費用のため、金融機関の比較材料のひとつになるでしょう。

⑥火災保険料・地震保険料

購入する不動産について発生しうるリスクに備えるために加入するもので、火災保険、地震保険などが挙げられます。保険料は、一括払いと年払いなど保険会社によっては選択できる場合があります。

⑦固定資産税・都市計画税の日割り精算金

売買契約によって所有権が移転する年度分の固定資産税と都市計画税について、売主と買主が公平に負担するために支払うものです。その年の途中で所有権が移転しますが、毎年1月1日時点で市町村の「固定資産税課税台帳」に登録されている方に支払い義務があるため、按分するのが慣例となっています。

⑧管理費·修繕積立金の日割り精算金

区分所有マンションを購入する場合に必要となる費用です。売買契約によって所有権が移転する月度分の管理費と修繕積立金を売主と買主が公平に負担するために支払うものです。

おわりに

今回は、不動産を購入する際に必要となる諸経費や税金について解説いたしました。実際の費用については今回の記事をご参考にしていただきご自身でまずは確認してみるのはいかがでしょうか。

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